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へらへら
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解説でも触れられていたが、堀江敏幸の土地感覚というのは独特のものがある。例えば、中上や石牟礼は土地に「根ざす」視点があるが、それとは明らかに違う形で一つの土地を描いている。内面が焦点化される人物は誰一人として土地に「根ざ」しておらず、実家に「預けられた」子どもや、「出戻り」の人物達だ。そうした者達の視点を介して土地の「生活」が表象されている。生活を「する」のではなく、あくまで「見る」ということに力点がある。そのようにして初めて「見える」土地の姿や匂いを集積したのがこの『未見坂』という小説ではないか。
0255文字
へらへら
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「悪魔のトリル」が個人的にはとても良かった。また、飛行機への視点も面白い。大空ではなく、空港の「コンクリートの大海」(だったかな。記憶だけで書いているので怪しいです)に目を向けるということは、この作者らしいなと思った。一語の持つ力、というか拡がりのようなものをしっかりと教えてくれる。
0255文字
へらへら
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全篇を通じて、「全体」への同一化願望とその瞬間に浮き上がる個人の在り方みたいなものを、対立構図的に描いている。そういう意味では読みやすい。好きな短篇集なのだけれど、一方で、発表されて25年経った現在から考えると、二項対立的な図式はナンセンスな気もしてしまう。小説は芸術であり構図を取ることにさして意味はないけれど、「日本語」という枠組みで描かれているのと同じように、全く「枠」のない小説というのもありえないわけで、とした時に、小説からこうした自己存在的な哲学に迫る際に、この「枠」なのかしらとも思えてしまう。
へらへら

ちなみに、表題作が一番好み。「帰ってきた男」や「アップリンク」も良かったのだけれど、語り手の対となる相手が超越しすぎてしまっている気がして…。その点、表題作のマリコは、揺らぎの中にいる人物で、一番むずかしい位置にいる人間をとても魅力的に描いていると感じた。

04/29 09:41
0255文字
へらへら
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良作。ある意味で、愚直とも言えるぐらい一直線な小説であるように思う。メッセージ性が強く、読みやすさとは反対にすごく体力を使う。けれども、この作品は震災から二年という時間的距離でしか書けないものではないだろうか。この作品のエネルギーの在り方は、直後でも20年後でも多分あり得ない。感傷的になればいいわけでもないし、かといって距離を取って考えるのも違和感があるのは事実で、だからこそ、この語り手が必要だったのだろう。ちなみに、解説の星野智幸はSではないかと言っているが、これは違うと思う。語り手は不明だし、不明(続
へらへら

続)であることにこそ、この小説の力があるように感じる。Sよりももっと広大な地点にいる誰か/何かだろう。クサいことを言うならば、その立ち位置こそが想像ラジオの発信地点であり受信地点ではなかろうか。人の感情もやり取りも現象としての出来事も様々な形で自由に受信し、「何を語るか」を選ぶことの出来る場所。

03/29 00:02
0255文字
へらへら
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ネタバレ良作。初期の中ではベストかもしれん。少なくとも『ロスト・ストーリー』よりかは余程良い。ところで、作家論的な話になってしまうけれど、この人の小説でまっすぐ何かに向かって行くという行為は、失敗に終ることがほとんど。素直に「暗闇を避けて通る」という叔父の言葉に軸を据えて読解すると、面白くなるかはともかく解釈は安定しそう。あと、自殺という設定が「主題」にならずにしっかり「道具」に徹している感じはすごく好み。ミサが生き残ると、「生死」のモチーフが強くなりすぎて、小説としてはクサくなりすぎちゃうんだろうなぁ。
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へらへら
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柴崎友香が解説でちょっとした小説論を書いているが、描写されているものをあらゆる文脈から切り離して、ただ「在るもの」として捉えようとする感覚は、この時期すごい流行っているよね。ゼロ年代後半までそういうタイプの作家が多い。ただ、そういった手法も少し限界にきているように思う2015年。最近の長嶋有はまだ読めていないけれど、どういう形で変化しているのか気になるところです。
0255文字
へらへら
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読書会で扱うから読んでみた。一読しただけなので、まだなんともだけれど、「冷めた子供」の使い方が面白い。大人を見るときに、過程(内実)や結果よりも記号に目がいっている。ワーゲン、煙草、文学(読書)etc... そのためか、絶妙な距離が生まれて、描かれる大人たちに親近感を覚えるのだろう。ベタベタした部分が分からない人間(子供)に焦点化を図るとこうなるんだねぇ。ちなみに、子供時代を回想する私小説的な方法でもこの距離は生まれないと思う。メモ書きなので、乱雑な文章はお許しあれ。
0255文字
へらへら
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こんなとんでもない小説は小島信夫にしか書けない。「異物」の使い方のうまさは抜群。
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プロフィール

登録日
2011/07/30(5009日経過)
記録初日
2011/07/30(5009日経過)
読んだ本
777冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
241933ページ(1日平均48ページ)
感想・レビュー
138件(投稿率17.8%)
本棚
1棚
性別
自己紹介

文学部の大学院博士前期課程の一年生です。

忘備録的に使っています。漫画は含めていませんが、結構読みます。

少し考えて名前が浮かんできた好きな作家は

保坂和志
堀江敏幸
池澤夏樹
小沼丹
津村記久子
絲山秋子
山崎ナオコーラ
川上未映子
伊藤たかみ
青山七恵
舞城王太郎
中島らも
町田康
山田風太郎
田中芳樹
仁木英之
宮沢賢治
泉鏡花
尾崎翠
梅崎春生
阿佐田哲也/色川武大/井上志摩夫
野坂昭如
深沢七郎
北方謙三
伊藤計劃
神林長平
有川浩
支倉凍砂

です。


同じように苦手な作家も思い浮かべてみる。

三島由紀夫
太宰治
森鴎外
正宗白鳥

あたりかなぁ。特別に嫌いというわけでもないのだけど、どこか苦手な作家ですね。
あ、でも三島由紀夫だけは嫌いと言ってしまうレベルです。なんというか、煩さを感じてしまう…。

読書の他の趣味は、酒、映画、アニメ、音楽、テニス、スポーツ観戦全般。
雪上スポーツは、何度やっても全く上手くならないので嫌いです。


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自分のことは勝手にお気に入り登録してもらって構いません。
中々いないとは思いますがw

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