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2024年5月の読書メーターまとめ

春ドーナツ
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29
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感想・レビュー
17
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279ナイス

2024年5月に読んだ本
29

2024年5月のお気に入られ登録
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2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

春ドーナツ
ええと。私の立ち位置は「砂の女」と「箱男」を平成時代に読んだきりのビギナーです。書影の魅力に突き動かされて購入。読了後カバーを戻すときに阿部公房が撮影した写真がデザインされていたことを知る。表題作の物語構造は私にカフカの「城」を想起させる。風呂敷を順繰りに広げていく。地獄めぐり。各エピソードが奇妙で愉悦に満ちており、伏線が回収されなくてもオーケイな気がする。最後の方で文と文の間にブランクがあるのが散見される。とりあえず書き進めて、あとで、みたいな執筆スタイルなのかな。最終行になるとプロットの種としての箇条
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
17

春ドーナツ
ネタバレ小説家はいかにして物語を紡ぎだすのか。に、まつわる話でもあると個人的に感じた。それは作家本人にもわからない。美学の大きな謎でもある。言葉は論理的構造をもっていて、超常的なことを具象的に定義することはできないのだ。パラフレーズや比喩によってItの輪郭のようなものを、なぞることはできるかも知れないが。アランにフラグが立っていて心配したけれど、最後まで頼もしかった。よかったと心から思う。ドッペルゲンガーはある作家のライトモチーフで最新作もそうだった。SKが料理するとすごいですね。ヒチコックのあの映画は鳩か烏か鴎
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春ドーナツ
平成時代(だと思う)、家から少し離れた坂の途中にある本屋の棚で本書の背表紙までは確認した。手にとってパラパラしたのか、裏表紙の梗概に目を通したのか。吸血鬼の話と思いこんでいたので、たぶん背表紙までだ。作家生活50年記念に河出書房新社から刊行された「SK大全」を紐解く前に、準備段階として、上記のような読む機会を喪失した物語群を洗い出し読破したいというオブセッションが芽生えた。「暗黒の塔」シリーズを除いて、こうも短期集中してSKを読んだことはない。そして私は気づいた。立て続けでも面白いから苦にならないことを。
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春ドーナツ
ネタバレ北上次郎さんの評論に触発されて、ものすごく久しぶりにヴェルヌを紐解く。遥か昔、集英社文庫で氏のコレクションが出て、メビウスの装画が魅力的でコツコツ買い揃えた。でもねえ。「気球」と「海底」と「二年間」で挫折。そして散逸。本書の魅力のひとつは挿絵だと思う。それから史上最強の筏小説を読んだとの感が強い。「どんだけー」と思う。さらに忘れてならないのは、超人ハルク、もとい、超人ハンス。いぶし銀というフレーズが自然に浮かぶ好漢。フランケンシュタイン博士の人造人間をちょっと思い出す。明治時代にブームがあって20冊近く翻
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春ドーナツ
書影のインパクトに瞠目。調べてみるとエドワード・ゴーリー! この人の小説を読んだことがある、というのは略歴によると勘違いと判明。なんでゴーリーのことを知っていたかは不明。ヒチコックの映画は観たことない。昨日読み終えた北上次郎さんの評論によると、諸説あるが元祖スパイ小説らしい。20世紀初頭のスパイ観は現在の私たちが抱くイメージとは異なることに注意(だって)。積んでいるうちに「13階段」と思い込む。TC「冷血」ラストの影響。で。牧歌的だ。わらしべ長者みたいなプロット。仕立ては良いけれど、矛盾っぽいものを感じる
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春ドーナツ
