ネタバレ普通であろうとすること。主人公のように生きづらさを抱える人にとってこれほど難しいことはないと思う。 惠子のコンビニへのこだわりは一見個性の喪失に見えても、本人にとっては輝ける居場所であるし、落ち着くのだと思う。一方の白羽は批判はするけど何かを変えようとするわけでもない。その意味で朝井リョウの『何者』の主人公しかり。白羽の理屈も理解はできる。ただもうちょっとねえ... 少なくとも彼の存在が彼女を引き立たせていることはいえる。とにかく面白い本でした。

ネタバレ外からは分かりづらい病気であるPMSの藤沢さんとパニック障害の山添くんにスポットを当てたお話。山添君がパニック障害になり、人間関係が希薄になっていくさまは、不安障害を持っている身としてもかなりリアルに感じた。じゃあ絶望かというとそうではなくて希望もあることをこの物語は教えてくれる。病気は違えどお互いに助け合っていく。周囲の人もそっと寄り添ってくれる。こんな優しい世界ないやろ！と内心思いながらも、一歩一歩ゆっくりでもいいから進んでいくことが大事なのだということを感じさせてくれる一冊でした。

ネタバレ普通であろうとすること。主人公のように生きづらさを抱える人にとってこれほど難しいことはないと思う。 惠子のコンビニへのこだわりは一見個性の喪失に見えても、本人にとっては輝ける居場所であるし、落ち着くのだと思う。一方の白羽は批判はするけど何かを変えようとするわけでもない。その意味で朝井リョウの『何者』の主人公しかり。白羽の理屈も理解はできる。ただもうちょっとねえ... 少なくとも彼の存在が彼女を引き立たせていることはいえる。とにかく面白い本でした。