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2025年1月の読書メーターまとめ

わさび
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2025年1月に読んだ本
46

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

わさび
ネタバレ「季節は円環し、人の生き死にも円環する。いつか私の番もやってくる」。去年著者も亡くなっていることを考えながら読んだ1冊。森山さんから託された「頼みます」を読者の自分も受け取ることができた。宗教のある方は強いのかどうか。欧米人は祈りにすがり、日本人は食(健康法)にすがるという部分が印象に残った。あと、家族ではない人を看取った女性の話が今の自分の気持ちに沿う内容だった。なんだか見放せないというか、人との出会いは不思議なもの。
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2025年1月にナイスが最も多かったつぶやき

わさび

2024年の読書メーター 読んだ本の数:611冊 読んだページ数:123290ページ ナイス数:1784ナイス ★去年に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1337783/summary/yearly ※4月からフルタイムで仕事しているが、通勤電車で気分転換に読書を楽しんでいる。ひさびさに唐招提寺など訪れて、読書にも良い刺激になった。今年は松本清張、向田邦子、開高健、井上靖、大江健三郎を読む。「風と共に去りぬ」もよく出てくるキーワードなので夏休みに読めたら。

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2025年1月の感想・レビュー一覧
46

わさび
ネタバレ「時代を超えて長く愛されているお菓子が好きだ。歴史のあるお菓子の背景には必ず土地柄や逸話が隠されており、それを知ることでさらに愛着を増す」。花桔梗・あんトースト最中、尾道ロバ牧場・ロバクッキー、長崎レデンプトリスチン修道院・クッキー缶、中里・揚最中など写真多く楽しめた。
わさび
ネタバレかつてあった雑誌「日経アート」の対談連載。山下氏のあとがきで、専門的になってくると逆に見えなくなってくることがたくさんある、30代の半ばくらいから自分が属している世界の殻のようなものがどうしようもなく気になりはじめて、内側からぶちこわしたくなるような気分がふくらんできた、という部分が印象に残った。縄文土器、龍安寺の石庭、青木繁、円空・木喰、高橋由一、佐伯祐三(裕福で三食すき焼きというエピソード)が面白かった。
わさび
ネタバレ今日で開始1000日目らしい。著者も去年「おやじはニーチェ」を読んだ後に亡くなっている。あの本も良かったが、これも時代が要請する価値観と、自らの生き方とのすり合わせをどうしたらよいのか考えさせられた。生活や感情はコントロールできないが、体重は確実にできる。「ダイエットとは自分をコントロールする喜びなのである」。妻はデブになることで他の欲望を抑えている、デブでいることが欲望の防波堤、自意識の問題…と哲学的な内容でもあった。死はコントロールできる?妻は「私はぜんぜんこわくない」「だって、しょうがないじゃない」
わさび
ネタバレ昭和の時代を鮮やかに切りとった短編集。隣の声が筒抜けのアパート、内職、ミシンを踏む音、ご近所づきあい。我が家にも足踏みミシンがあったのを懐かしく思い出した。女性の生き方や考え方、職業が今とは随分違うことに気付く。男性の働き方も今ではありえない感じ。谷川岳「のぼるより、もどるほうが勇気がいると言われたよ」「あんたは何よ。女としてはもぐりじゃないの」「何人男をつくったって、サイの河原の石積みじゃないの」。解説:浅生憲章(隣の女TBSドラマ時演出、訃報の2年後に執筆)、新装版解説:中島淳彦、向田氏の人間観察眼。
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わさび
ネタバレ吉村昭氏の最期の様子、宮田文子、大杉魔子、岡田嘉子、永田洋子、倉橋由美子、森田たま、市川房枝、ボーヴォワールなど女性の生き方についてが印象に残った。井上靖、大岡昇平、徳川夢声なども読書の流れで気になった。永山則夫についても。ここまで百三十六人、全て故人についての思い出書きだった。「本音を言えば、最後の章は故人となった瀬戸内寂聴で締めくくれればスマートだなと思っていた」「私は正月で数え九十、卒寿を迎えた。満で八十九。これが最期の仕事になったところで思い残すことはない」画:横尾忠則
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わさび
