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2025年11月の読書メーターまとめ

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読んだ本
30
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感想・レビュー
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2025年11月に読んだ本
30

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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総裁夫人・メリンダのカウンセリングから始まる、シリーズの16巻目。標的であるドノバンが、超常的な能力を持ちあわせている可能性が示唆されているが、単なる思い過ごしであることを祈りたい。ただ、あり得ない話でないのが非常に気になる。アーニャの例もあるし、何だか重要な伏線のような気がしてきたぞ。後半では〈いばら姫〉のお仕事が描かれ、孤高の剪定者である弟切(おとぎり)との戦闘が繰り広げられる。色々と孤高を極めようとした彼であるが、「たんこぶロン毛」となった後の気の抜け具合がシュールで笑える。巻末の番外編も良かった。
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2025年11月にナイスが最も多かったつぶやき

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『藤本タツキ 17-26』と『おいしい給食』を劇場で鑑賞した10月でした。読んだ本に関連するのは前者なのですが、やっぱり『おいしい給食』も面白かった!🤣✨ 2025年10月の読書メーター 読んだ本の数:32冊 読んだページ数:5788ページ ナイス数:164ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1300326/summary/monthly/2025/10

『藤本タツキ 17-26』と『おいしい給食』を劇場で鑑賞した10月でした。読んだ本に関連するのは前者なのですが、やっぱり『おいしい給食』も面白かった!🤣✨ 2025年10月の読書メーター 読んだ本の数:32冊 読んだページ数:5788ページ ナイス数:164ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1300326/summary/monthly/2025/10
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2025年11月の感想・レビュー一覧
30

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ニコレッタが加わって、ますます賑やかなリストランテ「カゼッタ・デッロルソ」であるが、今巻も話題に事欠かない。各従業員近辺の人間関係がドラマチックに描かれているが、一番好みなのはソムリエであるジジの言動。リッツォ夫妻の修羅場を収めようと試みる他にも、お菓子やオリーヴのパンをリスのように頬張る場面では、突然で思わず吹き出してしまった。彼自身はふざけているわけではなく、あくまで自分のペースで大真面目に行動しているからこそ、大事な場面でその持ち味が余すことなく引き出されるというわけである。「家族」って良いよね。
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給仕の見習いとして働いていた頃のクラウディオが描かれる、冒頭のエピソードが特段お気に入り。若くしてメインシェフを任されていた当時のフリオの風貌も、弱腰のクラウディオと対照的で、いかにも凄腕という感があって良かった。年を重ねてからの姿からは想像できない過去を抱えているのもギャップがあって、より一層キャラクター達の魅力を引き出す一助になっている気がする。ヴァンナとテオのエピソードも滋味深く、食べ終えた皿にひと言添えて出て行くのもオシャレ。そしてついにリストランテにやってくるニコレッタ。これは3巻が楽しみ。
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重い腰を上げてようやく読むことが出来た、『リストランテ・パラディーゾ』の外伝シリーズ。オルガの娘・ニコレッタがローマを訪れるよりもずっと前の、リストランテ開業に伴う人員の募集や、そこに至るまでのいきさつが主に描かれている。本編には登場していなかった女性シェフなど、従業員の顔ぶれが多少異なっているのも興味深い。1巻を読み終えた現段階から既に、シリーズの全て読み終えた後にもう一度元になっている本編を読み返したくなってしまう気がしてならない。殆どフォーカスされなかったが、ジジが自分のペースを保っていて安心した。
