仲良し３人組、のはずがなぜだかよくわからない執着で結局誰も幸せになれないなんて、哀れだわ。次作が翻訳されても読むかなぁ……

軽妙なつもりなのであろう語り口が鼻についてなかなか進まなかった。解明された真相は一応説明はついた格好だけどどこか煮え切らなくてモヤる。

テレビでは確かもっと早くから出ていた美鈴がようやく登場。刀剣がブームといっても興味がわかないことに変わりないが、本職？本業？のはずの武士でも目利きができるとは限らないのね。そりゃそうか。剣の腕前しか男を測る物差しを持たなかった美鈴が卯之吉の懐の深さに感じ入るあたり、人を好きになるのは理屈じゃないのよね。

和裁のほうが専門で洋裁はほぼ独学の私には第１１講がいちばん面白く読めた。また１０講のお針子の労働問題は今も和裁師にとっては現在進行形の課題でもある。

スリラーと言ってるけどハラハラドキドキなスリルではなく、むしろ哲学的考察が続いてそれはそれで面白いけどあまり大衆向けではないような。

笑野さんの声も良いな〜。あいかわらず家鳴たちもカワイイし、家鳴の声を聞き分けて「うちのこだ！」てわかっちゃう若旦那もすてき。

仲良し３人組、のはずがなぜだかよくわからない執着で結局誰も幸せになれないなんて、哀れだわ。次作が翻訳されても読むかなぁ……