2023年12月の読書メーター 読んだ本の数:25冊 読んだページ数:3223ページ ナイス数:653ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1124113/summary/monthly/2023/12
。例、香川県庁舎の陶画p9.慶応大学学生ホールの壁画p10.上野駅壁画p13.山梨県立県民文化ホール緞帳p29.三越ショッパーp45.映画「生きる」ポスターp56.小説新潮表紙絵p66.増井山の化粧廻し「虎を倒す象」p76,91.
ピロティのコンクリートの柱には木目があるが、これは杉板の型枠にコンクリートを流し込んで作られたためで、あたかも木造建築であるかのように見えるp17.階段の両側に黄色と赤色の丸い装飾は換気口p23.低層棟の屋上庭園は2003年に屋上緑化が施され一般に公開(現際は非公開)p26。香川県庁は丹下の「美しきもののみ機能的である」と語ったこだわりを感じさせるp27.高層棟屋上はガイドツアー限定の体験(現在は非公開)p28.デザイン知事・金子正則は大阪万博の際、初めて「讃岐うどん」の名でブランド化し世に出したp32.
丹下と金子を引き合わせたのは画家・猪熊弦一郎(いのくま げんいちろう)p36で、猪熊は1階の陶板壁画「和敬清寂」を制作p20.p44-45には、香川県のその他の建築を紹介しているが、県立博物館(丹下の設計、2014年に閉館され2023年に解体が決定された)、ジョージ・ナカシマ記念館、ベネッセアートサイト直島など。
道真の兄の死の真相も描かれるが、それが第二巻に登場する狂犬病の話と関連付けられているが、道真の兄が狂犬病に罹って死亡したのかは判然としない。狂犬らしい犬に噛まれる場面はあるのだが、嚙まれてから一か月後に死亡しているので、狂犬病だとすると発症は早いといえる。第三巻も、歴史上の人物と時代を使って自由に描かれたフィクションである。
本作の題材と思われる話は、「今昔物語」巻20第7話に明子が登場する話があるが、原作はより異様である。ここに登場する僧は金剛山の聖人(真済という名はでてこない)で、これが自ら餓死して鬼になり、染殿と鬼は天皇らが見ている前で行為に及ぶという奇怪な話。真済が、明子に恋慕執着して、死後「紺青の色したる鬼」という怨霊になって后にとり憑き、これを相応和尚が調伏する話は『宝物集』などの他書にある。
ての恐水症(水の嚥下ができないことが一因)に一致する。しかし、狂犬病で鏡を怖がるということは特になく、これは吸血鬼伝説との混同と思われる。狂犬病のスリリングな話や、道真の活躍が楽しい第二巻。
ここで「のった」くんの家族が登場。のっぽ(父)、のっこ(母)、のん(妹)。納豆たちの皆が仲良しになろうというメッセージが、キリンの男の子に伝わるか、が焦点になる。本書を読めば、納豆嫌いが克服できるかも、と思える楽しい内容である。
魅乃乎さん コメントありがとうございます。同感です。映画を見てから、このエッセーを読むと、映画のイメージも、エッセーのイメージも強くなります。このエッセーは、青空文庫で無料で10分ほど読むことができるので、おススメです。
なお、佐藤は太宰の死後、太宰の「津軽」を読んで、「他のすべての作品は全部抹殺してもこの一作さえあれば彼は普及の作家の一人だと云える。生前これを読んで直接彼に讚辞を呈する事のできなかつたのが千秋の恨事である」としている。佐藤は、太宰が自分の本音を表面に出せない人間だという事をよく理解しており、佐藤のエッセー「井伏鱒二は悪人なるの説」は、太宰が井伏を非難したとされている文章に込められた太宰の真意が見えてくる名文である。
「佳日」は、上記のことを頭に入れて読むと、本作に登場する主人公と、その友人大隅は、二人とも心根は非常に良い人物であるのに態度ではそれと反対のことをしてしまう太宰自身であり、それを理解する「瀬川先生」は佐藤春夫のようである。大隅の態度を非難する主人公にたいして、瀬川は「どうも、あれは昔から、感覚がいいくせに、表現のますい男だった。いたわってやれよ。君ひとりをたのみにしているんだ。」と諭している。
