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2024年4月の読書メーターまとめ

かなかな
読んだ本
16
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5935ページ
感想・レビュー
16
ナイス
181ナイス

2024年4月に読んだ本
16

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

かなかな
見事としかいいようのないどんでん返しミステリ。特にラストの怒涛の真相展開は素晴らしすぎる。ふたつの視点を巧みに操って読者を誤認させるその手腕は圧倒的。よくぞここまでミスリードを練り込んだなといわざるを得ない。反面、イッコ難点だったのが必要のない描写の多さ。特に前半は本編と関係のない文章が多く、それも含めて"わたし"の性格を表しているのかもしれないが、面白くなってくるまでに時間がかかってしまう。しかしそこを我慢して乗り切れば極上の"やられた体験"が待っている。メフィストの名に恥じない傑作。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
16

かなかな
百鬼夜行シリーズ第四段。何かいままでと読感が違うなと思ったら関口の自問で怪異が弱いのだと気づく。それを登場人物に申告させ、味にしてしまうあたりはさすがの京極節か。しかもラストで背筋をさらりと撫でる周到さ。今回メインどころのキャラが早々に登場したのは良き。また推理も捜査もしない、事件を迷宮入りさせる探偵榎さんの切れ味たるや。事件が起きてんのに彼を知る人は誰一人として呼びたがってないのは笑える。そのくせ解決だけはするんだからもう滅茶苦茶。京極堂が近くにいるの知ってるから安心して読めるね。さてさて次巻へ。
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かなかな
ああ、そういやこの人ホラー作家だったなと思い出した連作短編。全部にどんでん返しが仕掛けられててまァ凝ってる凝ってる。しかも章末の挿入写真でネタバレさせるという念の入れよう。咄嗟にギミックがわかんなくても各話どこかで繋がってるので、次の章でわかることも。ちょっと難しい謎解きだと思えば楽しい小説。ただミステリはできるだけ何も考えず読んでしっかり騙されたいタイプなので、頭捻らないとオチの意味がわからないのはけっこう大変wこの小説のウリである写真を活かすために敢えて文章ではハッキリと書いてないんだろうけどね。
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かなかな
さすがの一言。話の持っていき方がとにかく巧く、流れに違和感がない。大きく見ればSFなんだけど、丁寧に導いてくれるから入っていきやすい。途中の論文はお堅いけど中身は面白いのでしっかり読むべし。内容は帯で7割くらい説明しちゃってるけどな…(まあ残り3割が本番ではあるが)。最初の事件の偶然部は偶然で処理されちゃったけど、箇所箇所のスリリングなシーンも迫力満点。オチだけはアッハイって感じで、うまくまとまってはいるものの少し残念。それでも読む人を惹きつけるこの文章力の高さよ。
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かなかな
『そして誰もいなくなった』の亜種。SFと見せかけて、1980年代にミニ飛行船が発達してたらどうかという世界観というだけで混乱は少ない。ガワは本格だが謎は読み解ける類のものではなく、あえていうならブチャラティのズッケィロ編でのあのセリフですよね(どういうこと)。刑事役2人があまり魅力的に感じなかったのと(何となくラノベ風味)、意味もなく2人の視点が入れ替わるのは少し読みづらい。キャラも横文字ネームで誰が誰だか(結局みな死ぬからいいけど)。とはいえこの形式に真っ向勝負したのは見事。鮎川哲也賞受賞作。
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かなかな
加賀シリーズ第二弾。淡々とした文章なのに没入感があるのは多彩な表現の仕方によるところも大きいのかもしれない。現状の振り返りが少ないのに読者が混乱しないのも、2つの視点でさりげなく出来事をなぞっているからと思われる。また展開がスピーディーで読みやすい。シンプルな事件が複雑化し、最初の謎をしっかりかすませてからの真相暴露バキューン。驚きの効果倍増。ラスト締め方も良かった。良かったのだが、文庫版の背表紙のあらすじ、さすがにこれはあかんでしょ。アウト。
が「ナイス!」と言っています。
かなかな
見事としかいいようのないどんでん返しミステリ。特にラストの怒涛の真相展開は素晴らしすぎる。ふたつの視点を巧みに操って読者を誤認させるその手腕は圧倒的。よくぞここまでミスリードを練り込んだなといわざるを得ない。反面、イッコ難点だったのが必要のない描写の多さ。特に前半は本編と関係のない文章が多く、それも含めて"わたし"の性格を表しているのかもしれないが、面白くなってくるまでに時間がかかってしまう。しかしそこを我慢して乗り切れば極上の"やられた体験"が待っている。メフィストの名に恥じない傑作。
が「ナイス!」と言っています。
かなかな
極限VRミステリ。いまから三十年以上前にこれを書いたというのが凄い。未来予想からアイディアは出ると思う。しかしこうも巧く組み込んで不穏な展開続きで読者を逃がさないのはさすが。何より面白かったのが、VRが珍しいものではなくなった今だと、下手に制限がかかって逆に書けないであろう内容だということ。残念ながらネタ的には途中でなんとなく読めてたが、それでもラストで二転、三転させてくるのは見事。単純に小説が巧い。読み応えあって楽しめました。
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かなかな
個人的には微妙だった。というのも、どの描写もすぐには意味がわからないーーまわりくどい書き方をされていること。そして(たぶん二人の視点を交互にする形でなければもうちょっと評価は変わったんだろうけど)パートが変わるたびに本編とどう繋がるのかわからないまま違う物語を読まなくちゃいけないこと。もちろんそれがラストの驚きに繋がるのはわかるが、肝心なことをひたすら隠しておいて、最後になって実はこうでした!というのは何かモヤモヤ感。てか女番長さん、一人の女を壊すのに必死すぎて草。
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かなかな
凄い小説だ。なにより面白い。4人が暮らす2LDKの物語。男も女も全員可愛い。亮介くんと琴ちゃんのかけあい最高だね。住人の中で視点が変わっていくんだけど、イレギュラーはあるものの年齢順になってて、見ている景色も少しずつ大人になっていく。そして皆よくある小事的なトラブルを抱えるが、その時にはすでに別視点になってるから他人事とまではいかないもののそこまで心乱されず楽しめる。そして驚愕の終わり方とすべてが完璧。もう俯瞰してくれる別視点はない。ちゃんと途中皆の未来までそっと示唆されててもう言葉も出ない。あっぱれ。
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かなかな
すっごい頭のいい小説を読んだ気分(頭の悪い感想)。なんかもうギミックがすごい。冒頭からふたつの秘密を読者は共有させられるんだけど、そのままふたつの視点がまさかこういう形で使われるとは。結末があり得ないと思う反面、まあ天才だしな…で片付くのが森作品のすごいところ。ちゃんと天才を天才と書いて読者にも納得させられるのは卓越した手腕だろう。なにより間の取り方が巧い。京極夏彦も森博嗣も突発的に小説を書き始めたと記憶しているが、どちらも間に重きを置いてるのは面白い。頁数の割に読みやすいからすらすら読めました。
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かなかな
融通のきかないクソがつくほどの超真面目な警察官僚が主人公。しかも事件が起こっても捜査はせずにマスコミ対応のポジション。警察小説としては明らかに変化球だが、ここまで偏った(欠けているといってもいい)性格のキャラが主人公だと大抵面白くなること必須。すなわちその欠けを埋める物語になるからだ。といっても偏っているがゆえに半分くらいまではかなり窮屈な読書感。しかしある出来事から物語は一変、名作へと変貌。ずっとハラハラドキドキできました。最後に大逆転ありと読後感は最高で、ぜひ人に勧めたい一冊に。
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かなかな
だからミステリで一人称は気をつけろとあれほど(いってない)。自殺するのに一年の猶予を待たされた女性と、その一年後、一年待って自殺した女性を追う記者の2視点。その一年のあいだに女性は"死にがい"を見つけてゆく。暗くて重い冒頭のわりに女性の変化と共に段々とのめり込んでいき最後にはバッサリ斬られた。ひっくり返し方が自然で好感が持てるし読後感も悪くない。見事な敗北感。人間ドラマ部分も自殺をテーマにした作品としても秀逸。淡々と読み進めれて面白かった。にしてもこんな単純なミスリード法があるとはね笑
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かなかな
軽快なユーモアが光る本格ミステリ連作短編。しかしてその実態は単なるQ&Aなのだが(謎が提示されて答えが示される)、刑事や執事とのやり取りにバリエーションがあり読んでいて飽きない。それでいて密室だったりダイイングメッセージだったりと事件の種類も考えられている。もちろんラストは本人が危険に巻き込まれるパターンも踏まえており連作短編ならではの各話の頁数調整も見事。単純な作りだけど解答から事件を作っていくってけっこう根気のいる作業なのよね。肩の力を抜いて気楽に読めるという意味で楽しい読書体験でした。
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かなかな
解けるものなら解いてみろ!と胸を張って書かれた本作。変なタイトルだなぁと思ってたらまさかのタイトルを推理する作品だったとは。内容としては本格ミステリの皮を被った(意味深)バカミス。とはいえ一人称の語り口が軽快なのでスラスラ読める。読者への挑戦も含めて一見ふざけた内容だが、構成としてはちゃんとオーソドックスな作りを踏襲。作中でヒント出しまくったりとばんばん挑発されつつもぶっ飛んだオチに軽妙なやられた感。異色ミステリということでアリかな。どんでん返しの分類に加えるかは悩ましいところ。
が「ナイス!」と言っています。
かなかな
個人的に作品に事前に作者の情報はいらない派なんだけど、読む前から帯やらに「17歳受賞すごいオーラ」が出ていてげんなり。でも読んでいけば歪な兄弟ゲンカという題材もあって拙さを逆に武器にしている感じもあり、途中の展開はさすがに無理があるがまあ巧くまとめたほうかな、うーん、と思いかけたところでオチでグサリ。ああ私はずっとアナタ様の手のひらの上で踊っていただけだったのですね。てか全部計算かよ。読者の心理を見越したネタと文体のコントロールも素晴らしい。自身が17であることを最大限利用した野心作。マジで凄かった。
が「ナイス!」と言っています。
かなかな
宗教を題材にしたミステリ。ふたつの視点で展開していくんだけど、まあそのふたりが好感持てない笑 といってもこの作者の場合これがデフォルトのような気もするが(←ひどい)。ラストまでうまく引っ張って意外性のあるオチを提示したはいいけど、読み味と読後感があんま良くないから評価が難しい。とはいえスッキリした文章で読みやすくはある。視点人物に共感できればもうちょっと残るものがあったかも。このふたつの視点を活用したあっと驚くギミックは良かった!
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/07/26(302日経過)
記録初日
2022/03/16(799日経過)
読んだ本
169冊(1日平均0.21冊)
読んだページ
64968ページ(1日平均81ページ)
感想・レビュー
161件(投稿率95.3%)
本棚
8棚
血液型
O型
現住所
岐阜県
自己紹介

趣味で小説書いて応募したりしてる。このミス、松本清張賞、ノベル、ハヤカワSFなど。いままであまり読書してこなかったけど勉強のためと思いミステリ読んでたらハマってしまった。感想は書く側目線(構成とかについて)が多いかも。ネタバレはなるべくしない。と思う。本棚は分析棚。

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