890頁という記載にびびってkindle版を読む。種明かしをすると、すっかり忘れていたのだが、1ページにつき注釈ひとつ、というユーザーフレンドリーな配慮によりドカ弁本化している。私は不真面目な読者なので、最後にまとめて注釈に目を通す。で。本書後半からタップ連打とあいなる。哲学史等でストア派に親近感を覚えていて、ついに本丸突入。「自然に従って生きよ」(「哲学史入門」NHK出版)。宇宙の自然(秩序)と私たちの内面にある自然(理性)は同一のものである。情念によって自然のサイクルを損なってはならない。静かな水の音
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春ドーナツ
脚注の文庫本は初めて読んだと思う。脚注で思い出すのは、挫折した集英社版の「ユリシーズ」です。読んでいて痛感したのは、スペイン語圏の文学と南米大陸の近現代史に関する知識がほとんどないこと。アン・ハサウェイというとハリウットスターを私は思い浮かべるのですが、シェイクスピアの奥さんとスペルも含めて同姓同名なのでしょうか。女優は本名なのか。芸名なのか。トム・クルーズは芸名だというのは知っているけれど。本名ならご両親は娘の命名を意図的に、それともたまたま? おこがましいですが、本書の文章の流れは、こんな感じだと私は
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春ドーナツ
ネタバレ第三部は手に汗にぎりました。エピローグの「八か月後」で合掌しました。三作目が一番感情移入の度合いが高かったと思う。前作の「カタン。」で超常的なものを予感させたけれど、このシリーズはリアリズム路線だろ、という思い込みがあったので、嗚呼ルビコン渡るのかと驚いた次第。TCの「ティファニー」のヒロイン同様に本シリーズのホリーも、とても魅力的に描かれています。後続作で登場させたくなったSKの気持ちも今ではよくわかります。21世紀になってから、SKの作品は魔法の磨きがかかって無茶苦茶面白く感じます。この進化に惚れます
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春ドーナツ
書影に違和感を覚える。実際に手に取ってみるとわかる。kindle版だけれど。前2作のリアリズム調な装画と異なり幻想的なのだ。さらに読み進めると、スカーレット・ヨハンソン主演の映画「LUCY」を思い出す。私たちは脳の能力を、その容積と比べると不思議なくらい少ししか使っていない。もしもの話だけれど、100%フル稼働させたら、どうなる? 先に「アウトサイダー」を読了しているので、ホッジスの行く末は知っている。だからホリーの成長に私は目を向けることになる。と思ったけれど、任務の終わりが来ないように祈っているのだ。
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春ドーナツ
ネタバレある部屋の壁の出っ張り(軽く調べてみたけれど、これぞ、という用語見つからず)に置いてある写真立てが落ちる。「カタン」。再読なので結末は知っている。けれど、このエピソードは完全に失念していた。これって「任務の終わり」の伏線じゃないの。こっちに全面的に頭が向く。解説でも仄めかしているから当たりだと思う。というか本シリーズを読み進めている方は全員気がつくだろう。ただねえ。こっからどんな物語が構築されていくのか、私はSKでもないし、勘の鈍い素人なので、さっぱりわからん。こういう場合はどうしたらよいのか。実行に移す
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春ドーナツ
読む機会を喪失した「最後の任務」を今度こそ、読む。私が課した作戦は、1作目と2作目を再読してから、というもの。冒頭に出てくる老作家。あなたは誰かをイメージしたでしょうか? 私はですね、代表作の書名からはジョン・アップダイク。隠遁生活による沈黙からはサリンジャーです。読み進めるうちに「ああ、あったなあ」というフラッシュバックが何度も現在の私に混ざり合う。前回の投稿ですっかり忘れたと書いたけれど、記憶の貯水池にちゃんと残ってたんだと思う。ものすごくいいところで上巻が終わる。たぶん、三つ巴のスリルが待っている。
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春ドーナツ
国書刊行会から出ている「バベルの図書館」シリーズを何冊か読んだことがある。そこにボルヘスの巻も含まれていたことは記憶にあるかどうか曖昧ですが、表題作をのぞく3つはそこからの転載。青い石のエピソードは、村上春樹さんの肝臓(だったかな)とかたちが似た石の話のように、鳥肌が立ちました。表題作はボルヘスの夢がモチーフだそうです。本邦初訳。内容にふれると興を削ぐかも知れないので内緒。ネタバレにならない範囲で言うと、間主観性の問題を小説という形式で考察したものではないかと個人的に思います。他者の主観性を認識する為には
