読書メーター KADOKAWA Group

2025年1月の読書メーターまとめ

そうたそ
読んだ本
55
読んだページ
19380ページ
感想・レビュー
55
ナイス
1066ナイス

2025年1月に読んだ本
55

2025年1月のお気に入り登録
3

  • もちこ
  • はな
  • アリスとアニー

2025年1月のお気に入られ登録
3

  • もちこ
  • はな
  • アリスとアニー

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

そうたそ
★★☆☆☆ 言わずもがなの、元内閣総理大臣暗殺事件を題材としたフィクション。フィクションとはいっても、細部はあまりに現実に沿い過ぎているので、ドキュメンタリーのような感覚で読めてしまう。だが現実に沿った部分とフィクションである部分の乖離は気になった。ストーリー全体としても想定の範囲で収まっており、あまり驚きはなかった。やはり、まだこの事件を題材とするには、まだ日が浅いのではという気はしてしまう。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月にナイスが最も多かったつぶやき

そうたそ

伊与原さんが直木賞受賞とのこと。直木賞向き、本屋大賞向き、どちらにも不向きという作家はいるが、伊与原さんは数少ないどちらもとれそうな作家だと思う。「宙わたる教室」然り、作品も映像向きなものが多いので、売れっ子作家への道を驀進しそうな気が。

