ネットで知り合った気のあうチャット仲間が同じ学校の同級生(しかも、かたや学校一の人気者、かたや野球部の主将)だったというのは、運命にほかならないですよね。丸は、以前から奈良坂に気がある雰囲気でしたし。丸自ら「機会があったら話す」と言っていたグッズを送り合うようになったきっかけとか、おそらく9月から11月のどこかで起きた「初めてリアルで会う」イベントとか、遅くとも12月には始まっていたデートとか、修学旅行の「恋人がいるやつは皆……」の裏エピソードとか、読みたいエピソードはたくさん。
一週間でここまでお互いを理解してしまうのは、いくぶん現実味を欠くような。七日間のうちに、二人の関係性に変化をもたらす「関係性イベント」が頻発しすぎていて、しかも順序やタイミングの都合が良すぎるのが、「ありきたりの毎日」を描くという日常ものの雰囲気を損なっているように感じました。時の進みを一か月に薄めたら、違和感は消えるのだけれど。
開幕早々の下ネタにはさすがに引いたけど、ほぼ実話なのが将棋界の恐ろしさですよ……。一番ツボだったのは、まとめサイトとアンテナサイトが出てきたシーン。まさか実名で登場するとは。
いまさらですが、このシリーズ、実は結女メインのハーレムものですよね。水斗、暁月、竹馬に加えて、明日葉院まで結女ガチ勢に。いさなと小暮は伊理戸きょうだいカプ推しですし、鈴理も(冗談気味とはいえ)結女の水斗への想いに嫉妬で脳が焼き切れると言っていました。だいたいみんな、結女のことが好き。
甘いイチャラブとおもしろいコメディパートだけのラブコメではなく、「好き」と「嫌い」、「元カップル」と「家族・きょうだい」の間で大きく揺れ動く二人の心情を、巧みな構成と、軽やかで繊細な筆致で濃密に描き出す秀作であることを証明した一冊です。この一冊を読み終えて、このシリーズを最後まで追いかけようと決意しました。
配信で見たアニメ版から、カクヨム版を経て、文庫版を手に取ったシリーズ。カクヨム版を読んだので10巻あたりまでの展開は把握していますが、文庫版はいくぶん改稿・加筆されているようなので、違いも楽しみながら、あらためて読み進めようと思います。
ライトノベルの感想を投稿しています。ときどきライト文芸やマンガも。一般文芸の感想は(別のところで書いているので)たぶんここではあまり投稿しません。
ジャンルにこだわらず読んでいますが、とくに心情描写が丁寧なラブコメ、恋愛もの、ヒューマンドラマが好みです。
作家では米澤穂信、野崎まど、入間人間がお気に入り。
作品では『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』、《古典部》シリーズ、『東雲侑子』シリーズなどが推しシリーズです。マンガだと『ゆゆ式』、『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』など。
最近は『継母の連れ子が元カノだった』、『薬屋のひとりごと』、『彼女、お借りします』にハマっています。
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一週間でここまでお互いを理解してしまうのは、いくぶん現実味を欠くような。七日間のうちに、二人の関係性に変化をもたらす「関係性イベント」が頻発しすぎていて、しかも順序やタイミングの都合が良すぎるのが、「ありきたりの毎日」を描くという日常ものの雰囲気を損なっているように感じました。時の進みを一か月に薄めたら、違和感は消えるのだけれど。