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2024年1月の読書メーターまとめ

ミネ吉
読んだ本
9
読んだページ
3132ページ
感想・レビュー
9
ナイス
293ナイス

2024年1月に読んだ本
9

2024年1月のお気に入り登録
4

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2024年1月のお気に入られ登録
4

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2024年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ミネ吉
ネタバレ米澤穂信さんの、歴史もので直木賞受賞作。地下牢に入れられた黒田官兵衛に安楽椅子探偵をやらせるという、なかなか奇抜で、それでいて米澤さんならではという面白い作品だった。戦国時代の首実検を題材に行われる「日常の謎解き」。ブラックユーモア的でちょっと笑える。この作品で一番魅力的に感じたのは主人公荒木村重が敗れた過程。厳しさと公平性を備え、的確な判断が出来る村重は理想の上司に思えるが、長引く籠城から徐々に部下の信頼を失っていく。わかりやすい明示的反抗ではなく、ちょっとした態度や言葉からそれを感じ取り、不安(続く)
が「ナイス!」と言っています。

2024年1月の感想・レビュー一覧
9

ミネ吉
ネタバレ感動的な小説だった。大仏の完成がクライマックスと予想していたが、そうではなく、その後があった。十五人で長門から都へ旅立った人足のうち、結局故郷に帰ってこられたのは主人公の国人一人。一緒に帰路についた仲間は途中で亡くなり、先発していた仲間は行方不明。行きは引率が付くが、帰りは自費。盗賊が横行する古代の長旅で、故郷に帰りつくのは簡単ではない。国人は失われた大切な人々のことを百文字の漢詩に表し、石仏に刻む。この場面は、様々なエピソードが思いだされて、胸にぐっときた。名作だと思う。
が「ナイス!」と言っています。
ミネ吉
修学旅行以来の奈良旅行を計画しており、歴史の予備知識を得ようと手に取った。古代史研究の第一人者という著者が選んだのは、第一章から「山の辺の道」という古道を歩く旅。初心者が思いつかないルートでわくわくする。第二章は飛鳥地方。遺跡や古墳だらけで、GoogleMapの航空写真を見て辿ると楽しい。第三章は平城京近辺で、春日大社や東大寺などメジャーな神社、お寺の歴史が詳しく紹介されている。自分の知識では文意が掴めないところが多々あり、読むのに難渋したけど、これ持って旅したら楽しそう。図書館本だけど買おうかな。
が「ナイス!」と言っています。
ミネ吉
ネタバレ上巻のみの感想。東大寺の大仏建立の物語。主人公国人は、長門国の「奈良登り」と呼ばれる銅山の人足。人権なんて概念すらない時代の労働生活は過酷そのもので、特に冒頭は重苦しい雰囲気だったが、行基の弟子という僧・景信と、天真爛漫な相棒・黒虫が出てきてから物語が暖かく感動的なものになり、俄然面白くなる。それだけに、かなり早い段階での黒虫の死がとても寂しい。二人と別れて都を目指す後半は、物語としてはやや退屈に感じるところもあるが、当時の船旅や平城京の様子が詳しく描かれており、興味深く読めた。下巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
ミネ吉
ネタバレ米澤穂信さんのミステリ。高校の図書委員が主人公。同じ高校生ものの古典部や小市民のシリーズと比較すると扱う謎の犯罪色が強めでややハードボイルド。松倉が好きなキャラで、1本目の「913」のラストで右足を蹴りだしながら「どうせそんなことだろうと思ってたさ、最初からな!」なんて叫ぶ感じ、米澤作品ではかなり異色な気がする。「昔話を聞かせておくれよ」での、夜の駐車場の宝探しは雰囲気にぐっとくるし、最後の「友よ知るなかれ」のどんでん返しからの友情にじんわり胸が熱くなる。謎解きの爽快感以上に魅力ある傑作だと思う。
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ミネ吉
古典部のファンブックだが、書き下ろし短編を一本読めるのが嬉しい。しかも折木の読書感想文もので、メロスの感想文に負けず劣らず笑える傑作。その他も、古典部シリーズ作中に散りばめられた様々な雑学ネタ解説、読者や有名作家から米澤さんへの質問コーナーなど、ファン心をくすぐるコーナー満載で楽しめた。改めて感心するのは米澤さんの読書量と博識ぶり、そしてその知識を自分の作品に意識的に取り入れて成功させる力。「データベースは答えを出せない」などと里志に言わせておきながら、自分は答えも出せるのがなんかずるい、と思ったり。
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ミネ吉
天平の時代。諸国から招集され、東大寺大仏の鋳造をおこなう造仏所に配属された作業員(仕丁)たちと、そこで食事を振る舞う腕の良い料理人(炊男)の物語。当時の大仏造営の作業内容、古代日本の食事のメニュー、食材、料理方法などが具体的に描写されているのが良かった。薯蕷(じょうよ)、葅(にらき)、楚割(そわり)、薑(はじかみ)、菁(かぶら)、荇(あさざ)など、見慣れない漢字の料理、食材を調べながら読むのも楽しい。物語自体は、庶民の人情話という感じで基本いい人ばかり。そこそこ楽しく読めたけど、ちょっと薄味かな・・・。
が「ナイス!」と言っています。
ミネ吉
上橋菜穂子さん初読み。久々のファンタジー小説。古代日本を思わせる新ヨゴ皇国、星読博士、先住民族ヤクーに伝わる伝承・・・こういうのが読みたかった、と思わせる世界観で大満足。長い年月を経て失われていく伝統の中に、本当に大事だったことが隠されている。新しい時代に適応することももちろん大事なんだけど、古いものから学ぶことも大切にしたいと思った。あとはバルサ、チャグム、タンダ、トロガイの暖かい関係性に感動。こういうのは自分の場合は子供の頃に読むより、中年になった今読んだ方が、素直に沁みると思う。
山川欣伸(やまかわよしのぶ)
2024/06/13 19:03