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再読。複雑な人間関係や様々な愛の形が凝縮された、ローマにあるリストランテが舞台。妙な色気と丁寧な物腰が特徴的なクラウディオを筆頭に、老眼鏡紳士たちが働くこの環境は、好きな人には堪らない、まさに「天国(パラディーゾ)」のような場所。提供される料理の味はもちろんの事、読者としては織り成されるドラマ性を存分に味わうことが出来る。表紙をめくってすぐの口絵の時点でジジの「モグほっぺ」を堪能できるので、その点も嬉しい。特にジジに関しては、オーナーとの過去が深掘りされている分、愛着が湧きやすいのではないだろうか。
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7巻までの流れから、古本屋が表紙を飾るとばかり思っていたので、その点だけ残念。しかしながら中身は丸々「人魚の島」編という事で、ボリュームのあるストーリーをまとめて読むことが出来るのは嬉しい。犯人として狙われる島民と、討伐対象であるセイレーン。武力でしか解決できないのは悲しいと思っていた矢先の妙に独特な作戦。一致団結して撃退することが出来たのは、物語的にも盛り上がって良かったのかもしれないが、やはり後味はよろしくない。可愛らしい絵柄にカバーされているが、描かれない、想像で補われる部分にこそ残酷さを感じる。
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ネタバレタカヤマンの意味不明なタオル捌きを延々と見せられる謎の状況から一変して、急速に縮まったふたりの距離。自身を励ますための「挨拶」と思っていたら、実は「普通」のやつだった為に、唐突すぎて脳内で現代文講座(高2)が始まってしまうのは笑った。鈴木くんの想像力が限界突破しすぎて、ループを脱出するという、最終回の雰囲気満載のシーンが挟まれてしまい困惑。嬉しいはずなのに、自分の中にある薄暗い気持ちに気が付いてしまう鈴木くんを母が一蹴する場面も好き。いつものコマ割りから、見開きページに繋がる新鮮さと意外性が良かった。
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全てが好みの作品集。描き下ろしとして『指先に星』を加えた、全4編が収められている。現代だからこその繋がりの形を、温かみのある描線で表現しており、非常に親近感が湧いてくる。ネット上の友人や幼馴染、職場の同僚など、読者からしても自分事のように捉えやすい関係性が主に扱われているが、そのどれも日常から乖離した「やりすぎ感」が微塵もなく、短編だからと言ってぎゅうぎゅうに詰め込まれている印象も無い。展開のみならず、各ラストページの余韻も相まって、良いマンガを読み終えた時の充足感が今作にもあった。もっと読んでみたい。
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表紙に惹かれて購入。収められている作品は、どれも甲乙つけがたい出来であることは間違いなく、ひとまず20代の時点でこれほどまでの品質に仕上げていることが驚き。表情にかかる陰影の妙、会話の途中にシームレスに繋がる場面転換。酩酊と記憶の混濁。コミカルかつシリアスに、緩やかに迎える人類滅亡。どれも良い意味で尖っていて、万人には受けない作風であるかもしれないが、先鋭的かつ革新的な技法が所々に見られて、予想のできない展開の数々に、次の頁をめくるのが楽しくなった。ベタかもしれないが、『酔っぱらいの夜空に』が良かった。
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人間に擬態できる不思議な生き物「かみちゃん」と、弟の誕生をきっかけに徐々にネグレクトを受けるようになった「涼子(りょうちゃん)」のふたりの友情を描いた作品。紙袋の内側については、最後まで謎のままにするのかと思っていたら、早々にカミングアウトしてしまうので、恐らくメインとして描かれるのはそこではないのだろう。ほのぼのとした絵柄ながら、怪しげな宗教勧誘や、娘を足蹴にする毒親など、所々殺伐としているのが妙に恐ろしく感じられる。得体の知れない生物よりも、本当に用心しないといけないのは、家族や隣人なのかもしれない。
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光へ向かって走り抜ける最終巻。鬱々とした迷いや、悩み苦しむ過程を経てもなお、人々の心を前向きにしてくれる作風は前作から変わらない。そして明るいばかりの説教じみた内容に偏っていないのは、作者の手腕によるところが大きいだろう。豊かな想像力が描線による表現の随所に表れており、モノクロではなく完全彩色というのも当然評価高い。かかった手間や苦労を想像するだけでも気後れしてしまうが、「夢」の結晶がこうして現実の単行本として形になっていること自体が、もはや夢を超越した奇跡の連続なのだと、あとがきを読んで気持ちを改めた。
