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2025年11月の読書メーターまとめ

紺
読んだ本
7
読んだページ
2517ページ
感想・レビュー
7
ナイス
272ナイス
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2025年11月に読んだ本
7

2025年11月のお気に入り登録
2

  • 白々惟吹
  • 図書館小僧

2025年11月のお気に入られ登録
2

  • 白々惟吹
  • 図書館小僧

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

紺
あの日、「殿中でござるっ」と浅野内匠頭を組み止めた、梶川与惣兵衛が振り返る日々。幕府と言う巨大組織。重圧のかかるプロジェクト。タイプは異なるが、それぞれ心から尊敬に値する人柄のふたりの上司。重なるすれ違い、深まる気持ちの隔たりは、いつの時代でも起きること。書状でのやり取りに対面しないコミュニケーションの危うさを悟るのも然り。二人の間で右往左往する梶川の思いがいじらしく、吉良の孤独と高潔さも印象的。情に厚すぎる浅野のビジネス方言?も効いていて、現代に通じる組織あるあるの切なさを軽やかに読ませる。
が「ナイス!」と言っています。

2025年11月の感想・レビュー一覧
7

紺
星新一訳。長く積んでいた一冊。どの物語にも狂気が滲むが、レッテルとしての狂気ではなく、理解の断絶でもない。誰の胸の内からも掘り起こせそうな、踏み出した一途さや、過剰な信念。転がっていく世界。物語は賑やかなほど多彩で、不思議な大らかさも感じさせる。そしてこの普遍性。冒頭の「みどりの星へ」が好み。息子愛読の藤子F不二雄のSF短編を思い出す。水たまりから片足が抜けないような読後感。本を閉じて安堵するが、タイトルがニヤリと問いかけてくるのはこれからだ。面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
紺
秋の夜長を蹴散らす、エンタメ冒険譚。もうね、このアフリカ編の空気感や展開が鮮やかで面白くて。時を経ての再読だけれど、ページをめくる手が止まらなかった。村社会においての呪術の役割(裁判・調停・医療)も興味を惹くが、ところ変われば、アルコールやドラッグ、今となっては推し活やSNSも、もはや呪術なのかもとも思う。「信じる」とは何か。何故、それを求めるのか。トリップや渇望の描写は著者真骨頂。決死の逃走劇にはハラハラ。続く3巻は過剰に漫画チックだった印象が残っているけれど、手に取ってしまうなぁ。
が「ナイス!」と言っています。
紺
ここ数年で最も気に入っている刑事、ショーン・ダフィ。80年代の北アイルランド、鉛色の空のような混沌と敗北を背負った、センチメンタルな馬鹿野郎。傷だらけの自身の正義を胸に、ロマンティストで在り続けているのがただ嬉しい。古城で再びの密室殺人、モハメド・アリ、国際事情、蠢く思惑、法律の罠、ベルファストの脂っぽい水たまり、痺れる音楽。虚実織り交ぜた時代の匂いと手触りが楽しくて。ショーンの未来にも大きな転機が、エンディングのベリーを摘む姿は眩しすぎる。
キムキム
2025/11/20 01:10

余談ですがトムのレインドッグスの(jockey full or bourbon)という曲が大好きなのです。バックで弾いているギターがメチャクチャカッコ良い。

紺
2025/11/20 09:07

久しぶりに聴いてみます。飲みたくなるので、夜に(笑)。

が「ナイス!」と言っています。
紺
連邦執行官と銀行強盗が織り成すロマンティックで軽やかなクライムノヴェル。追跡劇のスリルとスピード、冗長でとぼけた会話のユーモアで気楽に読める。どうあがいても自分でしかいられない悪党たち。やれやれと言いたくなるが憎めない。カレンがジャックに『ストレンジャー・ザン・パラダイス』は見た?と問うくだりが好きだった。恋の始まりはそんなことがすごく大切だったりするよね。ドライな幕切れもこの物語にはぴったり。この他は『ジャッキー・ブラウン』の原作のみ既読。それでも、クセ強めの映画人たちに敬愛される魅力はよくわかる。
紺
2025/11/16 11:18