ネタバレ何かに操られるように自分のルーツを知る。いろいろ話題が繰り返されるので読みづらいが、母方のいちまきの山村修氏との出会いの部分は感動的だった。同じような感受性をもち暮らしている偶然、もしくは必然。彰義隊についての本を読みたくなった。装幀:南伸坊
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わさび
ネタバレ「季節は円環し、人の生き死にも円環する。いつか私の番もやってくる」。去年著者も亡くなっていることを考えながら読んだ1冊。森山さんから託された「頼みます」を読者の自分も受け取ることができた。宗教のある方は強いのかどうか。欧米人は祈りにすがり、日本人は食(健康法)にすがるという部分が印象に残った。あと、家族ではない人を看取った女性の話が今の自分の気持ちに沿う内容だった。なんだか見放せないというか、人との出会いは不思議なもの。
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わさび
ネタバレ「人生って、死に向かうレールに乗っているようなものです。途中いいことも悪いこともあるけれど、どんどん進んでいくし、二度と後戻りはできない。そこで平凡につつがなく暮らす道を選ぶか、大きなチャンスがあったら乗ってみて濃密な人生を送るかは、その人しだい。」
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わさび
ネタバレ昭和の雰囲気が充満していてとても面白かった。「記念に」は今の時代に読むと、35歳女性に対する描き方が酷すぎて笑えるレベルだけど、何でそこで滝子の所に行くかなあと突っ込みながら読んだ。解説:郷原宏「清張ミステリーの登場人物の多くは、中央線や西武線の沿線に住み、都心のオフィスに通勤している。すなわち彼らは、中央線の荻窪や西部新宿線の武蔵関から有楽町の新聞社に通勤していた、かつての清張の同類だといっていい。」死体はほぼ多摩地区の雑木林や河川敷で発見される。時代小説を除き、隅田川以東の町を舞台にした作品はない。
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わさび
ネタバレ「生きることは出逢いである。あらゆるものとの出逢いが、その人の人生を織りなしてゆく。出逢いの中でも人との出逢いが一番強烈な影響を人に与える」。著者より1歳若い嶋中鵬二:右翼の少年が嶋中家を襲う嶋中事件についてが印象に残った。同じ年末には「思想の科学」天皇制特集号大量廃棄事件も。小学校は鶴見俊輔と同級で、永井道雄、中井英夫よりも早くから恋愛小説を読んでいたと鶴見の弁。画:横尾忠則
わさび
ネタバレ「座敷わらしが住むと伝えられる家は少なくない。この神がいる家は、栄えるといわれる。十二、三くらいの子どもの姿だという。」絵:町田尚子
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わさび
ネタバレ定番料理集。二人分レシピが多い。お雑煮、ローストビーフ、いなりずし(辛子をしのばせたレシピ。松本出身の方からいなりずしに辛子を使うと聞いて)、おはぎ、御赤飯レシピも。
わさび
ネタバレ主体的な発想であることが大事です、意志に頼っては無理だから行動変容が大事、ストレス社会では誰でも中毒になるという自覚を持つ、意志の力に頼ったら良くない結果が見えています、知識を武器にしたら糖質中毒は必ず治ります、リバウンドしてもまた出直そう
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わさび
ネタバレ図書館予約本。缶チューハイ片手にぶらりと出かける、ほろ酔いエッセイ。ちょっとしたことでも見方の転換ができるヒントがたくさん。野洲行き、とよく聞くけどこういう駅前なのかとはじめて知った。同じく新快速で行ける敦賀のポーランド孤児の話は知らなかった。城崎で感じた生と死の近さは志賀直哉同様。「自分を捨てるようにして、その土地で体験することだけに集中してみたいと思ってはいながら、旅をすると、結局最後は自分自身について考えることになるのかもしれない。」
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わさび
ネタバレ図書館予約本。ずいぶん待ったのでなぜ読もうと思ったのか忘れた。自分の後にも希望者が多く、皆関心が高いタイトルなのかと思う。結論としては、結局人を変えるのは非常に難しいことであるということ。ラ・ロシュフコー「狂気を癒す方法は見つかるが、根性曲がりを矯正する方法はまったく見つからない」。狂気を癒す薬が開発・販売されているとはいえ、当の本人に病識がなければ服薬には至らない。当然、効果は期待できない。
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わさび
