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2024年10月の読書メーターまとめ

つちのこ
読んだ本
9
読んだページ
2393ページ
感想・レビュー
9
ナイス
514ナイス

2024年10月に読んだ本
9

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

つちのこ
視覚的かつ細部まで意識した正確な描写、キレ、そしてあくまで自然体の、流れるような筆致。羨むばかりの才気が溢れた文章に何度も唸る。64才で没した厳格な父を、娘として幼いころから見続けた心情の変化が面白い。気短くもわがまま、家長として絶対的な威厳を振りかざす印象のなかに、娘をいたわる父親としての優しさが見え隠れするところをさりげなく描く。後年、飛行機事故で不帰の客となることを予感したのか、旅先でのペルーの飛行機事故や友人知人の死といった、死にまつわる文章が多いのも気になった。才あるものの薄命を想った。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

つちのこ

テントを背負って熊野古道中辺路を歩いてきました。普段なら紙一枚の重さまで気にして軽量化を図るのに、今回は650頁の分厚い文庫本をお供に。寝袋にくるまってヘッドランプの灯りを頼りに、深々と更けていく夜を忘れて、ガルシア=マルケス『百年の孤独』を読み切ることができたことが嬉しかったです。

テントを背負って熊野古道中辺路を歩いてきました。普段なら紙一枚の重さまで気にして軽量化を図るのに、今回は650頁の分厚い文庫本をお供に。寝袋にくるまってヘッドランプの灯りを頼りに、深々と更けていく夜を忘れて、ガルシア=マルケス『百年の孤独』を読み切ることができたことが嬉しかったです。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
9

つちのこ
「高級」がもつ言葉の意味合いや捉え方、印象は人それぞれ違うが、目に見える豪華さではなく、入居者が心で感じられる優雅さ。なるほど、こう結論づけされると、超高級老人ホームを特徴づける至れり尽くせりのサービスや豪華施設を前面に出したステイタスが霞んでしまう。施設という大きな箱に放り込まれた老人たちは、そこに何を求めるのか。高級だからといっても必ずしも居心地の良い空間であるとは保証できない。ドロドロした人間関係もあるだろう。「高級」の冠が無くとも、自分の居場所を見つけ、平穏な生活を得ることができるならそれでいい。
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つちのこ
下巻も一気に読了。いつものように最後の30頁で一件落着。このパターンはマンネリだけど、衝撃の怒涛の展開に向かう痛快さはシリーズの持ち味といえそう。それにしても1992年の『検屍官』から始まってこれで25作目。我ながら途中脱落もせず、飽きもせず読み続けてこられたとに自画自賛したくなる。どこに魅力があるのか。根強いファンがいる限りシリーズは続けて欲しい。本国アメリカでは2022年に26作目の『Livid』が上梓された。邦訳するなら『激怒』か。翻訳出版が今から待ち遠しい。
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つちのこ
前作で完結かと思ったが、5年ぶりの新作に心が躍った。これほど長く読み続けているシリーズはあまりない。ヴァージニア州検屍局長に復帰したケイ・スカーペッタとベントン、マリーノのいつものメンツに、なぜかドロシーも。1992年に始まったシリーズはITの黎明期から、いつのまにか最先端のAIを背景に描くまでになっている。サイバーやセキュリティ、情報戦略の切り口からも面白い。登場したころのPCオタクの少女ルーシーが、人間離れした最強頭脳の女性に変化していく一方、ケイの人間性や立ち位置がブレていないところも魅力。⇒
つちのこ
2024/10/13 16:03

