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2024年5月の読書メーターまとめ

kan
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2024年5月に読んだ本
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2024年5月のお気に入り登録
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  • とよぽん

2024年5月のお気に入られ登録
7

  • kokada_jnet
  • とよぽん
  • naniwoyomu
  • もりそば
  • すのさん
  • キムチ27
  • 烏山ちとせ

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

kan
著者の主張は理解できるが、社会や人間や脳科学等の複眼的な視点に欠け、物足りない。本は読めなくても漫画や動画視聴は好調であり、本だけを他の文脈=ノイズとする根拠に乏しい。半身で働こうという主張は、いかにも斜陽国家に生きる若者が言いそうなことで、人手不足と成果主義の中で必死に働く多くの人の現実から乖離していると思う。あるいは、文化資本の高い社会階層にのみ許される働き方で、階層の再生産と分断の深化に繋がるのでは。他国との比較もなく残念。全身全霊で働いているように見える人ほどノイズの摂取にも積極的だと思うのだが。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
12

kan
「すばらしい新世界」と「クララとお日さま」と「アルジャーノンに花束を」をまぜこぜにしたような、人の幸せを問う作品。記憶がその人をつくり、家族や愛する人が鏡となり、限られた時間を慈しみながら人は死に向かっていくが、その大前提を覆す生き方(ある意味死に方でもある)の設定の割には葛藤も揺らぎもなく薄味で、心が動かされなかった。生身の肉体と感情のない、脳をアップロードするような世界への挑戦とも読めず、私の感性が鈍っているのか、正直肩透かしだった。勤務校図書館の新着本だが、高校生には新鮮に読めるかもしれない。
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kan
社会構造からもたらされる無意識のバイアスの強堅さ、それを裏書する東大の保守的な方針、クオータ制や「女性学生優遇、逆差別」と揶揄される方策への反対論など、社会と大学をめぐるジェンダー問題が網羅的に示され勉強になった。構造的差別を打ち破る努力を最初から強いられる状況、あるいは諦めたり、自ら進んで差別構造の構成員となる歴史と現状に、従来とは全く異なる発想の改革が必要だと思った。東大の女性学生と地方出身学生の少なさと特定の高校出身者に大きく偏る現状は、日本の社会構造と、点数主義という一元的な価値を反映している。
kan
2024/05/25 16:51

以前ハーバード大学の入学説明会に出席したが、近隣に大学進学者が一人もいない地域に住むアジアの国からの留学生をはじめ、多様な背景の多様な学生を大学紹介動画やキャンパス案内担当として配置しており、さすがだと思った。私立大学と国立大学の根本的な設立・運営方針や考え方の差はあるにせよ、属性で何かを諦めることのない社会を作る努力は、どんな機関でも行うべきだと思う。

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kan
AIを教育現場でも活用し始め、ガバナンスの注意点や工夫を知るために読んだ。著者は様々な立場をご経験な上に深い知見をお持ちで、幅広く複雑なテーマが丁寧に解きほぐされ、明快にまとまっており非常に読みやすかった。AI利用の懸念や実際に起きた問題、他技術と異なる点を誠実かつ冷静に伝えつつ、価値の最大化&リスク対処の方向性を示し、怖がらずに踏み込む勇気を与えてくれた。羽深さんには前任校で講演をお願いしたが、温かなユーモアと当意即妙な返しが絶妙で、最先端の波に乗る方はさすが。このような方に新しい政策に関わってほしい。
kan
2024/05/22 19:39