本作で、豊島は山崎を「さっちゃん」と呼んでおり、「さっちゃんは最も完全な侍女であり看護婦であった。――家庭のことは、美知子夫人がりっぱに守ってくれる。太宰はただ仕事をすればよかったのだ。そういう風で、太宰とさっちゃんとの間に、愛欲的なものの影を吾々は少しも感じなかった。二人の間になにか清潔なものさえ吾々は感じた。」としている。
たとえば曼荼羅寺の住職は「遍路による弘法大師のご利益は、現世の利益です。死後、来世で救われるのではなく、生きているうちに救われる。未来成仏ではなく、即身成仏が大師信仰の核心ですp26」と説明。近隣の名所も短く紹介しており、たとえば香川県豊中町の宇賀神社は、どぶろく造りで知られるが、現在どぶろくが醸造できるのは、許可された全国でも40カ所であり、四国では宇賀神社が唯一と写真入りで掲載p32。
画家の川端龍子(りゅうし)による三つの寺の絵・俳句・探訪記は2ページに掲載。 巻頭インタビュー「苦しみの代償」は、作家の石牟礼(いしむれ)道子のもので4ページ。内容は、お遍路には全く関係のないインタビューで、水俣病について。78歳の時のものだが、石牟礼は2018年に90歳で亡くなっている。
「恩を返す話」では、自分が嫌いな相手から、大恩を受けた主人公が、恩を受けたままだと頭が上がらないので、そのチャンスを長年うかがう話(つまり、その間、相手に不幸があって、恩返しのチャンスが来るのを待っている)。結局、恩返しはできないで終わる。ここで主人公は「恩」と「借り」をはきちがえている。「恩」を授けたほうが、返してもらうことなど期待はしていないときに、「恩」という。
一方、「大島が出来る話」の主人公譲吉は菊池寛がモデルであり、小説中の「近藤夫人」は菊池寛が世話になった成瀬峰子。譲吉は近藤夫人に対して強い感謝の心を懐いており、恩返しは少しも念頭にない(恩返しの機会を待つことは、恩人に何らかの事変が起こるのを待つことになるため)。こちらでは、夫人の死で恩返しはできなかっただけでなく、死後も夫人から譲吉に贈り物が届くことで、恩返しは生きている間だけ本人に返すというたぐいのものではない、ということがわかる作品。二つの作品をじっくりと読み較べてみたいところである。
菊池寛には、本作とはちょうど反対のメンタリティを持った主人公の作品である「恩を返す話がある。本作と合わせて読むと、菊池寛の意味するテーマがはっきりするので比較するのがおススメ。
「恩を返す話」では、自分が嫌いな相手から、大恩を受けた主人公が、恩を受けたままだと頭が上がらないので、そのチャンスを長年うかがう話(つまり、その間、相手に不幸があって、恩返しのチャンスが来るのを待っている)。結局、恩返しはできないで終わる。ここで主人公は「恩」と「借り」をはきちがえている。「恩」を授けたほうが、返してもらうことなど期待はしていないときに、「恩」という。
菊池寛の描く極楽は「暑さも寒さも感じなかった。色食(しきじき)の欲もなかった。百八の煩悩は、夢のように、心の中から消えて居た。極楽の空がほがらかに澄んで居るように、心の中も朗らかに澄んで居た。」というものである。すなわち、本作では、死ぬまでに、自分が清浄で高い精神性のあるライフスタイルをベストと思えるようになり、人生の煩悩・執着を捨てたようになっていなければ、極楽(=天国)は居心地のよいものではないという事を示している。
仮に、そうした欲や煩悩を持っていたとしても、極楽に入る前に、それらは自分の中から無くなってしまうので、欲・煩悩の塊であったような人には極楽に行った場合、何も残らなくなり、その人ですらなくなってしまうということである。キリスト教では、現世は、天国に行くための準備の場であるとする考え方があるが、本作は、ユーモアの中にも、人生の深い意味を考えさせる佳作といえる。
菊池寛の描く極楽は「暑さも寒さも感じなかった。色食(しきじき)の欲もなかった。百八の煩悩は、夢のように、心の中から消えて居た。極楽の空がほがらかに澄んで居るように、心の中も朗らかに澄んで居た。」というものである。すなわち、本作では、死ぬまでに、自分が清浄で高い精神性のあるライフスタイルをベストと思えるようになり、人生の煩悩・執着を捨てたようになっていなければ、極楽(=天国)は居心地のよいものではないという事を示している。
仮に、そうした欲や煩悩を持っていたとしても、極楽に入る前に、それらは自分の中から無くなってしまうので、欲・煩悩の塊であったような人には極楽に行った場合、何も残らなくなり、その人ですらなくなってしまうということである。キリスト教では、現世は、天国に行くための準備の場であるとする考え方があるが、本作は、ユーモアの中にも、人生の深い意味を考えさせる佳作といえる。
