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2024年10月の読書メーターまとめ

鐵太郎
読んだ本
7
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2266ページ
感想・レビュー
7
ナイス
404ナイス

2024年10月に読んだ本
7

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

鐵太郎
生理学、病理学、疫病と免疫と治療、政治、帝国の侵攻、被支配種族の思惑、民族の興亡、医学と神学の相克、民間伝承、誇りと自己犠牲、そして愛。ファンタジーと呼ばれながら、この物語はこれらすべてとそれ以上をぶち込んだ上、最後は「鹿の王」の真実と、やるべき事を果たすために去っていく男ヴァンと、彼を追う女サエと娘ユナの物語に収斂していきます。見事だ、上橋節。
鐵太郎
2024/10/12 10:15

「おまえたちにしてやれなかったことを、縁もゆかりもない人々に、してやってもいいか」──鹿の王とは、こうして一人立って後ろを守るもの。  かつての父との対話。「逃げ遅れた子どもがいたら、たすけるのが戦士の務めじゃないのか」「──それは、それができるものがやることだ。そんな才を持って生まれなければ、己の命を全うできたろうに、なんと、哀しい奴じゃないか」

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
7

鐵太郎
850年の長きにわたり、古代末期から中世、近世までしぶとく生き続けた「神聖でもローマでも帝国でもない」と言われた「大国」の、生まれから終焉までを主として制度の変遷という視点で描きだしたもの。古代ローマ帝国の後継者として生まれ、「選帝侯による選挙」というトンデモシステムで運用された、巨大な、諸侯・司教座・帝国都市などの集合体を統べる「神聖」ローマ帝国とはどういうものだったのか。後半これを牛耳ったハプスブルク家とはなんだったのか。煩雑ですがわかりやすい。 ──なるほどね、これだから歴史は面白い。
鐵太郎
2024/10/30 11:01

「神聖ローマ帝国 三十年戦争」という漫画で主人公を務めるプファルツ選帝侯フリードリヒがちらりと出てきますが、大きな歴史の中では意外と扱いは小さいのね。あららと思いました。(笑)

が「ナイス!」と言っています。
鐵太郎
この巻は、「野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか」という副題の工程をどのように進めるか、という流れを、開戦準備から開戦までの日程に添って、執拗きわまる兵站大好きな軍ヲタの視点で書きしるしたもの。どうやってこの国をエルフィンドと戦う国にするのか。どうやってエルフィンドに勝つか。どうやってエルフィンドに決定的な挑発・侮辱をさせるか。 都合の良すぎるところはご愛敬だけど、面白い。一気に読めました。ところでグスタフとディネルースのいちゃいちゃが全く目立たないのは、ほんの添え物だから?
鐵太郎
2024/10/25 22:04

「王国史3」を書店で見かけて買ってから、ありゃ「2」が未読だったと気づきました。なんという手抜かりを(笑)。いろいろ読むものがあったせいですけど、変なところで記憶が飛んだらしいなぁ。(-_-);

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鐵太郎
設定的に無理があるなぁとは思うけど、蝗害がきれいさっぱり過ぎ去った後で西都で起きた騒乱とその顛末。西都の支配権を持っている玉袁の代行である長男の玉鶯の暗殺ののち、後継者をどうするのか政変をどう抑えるのか。玉鶯の弟妹では後を継げず、その四人の子供たちの誰かを立てるかで揉め、ちょうどそこにいる皇弟である月の君を暫定だか恒久だかの後継者代行にする話まで出る始末。その陰で起きた陰謀劇に巻き込まれ、ついに猫猫が拉致もどきで連れ去られることに。そこで明かされる雀さんの秘密。さてここでお話的に一段落となるのかな?
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鐵太郎
NHK大河で北条義時が主人公になると言う知らせを聞いた頃に義時についての論文を書き上げ、「鎌倉殿の13人」の放映前に刊行された、中世史研究家による正統派の「史伝」。歴史の中でいつの間にか武家政権の流れを確立した存在となり、かつて皇国史観などにより悪評を受けていた男、北条義時を、生まれから死、死後の評価・風聞まで網羅したもの。無味乾燥的な生涯・実績について史実・あり得べき解釈を積み重ねた最後に、「幸運の持ち主で精神力が強くエピソードが少なく人間的に面白みのない『真面目で有能な政治家』」と、まとめています。
鐵太郎
2024/10/16 19:29