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現実世界を脅かす昏睡病。眠ったまま目が覚めなくなる病であるが、人類を夢に引き込み、理想郷で生活させる選択は悪だろうか。絶望に満ちた現実よりも、二度と目を覚まさない暮らしの方が幸福なのではないか。科学の悪用から縁遠く、戦争・災禍に怯えることがない、「希望の世界」に誘惑され取り込まれそうになる主人公。敵として立ちはだかる京斎(きょうさい)の言い分は彼にとっての「正義」かもしれないが、その考えを押し付ける行為は褒められたものではない。再び夢に潜るナイトメアバスターズであるが、人々の奪還は叶うのか。下巻も楽しみ。
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多様性を認め合う現代社会とは言え、当人たちにとってはツラいと感じる配慮だって存在するのだろうな、と少し思索に耽った。日本を舞台にしたオムニバス形式で描かれる作品であり、様々な事情を抱え(させられ)ている人物が登場するが、こうして描かれている人々も、実際は全体の内のほんの一部分でしかないのだろう。画一的で正しい接し方というものは当然として無いが、それぞれ相手の立場になって共に考える姿勢が大事なのではないかなと。言語や文化の違いが障壁になったとしても、考え続けることこそが事態を好転させる可能性があるのだとも。
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演劇への真摯な想いが溢れており、今巻の出来も非常に良かった。演劇祭の講評の為に登壇した演劇界のレジェンドから、東京・吉祥寺での公演に向けたオファーが一部の生徒に掛かる。選抜されたメンバーが納得する脚本を書き、「世界をぶん殴る」という挑戦への足掛かりへと出来るのか、役者の演技力だけでなく、主人公の手腕が試される。一方で、尊敬の裏返しとして、抱いた恋心への幻滅がありつつも、例のふたりは「戦友」として結束を強める。悪役を引き受けた先輩の「告発」が心配ではあるが、同時にどんな波乱が巻き起こるのか楽しみでもある。
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ネタバレ西ノ村勢力の居場所を突き止め、拠点にアキオしかいない好機に急襲をかけるユルたち。今まで後手に回りがちだった状況から一変、反転攻勢といった感があって面白くなってきたぞ、と思った矢先の更なる反撃。中華料理店の店主である御陵(みささぎ)が規格外のツガイを連れて影森家に単身で乗り込んでくる。家を襲われた仕返しが、家を襲い返すことという容赦のなさよ……。御陵だけでも相当なのに、ここに与謝野イワンが加わってしまったら、もう誰も手が付けられないのではないかな。これ以上の窮地に陥る前に、因縁に決着をつけてほしい所である。
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開幕早々にフルカラーで読みたいと思ってしまった。キャラの造形などはキュートでありつつも、背景の細部に至るまで描き込みがされていて、作品の舞台となる「さざなみ町」の夏の山や夜の海は、彩色されていたらどれだけの風情があるだろうか、などと考えてしまった。人の生死という一見仄暗い題材を扱っていながら、あまり暗くなりすぎていないのは、明るく美しい風景や、ドラマ性によるものだろう。作中に登場する少年や、もちろん主人公も、少し年齢不相応な言葉遣いをしている点だけ気がかりだが、もしかすると敢えて用いているのかもしれない。
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総裁夫人・メリンダのカウンセリングから始まる、シリーズの16巻目。標的であるドノバンが、超常的な能力を持ちあわせている可能性が示唆されているが、単なる思い過ごしであることを祈りたい。ただ、あり得ない話でないのが非常に気になる。アーニャの例もあるし、何だか重要な伏線のような気がしてきたぞ。後半では〈いばら姫〉のお仕事が描かれ、孤高の剪定者である弟切(おとぎり)との戦闘が繰り広げられる。色々と孤高を極めようとした彼であるが、「たんこぶロン毛」となった後の気の抜け具合がシュールで笑える。巻末の番外編も良かった。
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心が晴れる完結巻。生成AIがどれだけ進化を遂げて、例えオリジナルでさえも凌駕する解を吐き出そうとも、人の想いの乗った文章は完全に駆逐されることはない。どんなに歪な文章であろうとも、むしろ拙さに見える独自性からこそ、想いは言葉に宿って伝播していく。瑕疵無き真球のような完璧な一文、鑢掛けも程々に留めた様な殆ど直球な言葉など、表現の形は様々であって良いし、優劣ではなく要は使い分けだとも。合理性ばかり求められる時代に一石を投じつつ、純粋に執筆に励む人々をそっと支えるような、優しい想いに満ちた良いマンガであった。