なお、本作は2002年にテレビドラマ化され大ヒットしたが、瑠璃子役の横山めぐみと、荘田勝平役の 大和田伸也は適役であり、ドラマ視聴後、20年を経た2023年に本作を読んだ私にとっても、横山と大和田をイメージしてしまうほどであった。 瑠璃子のモデルは、歌人の柳原白蓮とされるが、なるほど本作を読むと彼女の半生で荘田勝平や、その息子である荘田種彦を思わせる人物と関わっており興味深い。また、本作の章「ユージット」は、日本では旧約聖書続編にふくまれる『ユディト記』と関連する。
荒野の狼さん こんばんは🌃 川端康成や柳原白蓮など迄、何時もながら広範囲に通じて居る、荒野の狼さんならではの、レビューには学びを頂きます!💫 読みたい本を積むばかり📚️📚️📚️ですが、、、 📝させて頂きますね!🍀 能登半島の地震や航空機事故など、胸を塞ぎ心痛める、年明けに成って仕舞いました。 不安と不眠が続く、被災された方々の、体調不良を案じて居ます。 早く余震が、収まるのを願うばかりです。 お寒いですので、荒野の狼さんも、ご自愛下さいね!✨ 宵待草
「三十男Q・Dの告白」は、ミステリーのような仕上がりで、東北地方の田舎町で起こった窃盗事件の真相が、容疑者の警察に語った陳述によって明らかにされていく。12年前の出来事にさかのぼって、徐々に真相が明らかにされていくのだが、「真面目な人物だと言われている文筆家」の容疑者の猟奇的な側面が最後のページに垣間見え、江戸川乱歩の作品のような読後感を残す名作。
「小さな家」は、田舎町で曲馬団の少女が脱走することから起こる謎解きの要素を持つ作品。疾走してから姿を見せない少女をめぐって話は展開していくが、ラストは、作品に張られた伏線が完結せず、話はまとまりがなく終わってしまう。大原祐治の解説によれば、「小さな家」は、つまらない出来事を記事にするメディアへの冷ややかな批評を込めた作品という評価であるが、そうした意図は本作を読む限りは明瞭ではない。緻密な「三十男Q・Dの告白」と比較すると、ミステリーとしては失敗作である。
荒野の狼さん 明けましておめでとうございます!🐉 今年もどうぞ、宜しくお願い致します!🎍 レビューの菩薩三尊の登場など、興味深く拝読しました。 読んでみたいと思い📝させて頂きますね!✨ 能登半島の地震や、飛行機事故など、胸が塞がる心痛む新年となりました。 此れ以上の甚大な被害が、無い様に祈るばかりです!🍀 お寒いですので、ご自愛下さいね!💫 宵待草
Amazonのレビューは2009年くらいから投稿しております。本の長めの感想は、アマゾンの「荒野の狼」の上記URLをご参照ください。本職は医学部で微生物学・免疫学・神経難病などの教育・研究をしております。現在は大阪在住ですが、アメリカで21年間医学教育・研究をしておりました。職場のURLは以下です。
https://www.med.kindai.ac.jp/microbio/
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なお、本作は2002年にテレビドラマ化され大ヒットしたが、瑠璃子役の横山めぐみと、荘田勝平役の 大和田伸也は適役であり、ドラマ視聴後、20年を経た2023年に本作を読んだ私にとっても、横山と大和田をイメージしてしまうほどであった。 瑠璃子のモデルは、歌人の柳原白蓮とされるが、なるほど本作を読むと彼女の半生で荘田勝平や、その息子である荘田種彦を思わせる人物と関わっており興味深い。また、本作の章「ユージット」は、日本では旧約聖書続編にふくまれる『ユディト記』と関連する。
荒野の狼さん こんばんは🌃 川端康成や柳原白蓮など迄、何時もながら広範囲に通じて居る、荒野の狼さんならではの、レビューには学びを頂きます!💫 読みたい本を積むばかり📚️📚️📚️ですが、、、 📝させて頂きますね!🍀 能登半島の地震や航空機事故など、胸を塞ぎ心痛める、年明けに成って仕舞いました。 不安と不眠が続く、被災された方々の、体調不良を案じて居ます。 早く余震が、収まるのを願うばかりです。 お寒いですので、荒野の狼さんも、ご自愛下さいね!✨ 宵待草