ネタバレ病気エッセイ。直感と閃き、十年に一度の事故、三島由紀夫の死と著者の身体症状などきわめて感覚的な内容を興味深く読んだ。「子供の頃、熱を出すとどういうわけか現実の空間が膨張したり縮小して見えることがあった。…ルネ・マグリットの作品に部屋中いっぱいに拡大された巨大なリンゴの絵があるが、その感じに似ている。」「若い頃は病気と生き方を離して考えるが、われわれの年齢になると病気は生き方を反映したものであるということが自然に納得されてくる。」心の問題。
わさび
ネタバレ「ゲーム依存になっている人には、ADHDなどの発達障害がある人や、うつなどの心の病気にかかっている人が多くみられます」。完全にゲームをやめなくていい、コントロールができればOK。家族や周りの人ができること:コミュニケーションをとる、生活リズムを整える
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わさび
ネタバレ目に見えない力への畏敬の念。時期的に、遠野の小正月行事が興味深かった。果樹責など。自分の出身地も小正月行事があったが、もう廃れているはず。
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わさび
ネタバレ図書館福袋「旅と鉄道」の1冊。「三四郎」に取り入れられた鉄道自殺について。日露戦後不況で貧窮化した低所得者層が、絶望して鉄道という近代の申し子の元に身を投げるという時代状況を示している小説でもある。鉄道=中央集権的な国民国家を作り上げる基幹事業。巨大な動力装置、暴力性が必然的に備わっている。
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わさび
ネタバレ他の土地と違って、遠野の河童の顔は赤い。雰囲気がある絵本だった。「捨てるより、見世物小屋にでも売るほうがいい。金になるかもしれない」絵:北原明日香
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わさび
ネタバレとても面白かった。終戦後10年の時代の登山風景が描かれ興味深かった。まだ山岳救助隊が無いのか、山岳部員が救助活動をしている。山で火葬する場面には驚く。憧れや高みをめざす若者の純粋さ。幻影と、年齢的にそろそろ見つめないといけない現実生活。地に足を付けて歩いているはずなのに、現実生活はなんだかふわふわしていた。会社員になりきれず、職場を休み過ぎ、給料の前借りしすぎ。それを許容する上司の常盤氏は本当に良い人。会社より僕より山が大切だった。「勇敢な登山家という奴は、極言すればみんな死ぬ」「ばかめが!」
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わさび
ネタバレ読みやすい短編集で、時代は違うけど女性の抱く閉塞感、生きづらさの根本的な問題は同じだと考えさせられた。作者あとがき「山梨から上京し作家となった私は、長いこと地方出身の女の子の悲哀というものをテーマにしてきた。田舎出の女の子が、東京の恵まれた環境で育った女の子に感じる劣等感というのは、地方格差がますます大きくなる今日、決して古びてはいない。」「ほどほどの不幸というのは、作家にとってなんと大切なものであったのだろうか。」
わさび
ネタバレがん闘病の記録が多い。本人に告知されない場面に時代を感じる。葬式や墓石不要と遺言しても、有名人はなかなかそれが実現しない。児玉誉士夫、川端康成、鑑真、薩摩次郎八、長谷川一夫、稲垣足穂、志村喬、今東光、幸田露伴、澤田美喜が印象に残る。巻末は野上弥生子100歳、物集高量106歳、天海僧正107歳、平櫛田中107歳、大西良慶108歳、泉重千代121歳。
わさび
ネタバレ図書館福袋「鉄道の旅」の一冊。自分では借りない内容だが、読んでみると面白い。取材費の節約で夜行バスでの移動や野宿もあったとのこと。著者は30年くらい同一テーマを追っている様子だが、2014年の消費税8%への引き上げ、そのタイミングで閉店する店が多かったなど時代を感じる記述があった。
わさび
ネタバレチームワークが大事な仕事。「これからの介護施設にとってよりよい介護とは何かを考える時、避けて通れないのがターミナルケアというテーマだ。…かつてターミナルケアは、主に病院で働く医療の専門家にとって身近な課題だった。」
わさび
ネタバレ面白かった。エロ無しのシモ話ばかり。鬼を退治しない桃太郎、諸国を漫遊しない悪人「みとこうもん」、神様か変質者か「乳飲む爺さ」、仕方なくウンコを祀る「人糞のご神体」など笑いが止まらない。京極:「物語って出来すぎていると面白くないんです」。おすすめは松谷みよ子「日本の民話」全12巻。黒:隣の爺の悲劇、未來社「日本の民話」全75巻別巻4巻がおすすめ。
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わさび
ネタバレ図書館福袋「鉄道の旅」の1冊。自分では選ばない内容だけど、読んでみたら面白い。全国各地の観光列車の紹介。なかなか時間が取れないのだけれど、今後の旅行の参考に。
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わさび
