ネタバレ宮崎県の文房具店に勤める里枝は、訳あって東京から移住してきた物静かで穏やかな男・谷口大祐と出会い結婚に至る。しかし、大祐は間もなく事故で亡くなってしまい、さらに彼は実在する「谷口大祐」とは全く別の人物"X"であることが判明。弁護士の城戸章良はこの謎を追う中で、死刑囚の美術展にあった一枚の作品が彼の絵と似ていることに気づく…。他人の人生を引き取り、その続きを精一杯生きた"X"。その人のアイデンティティをなすはずの名前も過去も偽った上での結婚生活であったが、家族全員にとって幸福な時間だった事実は変わらない。

ネタバレ実質的な殺人者であるにも関わらず、法的には満足に裁かれなかった者たち。彼らが次々と殺されるなか、当時の被害者遺族たちがコルテシア東京に集結することが判明し、新田刑事は再び潜入捜査に当たることに。警察側は被害者遺族たちがお互いの事件の加害者を殺害しあうローテーション殺人を疑うが…。殺人事件における被害者遺族と加害者の両側面から、当事者にしか分からない複雑な感情が描かれる。加害者の死ではなく、反省する態度の有無を確かめ、許すことを望む遺族たち。司法に裁かれずとも、自身の中で償いの形を探し続ける加害者たち。

ネタバレ過干渉な母親に嘘をつき、友達の彼氏との子供を妊娠し堕胎に至った主人公・あさひ。そのことを打ち明けられた友人の律子は、秘密を口外しないことと引き換えに様々な要求を繰り返すようになる。あさひと律子が旅行で訪れた別荘に縄跳びの縄が登場してから、一気に不穏な空気に。あさひの殺人さえなかったことにしようとする母親と、生まれて初めて自ら決断を下したあさひ。終盤、急にあさひに自我が芽生えたところは少し違和感。失敗したくないという気持ちからあさひが選択してきた行動が、世間の常識からはむしろかなり外れているところが怖い。

ネタバレ宮崎県の文房具店に勤める里枝は、訳あって東京から移住してきた物静かで穏やかな男・谷口大祐と出会い結婚に至る。しかし、大祐は間もなく事故で亡くなってしまい、さらに彼は実在する「谷口大祐」とは全く別の人物"X"であることが判明。弁護士の城戸章良はこの謎を追う中で、死刑囚の美術展にあった一枚の作品が彼の絵と似ていることに気づく…。他人の人生を引き取り、その続きを精一杯生きた"X"。その人のアイデンティティをなすはずの名前も過去も偽った上での結婚生活であったが、家族全員にとって幸福な時間だった事実は変わらない。