悪事を働いた３人が逃げ込んだ廃屋は、かつて悩み相談を請け負っていた「ナミヤ雑貨店」。そこに悩み相談の手紙が届き、戸惑いながらも返事を書く中で、過去から投函された手紙だと気付く。混乱しつつも、言い合いながら悩みに答える３人のやり取り・文面が面白く、根っこにある優しさが伝わる。各章で少しずつ繋がりが見えてきて、ラストの章は感動でいっぱいになった。時空を超えた悩み相談の手紙のやり取り、時代は違っても、直接会えなくても、心の繋がりが結べるというのは素敵だな。温かく強い思いが引き起こした奇蹟。あると信じたくなる。

文庫化記念の書下ろしエッセイ付、文庫派の私は喜び倍増。サトルとナナの「こぼれたび」、ハチ目線で語られるサトルや遠縁のおじさん家族との暮らしが描かれた「ハチジカン」、そしてタイトルの「みとりねこ」。猫目線のお話は猫のツンデレ具合がたまらない。人への愛も溢れていて涙なしには読めず。人目線のお話がこれまた良くて、笑いあり、温かい気持ちに。特に「シュレーディンガーの猫」が好き。共に過ごす時間は宝物、かけがえのない家族と言う気持ちがわかった気がする。エッセイ読んだら、映画見たい欲が！ぜひトムの活躍拝見したい。

悪事を働いた３人が逃げ込んだ廃屋は、かつて悩み相談を請け負っていた「ナミヤ雑貨店」。そこに悩み相談の手紙が届き、戸惑いながらも返事を書く中で、過去から投函された手紙だと気付く。混乱しつつも、言い合いながら悩みに答える３人のやり取り・文面が面白く、根っこにある優しさが伝わる。各章で少しずつ繋がりが見えてきて、ラストの章は感動でいっぱいになった。時空を超えた悩み相談の手紙のやり取り、時代は違っても、直接会えなくても、心の繋がりが結べるというのは素敵だな。温かく強い思いが引き起こした奇蹟。あると信じたくなる。

患者の気持ちがわからない事に悩む医師の早坂ルミ子。ある日拾った聴診器は「心の声」が聞こえ、「もうひとつの人生」へ通じる扉が現れる。末期のがん患者達が「あの日」に戻って迎えた結末は心に刺さる。選ばなかった方を想像する時、ついキラキラさせがちで、後悔ループに陥る事がある。人生は選択の連続、一度きりだと改めて教わる。思い込みはやめ、対話する事、自分の目で見る事大事にしよう。振り回されても、生きる強さ持ちたいなと思う。不器用なルミ子を応援したくなるし、同僚や先輩とのやり取りも面白い。次のシリーズも読む！

シリーズ第三弾。嬉しくてたまらない。今作はこれまで以上にウルっときて、ふと自分を振り返る事が多かった。特に「原稿用紙」「フィールドノート」「模造紙」に原点を感じ、思い出したから。「シール」も夫婦の原点に触れた気がして、これはキュンとした。苦しい時、自分を信じてくれた人や言葉は心に強く刻まれると思う。日常の中で忘れがちだが、立ち返るとそこからまた歩み出せる。四宝堂の雰囲気、硯や良子の人柄のおかげか、素直な気持ちになれて、大切な事を思い出させてくれる。私の癒し本。シリーズが長く続きますように。

高校一年生の小鳩君と小佐内さんは恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にあり、清く慎ましい小市民を目指している。小市民って！？興味湧くし、好みの予感。学校で起こる謎につい？巻き込まれる小鳩君の性格は何となくわかるも、小佐内さんが謎で…小市民を目指す事になった理由もハッキリするのか？ドキドキ→モヤモヤ→諦めモードに入りかかるも、ラストは小鳩君の推理にドギマギし、小佐内さんの隠していたものに驚いて、エピローグは思わず吹き出した。健吾もいいキャラだし。これはシリーズ制覇せねば。アニメも楽しみだ。

鳩子が、ミツローさん・ＱＰちゃんと家族になるところから始まった今作。ミツローさんと思いをぶつけ合い、互いを大切にし合っている姿にキュンとし、ＱＰちゃんの可愛さには沢山癒された。前妻の美雪さんも含め家族となっていく様に、愛する人が縁した人も大切に思えるってすごいなと思った。代書屋としても変わらず依頼人の思いに寄り添っていて、鳩子の物事の捉え方・感じ方に憧れる。タカヒコくんとＱＰちゃんの母の日のメッセージは温かい気持ちになれた。短くても思いを文字にして伝えられるようになりたいな。続編も楽しみだ⭐︎

誰からもバカにされ浮いている高校生の田井中広一は、担任の二木のヤバイ秘密を知る。二木と広一のやり取りにどんどん引き込まれ、なぜだろう？どこか自分を肯定された気持ちになる。ラスト30ページはもうヤバかった。社会的に受け入れられない二木の秘密、それを抱えて普通を生きると決め実践している事、単純にすごいと思った。世の中ボーダーラインがあり、それは必要なのだと思う。「自分を好きになること」自分はどうだろう？二木の生き方に惹かれ、そうなれたらと浅はかにも考えてしまう。依存・中毒の言葉に納得、どっぷりはまった。

亡き人の遺品をしかるべき人の元へ送り届ける「天国宅急便」。亡き人からの思いが込められた謎の届け物を受け取った人達が、わだかまりや諦めモードな気持ちを晴らし前へと進む姿は、温かくて優しい気持ちになれる。一話、四話、エピローグが好き。残った人に起きるであろう変化に対する亡き人の思いやりには感心し、憎しみや呪いを残そうとする人には生きているうちに向き合う事を促している。負の思いを相手に残すような事はしたくないなと思った。すれ違う事は沢山あれど、目先に囚われず、縁する人との関係を大切にしたいなと思う。