が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
55

そうたそ
★★★☆☆ 料理対決の相手がかわることになった第三巻。面白いが、さすがにそろそろマンネリ化してきたか。何かしら新たな展開がほしいところではあるが……。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ 内気な高校生、バーナム・クロネッカーはある時から学年の人気者から嫌がらせを受けることになる。それをきっかけに同級生タキオ・グリーンとも仲良くなるが、やがて彼は驚愕の事件へと誘われることになる――。現実的な前半から、虚実ないまぜになったかのような後半。圧倒的なテンポ感とスピーディーな展開にあっという間に読めてしまうが、読み終わった時に消化不良な感は残る。やはり著者の長編を読みたいという気持ちになった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ 満州国建国から熱河侵攻あたりまでを描く第三巻。その間にも犬養首相暗殺、国際連盟脱退など大事件は数多くあり、ストーリーとしては非常に濃い。それと同時にようやく物語が本格的に動き出した予感もする。学校で習った朧気な記憶しかなかった満州近辺の史実を本格的に学べたような気がする。史実もしっかり抑えていながら、四兄弟それぞれ全く別の道をいっているストーリー本編もしっかり面白い。それぞれが今後いったいどういう道をいくのか想像もつかないが、まだまだ話は序盤。歴史の波にいかに直面していくのか楽しみなところ。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 漸く読了。怒涛の如く押し寄せるダイナミックな展開に圧倒されるばかり。エンタメ感溢れる冒険活劇はそのままに、この二巻ではサスペンス要素も加わり、話も重厚感を増した。良くも悪くも歴史的な重みを感じた、という印象。一巻の方が程よく軽さのあるエンタメさをより強く感じるストーリーで、二巻は本場中国ならではの堅実さを感じる歴史ミステリだった。読み進めるという意味では二巻の方が苦戦したかも。とはいえ、満足感は相当な大作。著者にはまだまだ未訳の作品も数多いようで、是非とも続々訳してほしいところ。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 著者のエッセイを集めたアンソロジー。著者の作品は何作か読んだことがあるが、自身について書かれたものは読んだことがない。そういう意味で、著者自身の人となり、あるいはその創作の現場、文学賞について、周辺の人々等、初めて知ることが多くて読んでいて新鮮だった。現代においても古びることのない著者の作品の根本にあるものを、このエッセイで少し覗けたかな、という気はする。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ このミス海外編一位の本作。中華ミステリ、中華SF等はいくつか読んできたが、本作は明の時代を舞台としていることもあり、"ザ・中国"な内容を存分に堪能できた。漢字の多い文章、随所に見られる故事や古典からの引用に読み始めはなかなか慣れないが、分からない部分は飛ばして読んでも問題なし。ストーリー自体は王道とも言えるような冒険活劇で、今のところミステリ要素はそんなにない。魅力的なキャラクター、敵役も清々しいまでにしっかりと敵であり、難しさは全くない。この決死行がどういう結末を迎えるのか。次巻が楽しみ。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 蔦屋重三郎の生涯を、彼の原点とも言える吉原との関係から解説する一冊。蔦重の成した事業について、非常にシンプルにまとめられた内容で、大河の副読本にピッタリな一冊かと思う。田沼意次の時代から、松平定信の時代にかけて、その改革が彼の事業にどのような影響を及ぼしたのか、また時代とともにその事業の内容もどう移り変わっていったのか、丁寧に解説されている。蔦重と吉原との切っても切れない関係を理解できる良書。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ シリーズ完結編とのこと。著者の書物への愛が溢れているような内容には思わずニンマリとしてしまう。愛、というよりも偏愛というべきなのかもしれない。ストーリーとしては前数作と比べると、やや物足りない気はしたが、それでもとりあえず完結とのことで、ホットしたような寂しいような。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 「消人屋敷の殺人」の続編のようだが、既読である割に全く記憶にない。読んでいなくとも、それほど問題ではなさそうではあったが。ノンフィクション作家が取材旅行後に失踪した事件を調べることになったフリーライターの新城と編集者の中島のコンビ。調査の結果は思いがけないところへ行き着く――。著者らしく、結末ではしっかりと驚かされる。巧妙に張り巡らされた伏線は流石の一言。だが、それに至るまでのストーリーがとにかく退屈。そもそも事件自体が地味なのもあるのかもしれないけれど。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ 明治生まれの男・坂田留吉の視点から明治から平成までの激動の時代を描く大河小説の第一部。本書では、関東大震災や満州事変といった出来事とともに、留吉が歴史という波に身を投じていく様が描かれていく。石原莞爾や中原中也といった著名な人物との関わりも面白いところで、二段組でほぼ四百ページという長さながら一気に読めてしまった。まさに、留吉の人生から自分自身も明治からの歴史を追体験しているかのような内容。第一部にして相当濃い内容。だが、未だ開戦前夜。二部以降の更なる激動の時代がどう描かれていくのか楽しみ。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 当時江戸で大ベストセラーだったという一作。訳は非常に読みやすいが、やはり改めて現代に読むとこんなものか、という気持ちがないでもない。当時ならではの教養などが当たり前のようにあった上で読むと、もっと楽しい読み物なのだろう。長いが、話のひとつひとつは細かく切れており、ちびりちびりと読むのにちょうどよい。むしろそういう楽しみ方の方がいいのかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 前作の続編。