ネタバレ「がんばらないの鎌田」を襲った「がんばりすぎ」の弊害。がんばりすぎな人は腹式呼吸を意識。おわりに、でアラン「幸福論」について書かれていた。「解きほぐす」という断章について。体はすべて連動している。
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わさび
ネタバレ平安時代のはじめに、奈良の薬師寺の僧侶が書いた仏教説話集。同じような話が多いが、どくろを助けた話、どくろが恩返しした話など当時は行き倒れが多かったのかなど想像が広がる。「生まれてくる前に何か悪いことをして、この世で貧乏になる原因を作ってしまいました」と語る貧乏話が複数あり気になった。水上勉のあとがきが面白く、「狐や牛になるのがそれほどわるいことかと問い直したい気持」「狐になってみるのも愉しいことではないか」「死の国がこの世のどこでも口をあけて待っている思いがした」など独特の感想。
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わさび
ネタバレ叱る=他者を変えようとする手段。叱る側が求めるあるべき姿やしてほしいことを実現するための手段。そこには権力の非対称性という前提条件がある(親が子に、上司が部下に叱るということはあまりない)。何を叱るかは常に叱る側が決める。
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わさび
ネタバレいつから日本人は狐に化かされなくなったのかと思いながら読んだ。最後の話は怖い。妻の遺体が本物じゃなくて本当にほっとした。絵:樋口佳絵
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わさび
ネタバレ昔、群ようこのエッセイで知り読んだことを思い出す。ひさびさ再読したが、耳をパチンとやってしまいたいなど独特の表現が感覚的に猫を表現していて面白い。
わさび
ネタバレ数年ぶりに再読。「回復には強さはいらない。強くなるより賢くあれ」。「患者の転機に関して楽観的な展望を持っていること」が援助者には必要。この本でも熊谷晋一郎医師の「自立とは依存先を増やすこと」が出て来た。人に依存することは決して悪い事ではない、ところが依存症になる人はそれができない。物で自分の苦境を支えようとする。安心して人に依存できない。人とつながり、依存できるようになることが回復には大切。
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わさび
ネタバレ運命は変えられなくても、人生は変えられる。印象に残ったところ:「月」を視覚以外で見るには。患者さんと一緒に依存症の勉強会をしていて自分の持病である網膜色素変性症が似ていることに気付いたこと(不治の病であること、治せなくても居場所を変えることで克服できること)、依存する=居場所があること、居場所を簡単に捨てられるか?それが不健全な居場所であったとしても。嘉門達夫さんのラジオの話。
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わさび
ネタバレ夜の山道をひとり歩く話。山村育ちの自分は経験になぞらえて共感しつつ読んだことを思い出す。ひさしぶりに読んでみたら、そういうことではなく死がごく身近にある心象風景が迫る。昔の自分は浅かった、でもやっとこういう感覚がわかるようになってきた。若いのに、やるせない気持ちが強かったことだろうに、こうやって文芸として自分の感情を昇華することは凄いこと。結核と文学。
わさび
ネタバレ生徒たちが学んだこと感じたことが面白かった。「相手を名前で呼ぶことが難しかった」(親しくない人を名前で呼ぶのが難しい、5日目にやっと呼べた)、何を話のとっかかりにしてよいのか、着ているシャツの色で役割がわかる(介護職員、看護職員)、子どもが学んで育つ環境を作る仕事の大変さ、など
わさび
ネタバレ「野上さんにとっては、パリも砂漠も同じことさ。地球上のどこへ行っても、彼には荒野しかない。結局、国籍を失った男だからね。いや、国籍だけじゃない。自分の生命を17年前に喪失した男だ。彼にとっては、地球そのものが荒野さ」。ラストは観音埼での対面。個人情報保護はないし、電話交換手、鉄道など時代を感じる記述が多く興味深かった。解説:半藤一利で、繰り返し読むほど愛読しているとのことで、西ノ京で電車を下りる冒頭部分が最高と。また唐招提寺の金堂の描写を引用する。十数年ぶりに祖国へ帰った元外交官が見る美しい日本の原風景。
わさび
ネタバレ昨年唐招提寺に行ったので読みたいと思っていた。東大寺あたりのオーバーツーリズムとは無縁で静かだった。西ノ京で電車を下りる場面から始まり、薬師寺、唐招提寺をめぐる。奈良を訪れる観光客も、この時代もここまで足をのばす人は少なかったと記述あり。唐招提寺の芳名帳の筆跡から物語がはじまる。終戦後16年という時代を感じる内容で、とても雰囲気があって良かった。スイスで胸を患って亡くなったとされた野上氏は本当に亡くなっているのか?