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春ドーナツ
ええと。私の立ち位置は「砂の女」と「箱男」を平成時代に読んだきりのビギナーです。書影の魅力に突き動かされて購入。読了後カバーを戻すときに阿部公房が撮影した写真がデザインされていたことを知る。表題作の物語構造は私にカフカの「城」を想起させる。風呂敷を順繰りに広げていく。地獄めぐり。各エピソードが奇妙で愉悦に満ちており、伏線が回収されなくてもオーケイな気がする。最後の方で文と文の間にブランクがあるのが散見される。とりあえず書き進めて、あとで、みたいな執筆スタイルなのかな。最終行になるとプロットの種としての箇条
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春ドーナツ
17~18世紀の精神史。きっかけはニュートンの物理学的思考方法。哲学がカバーする全分野に応用できるのではないか。人間の理性の勝利。ここでポイントとなるのは、ニュートンは引力の法則を導出したけれど、引力それ自体が何かは問わなかったこと。合理的ですよね。第一原因を知らなくても私たちは進歩できるはずだ。ということは哲学の相対的位置は変わる。そこに待ったをかけたのがカントの一連の批判哲学になります。カッシーラーの文章は癖がなくて読みやすい。けれども内容が個人的にすこぶる高度で、ページはなかなか進まない。そういうも
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春ドーナツ
キング版クトゥルフ神話だと個人的に思う。「SK50倍」のリストに本作が含まれていなかったのは、ビギナー向けではないからと勘繰る。ドロドログチャグチャ系の描写が結構多くて(描写がうまいのでイメージが浮かびやすい)、ホラー耐性みたいなものを、ある程度備えていないとページをめくる手がとまるような気がする。久しぶりに、こってり怪奇小説を読んだという充実感がある。なぜ、今まで読み残していたのか。上下で1300頁くらいあるのだけれど、紐解くのに勇気がいります。作家生活50年というメモリアルなきっかけが私には必要だった
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春ドーナツ
記憶が混濁していて、金庫を狙うハイテク怪盗団の話だよなと当たりをつけていたら、ニアミスありの180度違う物語が幕を開けた。たまたま表紙見返しの著者紹介に目がいき、なんか違和感を覚え、「子供のころからの無類のSFフリークぶりが、本書からもうかがえる」という、ものすごくささやかなネタバレ文を見つけて混濁に気づいた。これは怖い話だなと読み進める。最後の章で、もしかしてここから悪ノリ全開になるの?と思う(個人的に久しぶりの)。異質な状況を改善していくのか、キャッスルロックの最後みたいな展開なのか。まったくわからん
が「ナイス!」と言っています。
春ドーナツ
再読だから結末は知っている。知っているけれども、ジェットコースターが頂点から降下し始めたら、そういうことが関係なくなることを知った。私が求めていたのは安堵。とりあえず私の知っている場面までたどりつきたい。SKの筆の冴えに舌を巻く。じらしもうまいから、スリリングに拍車がかかって緊張しまくりとなる。次作の記憶はほとんど残っていない。やっぱり三部作劈頭の本作がずば抜けてインパクトがあったからだと思う。楽屋ネタが何か所かに仕込まれていて、うれしいファンサービスですね。解説によると本作はドラマ化されているそうだ。
が「ナイス!」と言っています。
春ドーナツ
三部作の末尾を飾る「任務の終わり」は未読なまま平穏な日々が続いた。「アウトサイダー」を読むまでは。本シリーズのメインキャラクターが、いわゆるカメオ出演ではなく、物語を牽引する重要な役割を果たすのだ。さらに極秘情報として近年翻訳予定のものにも登場するらしい。一言でいえば、もったいない感。じゃあ、「終わり」を読めば済むという話でもない。やっぱり彼女の成長を知るためには最初から紐解かなければならない。もう内容は忘れているし。ミステリー小説の再読も楽しいですね。結末がわかっていても、サスペンスに緊張する。ドキドキ
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/07/13(4733日経過)
記録初日
2011/07/13(4733日経過)
読んだ本
2956冊(1日平均0.62冊)
読んだページ
962185ページ(1日平均203ページ)
感想・レビュー
1565件(投稿率52.9%)
本棚
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