
⇒そんな今だからこそ、脅かされている「領土」と「国境」への理解を深める意識改革の必要性を感じる。かつて、鰹節加工で栄えた尖閣諸島は、今では上陸もできない無人島となっているが、毎日のように中国船舶の領海侵入が起こっているのは周知の事実。今では報道もされていないし、このまま上陸されて中国国旗を掲げられてからではすでに遅しだ。ロシアのウクライナ侵入を目の当たりに観ているからそこ、領土問題を正確に知り、後世に残さないように解決すべく努力が必要だと痛感した。本書は、そんな当たり前のことを教えてくれたと思う。
⇒名誉欲に駆られ、虚構の世界に棲んだ三角の生きざまは、同情の余地がないほど哀れである。「神の手」と呼ばれた旧石器捏造のFにしかり、人間のもつ欲はあまりにも深い。
三五館シンシャはたった一人で社運をかけてあのシリーズをやっているので、気迫が違います。ワニブックス、このタイトルはあまりにもあからさま…。出版社としてのモラルを疑います。
⇒自然との闘いの中での発掘は上質な冒険譚を読むように酔いしれた。研究者になるという少年の頃の夢を実現し、発掘現場で汗まみれになりながら地道な研究の積み重ねをいとわない、志貫徹する姿に輝きをみることができた。化石採集や発掘調査の未経験者でも心の躍動を覚えることができる一冊と思う。
⇒そこには好きな女に振り回される頼りなく、情けない男の滑稽さが見て取れる。八木のキャラをあえてこうしたのは計算づくだろうか。そうでなければ、思いっきりズレている。「山村美紗さんに本書を捧げる」と記し、口絵に二人で旅した沖縄での32才の美紗の写真を載せ、それに合わせた文中での不倫描写。この、意味ありげな演出をする神経も、下衆の私にはお笑いにしかならない。まだ書き足らなかったのか。『華の棺』で彼女への未練は昇華したのだろうか。
⇒100メートル先の工事終了区間まで誘導して一緒に歩いてくれた。まさに地獄に仏だった。知らない世界の仕事の厳しさを、ありのままにその日常を記した著者の筆力にも感嘆したが、どこか険がある奥さんの言葉にもひるまず、聞き流してしまう熟年夫婦の危うい関係にもハラハラしてしまった。
⇒山村美紗の『小説長谷川一夫』。歿後10年経ち、小説の名を借りてここまで晒したのは何故だろうか。それは同志としての使命感なのだろうか。矢本の名を借りて屈折した心中を吐露するのは、未練がましい愛情表現とも感じる。何より、美紗の夫である巍氏の存在を離婚の一言で消してしまったことが、鼻持ちならない。古代史論争の部分も冗長だし、男を手玉に取る夏子の態度とその裏側にある心情が今一つ伝わらず、死をもって強引に幕引きさせたような後味の悪さを感じる作品だった。
⇒読んだことがない。著者が文壇のタブーに挑戦し、ノンフィクションとして本書を上梓したことは評価に値する。生前の西村京太郎に取材できれば、より内容に深みが増したと思うが、全員が物故した今、真実はすべて闇の中である。
祖父母の介護で身体を壊していく親世代をみてきました。真面目に心配をしてます。身体だけでなく、今の世の中金銭的な心配も漠然とある…明らかに国家の施策は間違っていたのでしょうね(--;)子どもを産むことは親のエゴみたいな、不思議な思想の本に昨年出会って戸惑いましたが、ご紹介の本のようなお話になるとだんだんとそちらに目をそらさずにはいられなくなります。。失礼しました。ただのぼやきですm(__)m💦
にわとこさん、コメントありがとうございます。まったく同感です。私も認知症が始まった老父と義母の介護を目前にしています。本書には「親は子供から与えられた喜びを思い出すべし」ともあり、子供にしかり、誰にも迷惑をかけず、人生を終えたらいうことはありません。
旅に生き、好きな本を、好きなときに、好きなだけ読む暮らしをさせてもらっています。
飛ばし読み、流し読み、斜め読みは性に合わないので、本は一字一句最後まで読み切るタイプです。
なので、駄本に気づいて後悔することしきり。
近年はノンフィクションが多くなっています。
博覧強記を目指しているわけではありませんが、未知のジャンルの作品に出会うことが無上の喜びです。
読書以外の趣味は登山、歩き旅、四国遍路、昭和レトロを探す町歩き、B級グルメ食べ歩きです(歩くことが好きなんですよ)。
消え去りゆくホーロー看板がある風景を訪ねて、全国を旅した記録を発信するサイトを作っています。
◆ホーロー看板探検隊が行く
https://horotankentai.sakura.ne.jp/
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