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再読。涙なしに読むことのできない最終巻。やはり何度読み返しても涙腺を刺激されてしまう。捨て身の覚悟で火を放ち、鬼になる雪之丞もそうだが、自身を救うためにやって来た彼の心情を汲み取って、掌から生み出した林檎を食べさせる朝日の想い。そして涙ながらに現世と常世に別れるふたりの表情とやり取り。もう最高かよ。全身に大やけどを負い、恐らくは村でも肩身の狭い思いをしてきた雪之丞が、12年ぶりに長内家で大晦日を過ごす「家族」としての場面も泣ける。明るいばかりの話ではないが、厳かでありつつ愛情あふれる確かな余韻があった。
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ネタバレ再読。自らの素性を負い目に感じ、人の顔色ばかり窺ってきた雪之丞が、ようやく素の自分を表に出せるようになった矢先の神隠し。「おぼすな様」の影響から逃れるために帰郷していた彼と朝日は、急いで踵を返し村に戻ることになる。神に嫁ぐ者としての兆しを見せながら、雪之丞を避けるようになった朝日。その真意が明かされるのは恐らく最終巻であるが、既に物悲しい雰囲気が漂い始めている。諦めきれない雪之丞は、陸郎(りくろう)と村の因習が一度絶えた秘密を探ろうと企てる。そんな中での最後の再会は、何とも言葉にし難い感情が湧いた。
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再読。寒くなると読み返したくなる、田中相の初連載作品。田舎特有の非科学的な因習を、現実味を持たせて描いている点について、多少の薄気味悪さや居心地の悪さを感じたが、その分主人公・雪之丞(ゆきのじょう)の婚約者である朝日(あさひ)のあっけらかんとした明るさが際立っている。自然に囲まれた雪深い村の神秘的な美しさは勿論の事、登場人物それぞれに魅力があり、読みづらさを感じることはない。表情に嘘笑いを張り付けて、失敗の無いように上手く立ち回って生きてきた雪之丞が、朝日のために神を相手取る。これは先が気になる。
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再読。これにて完結であるが、明るさに満ちたこのラストは何度読んでも心に沁みる。他人に言えない薄暗い過去や、科学の発展に執着する狂人、障壁となる物理的な距離でさえも、自分の意思で乗り越えていく。クライマックスまでのスピード感と、多少加えられたコミカルさが相まって、木漏れ日が差すように穏やかなラストシーンが際立っているかのようだ。疎まれ憎まれ、後悔を抱えて死を迎えたとしても、一度犯したその罪が消えることはないだろう。ただそれ以上に、心を繋ぎとめるかのように連綿と続いていく「不滅の愛」は偉大である。
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再読。医学勲章の因縁から、対決することになった骸花嫁と電気棺。以前もどこかで書いたかもしれないが、油圧でとんでもない膂力を発揮する骸花嫁のデザインが結構好み。ただ自身を生み出したのが、自分の尺度による優劣に固執する狂気的な科学者であることが不憫でならない。物語後半では、幼少期のデイビッドが貧民街で出会った移民の女性との出来事が語られる。彼が人を殺めてしまったことには変わりないが、何とも言葉にし難い壮絶な過去の一端である。その贖罪は今後があれば行うとしても、何よりも表彰式での暴走の処遇が気になるよね。
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再読。可愛らしい人物造形や、茶目っ気のあるやり取りなど、読みやすさを十分に担保した上で倫理観や道徳を説く、新たな形としての『フランケンシュタイン』の物語。死刑囚として死を迎えたデイビッドは、若き天才科学者・ヴィクトリアによって人体実験の材料となり、通電によって機能する電気棺・アインスとして生まれ変わる。更生したかのように人の役に立って回るアインスの活躍は目覚ましいが、彼なりに悩みや迷いがあるようで、その点は丁寧に描かれている印象。宿敵や因縁など乗り越えなければならない障壁は多いが、ひとまず応援したい。
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映画製作にまつわる挑戦の物語も、終着点が見えてきてしまった。本編でこれだけあっけらかんとしていると、前巻のラストはかなり意地悪だったと今だからこそ思える。卒業後の進路、撮影現場の実情など情熱や楽しさだけでは罷り通らない「現実」に直面する海(カイ)。全てが光り輝いているわけでは当然ないけれど、空気を読めないと評される彼の実直でひたむきな部分が仇とならないことを祈ろう。今巻では風通しのよくない、居心地の悪さが際立つ内容だったが、冷静に考えて番外編のようなわちゃわちゃした雰囲気を味わえるのも今だけなのか??