⇒粗暴のようで繊細な性格のマリーノも、相変わらずいい味出している。ホワイトハウスや宇宙空間まで飛躍してきた後編の展開が楽しみ。

が「ナイス!」と言っています。
つちのこ
菅野久美子著『母を捨てる』(1997年)で紹介されていたので手に取る。ただしこれは2017年に発行された新版で、公募による100名分の手紙をまとめている。内容は想像以上で、毒親たちのとんでもない悪行(悪業?)に胸糞が悪くなる。共通しているのは、親たちは自分を正当化し、加害者だと思っていないところ。子供は親の所有物ではない。虐待の本質がそこにある。そんな親たちに対しても愛情を注いでほしいと願う子供たちが哀れだ。毒親を反面教師として、虐待の連鎖をきっぱりと断ち切る。その決意は並々ならぬ努力しかないのだろうか。
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つちのこ
「親孝行したいときには親はなし」早くに母を亡くした私も同じような経験をしたから、著者の、実母への思いが痛いほど伝わってきた。両親、兄を亡くして、解体を待つ空き家となった実家を見る現実は、さぞ寂しいだろう。前著『兄の終い』でもその辺のいきさつを読んできたので、いくら家族を避けても断ち切れない絆と、著者の家族思いの一面をそこに見ていた。認知症が進行した義母や老いた義父も同様だろうか。赤の他人であっても長い年月が真の家族へと変えていく。家族の話を生き生きと、これだけ描ける著者は心底、家族を愛しているのだろう。
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つちのこ
ホロコーストを生き延びたドイツ系ユダヤ人の少年の手記。10年間の囚われの生活は、ゲットーからアウシュヴィッツ、死の行進を経てブーヘンヴァルトで餓死寸前になって解放されるまで。厩番での労働期間はわずかだが、悲惨を極める収容所生活の中では、仕事にやりがいを見出し精神的に安定していた時期だったことが伺える。本書の肝はタイトルよりも、解放されてからの第二の人生に比重があるといってもいい。ナチスによってケルン市から連れ去られた2011人のユダヤ人のうち、終戦を迎えたのは23人。著者の「寛容」という言葉が重く響いた。
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つちのこ
視覚的かつ細部まで意識した正確な描写、キレ、そしてあくまで自然体の、流れるような筆致。羨むばかりの才気が溢れた文章に何度も唸る。64才で没した厳格な父を、娘として幼いころから見続けた心情の変化が面白い。気短くもわがまま、家長として絶対的な威厳を振りかざす印象のなかに、娘をいたわる父親としての優しさが見え隠れするところをさりげなく描く。後年、飛行機事故で不帰の客となることを予感したのか、旅先でのペルーの飛行機事故や友人知人の死といった、死にまつわる文章が多いのも気になった。才あるものの薄命を想った。
が「ナイス!」と言っています。
つちのこ
私のHNつちのこは、30年来使っているお気に入り。幻のUMAツチノコにあやかって、神出鬼没でつかみどころのない生き方に憧れて付けた。著者の出身地でもありツチノコの村、そして発信基地として有名な岐阜県東白川村は自宅からもそれほど遠くないので何度も訪ねているし、村おこしの観光施設『つちのこ館』も見学している。自らが手掛けた映画撮影の日記が本書の内容となっているが、主役のツチノコよりも、著者の生い立ちや苦労話が前面に出過ぎているのが鼻についた。ロマンと夢を背負ったツチノコ、その正体を暴くなかれ、幻のままがいい。
が「ナイス!」と言っています。
つちのこ
これまで著者の作品を飽きずに読んできたが、これはかなり衝撃的。すべてを吐き出したとも思える赤裸々な叫びは、著者の魂の奥底に巣食う生き方の真髄に触れるような迫り方。孤独死やセフレネグレクトの背景に親問題があるという実態は案外知られていないが、本書を読み進めるとそのつながりが否応なく見えてくる。毒親になった理由は様々だろうが、常軌を逸した子への虐待はあってはならない。まして、夜な夜な般若の面相で包丁を振り回す。さぞ怖かっただろう。子が親の面倒を見るという旧態依然の血縁主義の社会システムは、古来より続く⇒
つちのこ
2024/10/01 17:16

⇒模範的な家族関係を美徳としてきた悪しき習慣といえるのかもしれない。超老齢化社会を迎えている今、社会保障制度の充実による生活保障は期待したいが、子に頼らない老後の準備と選択もまた、親としての務めだろうか。子は親を捨てる。親は子を捨てる…どこかで気持ちがつながっていれば、そんな世の中も悪くはない。ついでに、本書がノンフィクションだと分かっていても、ずっと昔に読んだ下田治美著『愛を乞うひと』とダブってしまうのが辛かった。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/05/03(1666日経過)
記録初日
1986/01/19(14189日経過)
読んだ本
3185冊(1日平均0.22冊)
読んだページ
981936ページ(1日平均69ページ)
感想・レビュー
3016件(投稿率94.7%)
本棚
28棚
性別
現住所
岐阜県
URL/ブログ
https://tsuchinoko2006.blog.fc2.com/
自己紹介

早期リタイアし、念願の晴読曇読雨読パラダイスに突入。
旅に生き、好きな本を、好きなときに、好きなだけ読む暮らしをさせてもらっています。
飛ばし読み、流し読み、斜め読みは性に合わないので、本は一字一句最後まで読み切るタイプです。
なので、駄本に気づいて後悔することしきり。

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