二重ループの仕組みを構築することと、基本的価値を達成するための中間目標としてのAI原則だということは忘れずにいたい。

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kan
若者の読書傾向についてデータに基づいた詳細な分析がなされ、なんとなくの思い込みがアップデートされ大変有益だった。中でも、中高生に読まれる本の定番勝ちパターンの分析が興味深く、どの時代においても思春期の自意識やモヤモヤや大人への反発が売れ筋リストに明確に表れていることが面白い。若者の読書離れの印象が先行しているが、そもそも大人も二人に一人しか本を読まず(高校生も同じ)、月に1~2冊の読書量が平均であり、その傾向は昔からずっと変わっておらず、スマホや他のコンテンツの影響もないということが示されたのは大きい。
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kan
アメリカ留学中に大統領選を目の当たりにし、共和党の宗教保守から穏健派のグラデーションと使い分けを興味深く見ていた。アメリカは政治も日常生活も基盤が宗教だから大変だなあと他人事だったが、日本もそうか!と、点と点を結んで線にしてくれる一冊だった。主に自民党のこれまでの政策とロビイング、統一教会や生長の家や日本会議との密接な関わりと、地方自治体イベントやセミナー等に入り込み、市井の人の思想統制を図る細やかな活動に感心した。イデオロギーがなんであれ、政策や発言の意図を見抜く賢明さが国民に必要だと改めて感じた。
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kan
私自身の不勉強のため、地政学の切り口とは読めず、コロナやウクライナ戦争や米中対立を駆け足で振り返る時勢のコラム集のように読めた。もとは文藝春秋の連載だったものをひとつにまとめたらしい。日本はそれこそ地政学上で非常に重要な国なので、地経学リテラシー、チャイナリテラシー、インド太平洋リテラシーが必要だということはよくわかった。巻頭と巻末の地政学・地経学リテラシー七箇条は参考になった。
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kan
意外なお二人の往復書簡だが、とてもよかった!その世と呼ぶどこかとこの世を行きつ戻りつ、詩と散文とお手紙の、形にこだわらないゆるゆるとした表現のやり取りが、噛み合っているようないないような、広がってゆくような掠めていくような、とても不思議なあそびと深さを感じて心地よい。GWの温泉上がりに、新緑を眺めながら外でのんびり読むのにちょうどいい感じの一冊だった。勤務校図書館の新着本だが、高校図書館でこの選書は見事だと思う。
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kan
米原さんの言語表現がいつもながら秀逸で、本を置けずに一気読み。笑いすぎてお腹が痛い。同時に、ロシアを通じて外国から見た日本の姿が浮き彫りになるのも非常に勉強になった。アメリカの植民地にしか見えていないであろうという指摘は、小泉悠さんの言うプーチンの日本観「半主権国家」とも通じるし、ダーチャを愛し畑や森に帰りたがる国民性も、社会主義的思想・生活と合致しており興味深い。謎のベールに包まれた印象のロシアが一気に身近に感じられる面白さだった。
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kan
全く知らない世界の話だった。近隣諸国を考えると特殊部隊の重要度は高そうなものだが、設置は21世紀に入ってからというのは意外。いつか来る非常時のための訓練が、真の非常時の想定になっていない現実への歯痒さと、ミッション達成へ生命を賭ける凄まじい気迫が十分に伝わった。自衛隊組織のレベルの高さと、武力戦争は各国の底辺と底辺の戦いであるという点については、米国の貧困徴兵制と呼ばれる実態や、米海軍の私の友人がアラスカの高校にリクルーターとして派遣されたことや、ロシア連邦軍の士気の低さ・弱さと繋がり、なるほどと思った。
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kan
パディントンの素直さと善良さによる一連の行動がほほえましく、ブラウンさんたちが愛してやまないのもわかる。いたずらしてるつもりはないのに、結果的におかしなことや困ったことになってしまっても、おおらかに受け止める周囲の温かさもよい。内容が安心安定な上にきちんとした丁寧な英語表現に満ちており、当時の英国の様子も垣間見え、ちょっと英語のできる高校生にも薦められる。英語も易しく明快で子ども向けかと思いきや、時折英国的なニヤリとさせるウィットに富む表現も出てきて侮れない。
が「ナイス!」と言っています。
kan
著者の主張は理解できるが、社会や人間や脳科学等の複眼的な視点に欠け、物足りない。本は読めなくても漫画や動画視聴は好調であり、本だけを他の文脈=ノイズとする根拠に乏しい。半身で働こうという主張は、いかにも斜陽国家に生きる若者が言いそうなことで、人手不足と成果主義の中で必死に働く多くの人の現実から乖離していると思う。あるいは、文化資本の高い社会階層にのみ許される働き方で、階層の再生産と分断の深化に繋がるのでは。他国との比較もなく残念。全身全霊で働いているように見える人ほどノイズの摂取にも積極的だと思うのだが。
が「ナイス!」と言っています。
kan
「ヤギ男」とセットで勤務校司書さんお薦めの本書は大当たり。バカバカしいほどひたむきで胸を打つ。なるほど本書の本質はサイエンスではなくアートなのも頷ける。消費者の視点を外れ生産者や労働者の視点に立ち、地球規模の生産システムや生態系を再考し、技術革新の歴史に立ち返り、人間の生き方を考えるのがこのプロジェクトの本質だ。鉄鉱石や銅や雲母を採る冒険や創意工夫の実験プロセスも面白いが、モノの製造工程の裏側や消費社会を考えさせるトースター、トーストする結果も含めて確かにアートだ。A toast to Thomas!
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/03/07(1205日経過)
記録初日
2021/01/24(1247日経過)
読んだ本
358冊(1日平均0.29冊)
読んだページ
104093ページ(1日平均83ページ)
感想・レビュー
358件(投稿率100.0%)
本棚
20棚
性別
現住所
東京都
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