読書メーター KADOKAWA Group

2024年3月の読書メーターまとめ

わさび
読んだ本
67
読んだページ
13549ページ
感想・レビュー
67
ナイス
183ナイス

2024年3月に読んだ本
67

2024年3月のお気に入られ登録
1

  • ぶぶ ひこ

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

わさび
ネタバレ読み終わった後にもう一度最初の部分を読み直した。都を中心に、女性三代のそれぞれの時代の中での生き方が描かれていた。貫一と都の逆金色夜叉シーンは今どきなのかも。地方独特な閉塞感やヤンキー文化の描き方も時代をなぞっている。今やなんでもショッピングモールで揃う時代で、わざわざ東京まで行かなくてもという感覚もわかる。販売員の中井の突き抜けた割り切り方はなんだか羨ましくもある。「何かに拘れば拘るほど、人は心が狭くなっていく。幸せに拘れば拘るほど、人は寛容さを失っていく」「心配するとは、拘束することと紙一重なのだ」
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

わさび

【読書メーターの本のプレゼントに応募しました】人と人とのゆるやかなつながり、町なかの四季やおいしいごはんを瑞々しく描く物語。中島 京子『うらはぐさ風土記』を10名様にプレゼント。応募受付は3月11日(月)の正午まで。応募はこちらから→ https://bookmeter.com/giftbooks/553?track=share

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
67

わさび
ネタバレ▽漁業技術と漁村:農村と違い一つの浦の中にも地区によって漁法を異にする人達が住む、古い漁法はそのまま残存しつつ新しい漁法がそれに重なっていく。▽日本人全体が米を食べるようになったのは戦争のための食料配給制度による。日本人は元々雑食の国民だった。▽飢饉などの時の救荒食物(彼岸花、ドングリ)、魚食(対馬ではイカが主食)、イモ▽霞ケ浦のカツサコボレ▽焼畑
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ「痔は二足歩行の宿命」、受診を8年間ためらっていた著者による治療体験エッセイ。マンガなので治療方法の図示もわかりやすい。同病相憐れむというが、同じ痔主仲間の痔友と慰め合ったり情報交換したりする場面がとても印象に残る。おすすめグッズ、ぢ・あるあるコラムも。監修:著者の主治医の大垣雅晴。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ巻末に子供の悩み相談窓口一覧あり。特に「つらいときの攻略法」は正攻法だけで世の中を渡らなくていいメッセージになるかも。本来伝えたい相手はなかなか手に取らない一冊かも知れないけど、相談相手がいたら人生変わることを知っている大人からするとこういう伝え方も良い。
わさび
ネタバレ長嶋一茂氏のパニック障害について「狭い空間で繰り返されるパニックの苦悩を経て『どんなにしんどくても、結局、自分の身の振り方や生き方は、自分自身で考えていかなければならない』という思いに至った」との考察が印象に残る。また、映画「牧師といのちの崖」の結末についてのゲスな質問の場面がとても著者らしい。自分も質問はしなくても同じように思う。人は場所を変えても、やっぱり対人関係で同じパターンを再現してしまうものなんだなと改めて思う。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ2011年出版本なので、時代を感じる内容でもあった。この本には自殺者3万人とある。ツレの会社は30人いた職場がリストラで5人に。うつを防ぐことはできるの?という問いに「不幸はどうしたら防げますか?」という質問と同じくらい難しい質問、との返答が印象的。どこかで防げなかったのかと考え出すと辛いだけなので、今どうすればいいのかを考えましょう。症状が軽い場合は本やネットでこころを軽くする方法を身につける、解決できなかったら病院へとの記述あり。日記は認知療法的なもの。再発防止のためにも自分の考え方の癖に気づく必要。
わさび
ネタバレドクター中松氏インタビュー。(物が落ちるときのルールを探す、ねりけしを作りやすい消しゴムはどれだ?声を出すと運動が上手くできるようになる?玉ねぎを切るときに涙の出ない方法を見つける、水につけるとふにゃふにゃになりやすい食べものはなに?せんたくものが一番早く乾く方法を見つける)
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ重要なことは一番ではなく混乱。(中身がこぼれにくい器と運び方は何?野菜を長持ちさせる置き方を見つける、ペットボトルの持ち方によって感じる重さが変わる?やる気スイッチを探す、アリはどんな音に一番反応する?鳥に人気の場所はどこ?待ち合わせ場所№1のオブジェはどこ?)
