とてもよかった。冒頭の自動車教習のシーンがチルかったので油断してたら、すごい急カーブしてあとはもうノンストップ。特に独特の空気感がいい。地球滅亡を目前に、空っぽになった都市で日常を送る人々の諦観、寂寥、安堵その他諸々と真冬の空気がベストマッチしてる。連続殺人事件の犯人を追うストーリーラインも、続々と出てくる魅力的な登場人物も、全てがよくできている。ラストシーンも好きだ。

物議をかもしてることは知っていたがなるほど。個人的にはこういうスカし方も全然ありだと思うが、一発芸の域を脱していない気もする。メタ構造に優れてる好みの作家なので引き続き読んでく。

とてもよかった。冒頭の自動車教習のシーンがチルかったので油断してたら、すごい急カーブしてあとはもうノンストップ。特に独特の空気感がいい。地球滅亡を目前に、空っぽになった都市で日常を送る人々の諦観、寂寥、安堵その他諸々と真冬の空気がベストマッチしてる。連続殺人事件の犯人を追うストーリーラインも、続々と出てくる魅力的な登場人物も、全てがよくできている。ラストシーンも好きだ。

綾辻行人が絶賛してたので買ってみた。ホラー味の本格ミステリという感じで、ミステリ部分も楽しめるし怪談としても結構怖い絶妙な塩梅。個人的には髪にまつわる怪談が好きだった。一方、「令和に出る小説でその題材をそう扱うのって流石に雑すぎないか」と思う部分もあったので次作では改善してるといい。

ギミックありきのクイズ本という印象だが、なかなかクオリティ高くてよかった

そこまで前情報なく読んだら予想以上によかった！！好みにぴったりのホラー長編。怪異のルーツを探偵役が探るオーソドックスなサスペンスホラーではあるが、質の高さとバランス感覚の良さをそこかしこに感じる。この作者の本は今後チェックしよう。

本格呪物バトルだーー！！！4人が一夜にして惨殺された犯人不明の殺人事件。その舞台となった旧家には多種多様な呪物が所蔵されていて、2度めの惨劇が来ないように来歴を解き明かし害になるものを排除しようという話。ちょっと笑っちゃうくらいこの家は呪物塗れで、掛け軸からティーカップまで、血みどろの来歴があって楽しい。あと、呪物と一言で言っても、特定の人間は守ったり他の呪物と相剋関係にあったり、全部排除すれば済む話でもない。色々なアイテムの隠された顔を探りつつ、一家を呪物まみれにした黒幕を探す過程が面白かった！

面白かったけどもう一声何かほしい気持ち。コンパクトな佳作。

前作と同様、実際の事件がモチーフ。元ネタは人民救済寺院の集団自殺事件。ただ、カルト宗教の描写に筆者は興味がなさそうで、舞台となるコミューンはあくまでミステリのための書き割りにすぎない。視点を変えるたび万華鏡の如き千変万化の真実を描き出す推理パートがすごかった。作者めちゃくちゃ頭使っただろうなぁ。前作の外連味もなく、正統かつ技巧的なミステリに仕上がってた。

特殊設定ミステリを活かしつつ、硬派なトリック。暴力の匂いが冒頭で漂ってたので残虐描写を身構えたが、香り付け程度だったので安心した。近代日本史にのこる重大事件を面と向かってパロディしているのが楽しい。

文章の癖が強くて読みづらい。ストーリーは面白かった。死者と会話できる少年ということでどうしても映画シックスセンスを思い出すし、雰囲気もなんとなく似ている。登場する死者たちはおかしかったりおそろしかったり様々。もう少しパンチがあるとなお好み。