作家名の頭文字をつなぐ単純なタイトルでしたが、呪文のようでもあり全編読後はなんとなく本の雰囲気に合っていた気がした。 宮部みゆきさん、辻村深月さんを始め豪華な作家陣によるリレー形式のホラーミステリーのアンソロジー。各話とも、怖いもの見たさ（読みたさ）に一気読み。特に辻村深月さんの「ママ・はは」は、真面目ゆえ過干渉な母親の思考回路が怖かった。

作家名の頭文字をつなぐ単純なタイトルでしたが、呪文のようでもあり全編読後はなんとなく本の雰囲気に合っていた気がした。 宮部みゆきさん、辻村深月さんを始め豪華な作家陣によるリレー形式のホラーミステリーのアンソロジー。各話とも、怖いもの見たさ（読みたさ）に一気読み。特に辻村深月さんの「ママ・はは」は、真面目ゆえ過干渉な母親の思考回路が怖かった。

吉田修一さんのエッセイ集。清々しい読書でした。簡潔でサクサク読めるのですが、吉田さんほどの大作家なのに感心したり驚いたりしているポイントが普通の人と変わりなくて親近感が湧きます。コロナ禍を凌ぐ素敵なフレーズもあったりして良かったです。吉田さん、大作は勿論ですがエッセイも良いです。

お気に入りさんのレビューに惹かれて初読み。読み応えがありました。 日本人として目を逸らしたくなる場面も多いですが、あらためて第二次大戦前後の日本と朝鮮の関係性を認識させられた。 物語は、朝鮮王家の李垠と日朝融和のため結婚させられた皇族の「方子」と、同時代に生き辛苦を経験した女性「マサ」の視点から交互に綴られ、二つの国の間で翻弄された二人の人生を描写。フィクションもあると思うが、歴史を背景に登場人物の心情を上手に描いていて、思わずぐっと来る場面も多かった。 著者の思いが伝わってくる作品でした。

表題作を含む4つの短編集。いずれも医師である著者の生死に対する「諦観」が伝わってくる。秋冬の情景を感じる静かな話が多いですが、一つ一つの文章を丁寧に読みたくなる美しく心に沁みる話が多かった。