新しい時代に適応することも大切ですが、伝統の中に隠された大切なものを見つけることも大切だと感じました。

が「ナイス!」と言っています。
ミネ吉
第二巻は保元の乱の結末と、平治の乱の途中まで。保元の乱は、崇徳院が気の毒すぎて苦しい。元々は白河と鳥羽の対立のとばっちりで鳥羽から疎まれ、貴族の権力争いから謀反の旗頭として担ぎ上げられ、あげく敗北して讃岐に配流される。怨霊となる気持ちもわかる。阿部麻鳥が水を持ってくる場面はちょっと涙がでた。他、熊野詣に出た清盛一行の留守を狙って平治の乱が発生し、急遽都に帰らなくてはならない時に、みんなでミカンを食べて盛り上がる場面がなぜか妙に印象に残った。こういう本筋に直接関係なさそうな所も、味わい深くて良い。
が「ナイス!」と言っています。
ミネ吉
ネタバレ米澤穂信さんの、歴史もので直木賞受賞作。地下牢に入れられた黒田官兵衛に安楽椅子探偵をやらせるという、なかなか奇抜で、それでいて米澤さんならではという面白い作品だった。戦国時代の首実検を題材に行われる「日常の謎解き」。ブラックユーモア的でちょっと笑える。この作品で一番魅力的に感じたのは主人公荒木村重が敗れた過程。厳しさと公平性を備え、的確な判断が出来る村重は理想の上司に思えるが、長引く籠城から徐々に部下の信頼を失っていく。わかりやすい明示的反抗ではなく、ちょっとした態度や言葉からそれを感じ取り、不安(続く)
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/02/20(857日経過)
記録初日
2021/03/07(1207日経過)
読んだ本
214冊(1日平均0.18冊)
読んだページ
75988ページ(1日平均62ページ)
感想・レビュー
176件(投稿率82.2%)
本棚
0棚
性別
自己紹介

くたびれた中年です。憩いを求めて読書をしています。

以前は集中できず、1冊読み通すのに苦労してとても読書好きとは言えなかったのですが、最近は色々なものを諦めたせいか、自分を消して本の世界に没頭し、1行1行の文章を味わえるようになってきました。

そんなわけで、なるべく実生活と遠そうなSF、ファンタジー、歴史ものなどを好んでいますが、決め事を作らずその時々の興味に応じてなんでも読みます。

<最近好きな作家>・・・ジャンルバラバラです
★米澤穂信
すっかりはまっています。簡潔なのに情景が浮かんでくる、臨場感のある文章が好きです。
★永井路子
史料を丹念に読み込んで作り上げた独自の歴史観があり、異なる作品同士も一つの世界を共有しているように感じます。古代が舞台の著作が多いのも好きな理由です。
★津村記久子
文章が体になじむというか心地良くてずっと読んでいたくなります。
★アイザック・アシモフ
SF界のBIG3の一人と言われているそうですが、あまり肩ひじ張らずに楽しめるエンタメ作家だと自分は勝手に思っています。

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