わさび
ネタバレイスありスクワット、鎌田式かかと落としなど手軽に取り入れられる体操が紹介されている。自分の体力に合わせて、貯金より貯筋、無理はしない。
わさび
ネタバレ森に分け入って旅に出ていく話が多い。「三人兄弟」結婚のハッピーエンドではなく、3人兄弟が愛し合いひとつのお墓に入りましたという結末が意外だと感じた。解説:小澤俊夫で3回の繰り返し(3回目にアクセントが置かれている)、リズムに乗った快感について書かれていてなるほどなと思う。本来持っているはずの環境を捨てる、というのも。
わさび
ネタバレ初期から晩年まで広く収録されているので、どの時期を読もうか考えやすかった。芥川賞受賞作や「日本三文オペラ」、ベトナム戦争あたりの作品は読んだことがあるけど、他はほとんど読んだことが無いかも。日本三文…は近所の図書館にはなさそう。「現実は、考えることのできる者にとっては喜劇、感じることのできる者にとっては悲劇である」
わさび
ネタバレ昔読んでとても印象に残った一文がみつけられなかった。やっぱり全集にあたるのがよさそう。今回「かめれおん日記」が良かった。榎の枝々を透かして昇ってくるオリオンを見て、青い蜜柑が出始めると三つ星さまが見えだすんだよとの祖母の言葉を思い出す記述が好き。想像以上に喘息で身体が衰弱している様子で、睡眠時間は2、3時間。昼間は一日中ぼうっとしている。発作で夜間にアドレナリン1本をうち、朝まで床上に座る、朝エフェドリン8錠服用などの記述もあり。解説:池澤夏樹「人はそれぞれ生まれた時から自分にふさわしい方位を持っている」
わさび
ネタバレ「つまりはこの重さなんだな」。絵が自分の持っていたイメージとまったく違って今風すぎるのだけれど、これはこれで楽しめた。普遍性があるテーマだからか。肺尖カタルなどの用語解説が巻末にあり。結核は国民病で、当時は結核と口にせず病名をぼかして呼ぶ人が多かった。梶井が亡くなった昭和9年には肺結核で年間9万人が亡くなっている、と。(ちなみに当時の人口は現代の半分程度の6400万人で、2023年に新型コロナでは年間4万人死亡との解説もあり。)梶井の肖像写真はなし。
わさび
ネタバレそれぞれの温泉に影響されていく感覚が表現されていた。土地に降り立った時の第一印象とその変化が興味深い温泉もあった。草津温泉で東山魁夷「一筋の道」の署名の隣に「Y字の路」と書いて署名したり、城崎温泉での志賀直哉の「題名のカルマ」と寂聴さんの行動が面白かったり、楽しい読書だった。温泉と日本文化、文学。温泉地で見つけたY字路と、旅の思い出やインスピレーションを組み合わせた絵は創作の過程も垣間見えた。「思い出劇場」石和温泉・2007、「夢千代日記」湯村温泉・2007など。
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わさび
ネタバレ出版直後以来の再読。「人間は薬物を用いる動物」。どの民族、どの文化にもそれぞれお気に入りの薬物があり、その薬物を上手に使いながらコミュニティを維持してきた。ベンゾ系処方の件で「ご婦人の『手のかからなさ』とは、実は、援助希求性の乏しさや、人間一般に対する信頼感、期待感のなさと表裏一体のものであった」「人に依存できない人だった」「まやかしのセルフコントロール感を維持するためには、手もとにある『藁』にしがみつく」がとても印象に残った。白衣を着た売人たちもまた、厄介な患者を診ようとしない同業者に憤り孤立しがち。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレとても美しかった。和製ステンドグラスの歴史、日本で最初の製作者山本(宇野澤)辰雄についてなど知らない事ばかり。表紙写真(晩香盧)は淡貝をガラス片のようにして使ったもの。島津創業記念資料館、長楽館、大阪府中之島図書館、舞子ホテル、旧鶴崎平三郎邸など写真が多く楽しめた。「小川三知の世界」も読む予定。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/05/06(1020日経過)
記録初日
2022/05/06(1020日経過)
読んだ本
1786冊(1日平均1.75冊)
読んだページ
374753ページ(1日平均367ページ)
感想・レビュー
1786件(投稿率100.0%)
本棚
10棚
自己紹介

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