実質、前作と併せて上下巻のようなかたちで読むべきなのかも。三年ぶりに姿を現した竜崎大河とともに再びタッグを組むことになった澪が、奇病シムネスに挑んでいく様が描かれる医療エンターテインメント。いつもながら一気読みできる面白さはあったが、前作に比べるとナースエイド要素はかなり薄れてしまったような。至って普通の医療エンタメというストーリーだった。もちろん話は面白いが、これといって新鮮味はない。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ SFというよりは昨今のテクノロジーをテーマとした作品集という感じ。これぞ、というインパクトの強い作品はなかったかも。好みだったのは、コロナが蔓延している頃に亡くなった著者の伯父を思い書いた、架空の紀行文「行かなかった旅の記録」、宇宙をテーマとした爽やかさ溢れる「ペイル・ブルー・ドット」の二作。著者もあとがきで書いているが、作品に発表された媒体ならではの色が出ているのは読んでいて面白いところ。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 幕末の備中松山藩を描いた一作。山田方谷を軸として描かれるが、あくまで話の主役は山田方谷を取り巻く様々な立場の人物たち。正直なところ、浅学にして山田方谷という人物は知らなかったのだが、何とも聡明な人物であったことがよく分かる。激動の幕末の波に揉まれた松山藩という小さな藩。江戸で様々なことが起きていた一方で、地方でもまた同じように激動の時期があったのだと実感する作だった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 著者の久々の新作。承認欲求と自意識の沼にはまり、SNSから抜け出せないミクルは日々フォロワー欲しさに死力を尽くしているが――。実際に、SNSに浸かりきってしまった人は最早自分がどこを向いているかも分からないくらいに狂っていくのだろう。本書でも、徐々にカオスさを増していくストーリーは、まさにそんな中毒性から抜け出せなくなった様を描いているかのようだった。著者らしい、テーマに対しての鋭さを持ったストーリー。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 大手のイコマ電器が倒産、債権者である零細企業の怒りの中、生駒社長や重役らは雲隠れ。だが、やがて重役らの死体が発見される――。著者らしい社会派ミステリ。多少の中だるみこそあれ、この長さを一気に読ませてしまうリーダビリティはさすがのもの。様々な事項が複雑に入り組んでいくストーリーではあるが、難しさは全く感じない。現代の捜査レベルからすれば何ということのなさそうな事件だが、それがこれほどまでにややこしくなってしまうところに昭和のミステリの醍醐味があると思う。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ 「7.5グラムの奇跡」の続編。前作と比べても、視能訓練士としてより実力をつけてきた野宮が出会う様々な悩みを抱えた人たちとのストーリー。著者らしい優しく温かさに溢れた世界観。人との出会いにより、野宮もまた訓練士としても人としても成長していく。一段とたくましくなった野宮を微笑ましく思う一作だった。体のことは労わっているつもりでも、なかなか目のことまで気が回らない人は少なくないのではないか。本書にもあったスマホ内斜視なんて、自分も他人事じゃないな、と思ってしまう。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★★ 33歳の時、事故で頚髄を損傷し、四肢麻痺となったひまり。仕事も辞めざるを得なくなり、途方に暮れる中、司法試験受験を決意することに――。そのハードルたるやとてつもなく高いものだし、その途中に待ち受ける苦難も並大抵のものではない。だが、ひまりの明るく前向きなキャラクターに、読んでいるこちらも思わず元気をもらえてしまう。上質のエンタメでありながら、障がい者が就労する上での様々な問題、あるいはロースクールの実態等、様々なテーマが盛り込まれており、読み応えたっぷり。著者の新境地とも言える傑作。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★★ 平穏な家庭の至って"普通の子"が、教室のベランダから飛び降りた。母である美保は、口をとざす学校にしびれを切らし、独自に真相を探り始めるが――。読んでいて辛くなってしまうようないじめのリアルに何度も手を止めそうになった。子どもは大人と違い、その学校のその教室で日々を過ごすしかない。今でこそ、フリースクール等、教室以外の場が与えられたにせよ、である。我が子を思うあまりに、突っ走ってしまう親の気持ちもまた分からないでもない。批判的に思えど、自分が当事者ならどうだろうと思ってしまう。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★★ 1974年、ワールドカップがおこなわれた年、北九州の中学生四人組はクライフに魅了されるが、ワールドカップは九州では放送されないという。"クライフ同盟"である四人はワールドカップ決勝の生中継を見るため、自転車で本州に向かうことに――。青春ロードノベルの傑作だった。恋や友情、その世代ならではの葛藤などが全て詰まった逸品。それでいながら、異国の地でのワールドカップに沸き立つ当時の空気感もとてもリアルに伝わってくる。大人からすれば何でもないことも子どもにとっては大きな冒険なのだと実感させられる逸品。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★☆☆☆☆ 冒頭からいきなり怒涛の如く押し寄せるような文章にやや面食らう。頑張って読もうとはしてみたものの、どうにもその勢いについていけず終いだった。好みの分かれる作品ではあるかと。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ 作品を出す度、斬新なテーマの時代小説で楽しませてくれる著者の新作。著者としては珍しい、近代が舞台の冒頭にいきなり驚かされるが、下垣内邦雄なる高名な日本美術家の生涯を辿るというストーリー。やがて下垣内教授の「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」という言葉と共に回想は始まる――。全く読んだことのない類の時代小説だった。武州世直し一揆に直面した百姓たちを辿りつつ、激動の幕末を想起する。やがて話は下垣内教授が斬ろうとした男の話へと繋がっていく。とにかく結末が秀逸で、こうきたかと思わず唸らされる。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ どんな無理難題でもペン一本で解決してみせるという"売文社"なる集団に入ってしまった主人公が直面する様々な不思議な依頼を描くミステリタッチの連作集。歴史には疎いので、売文社もその社長である堺利彦も実在したとは全く知らなかった。ガチガチの歴史ものというわけではなく、あくまでそれら実在したものを題材にしたミステリという感じはした。当時ならではの陰鬱とした部分もあるが、総じて明るくユーモアの感じられる作風で非常に読みやすかった。面白いが、読後の印象は薄く、やや軽すぎたきらいはある。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ ホラー短編集。怖いというよりは、不気味で少しヒヤリとするような読後感の作品が揃う。著者には珍しく「自作解説」がついていると思ったら、しっかりとしてやられた。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ 早川書房では「円」に続く短編集。中身は結構なハードSFなので、科学的な部分は正直よく分からない部分も少なくなかったが、それでも著者ならではの、脳内に浮かび上がってくるような圧倒的なビジュアルイメージが素晴らしく、いつの間にか作品に没頭してしまっている。個人的に好きだったのは、"大芸術"シリーズとされる「夢の海」「歓喜の歌」、地球が隕石の衝突を免れ恐竜が絶滅していない未来を描いた「運命」、太陽系の果てへと宇宙を漂流する少女を描く、結末が何ともエモい「フィールズ・オブ・ゴールド」の四作。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★★ 選手、コーチのみならず、様々な分野でオシムと関わり、彼から言葉を授けられた人たちへの取材から、オシムが日本の未来へ残してくれたものをひもとく一冊。改めて言うまでもないが、オシムという人物の素晴らしさを実感する。サッカーの監督が果たす役割はピッチの中に限られていない。オシムが授けた言葉はその人物の人生にまで影響を及ぼしている。中でもやはり、羽生や佐藤勇人ら、オシムチルドレンと言われた選手たちのエピソードは涙なしには読めない。願わくば、巻の話も聞きたかったところだが。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 「メッタ斬り」でお馴染みの著者の、まさにタイトル通り"どうかして"いた人生を振り返るエッセイ。都度、登場する本も面白そうで、ブックガイド的な面もあると言えばあるのだが、やはりそんなことも忘れてしまうほどの、著者の思わず吹き出してしまうようなエピソードが素晴らしい。爆笑ものかと思いきや、たまにしんみりする話もあったりと良いバランス。書評ではよく見かける著者だが、親の話などは新鮮。気楽にサクッと読める内容だった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 著者が実際に大学でおこなったジェンダー学の講義を一冊にまとめたもの。ディズニー映画の名作「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫(眠れる森の美女)」からジェンダーを学ぶというもの。当時の講義での学生の感想が大部を占めるが、その感想がなかなか鋭い。内容に肯定的なもの、否定的なもの、そのどちらからも気づきを得られる。著者自身の考えには少し偏りがあるとも思うが、やはりこの講義自体はとても魅力的。女子大での講義ということだが、男子はこれらの映画を見たらどのような感想を持つだろうか。そこもまた興味深い部分。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ 「一汁一菜でよいという提案」で著者の食事に対する考えには触れていたが、本書はそれに留まらない著者の考えを幅広く知ることのできる一冊。正直なところ、内容は哲学的というか思っていた以上に難しい。その考えの奥深さに驚くと同時に、読んでいてそこまでついていけないと思ってしまったのも事実。個人的には「一汁一菜」くらいの優しい語り口の方が読んでいて楽しめた。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 幼児期から、小中学校、高校、大学と成長していく中で、育児や教育の場で向き合うジェンダーについて取り上げる一冊。思えば、ランドセルの色が男子が黒で女子が赤というのは、当時何の疑いもなく、そういうものだと受け入れていた。本書で取り上げられるその他の例についてもそうである。子ども心にそういうものなんだと無意識に受け入れ、やがてジェンダーバイアスが形成されていったのかもしれない。ここ何年かでそういった不自然に作られてしまった"らしさ"への見直しは進んでいるのかもしれないが、依然茨の道でもあると思う。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 少女クローディアが弟を誘って、ニューヨークのメトロポリタン美術館まで家出をする話。大きな冒険を描いているわけではなく、むしろ自分が子どもだった頃にギリギリ考えそうな家出、というところでとても現実的なライン。児童文学の名作とのことだが、今の今まで知らなかった。童心で読めば、もう少し違う心で読めただろうか。大人が読んでも楽しめるだろうが、やはりこれは子ども時代に読むべき本なのかも。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ 昔は京都、今は滋賀に住んでいるが、神戸という地には意外とそれほど行ったことがない。大阪にはしょっちゅう行っているというのに。だが、本書を読んで思うに、確かに神戸という地は災害と復興と共に歴史を重ねてきた街のように思う。本書は、戦災と震災という視点から神戸という街の近現代を振り返る都市史であるが、当然災害の後には復興、あるいは都市開発があるわけであり、幾度の苦難とともに、いかに神戸が発展してきたかを振り返ることができる一冊となっている。図版も豊富で、コンパクトにまとまっている、おすすめの書。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ 吉川英治を人気作家に押し上げたという、当時新聞連載された伝奇小説。荒唐無稽という他ないストーリーだが、それを強引とも言える力技でまとめあげている、著者の力量が感じられる流石の一作。文体は書かれた時代ゆえに古めかしさはあるし、講談調のような独特の文体は慣れるまで時間はかかるが、慣れてしまえばそのリズムが心地よくなってくる。ストーリーは王道とも言える感じではあるが、如何せん長い。新聞連載らしく次々と新たな展開が待ち受けるがら全体を通した大きなうねりには乏しいように思え、やや飽きてしまった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ 感想は三巻にて。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ 感想は三巻にて。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ ネイリストたちを主人公としたお仕事小説。ネイルというのは男性からすれば何とも縁遠い世界で、本作も楽しめるだろうかと思ったが、全くの杞憂だった。ネイルサロンとは爪を彩るためだけの場所ではないし、男性だってネイルをしたっていい。とりあえずは爪を磨くくらいはやってみたいな、と思えた。とはいえ、なかなか普段ネイルをやってないと文章だけでは分かり難い部分があるのも事実だが、ストーリーの面白さで、気にせず一気に読めてしまう。新米ネイリストの星絵のキャラが抜群に良い。いつもながら元気をもらえる良作だった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★★ 刑事ものやスポーツもののイメージが強い著者だが、本作は大正時代の出版業界を舞台に、万人に愛される雑誌作りを目指した主人公を描くお仕事小説。今にはない、出版業界の勢い、溢れ出さんばかりの希望を感じられる。当たり前のように人々の娯楽として小説があった時代。雑誌に作品を書いてもらおうと奔走する主人公に、当時小説にはそれだけの力があったのだと実感する。史実をしっかり描いても良いと思うが、本書は史実はあくまで最低限のベースとし、よりエンタメに特化し自由に描いていると思う。一気読み間違いなしの面白さ。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 事件ライターの未散は、記事を担当する様々な過去の事件を、逃亡中のシリアルキラーである親友からヒントを得ながら、その真相を解明していく――。過去の事件が全く見え方が変わってくるというのがまず第一に面白い。事件に関わる思いがけない人物へのインタビューがキーポイントとなっていく。現実に起こっている事件だって、案外こういうことも多いのではないか、とつい思ってしまうようなリアルさがある。ただ、全体としてエピソードが羅列的であり、もう少しメインの二人の関係を大きな軸とした物語を読みたかった気はする。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 料理エッセイというか、ほぼレシピ。料理へのこだわりが感じられるものばかりだが、その工程はざっくりとしており、豪快な感じ。料理って敷居の高いものじゃなく、何の気なしにササッと作ってしまえば、美味しいものができるんだと思わせてしまうような魅力がある。料理に何の興味もない人からすれば、至ってどうでもいい内容だろうが、日々料理をする人が読めば、楽しく読める、あるいは気付かされることもあるかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ NONSTYLEの漫才自体は自分の好みから外れるが、これまでラジオ、あるいはネット記事等で読んだ著者の分析力、批評は素晴らしかった。「漫才過剰考察」が売れているが、著者の言語化能力もまた素晴らしいものだと思う。M-1、更には漫才そのものを、思わずこちらが腑に落ちてしまうような形で論じてくれている。年末の「THE MANZAI」でも全く新しい形の漫才をしていたNONSTYLEだが、本書を読んで改めて漫才が本当に好きなんだと感じさせられた。中堅になろうとも果敢に挑戦する姿は格好いい。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 著者がデビュー間もない頃、「小学三年生」に連載していたというジュヴナイルであり、著者の経歴から見れば異色の作品。児童向けではありながら、大人が読んでもしっかり楽しめるミステリになっているところはさすが。書籍化はされなかったようで、時を経て没後に文庫化となったようだが、あまり知られていないことが惜しい作品。「放課後ミステリクラブ」あたりが好きな人には、是非とも勧めたい作品。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ シリーズ完結編。三部作かと思っていたら、著者曰く、本作の前に「嗤う淑女 二人」を挟んだ四部作になっているとのこと。いつもながらサスペンスフルな展開だが、やや刑法第三十九条というテーマが独り歩きし過ぎかな、という気がしないでもない。もうちょっとエンタメとして自然にストーリーに落とし込んで欲しかったところ。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ 言わずもがなの、元内閣総理大臣暗殺事件を題材としたフィクション。フィクションとはいっても、細部はあまりに現実に沿い過ぎているので、ドキュメンタリーのような感覚で読めてしまう。だが現実に沿った部分とフィクションである部分の乖離は気になった。ストーリー全体としても想定の範囲で収まっており、あまり驚きはなかった。やはり、まだこの事件を題材とするには、まだ日が浅いのではという気はしてしまう。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 甲子園に洋裁学校を設立した女性がファッション界で昇りつめていく様を描くと同時に、サポート役の男性、弟子の女性たちとの愛憎もまた描くストーリー。新聞連載されたとあって、次々と新たな展開が用意され読んでいて飽きることがない。ただ後半になると、ドロドロとした愛憎メインのストーリーになり、著者の作品としてはやや凡庸な出来に落ち着いてしまったかな、という気はした。とはいえ、この長さながら全く飽きることなく読める上に、圧倒的な読みやすさ。さすが山崎豊子、という作品だった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 感想は下巻にて。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 料理エッセイの名著。六十年代の作品とは思えないほど、現代に読んでも全く色褪せていない魅力がある。とはいえ、現代と比べると、キッチン周りの環境もそこまで便利なものではなかったろうが、だからこそ料理のひとつひとつの工程を丁寧にこなしている、料理への愛がなければできないようなものが揃っているように思えた。文字を読んでいるだけで、その素敵なキッチンの光景が目に浮かんでくる。時代を越えて読み継がれるエッセイだと思った。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 料理エッセイとして有名すぎるほどに有名な「巴里の空の下〜」の姉妹編。本作でも素敵な料理の数々が登場する。普段手抜きな上に雑な料理ばかり作っている者としては、作中での丁寧で手の込んだ料理には、著者の料理への愛を感じさせられる。どこか少し優雅な気持ちを味わえるかのような、令和に読んでも全く古さを感じることのないお料理エッセイだった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ デパートで働く高校の同級生仲良し三人組。だが働く場所は、呉服売り場、食品売り場、エレベーター係と、その環境も全く異なる。三人それぞれの職場での人間関係、あるいは恋模様が描かれるわけだが、これがめっぽう面白い。書かれた時代ゆえの古臭さは確かにあるが、本書においてはむしろそこに令和にはない昭和ならではの良さ、或いは懐かしさが感じられ、ポジティブなものと捉えられた。元祖お仕事小説とも言える内容で、こんなものまで書いていたのかと著者の作風の幅広さに驚くばかり。隠れた傑作と言うに値する一冊だろう。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 息子が実の子であるか確かめてほしいとの依頼を受けたおゆう。江戸と現代を行き来し調査を進める中で、事件が発生する――。現代の科学技術をもってすれば、難なく分かってしまう真相を、いかにして江戸で伝えるのかというのが、このシリーズの一番の面白さであるように思う。最後には、今後のシリーズの展開が楽しみになるような結末も用意されており、ますます続きを読むのが楽しみになった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 読んでから続編であったことに気づく。作中では選択的夫婦別姓の問題が大きく取り上げられ、前作とは話の毛色も随分と異なっているように思えた。もちろん、夫婦別姓の問題は重要だし、論じられるべき問題ではあるのだと思うけど、この話でやるのはあまり相応しくない、というか、このテーマを取り上げるには、もっとそれに合ったストーリーがあったんじゃないかな、と思った次第。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ シリーズ二冊目。前作に比べると、"代書屋"の要素は薄まっており、ただのいい話に落ち着いているのが残念なところ。それでも読んでいてほっこりさせられるような、著者ならではの作品の雰囲気はそのままで決して面白くないことはない。でも、「ツバキ文具店」が良かっただけに、そちらと比べるとどうも内容の浅さを感じてしまう。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 環境汚染による人体への影響、更には自然の危機を訴えた、当時としてはなかなかセンセーショナルな一冊。いきなり選挙話で始まり、どうなるのかと思いきや、途中から一気に本題へ入る。逆に選挙話は結局何だったのかよく分からないが。小説というよりは、新書で出ていてもおかしくないような内容ではあるが、専門家ではない著者が書いたからこそ、程よく噛み砕いて書かれた分かりやすさがあり、文体も堅苦しくないが故に、一般読者を遠ざけず、ベストセラーになったのかも。時代は変われど、環境問題の本質は依然として変わっていない。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 乱歩の作品の中でも、いわゆる"通俗長編"に分類されるものから、その当時の東京の風俗を読み解いていく一冊。乱歩の作品研究のような本は読んだことがあるが、こういったアプローチのものは新鮮。乱歩と東京を結びつけた研究本は他にも何冊かは刊行されているようで、そちらも読んでみたい。東京に土地勘のある人は、より楽しんで読めるはず。相当よく調べ込まれた一冊であり、乱歩の作品をミステリとして読んだことしかなかったが、当時の東京を知ることができる読み物でもあるのだと実感。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ その独特なタイトルが気になる一冊。ちなみに郵便配達は作中に登場することはない。なぜそのタイトルであるのかは巻末の解説を参照。内容としては不倫カップルによる殺人を描いたシンプルな筋立てのノワール小説。当時はその暴力描写、性描写の過激さから一部では発禁処分を受けたとのことだが、最近のノワール小説のエログロに慣れてしまった現代人としては、そんなものか、と思ってしまう程度のもの。訳は読みやすいし、スピーディーな展開に身を委ねてしまうかのように一気に読めてしまう面白さだった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ 各雑誌で行われた乱歩をホストとして行われた座談・対談をまとめたもの。意外と乱歩自身によって語られたものをそんなに読んだことがないので、新鮮な気持ちで読めた。錚々たるメンバーによる座談会は読み応えがある。当時を代表するミステリ作家たちが、忌憚なく意見を述べていて興味深い。特に海外ミステリについては、なかなか辛辣な批評がされており、「隅の老人」は嫌なんだ!?とか、意外とルブランがミステリとして評価が高かったり、あるいはシムノンは文章が上手くないとか、全員がなかなか容赦がなくて面白い。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/01/13(4784日経過)
記録初日
2012/01/13(4784日経過)
読んだ本
6517冊(1日平均1.36冊)
読んだページ
1959527ページ(1日平均409ページ)
感想・レビュー
6516件(投稿率100.0%)
本棚
11棚
性別
年齢
34歳
血液型
AB型
職業
その他
現住所
滋賀県
自己紹介