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万人受けはしないだろうが、素直にすごいマンガだと感じた。シンプルな絵柄なのに、余計な部分を削り取ったようなその画風に思わず息を呑んだ。ぽつぽつと呟くように漏れ出る言葉の数々が、その絵に見事にマッチして唯一性の高い作品へと押し上げているかのようだ。何気ない日常からの切り抜き方にも秀でており、本当に説明らしい説明の文章が省かれていることで自然な仕上がりに。擬音語さえ描かれていないので、その静寂さが際立っている。カメラワークや間の取り方も、作品への没入を妨げないどころか、むしろ読者の心を鷲掴みにして離さない。
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人間関係の複雑さ以上に、引き込むように読ませるミステリー作品としての魅力が詰まっていた。扱われる題材は明るいものばかりではないけれど、そのメッセージ性が殊更に強調されることなく、ひとつの作品として完成されていて良かった。甘さも苦さも内包しつつ、15年の時を越えて、ようやく「本編」の幕が上がる。演劇部のヒロインの不審死、その真相を追う内に事態は世界を巻き込む大騒動にまで発展する。読後はとても上下巻で完結した作品とは思えないほどの充足感があり、ラストシーンでは同時に肩の重荷が下りたような清々しさもあった。
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再読。加速するラブコメ具合。秋へと季節は進み、ミステリアスな先輩など新キャラが登場。ほとんどが文化祭関連のエピソードになっているが、学校行事の中でも文化祭と言えば、それはもうカップル大量発生ですよね。1巻目からアクの強いクラスメイト筆頭で、永遠のモブとして語り継がれてきた小笠原くんが何気に幸せになっているのが嬉しい。想いを言語化するのは時に難しいこともあるけれど、最終的にこうした結末を迎えることが出来て良かったなと。欲を言えば秋に続く「冬編」も単行本で読みたかった。番外編の出来も、頬が緩む箇所もあり良い。
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再読。勢いそのままで味付け濃いめな2巻目。自由奔放なホームルームから、遠足と称した勉強合宿へと物語は進み、夜の恋バナの事もあってか徐々にラブコメめいてきた印象。クラスメイトの琴菜(ことな)と淳(あつし)の関係にも焦点があてられるが、こうした恋の悩みについて語られると、やっぱり「いつものコンビ」の寒がり解消の進捗具合も気になる。今のところ空回ってばかりだけれど。鍵となる中学時代に、同級生から受けた心無い言葉。諍いとまでは言えないけれど、余所余所しい態度。主要人物の過去が語られると、奥行きが出て良いよね。
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再読。疾走感あふれる、ハイテンション寒がりラブコメディ。ラブ要素が無いわけではないけれど、1巻の時点ではコメディ部分に全力投球している印象で、ここまで振り切っていると清々しいほど。流れるように読ませる秀逸な言葉選びや、程々のデフォルメ加減など、基盤部分の殆どをコメディが占めていることによって、時折顔を覗かせるラブが一層際立つような仕掛けになっている。そうだと信じたい。超が付くほどの寒がり男子と、パワー系の体温高め女子。ふたりの掛け合いはずっと眺めていられるほど自由で面白く、同級生たちもかなり個性的で良い。
が「ナイス!」と言っています。
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肌を搔きむしった後のヒリヒリとした痛みが、ずっと消えずに残り続けるような読後感。薄暗く鬱屈としてしまう雰囲気と、誇張することなく淡々と進行する語り口。暗闇の中で独り言を延々と話すような、そんな独白めいた印象を全編から受けた。その現実味から、物語を自分事のように捉えながら読み進め、そして似たような記憶を脳内で探し出そうとまでしてしまった。心臓に黒い淀みが蓄積するかのような、解決も好転もしない展開と結末の数々に、何故だか焦りを感じるとともに、誰も居ない部屋で無数の視線を感じるかのような緊張感さえあった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/12/16(1454日経過)
記録初日
2021/12/11(1459日経過)
読んだ本
1258冊(1日平均0.86冊)
読んだページ
236463ページ(1日平均162ページ)
感想・レビュー
886件(投稿率70.4%)
本棚
17棚
年齢
30歳
血液型
O型
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://note.com/s_s_strand
自己紹介

1日1冊、感想投稿してます!😊

好きな本を好きなように読む人
電子書籍より紙媒体が好き
長編より短編が好き
マンガが好き
三c⌒っ.ω.)っ シューッ

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