わさび
ネタバレくすっと笑えて、ちょっとやってみたくなる研究が見つかるかも。(食べものは音がするとおいしさが変わる?かき氷は全部同じ味?音で気持ちや行動は変わる?おにぎりは食べる場所によって味が変わる?太陽の熱を一番防ぐ帽子はどれだ?マッサージで一番気持ちいいところはどこ?おしっこの時間と回数調べ、おならの回数は食べるものによって変わる?)
わさび
ネタバレ著者の経験に基づく独特の合いの手を含めて、特性を持つ方それぞれ独自の世界を垣間見ることができた。了一さんの「とんとん拍子で婚約して、破棄される」つらい経験やその未練はよくわかるし、同じくらいの年齢で同じような経験をした20年たっても傷が癒えない著者の辛さもわかる。「障害者同士の対話の実践」とあるけど、人同士の対話だと思うのでそれぞれの生きづらさ、読んでいる自分の生きづらさも浮かび上がる。姫野桂氏の本は読んでみたい。ひとつにはならないし、なってはいけないとの言葉もそのとおり。ラガーさんのご冥福をお祈りします
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ久々読んだ。地方と都市部の二つの拠点がありその間で遠方にある人を考えてもどかしく感じる気持ちは、時代を感じる内容でもあった。今はこのように離れず、継続的なつながりを持つ転居になるように思うので。解説:安原顯の「優しさ」の時代と若い世代の共感との関係についてのインタビューが印象に残った。優しい小説ではなく読みやすい小説、登場人物はみんな冷淡で、著者自身は人生について否定的。せめて小説ではそれを救うようなものを書きたい。ある種のハッピーエンドを目指す。優しさとは献身みたいなこと。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレミャンマー、シャン州のインレーという湖の上でインダー族と呼ばれる人たちが水上に家を建てて暮らしている。納豆、食べるお茶がある。寄進のために舟でお寺へ、舟を足でけるように漕ぐ、浮き畑、ハスの茎での織物など興味深い写真がたくさん。
わさび
ネタバレ遊牧民プージェ一家の悲劇には社会の変化が大きく影響している。モンゴルは社会主義の国だったが、自由主義経済に変わる中で現金収入を求めて移動を始めるようになった。プージェの父は首都へ出稼ぎに、社会主義時代は受診は無料だったが貧しい遊牧民は病院で診察を断られる時代になった。遊牧民でも居住地を自由に選べるようになり都市近郊に移住し、便利な土地の草が不足するようになった。冷害が来た時には現金収入を求めて家畜を殖やし過ぎていた遊牧民が多く、共同作業が無くなっていたため冷害時の蓄えも乏しかった。
わさび
ネタバレ本筋とはズレるが、女性一人でこういう場所に移住できるということに驚く。しかも短期間に数か所も転居できるほど空き家がある。著者は保育士の資格で農閑期の現金収入を確保できていたが、地方に移住する時はやっぱり確実な稼ぎの方法を持たないと難しいだろうと思った。葬儀は公民館で集落の人で行い、女性が精進料理を作り男性が給仕する昔ながらの慣習が続くエリアのようだった。地元の方との会話が交際相手はいるか、結婚は?など、人によっては辛くなりそうな内容の記述が多かった。ただ、祭り等は移住者に継承する方法もありそうだと感じた。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ山間に残る民俗芸能は古いものを残そうという住民の意思が働き、社会を動かしていく大きな軸としての役割や生きがいにもつながっていた。何のために山村に生きて来たかの答えがあるのでは。地域社会の新しい軸とは。伝統文化に対する社会的な評価が適切になされ、経済的な裏付けができるか。高齢者対策で高齢者を大事にしろと言われるが、その人たちの持つものを誰かに継承させることが忘れられている。高齢者対策は若者対策でもある。p233女性の重要性(女性の家事労働軽減→低賃金労働者に編成替えすることだけ)はなかなか改善できず今に至る
わさび
ネタバレ牛河の目を通して青豆と天吾の幼少期を振り返る。こういう時には自分の経験の視点が必ず入るもの。青豆の妊娠、執拗なNHK訪問員、天吾の療養所滞在とハシッシ中の青豆との再会、小松の誘拐告白まで。途中で百閒「東京日記」の引用があった。「希望のあるところには必ず試練がある」「希望は数が少なく、おおかた抽象的だが、試練はいやというほどあって、おおかた具体的だ」
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ合唱曲で歌ったことがある著者の歌詞が当時から不思議だったが、人となりがわかる一冊だった。共視。あと、著者の周囲は自殺している人が多すぎるような。精神科医にとっては新興宗教やISのようなテロ組織がライバルなのでは?悩んでいる人がこうすれば救われると言った言説に惹きつけられ組織へ向かうのか、それとも精神科の門を叩くのか、という部分が興味深かった。小此木啓吾との関わり、空しさをかみしめながら生きるということ、楽屋の喪失 (空き地や裏の場がない)、加藤和彦の思い出も印象的な部分だった。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ1981年:曲芸パンダ・ウェイウェイ来日(上海雑技団)は知らなかった。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレヒポクラテスから杉田玄白、華岡青洲、ジェンナー、パスツール、コッホ、北里柴三郎、ワトソンとクリック、そして山中伸弥まで。ジェンナー:使用人の息子で牛痘の実験、消毒法で医療を変えたジョゼフ・リスター物語、レントゲン:骨を見せるショーまで開かれた、X線で服の中まで透けて見えたり考えてることがばれたりするのではと不安になる人も、などコラムも今後の読書のヒントに。監修:茨木保
わさび
ネタバレ子ども自身のことだけでなく、第三者としてその場に居合わせたときにもどうしたらいいのか実際に行動できそうなテーマが多かった。子どもや家族間での話し合いのテーマにもなった。友人が虐待されている?広がる貧困と格差、部活の先生に体を触られる、友人との金の貸し借り、いじりを受けて不愉快など
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ山口県の「萩乃薫」:夏みかんの皮を日本で初めて菓子にした。明治維新後、経済的に苦しくなった人々を助けるため、夏みかんが植えられるようになった。
わさび
ネタバレ大学教員を早期退職し北海道の僻地医療に携わる著者。「医療にまで広がる市場原理主義」、「簡単で儲かる医療をやって何が悪いのか」という声には誰も抗えないのが現実との指摘があった。また、予約なしでの受診希望で遠方から受診する精神科初診者が多いという気づき。そもそも周囲に精神科が無い、どうやって地元の精神科医療機関につなげるかなどの課題は今後の著書でもテーマになるのでは。精神科を訪れる人の移り変わりは時代の流れも感じられる。「山は低くなったが裾野が広がった」「そのケアはますますむずかしくなった」
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ三島由紀夫の部分が面白かった。結局、聞こえないから誰にも理解できなかった。演説が遠い、あんなところで喋ったって聞こえない、距離がありすぎる。円地文子「三島さんにスピーカーを持たせてあげたかった」、「深沢七郎も遠近感が無いって言ってたけど、三島も距離の測り方がおかしいんですよね」。「罪と罰」でラスコーリニコフがやたらといいやつに描かれているのもわからないも面白かった。娼婦は聖なるもの?女の家族が凄く優しいという指摘も。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ感染症治療の歴史をざっと把握できる。ペスト菌の発見はゴム手袋の無い時代で、コロジオン(薄いセルロースの被膜)、昇汞水に希塩酸を加えた溶液で消毒する命がけの作業が印象に残る。細菌学説を信じない研究者がコレラ菌の培養液を飲むという自己実験する様子も。東大や文部省等の日本医学会との確執、伝染病研究所建設時の近隣からの反対運動への対応、結核専門病院の建設(土筆ヶ丘養生園)、「コッホ神社」が興味深かった。ジュニア向けだが芸者を身請けした件を福沢諭吉に咎められたことや、長男の心中事件についても扱われていた。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ武蔵高等学校中学校の生徒たちの10代らしい感想が楽しい。準備不足の後悔や、感想というか反省、とある感想が良かった。
わさび
ネタバレ「世代は違えど、僕たちは同じような傷を負う。その傷が共通点となって、世代を超えた連帯みたいなものが生まれることがあるかもしれない。」「そのヨシハラこそが、沼田君をこのようにした誰かであり、また彼がずっと待ち望んでいる誰かであるかのような気がした。」沼田がパーソンズを辞めた理由がなんとなくわかる気がした。自分の人生を誰かの評価のもとで展開すると確実にメンタル病む。何かに委ねるのではなく自分で切り開けるといいんだけど、遅れて上京してきた者に対しては時代も厳しいのかも。地方に帰っても、という気持ちもわかる。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ漂海民バジョも最近は携帯電話を持っている。各国が定住政策をとり、今ではほとんど沿岸部に家を建てて住んでいる。しかし、今でもバジョは病気になったり困ったことがあったりするとウリジン(伝統治療師)を頼る。医者である著者が診察や治療をしても、同時にウリジンが呼ばれる。バジョは生まれたときに生き方が決まっている。仕事を探す必要もないし、失うこともない。将来の夢はないけれど、その日その日の達成感や充実感があり、争いはなく助け合いの心がある。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ「今の学生さんたちはすごいんですよ。まだ出産なんて先じゃない、と思うのに、学生時代から『産んだ後』を心配している。ある意味、知りすぎて不安になっている印象です。私は過剰不安時代と呼んでいるのですが。」「浜田さんたち世代が頑張りすぎるから私たち世代は苦しいです。」「女性、男性という役割期待が今よりずっと薄くなっていてほしい…選択の幅が性別関係なく広がってほしい」
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレとても読みにくく、興味ある所だけ部分読み。リアルな恋愛はコスパが悪い、選択肢が多いからこそ選ぶことがストレスなど結局、結婚は選択肢の一つになっているということなんだろうけど。著者の人生経験を時折挟んでくるのだけれど、それがいまひとつに感じる理由かも。子供を持てば仕事の幅が広がると思う、と夫に話した場面があったのが印象に残る。他者からの承認をそんなに意識しなくても。揺れる感じ。結婚生活では人が増えてこそ見えてくる面があるのも現実であるけど、それも人それぞれの価値観であるし結婚に限らず皆自由に生きた方が良い。
わさび
ネタバレ「戦後版・間貫一の最期」「教育立国の成功者の一族の異端児が、山崎晃嗣その人ではなかったか」等いろいろ興味深かったが、山崎本人よりも、被疑者と取り調べの検事として対峙した昔の同級生、山崎自殺日と同じ日に自決した三島由紀夫との東大での接点、一緒に光クラブを経営していた三木仙也の方が印象に残った。税務署職員と通じていた女性S・Kもかなり興味深い人物で、彼女の演技にころっと騙される様子に若さや世間知らずさを見た。銀座に移転してイメージを変えたり、新聞広告の戦略も今の時代とは違う感じだったりで面白い。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ西日本の離島の習俗が多く、埋め墓と詣り墓の記述が多い。表紙の写真は昭和37年長崎県富江町の墓まつり「墓地でチャンココを踊る子供」。離島の事例が多いので、過疎化の進行により葬儀や死者を悼む方法が変化した地域が多そう。墓石の広まり方、白喪服など今の慣習が案外昔から続く物では無い事にも気づかされる。田畑の中に墓地があるのが不思議だったがその土地を開いた方なのだそう。都市生活者と墓地、クリスチャン墓地(徳川好敏についても)、子供墓、兵隊墓、夫婦墓、無縁墓、慰霊碑・供養塔、火葬場などの記述は他の本でも読んでみたい。
わさび
ネタバレ「下降生活者」:白を切ればバレないだろうになぜ認めてしまうのか、潜在的に学生とつながりたかったのか。架空の僕を演じることで得られた自由な解放された感情。学生は山岳事故死?「勇敢な兵士の弟」:医療で解決できない問題は霊媒師のもとへ行く。霊媒師は戦没学生と同世代で率直な感情の発露になんだか癒されている母と弟。「幸福な若いギリヤク人」:美幌の療養所にいる同じギリヤク人のシャーマンを訪ねていき晴れ男と言われ心機一転、万能感を得る。それでいい?「スパルタ教育」:新興宗教による嫌がらせ?「セヴンティーン」:部分収録版
わさび
ネタバレ砂糖に代わる甘味料「あまづらせん」の作り方が興味深かった。真冬にナツヅタの茎から樹液を取り出し煮詰めたもの。けずり氷、ほうとう、べいだん、つばきもち、ふずく、むぎなわ、いもがゆ、母子もち、まがり、からくだもの
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ「大人になるのが楽しみ」と思ってもらえると嬉しい、とあったけど、子どもがこういう本を読むのも不安を増長させる面もあるようで程度が難しい。「SNSを使うほど幸福感が下がる?」「あの人はなぜスマホを持たないの?」「お金を稼げば幸せになれるの?」「枠組みを変えるリフレーミング」「逃げ場をもとう」「前向きに考える習慣をつけよう」「差別していないかという観点が大事」など、大人が読んでも面白い視点も多い。
わさび
ネタバレ自分の読書の流れでおさらいになる章も多かった。「日本は、一人当たりの健康寿命などのスコアは高いのに、人生の選択の自由度や他者への寛容さのスコアの低さが目立ちます」対話なき社会の末路?オープンダイアローグへの関心の高さ。松本俊彦、原田剛志、斎藤環、大野裕、加藤隆弘、張賢徳、堀川公平、渡邉博幸、コラム欄には成瀬暢也、秋山剛、高木俊介、アーロン・ベック、田邉友也、樋口輝彦、野村総一郎、和気隆三。アップデートを怠る医療者は避けるべきだと読んでつくづく思うが、地元の精神科医療機関の評判はわかりにくいものでもある。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ▽思考が浮かんで来たらそれを脇に置くのを何度でも繰り返す。相手の話よりも、相手の現在の存在を聴く感じ。▽相手の話を問題としてとらえて解決しようとしないこと。決めつけたり変なアドバイスをしてしまうと、自己防御したり反抗したりするので前向きな変化を妨げてしまう。治療者でないならただ聴くだけで十分。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ今、麻疹の報道があるため興味を持つ。麻疹の症状、世界史、天然痘との鑑別、ワクチン開発史など興味深い内容。「江戸時代の麻疹は20年から30年の間隔で起きていた。5、6年置きに発生していた天然痘よりもはるかに低い頻度であった。同じ島国である英国では、麻疹は2、3年置きに流行しており、それとは大分異なっている。日本は鎖国していたので、侵入の機会が限られていたためであろう。医師は一生の間に二回くらい、多くてもせいぜい三回、患者を治療する機会があったに過ぎなかった。多くの医師は自分で治療した経験がなかった。」
わさび
ネタバレ品質検査=製造した製品の品質に問題が無いかを確かめること。工場見学も行ってみたい。北星鉛筆、造幣局、アサヒグループ、シャチハタ、カリモク家具、資生堂(日焼け止め、口紅)、シグマ(デジタルカメラ)
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ面白かった。「ゲームという仮想世界の中でも『傷つきたくない/傷つけたくない』とする風潮が世界的に高まり、それがプレイのスタイルに反映していった」。人生は結局親ガチャだというニヒリズムに対してボードゲームが教えてくれるのは、完全な運と完全な実力の間にはグラデーション(濃淡を持った連続性)があり、もしプレイの最中にどちらかに偏ったとしても、修正する方法がいくつもあり得るという中庸の感覚。人生のグラデーションこそがアナログの意義。「グラデーションの中でバランスが変わること自体をポジティブにとらえたい気持ち」
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ大江健三郎の60年代の小説を読んでいるんだけど、並行して一瞬で読んだ。どちらがいいとか悪いとかではなく、若者の閉塞感の種類が全然違う。こちらは出てくるのは自分視点だけで、消費的なキーワードの中で悩む。出会いはアプリでのマッチング。地方の描き方も地名は色々出てくるが画一的で、銀行員の父&専業主婦の母ばかりだったような。何というか、世の中はそういうものという先入観が先にあるのだろうなと思う。自分も地方出身で、世代や居住地は違うが感覚が保守的で古いなあと驚いてしまった。でも斜に構えてやり過ごす感覚はよくわかる。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ趣味、結婚などのプライベートまで全て仕事に役立つか否かで考える傾向がある時代を考える。この本でも熊谷晋一郎「自立とは依存先を増やすこと」が出て来た。依存の分散化で、誰かひとりに頼るのではなく、みんなに頼る。休み、眠るは一人ででもできることのように思うが、「いる」は一人では成り立たないという前提がある。他者は安全であるという前提のもとで安心して眠ることができる。逆に言うと不安な時に眠れなくなるのは、心の中の他者が危険になってしまうから。フロイトが「愛されること」ではなく「愛すること」と言う深みはここにある。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレコミュニケ―ションに必要な「共同注意」の発達が遅れている。共同注意とは他の人と注意を共有する能力。また、全体的な処理よりも部分的な処理を優先してしまう。困ったときに相談するには、整理、リスト化、感謝の気持ちを忘れない事など日常生活での困り感を軽減する方法がわかりやすく書かれていた。監修:安原昭博、絵:細川貂々
わさび
ネタバレ「自己否定や自己破壊は、信仰への過程ということになる。振り子が、正しい方向に振れるようにするためには、まず反対側へ引っ張っておかなくてはならないという理屈だ。悪は、善を呼び起こすために必要ということになる。」「ドストエフスキーはロシア正教も神もツァーリも信じていない。近いうちに混乱が起きて、神もツァーリも殺され、教会もロシア帝国も破壊されるという予感がドストエフスキーにはあった。」「ドストエフスキー自身も、その作品の中の登場人物も、虚無の中で生きている人は一人もいない。」ロシア人は虚無を想像できない。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ読み終わった後にもう一度最初の部分を読み直した。都を中心に、女性三代のそれぞれの時代の中での生き方が描かれていた。貫一と都の逆金色夜叉シーンは今どきなのかも。地方独特な閉塞感やヤンキー文化の描き方も時代をなぞっている。今やなんでもショッピングモールで揃う時代で、わざわざ東京まで行かなくてもという感覚もわかる。販売員の中井の突き抜けた割り切り方はなんだか羨ましくもある。「何かに拘れば拘るほど、人は心が狭くなっていく。幸せに拘れば拘るほど、人は寛容さを失っていく」「心配するとは、拘束することと紙一重なのだ」
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ現代とは比べ物にならないほど人間が自然の中に溶け込んで暮らしていた時代の記録。家船は昭和40年頃までに消えていった。一本釣りの場合、5歳くらいで親の手を煩わせずに魚を釣り上げるようになり、海からみえる陸の映像を頭に記憶していく。漁場選定とその基礎となるヤマを頭に叩き込む。船住まいの漁民にとって子供の教育は親の問題であり、社会の側に引き渡す理由はなかった。吉和学童寮の写真が印象に残った。また、社会が船住まいの人を見下した差別の問題、女性の暮らしも記述があり現代の視点で読んでも考えさせられる内容が多い。
わさび
ネタバレ敏感過ぎる人(HSP)についての記述が少しあること、セラピストと患者の対等な関係がオープンダイアローグと共通、と訳者あとがきにあった。「そう、これは軽度の対人恐怖症の人のためのグループだものね」「軽度って聞くと、ほっとするわ。大したことじゃないと思えて」「重度の対人恐怖症のグループって聞かされていたら、人は集まらなかっただろうね」
わさび
ネタバレ「傑物ですよ。私にとっては未開社会そのものよりも畑中さんをニューギニアで見た方が大きな収穫でした。」1968年に36歳で2年後に独立を控えた彼の地に滞在した著者はジャワ(インドネシア)育ち。畑中幸子は大連育ち、ニューギニアに残る旧日本軍の足跡、マラリアなどの南方戦線つきものだった病気の話を淡々と語る軍隊経験がある方の話など、時代を感じる内容でもあった。近代化に急速に進む山岳民族の人々の様子が興味深い。パンツこそ近代文明のシンボル。解説:平松洋子
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ「瘦せたのに幸せじゃなかった」食べられない辛さ。体型が変わったことに何も言ってこなかった方の存在がありがたかった、何も言わないでくれる有難み。自分の身体のことは本人が一番よくわかっている。そんな中でのコミュニケーションの取り方とは?ルッキズムの時代、人の身体をとやかく言うなという社会啓発の方が大事なのかも。自分の価値観で誰かをジャッジしない、身近な人を助けられるように安心して話せる相手になることの重要性。作画:菊池真理子、監修:宮田雄吾
わさび
ネタバレ「私にとって人間の裏切りに最も幻滅した体験は、1960年代の一連の学生闘争でした。…私にとってマスコミもそうなのですが、人は裏切るものであり、幻滅させるものなのだということを念押しされて、ついに私自身は、この表裏のある生き方を精神分析するにいたったのではないかと思っています。」「いつでもどこでも逃げていける生き方、深く関わらず、半身を後ろに置いておく生き方を、私は選び、距離を取って眺めるという生き方を完成させたのではないか」。「風」「あの素…」は喪失感「別れをもってすべてが決定される」急だからこそ傷が残る
わさび
ネタバレ久しぶりに「キッチン」読んだ。また、「おかあさーん!」の錯乱する様子、「デッドエンドの思い出」の思いがけずなんとなく癒された感じなども懐かしい。後者の「もう、二度とあの楽しい日々は帰ってこないから、もう会わないんだろうな、と思っているのがわかった」と別々の空の下でそれぞれ生きていく感覚には迫るものがあった。袖すり合うも他生の縁?「この世に生まれたことをなんとか肯定して受け入れようではないか」「だいたいが面倒で大変なことばかりだけど、ふとしたいいこともあるではないか」という著者のあとがきには励まされる。
わさび
ネタバレ「わたしが国会議員に立候補したのは、自分と同じ苦しみを、障害者の仲間に味わわせたくないと考えたからです。また、私が当選したら、私と接する議員たちや、私のすがたを見る多くの人達も、障害者への接し方が変わっていくのではないでしょうか」。国会のバリア、重度訪問介護制度の問題点、訪問看護師の佐塚みさ子氏との出会い、「ギバー」としての議員活動についてのあとがき(54年間私を励ましてくれている少女の思い出)が印象に残った。
わさび
ネタバレ日本の車にはどうして白系が多い?、マイ箸、マイ茶碗、日本人は無宗教なのか、数えるときに正の字を使うのはなぜ?、お土産は何のために、クリスマスはなぜ定着した?、日本人はホントに正座?、日本人はどうして野球好きなどのマンガとコラム。クリスマス産業は神戸発祥、日本人はいつから椅子を使い始めたのか、穢れと禊、お清めの塩、茅の輪くぐり、野球の歴史(正岡子規、大隈重信の始球式)は他の本でも読んでみたい。
わさび
ネタバレ屋井先蔵さんが電池で動く時計を作るまでが面白かった。時計が5分遅れてて遅刻してしまうとか、戦争に使われたことで評判が上がってすごく売れた世界初の乾電池だとか。実験器具に会える博物館にも行ってみたい。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレカンボジアのトンレサップ湖の水上生活者のための診療所で働いている日本人女性看護師が印象に残った。湖上生活の課題は貧困と衛生管理、字が読めない方が多く「薬が魔法だと思われていて、薬に対する認識が甘いというか…」ジュースのように甘い風邪薬を子供に飲ませてしまう、蛇にかまれた子供を祈祷師の元に連れていくなど興味深い内容だった。10年前の本なので今はどうなっているのか気になる内容だった。タイの移動図書館運営の話も面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ「『穏やかな日常』というのは幸せなことなのだろうか。そもそも本来日常とは穏やかなものなのだろうか、と考えてしまう」「老いてなお、目標に向かって、前向きに進んでいかなければいけないのだろうか」。精霊流しへの参加、毎晩一人で魑魅魍魎と対峙してきた文子さん宅にお札を貼って結界を作る発想が面白かった。著者をスカウトした経営者がこの事業を立ち上げた経緯の語りは、この国の高齢者福祉の歴史を感じる内容だった。真面目な方が様々な点で報われる業界になってほしい。聞き書きで一緒に働くスタッフにも変化があるのが興味深かった。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ自営業と病気療養(著者は40代で乳がん)、無年金だった件、自宅購入など書かれていたが、やっぱり結婚しているのでそれが様々な点で支えになっている事が読み取れた。もつ焼き屋の80代女性は楽しそうに仕事していて、悲壮感が無いのが良い。今まで切り盛りしてきた店での積み重ねの延長で仕事をしているし、この方も良好な関係の家族がいるので…と社会保障の大事さはもちろんあるけど精神的な安定感が違うなと思う。居場所は大事。自分は自営業ではないけど生き方について考えさせられる。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ地方育ちで家業を継いでいる方と、移住して事業を起こしている方が混在している一冊。合わなかったら次の移住地にという発想の方もいた。地域にどんな課題があるかは飛び込んで暮らしてみないとわからないという意見も。「正直、年収も落ちて休日という概念もなくなりましたが、スリリングなキャリアアップだと思っています。地方ならではの新しい仕事を生み出して稼ぐって最高にカッコイイですよね。」「大切なのは、暮らしを収入ではからないこと。お金に換算できない豊かさを味わう醍醐味を大事にしてほしいです。」
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ克服の方法だけではなく、生きやすくなる方法を考えよう。苦手なことにエネルギーを注がない、苦手の克服よりもできることで成果を出す、という考え方のほうがうまくいきやすい。自分にあった生き方をしよう、と思うことができれば状況は大きく変わる。自己肯定感を高められる環境を探す。理解者・支援者を見つける。居場所づくり。女性がぶつかる壁(社会の求める女性像)、過剰適応の問題、外注の利用、働き方もフルタイムだけではない。いろいろやっても生きづらければ医療や福祉へアプローチ、と巻末に相談機関一覧があった。
わさび
ネタバレ昭和5~11年までのテロ、クーデターを見ていくと「殺害される指導者は『刻苦勉励』『熟慮断行』『性格穏健』のまっとうなタイプが多い。特に、昭和の暴力の季節に暗殺の対象となった人物を見ていくと、そこに見事なまでに常識人のタイプが浮かんでくる」「奇妙な言い方になるが、テロ、クーデターの後の軍事指導者と比べると、『人間の質』が違うと言ってもいいだろう」。テロが連鎖した後の人材のひどさ。テロの真の怖さはこの点にもある。死なう団への国家暴力、正義を守るためには暴力が必要と教訓化されやすい、などは今後の読書で。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ「心を開いていけば、人生はちょうどプラマイゼロです。プラスだけを見るのではなく、マイナスを見ないようにがんばるのでもなく、全部を俯瞰できる、それが歳を重ねてきた人間の強みです。」
わさび
ネタバレ自殺は本当に残された周囲に波紋を残す。何が原因なのかと詮索は止まらない。藤村操、昭和初期のデパートの窓からの投身自殺の流行、戦前の観光地の自殺(伊豆大島など)、光クラブ、死刑執行予告後の自殺など自分の関心と重なる事例も多かった。あとがきで著者が医師を引退する理由が書かれていて、精神医学のチープさに未練など無い「自分に正直になれた」とあった。動機は他人が詮索するよりも当人にしてみたらあっさりしていることなのかも。装丁:寄藤文平+垣内晴
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ「忘れられた日本人」を読んだので久々再読。今回は女性民俗学者としては従来の女性の定型の通過儀礼を経験していない事で生きづらさがあったこと、介護職に馴染むにつれて介護の技術達成感を得ていき、意識的に、真剣に向き合うことを避けていく姿が印象に残った。施設利用は8割が女性とのことで聞き書き対象は女性が多いが、話を聞く場所が施設なのでかつてのフィールドワークとは根本的に違うこともありそう。閉鎖的な介護現場を社会へ開くことの必要性についても書かれていた。また民俗学はどういうフィールドを持つのか現状も気になった。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ特に命名権の部分が印象に残った。広告にふさわしい場所とふさわしくない場所とは。社会全体の商業化。公共領域にも企業スポンサー契約が浸透しつつある。売り買いの論理は物的財貨だけでなく生活全体を支配するようになってきている。お金の力がおよぶべきではない場所はどこだろうか。「結局のところ市場の問題は、実はほかの人とともにどう生きるかを望むかという問題」「われわれが望むのは、何でも売り物にされる社会だろうか。それとも、市場では評価されずお金では買えない道徳的・市民的善というものがあるのだろうか」
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ「意見が対立したとき、それを敵、味方で考えてはダメ。相手に勝つことばかり考えていると、相手の考えが何も聞こえなくなる」「自分の考えと違う意見の中に、取り入れられる良いところがないかを探す」
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレレシピ本でもあり、心洗われる風景写真集でもある。「巡礼者たちがモン・サン=ミシェルに詣でるようになったのは13世紀以降のこと。そして巡礼者たちはミクロと呼ばれる貝殻を土産に持ち帰るのが習わしでした。この伝統を守るため、修道女たちは貝殻の形をしたクッキーを生み出し、手作りしています。」
わさび
ネタバレ行ったことがあるところも無いところも楽しめた。歴史ある小学校をリノベーションしたホテル(ザ・ゲートホテル京都高瀬川)、旧谷川茂次郎茶苑、吉田山荘、船岡温泉、さらさ西陣など。
わさび
ネタバレとても面白かった。〇活と言われると、自分の本来の願望はさておき時流に乗ってしまうものだけど、結婚もそういうものなのかどうか。一冊読み終わっても、そもそも主人公に結婚願望があるようには一切感じなかった笑。婚活に関する研究を、とても楽しそうに生き生きとしているなとは感じた。自分を商品化すると自分の小ささや薄っぺらさを感じてしまうものなのかも。本来そうではないはずなのに。
が「ナイス!」と言っています。
わさび
ネタバレ宗教二世がテーマ。人間が自分らしく好きなように生きるとはどういうことか。両親は納得の上でそのコミューンに属しているわけだけど、子どもの自由や可能性が侵害されてしまうこともある。二世を外部に正当に脱出させる際、その方法に結婚という制度を持ち出すことには考えさせられるものがあった。あとがきで千石イエスについて触れていた。「なぜ団体になると難しいのか。二世になると苦しみが出てしまうのか。」人が人を救う決定的な瞬間はささやかなこと。装画:ハルノ宵子
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/05/06(773日経過)
記録初日
2022/05/06(773日経過)
読んだ本
1420冊(1日平均1.84冊)
読んだページ
302118ページ(1日平均390ページ)
感想・レビュー
1420件(投稿率100.0%)
本棚
8棚
自己紹介

マイペースで読書中

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう