ネタバレ文章が繊細でありながら行き届いていてよい。なのにサディスティックで狂気的であり、慕うものを殺したり、いきなり言いなりになって友人を辞めたり、人肉を食んだり、怪我人を放置していたりする。メタ的な最後の章の位置付けが面白い。たしかに、登場人物たちは勝手に幻想に意味を見出してばかりにも見える。殺人を見出し山荘では脅す。深夜に目覚める恐怖を幻視して殺人を行う。そんな刃の上を歩くような危ない曖昧さが彼らに共通している。

ネタバレVR世界で意図せざる近親相姦する大樹さんの作品と、世界が細かく改変される森田さんの作品が良かった。

ネタバレ狂気にロジックを通す、というのが物語作りの一つのやり方だが、（ミステリーの犯罪動機など）、激重な推し感情はそれと相性がよい。相手を理想のままでいてほしいから彼氏を誘惑する、能動的に愛してほしいから真似することから脱してもらう、といった感情による行動が描かれる。

ネタバレ損なわれるのが予言されるから美しいものがよりより美しく感じるテクニック。時代を経てなお美しい文章。今の作家だったら、終盤に出てくる男や過去作は序盤にも出すだろうし、円柱の性癖も伏線にするのではないか。国内ミステリーベスト13冊目。

ネタバレ狼を撃つ文化に紛れて森で銃殺をするトリックと、柱時計に隠れて子供が金貨で視線誘導を行い刺殺するトリック。犯行時刻が人によってあやふやだったり、大人の男を想起させる犯人とのやりとり、鳩で視線誘導して皿を盗む辺りが伏線として機能している。以前来た子孫が床下のものを取って写真を残した件は今後の巻に関わってくるのだろうか。橋を焼く行為が青年の決断を促すくだりはよかった。喪失と希望が同居している。主人公二人が同じ質問をしていたのも可愛らしくてよい。少女をデレさせるタイミングが少しずつ後半に出てくる計算がされている。

ネタバレ密室で自殺でない死体を作るため子供を存在させる仕掛け。サイコパスというキャラは便利だ。ヒントを面白がってパソコンに残していってくれるし、インモラルな犯罪をして常識に縛られた読者を裏切りどんでん返しを演出することができるし、思わせぶりな会話を主人公たちとして伏線を残しやすくしてくれる。主人公二人の関係の継続性がうまい。男が冷静なツンデレでよくあるラブコメとは異なりながらももどかしさを作り続けられる構造。だか学生たちは、さすがに見たことない女性が紛れ込んでいたら気づくだろう。国内ミステリーベスト12冊目。

ネタバレ犯罪の連鎖の緻密さも凄いが、罪と贖罪を正面から描き切る真摯さも凄い。ミスリーディングさせる保母の存在、実は誠実な記者の存在、スピード感を増してストレスを減らす終盤なども上手い。分析的にもう一度読みたい。亡くなった妻がおそらく少年犯罪を犯していたことは多くの読者が早めに気づくと思うが、そこから別の犯罪やトリックで捻りを加えることで単調化しない。

ネタバレ素晴らしい。悪意を勝手に読み取っていた言葉の真意に気づくところがよい。

ネタバレ文章が繊細でありながら行き届いていてよい。なのにサディスティックで狂気的であり、慕うものを殺したり、いきなり言いなりになって友人を辞めたり、人肉を食んだり、怪我人を放置していたりする。メタ的な最後の章の位置付けが面白い。たしかに、登場人物たちは勝手に幻想に意味を見出してばかりにも見える。殺人を見出し山荘では脅す。深夜に目覚める恐怖を幻視して殺人を行う。そんな刃の上を歩くような危ない曖昧さが彼らに共通している。