しがない本読みです。
SF・歴史物を苦手としますが、割と幅広く読むタイプだと思います。覚え書き程度に5段階評価など付けてますが、まあ評価などはその時の気分にもよるのであてにはなりません^^;

基本的に読む本の大半が文藝書であるために、お気に入り登録は文藝書を主に読まれている方のみにさせて頂いています。ご了承ください。

[好きな作家]
江戸川乱歩/水上勉/宇月原晴明/筒井康隆/星新一/森見登美彦/西村賢太/伊東潤/木内昇/松浦理英子/中山可穂/佐原ひかり/石田夏穂/村田沙耶香/滝口悠生/乗代雄介/宮尾登美子/有吉佐和子/水上勉etc.


[年度別マイベスト本]
2024年︰八重野統摩「同じ星の下に」/640冊
2023年:佐川恭一「清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた」/549冊
2022年:滝口悠生「長い一日」/388冊
2021年:記録なし
2020年:澤村伊智「予言の島」/530冊
2019年︰陳浩基「ディオゲネス変奏曲」/386冊
2018年:石川宗生「半分世界」/439冊
2017年︰木内昇「球道恋々」/326冊
2016年:奥泉光「ビビビ・ビ・バップ」/506冊
2015年:村上しいこ「うたうとは小さないのちひろいあげ」/576冊
2014年:津村記久子「エヴリシング・フロウズ」/518冊
2013年:村田沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」/542冊
2012年:松家仁之「火山のふもとで」/221冊
2011年:牧薩次「完全恋愛」/142冊
2010年:坂木司「和菓子のアン」/406冊
2009年:山本兼一「利休にたずねよ」/263冊
2008年:池井戸潤「空飛ぶタイヤ」/220冊
2007年:吉田修一「悪人」/339冊
2006年:宇月原晴明「安徳天皇漂海記」/290冊


読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう