2024年10月の読書メーター 読んだ本の数:18冊 読んだページ数:5807ページ ナイス数:45ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1250481/summary/monthly/2024/10
「古泉迦十の二作目」として読むのはあまり良くないかもしれない。「夢野久作の二作目」と聞いて買った本が、乙一みたいな作品だったみたいな、「こうなんだけど、これじゃない」ような感覚に落ちる。
あ、書き忘れていたが、『崑崙奴』は傑作です。昨今価格の高騰しがちな書籍ではあるが、この値段に見合うだけの世界観・学識・ミステリで、早くもこの路線の古泉迦十の新作を期待している自分が居るくらい。
あり、ファンタジックな展開によって逆説的に裏打ちされる小説の存在についての『意味』の大演説は、読書が好きな人間の心をきっと打つものだろう。小説を読んできた人、小説を読まなかった人、小説を書いてみた人、書き続けた人、挫折して書けなくなった人、そういった『小説』にまつわるすべての人間へのエールであるとともに、全ての選択を肯定すらする神話的な側面は、野崎まどの進化を確かに感じさせる。紛うことなき傑作。オススメ。
あまりにもミステリー部分が小粒なので、むしろ青春部分に期待している人は楽しめるかもしれない。ともかく『氷菓』のようなものを求めると肩透かしを食らうので、注意の必要な作品である。
ホラーにしてみようかと思えばSFにしてみたりクトゥルフにしてみたりと、とにかく行き当たりばったりで一貫性がない。きっと作者はプロットなど無しでゼロから書き始めたのだろうが、モキュメンタリーとは本来、プロットをガチガチに組まなければ作れない作品なのである。この作者はまずそれを怠っている。文章も拙い。怖くもない。読者は困惑するしかないだろう。『売れればそれでいい』という発想は害悪でしかないということはこれまでも散々主張してきたが、ここまで酷いものまで流行に載せて売ろうとしてしまうとは、流石に阿漕がすぎる。
まったくもってオススメしない。かつて難病系と称されて少女がただ無闇に死ぬ小説が連発されたが、モキュメンタリーもそのような鼻白むジャンルになってしまったということなのか。非常に残念だ。
超濫読人間
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