2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:26冊 読んだページ数:8508ページ ナイス数:127ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1250481/summary/monthly/2024/8
ろはもしかすると、乙一の苦手な分野なのかもしれないと感想。しかしながらタイトルにあるように本作の趣旨はあくまで『幻想』であるため、そちらを優先して読む方がいいだろう。『乙一の書いた館もの』とは興味を引くものではあるが、本作は(乙一がどういう趣旨で書いたにせよ)従来の館ものミステリー的な楽しみ方をするのは難しく、幻想として、あくまで『いつもの乙一の小説』として楽しむほうを推奨したい。
いずれの点においても「まったく自分には合わない小説」を引き当ててしまったなという感覚。こういう気分は久しぶりだ。退廃的な性倫理とそこに生まれる恋模様や葛藤を読みたかったのだが、自分には長いエロ本の導入としか読めなかった。
文句なし。十分にメフィスト賞としてオススメできる作品になったと思う。イロモノミステリだったものが、きちんと『メフィスト賞ミステリ』として返ってきた。作品の随所に含まれる自虐的なボケについても、ここまでの作者の苦労を思うとなかなか味わい深いものになっている。清らかな『クリスマス・テロル』とでも言うべきか。柾木政宗は今は冴えないミステリ作家の一人なのかもしれないが、『クリスマス・テロル』がそうであったように、文庫版『NO推理、NO探偵?』によって柾木政宗の魅力が再発見されて欲しいと感想。
ミステリーでないならこの面子である必要はなく、収録内容のようにミステリーに縛らないのであれば、もっと上手い作家が上手い小説を書いてくれたのでは。 なんだか、「最近(でもないが)売れてきた若手を集めてミステリーを書かせよう」みたいな趣で始まったもののような気がする。こういう趣なら彩瀬まるとか森見登美彦とか、そういうほうが器用にやってくれそうなものだけれど……。
超濫読人間
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