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2024年10月の読書メーターまとめ

ヘラジカ
読んだ本
7
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2002ページ
感想・レビュー
7
ナイス
294ナイス

2024年10月に読んだ本
7

2024年10月のお気に入られ登録
3

  • ろくいち
  • 点子さん
  • Sato19601027

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ヘラジカ
国と国に挟まれ圧殺されていく人間の大多数は”灰色”であるという当たり前の現実を思い出させてくれる静かな作品。前半は解説で「スローライフ」という表現が使われるほど穏やか(どこか達観している)に異常と日常が混合して描かれており、中盤以降はロードノヴェルへと変化し神話のような超然とした帰還の物語へと変遷していく。感情の振れ幅があまり大きくないが故に、この世に間違いなく存在する限りなく”地獄寄りの煉獄”が圧倒的なリアリティをもって迫ってくる。軽やかな筆致なのに荘厳。卑小な人々に宿る神性を描いた傑作である。
ヘラジカ
2024/11/01 18:11

2024年10月の新刊。全米批評家協会賞受賞作。読了後すぐに感想を書かず放置してしまったので軽く再読した。クルコフは『ペンギンの憂鬱』に続き二冊目。先日発表されたノーベル文学賞のオッズも急上昇していたが、それも納得だ。個人的にも今年のベスト候補。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
7

ヘラジカ
「地下鉄の驚くべき変容」には度肝を抜かれたが、この長篇作品も負けず劣らず異様な怪作である。正直に言って何を書いてるのか珍紛漢紛なことも多い。悪夢的世界に主人公もろとも放り込まれたのに、二人で彷徨ううちに相方が勝手に順応して平気な面しだしたような感覚だ。しかし、置いてけぼりにはさせない、離脱することを簡単には許さない謎のエネルギーが満ち満ちていて、最後まで一気に読まされてしまった。これが三部作…続篇が全く想像できない。それでもなんだかワクワクする。怖いもの見たさで楽しみに待ちたい。
ヘラジカ
2024/11/18 18:34

2024年10月の新刊。短篇をいくつか読んだときは「これは中国の筒井康隆か?」と思ったものだが、この長篇は理解不能度で言うと比ではない気がする。この三部作って韓松作品のなかでは分かり易い方なの?最初に邦訳するに相応しい作品だったの?教えて早川書房さん。

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ヘラジカ
非常に短い中篇作品ではあるが磨き抜かれた宝石のように美しい。”ほんのささやかなこと”がどの視点で、何を指すのか、簡単なようでいて答えを出すのは難しいように思う。物語として大袈裟に書き立てることがなく、結末どころか先行きすら不透明なまま幕を閉じるため、「史実に基づいた」という以上に、本当に現実を小さく切り取ったようだ。その短さ故に何度も読み返され、多くの人が話し合うのではないか。完璧な小説。小さくとも偉大な文学作品である。
ヘラジカ
2024/11/18 18:16

2024年10月の新刊。2022年ブッカー賞候補作。ニューヨークタイムズの21世紀のベストブック100選で第41位だったらしいが、年間ベストには選出されていなかった。不思議だ。

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ヘラジカ
暗鬱感、閉塞感を醸し出すためか、全編に渡ってRadioheadの楽曲が登場する。Thom Yorke来日公演の予習としてBGMで聴きながら読んでいたためとても驚いた。特に”How to Disappear Completely”は正にその曲を聴いているときだっため目を疑った程だ。フランスの社会的成層システム、「花の都パリ」の生々しい実態を克明に描き出した鋭利な秀作である。ラストの一文はここ一年で読んだ小説のなかでも際立ってショッキング。彼ら(我々)が住んでいるのは窒息の街か。窒息の国か。窒息の世界か。
ヘラジカ
2024/11/18 17:35

2024年10月の新刊。日本の純文学に近いものがある。これは共感できる若者が多いのではないか。なんとも重々しい作品だった。

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ヘラジカ
国と国に挟まれ圧殺されていく人間の大多数は”灰色”であるという当たり前の現実を思い出させてくれる静かな作品。前半は解説で「スローライフ」という表現が使われるほど穏やか(どこか達観している)に異常と日常が混合して描かれており、中盤以降はロードノヴェルへと変化し神話のような超然とした帰還の物語へと変遷していく。感情の振れ幅があまり大きくないが故に、この世に間違いなく存在する限りなく”地獄寄りの煉獄”が圧倒的なリアリティをもって迫ってくる。軽やかな筆致なのに荘厳。卑小な人々に宿る神性を描いた傑作である。
ヘラジカ
2024/11/01 18:11

2024年10月の新刊。全米批評家協会賞受賞作。読了後すぐに感想を書かず放置してしまったので軽く再読した。クルコフは『ペンギンの憂鬱』に続き二冊目。先日発表されたノーベル文学賞のオッズも急上昇していたが、それも納得だ。個人的にも今年のベスト候補。

が「ナイス!」と言っています。
ヘラジカ
無垢なる少女の生のままの文章が、猥雑でグロテスクな大人の世界を鮮烈に映し出す。幼さのヴェールを通して見る現実は、時に誇張され、時に薄靄に包まれて語られるが、だからこそ悍ましき世界の核を捉えた「真実」を表していると感じる。俳優である父親や曲芸師である母親、それを取り巻く欲を剥きだした人々のエピソードによって、強烈なイメージが頭に焼き付く衝撃作であった。この恐ろしい才能を持った作家が夭折しているのは残念でならない。
ヘラジカ
2024/10/12 20:43

2024年9月の新刊。

が「ナイス!」と言っています。
ヘラジカ
面白い語りでつまらない話をダラダラしている不思議な本。もはや先鋭的ですらないテーマを新しくもない視点でひたすら冗漫に綴っているので退屈極まりない。しかも、会話や出来事の大部分を主人公はニヒル(というか無感動)な姿勢で受け流しているのでものすごく居心地が悪く、徒労感もある。作者の考え、または主義主張や「問いかけ」も、物語に上手く溶け込ませられないなら小説という形式で書くべきではないと思う。著者初読みだったが過去の評判がいい作品も読む気が失せて残念だ。
ヘラジカ
2024/10/08 13:56

2024年10月の新刊。「面白い語り」とは言ったがところどころ面白いというよりは滑稽なだけだったな。

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ヘラジカ
簡単に”ホラー”と形容するのが憚られるほど全体像を掴むのが難しい物語である。「不穏」「不気味」「悪夢的」と紋切形に表現してしまうのは勿体ないとすら感じる深く濃密な闇。以前読んだ『七つのからっぽな家』と同様に、ほんの僅かな感性の違いによって(若しくは救出の距離にピンと来る子供の親なら)この小説の錯綜した糸の先にある真の恐怖を味わえるのかもしれない。しかし、後半の畳みかけは凄かった。固唾を飲むような緊迫感に包まれながら一気に読みおえて、暫しぼんやり。
ヘラジカ
2024/10/03 18:35

2024年9月の新刊。合う合わないで言うと合わない作家なのかなあ。こういう作品、決して嫌いではないと思うのだが。でも「Kentukis」は英訳がNYT年ベスに選ばれてるので是非とも翻訳をお願いしたい!

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/09/24(4809日経過)
記録初日
2011/09/24(4809日経過)
読んだ本
1831冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
629734ページ(1日平均130ページ)
感想・レビュー
1353件(投稿率73.9%)
本棚
25棚
性別
年齢
33歳
職業
自営業
現住所
群馬県
自己紹介

鹿好きの読書好きです。
海外文学とロックをこよなく愛しています。

オススメされたら大抵はどんな分野の本でも興味を持つので、趣味が合いそうな方も、そうでもない方も、読書好きであれば気軽にお声かけ下さい。よろしくお願いします。

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2014.7.25
コミュニティを設立しました。
【岩波文庫愛好会】 http://book.akahoshitakuya.com/c/333700

*アイコンは本を読ませまいと頑張った結果寝てしまった愛猫

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