エピローグより ──義時はいわば「種まく人」であった。・・・・・・戦国時代に鎌倉を統治した伊勢氏がわざわざ北条氏に改姓していることは、北条の名が東国支配の正当性を付与するものであったことを示す。また武家政権が室町幕府、江戸幕府と近世まで続いている歴史をみたとき、幕府が武力によって朝廷に勝ったことが、いかに歴史的意義のあることであったか。その重要性は計り知れない。義時を武家政権の確立者と呼ぶ所以である。

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鐵太郎
生理学、病理学、疫病と免疫と治療、政治、帝国の侵攻、被支配種族の思惑、民族の興亡、医学と神学の相克、民間伝承、誇りと自己犠牲、そして愛。ファンタジーと呼ばれながら、この物語はこれらすべてとそれ以上をぶち込んだ上、最後は「鹿の王」の真実と、やるべき事を果たすために去っていく男ヴァンと、彼を追う女サエと娘ユナの物語に収斂していきます。見事だ、上橋節。
鐵太郎
2024/10/12 10:15

「おまえたちにしてやれなかったことを、縁もゆかりもない人々に、してやってもいいか」──鹿の王とは、こうして一人立って後ろを守るもの。  かつての父との対話。「逃げ遅れた子どもがいたら、たすけるのが戦士の務めじゃないのか」「──それは、それができるものがやることだ。そんな才を持って生まれなければ、己の命を全うできたろうに、なんと、哀しい奴じゃないか」

が「ナイス!」と言っています。
鐵太郎
まず最初に、インテリジェンスとは情報のことを意味するが、機密や諜報の語感に近く、分析・評価された国家の政策決定や危機管理のための情報を意味する、と定義します。そして日本の戦中・戦後から始まるインテリジェンスの歴史をふり返り、インテリジェンスとは何か、どんな状況だったのか、どのように運営されていたのか、どうあるべきか、誰がどのように運用しようとしていたか、などを順番に整理して著述しています。第二次安倍内閣までなのですが、2022年以降どう日本が変わったのかを思うと感慨深いものがありますね。
鐵太郎
2024/10/10 13:14

縦割り行政の弊害による情報の重複と未整理、情報を集め整理することを目的とする部署と政策決定のための資料として使う部署の考え方の違い、防諜の意味を理解できない人々、国民に公開すべき情報と秘匿すべき情報の考え方、スパイ防止法の意味についての思いの落差。さまざまな問題が日本にあり、どれが正しくどれが間違っているとは言い切れないものもあったり。日本のインテリジェンスについての理解は、まだまだ浅いのだな。

が「ナイス!」と言っています。
鐵太郎
鹿の王、文庫版第3巻。最初の装丁本では2巻目の前半。<独角>のヴァンと、幼女ユナと、天才医師ホッサルの運命がここで交錯します。ヴァンの前に現れたサエと、ホッサルの従者マコウカンの運命も、物語に大きく絡んで来ます。人により、というか民族によって罹病する者としないものがある「黒狼熱」の秘密とは何か。ヴァンとユナが<キンマの犬>に噛まれて死ななかった訳はなにか。顕微鏡でも見えない微少な毒素。ユナだけが見える光る薬品とはなにか。謎はどんどんほつれながらお話は大きくなっていく。この先どうなるのか。すごいね、上橋節。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/11/19(4753日経過)
記録初日
2004/08/10(7410日経過)
読んだ本
2955冊(1日平均0.40冊)
読んだページ
1013061ページ(1日平均136ページ)
感想・レビュー
2955件(投稿率100.0%)
本棚
36棚
性別
血液型
O型
職業
技術系
現住所
福島県
外部サイト
URL/ブログ
http://tetsutaro.in.coocan.jp/
自己紹介

アマノジャクな乱読家・活字中毒者。
読んだ本の備忘録サイト「愛書家の縁側」主催。
 
2024/1/27より、アイコンをサー・ジョン・フォルスタッフ像に変更。むかし、ハンドルネームを Falstaff にしていたときがあったんですよ。無責任・自堕落・卑怯・大言壮語・「宴会には真っ先に、戦場にはどん尻に」の人。素敵でしょ?w
 
自称「愛書家」ですが、この肩書きはかつて読んだSF短編「愛書家ワーシー・ワーシントン」(だっけ?)から来ています。実はこの人は、本を愛するけれど文盲だったそうな。(爆)
 
守備範囲は、SF、歴史フィクション&ノンフィクション、帆船小説、ミリタリー、それとミステリ少々。
半世紀前より、シャーロッキアン、ランサマイト、そしてヒロミスト。

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