キムキムさん 「ストパラ」はただただ好きな映画なので、つい。「JB」の原作『ラム・パンチ』も良かったら。「JB」は配役とムードが最高ですよね。タラっぽくなさは、原作への敬意そのものなのかな。幾度見てもボビー・ウーマックをそっと口ずさむパム・グリアの哀感には痺れます。

キムキム
2025/11/16 14:19

JB良いですよねー!私はデニーロのチンピラっぷりとあっけなくやられちゃうとこも好きです笑。JBのサントラを久しぶりに引っ張り出して聴いてみます。ラムパンチも読んでみます。(^^)

が「ナイス!」と言っています。
紺
静謐で力のある素晴らしい一冊だった。「どの言語にも属していない」ラヒリがイタリアで綴った、言葉と、書くことへの深く真摯な思い。一緒に湖を渡ったかのような充足感をわけ与えてくれる。心から信頼に足る作家だと思う。読後に見返す表紙の写真。少女の小さな躍動が、さざ波のような余韻と爽やかな勇気を胸に残す。こんな読書が叶うなら、雨の日曜日も悪くない。
紺
2025/11/09 20:12

頭痛持ちになってから長時間のフライトには足がすくんでしまう。イタリアを訪れたのもずっと昔になってしまった。とりわけ印象深いのはサン・ジミニャーノとベルガモ。良い思い出しかないので、二度は訪れなくてもいいと思える、遠い遠い町。

が「ナイス!」と言っています。
紺
ネタバレまさに、『人生は残酷な喜劇』。かつては輝くような美貌を誇り、その酷薄さが魔性の魅力だった凄腕の暗殺者マティルド。厚化粧の63歳になり、認知症を発症するも「仕事」に邁進し大暴走。超然とした残虐さと相反する乙女のような思慕にくらくらする。序文で言い訳のように著者が語る「容赦の無さ」はいっそ清々しい。あえて母子の柔らかい会話を読ませておく意地の悪さよ。40年前に書いた著者初の犯罪小説だというが、古さも陰鬱さも感じず、後に何も残さず、読んでいる間だけ素晴らしいスピードで連れていってくれる。
が「ナイス!」と言っています。
紺
あの日、「殿中でござるっ」と浅野内匠頭を組み止めた、梶川与惣兵衛が振り返る日々。幕府と言う巨大組織。重圧のかかるプロジェクト。タイプは異なるが、それぞれ心から尊敬に値する人柄のふたりの上司。重なるすれ違い、深まる気持ちの隔たりは、いつの時代でも起きること。書状でのやり取りに対面しないコミュニケーションの危うさを悟るのも然り。二人の間で右往左往する梶川の思いがいじらしく、吉良の孤独と高潔さも印象的。情に厚すぎる浅野のビジネス方言?も効いていて、現代に通じる組織あるあるの切なさを軽やかに読ませる。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/01/30(1779日経過)
記録初日
2021/01/30(1779日経過)
読んだ本
335冊(1日平均0.19冊)
読んだページ
107949ページ(1日平均60ページ)
感想・レビュー
316件(投稿率94.3%)
本棚
0棚
性別
血液型
AB型
自己紹介


「おとなってかわいそうだね。」

「どうして?」

「自分より大きなものがいないもの。

 よりかかってあまえたり、
 
しかってくれる人がいないんだもの。」

(『ドラえもん』16巻より)


だから、本を読んでいるのかもしれません。



物語の波に漂うのが好きです。
時に、深く潜れる一冊に出会う歓び。
ここではみなさんのレビューが
波間を照らすサーチライトです。
いつもありがとうございます。

素敵な物語がたくさんあるように
素敵な感性の方がたくさん。
なんと心強いことでしょう。

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