読書メーター KADOKAWA Group

2024年4月の読書メーターまとめ

そうたそ
読んだ本
48
読んだページ
14079ページ
感想・レビュー
48
ナイス
1070ナイス

2024年4月に読んだ本
48

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

そうたそ
★★★☆☆ ゴッホに憧れ上京した棟方志功だが、展覧会では落選続きの日々。そんな中、木版画との出会いから彼の人生は変わってゆく。本書は、そんな棟方志功の人生を妻・チヤの視点から描いている。著者ならではのアート小説であると同時に、ひとつの家族を描いた愛の物語であるとも言える。元々、Audible用に書かれたものの書籍化ということで、そのせいもあってか、チヤの語りがよりリアルに脳内に再生されるかのようだった。久しぶりに著者のストレートなアート小説を堪能できた気がして満足。棟方志功の絵をもっと見てみたくなった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月にナイスが最も多かったつぶやき

そうたそ

「成瀬」が本屋大賞。ここ最近でもこれほどまでに賞を総なめにしたベストセラーは珍しいのでは。あまり本を読まない人から、本読みまで幅広く勧められる作品なので納得の受賞。個人的に推していた「ネネ」は二位。惜しかった。

さく
2024/04/10 18:55

私もネネ推しでした!😆

そうたそ
2024/04/10 19:41

今年は成瀬が強すぎましたね〜(> <)

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
48

そうたそ
★★★☆☆ 古書店主でもある著者によるエッセイ。当然、古書にまつわる内容も多くなっているが、新刊本にはない人間ドラマが古書には詰まっているように思う。また、古書店に集う人もまたなかなかに個性豊かであるとも言える。ひとつひとつの話はすごく短いが、どの話もすごく濃い。古書店にまつわる話をもっと読んでみたくなった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 食のエッセイ二作目。前作に引き続き、食に対するこだわりと愛は相変わらず。良くも悪くも、こんな正直に書いてしまっていいのか、と思ってしまうほどの内容も、食への愛からだろう。本作はコロナ禍に書かれたものが中心で、話題もそれに関するものが多い。共感したりしなかったりだが、共感できなくとも、そんな考えもあるのかといちいち興味深く読んでしまう。普段の耽美的、幻想的な作風とはある種真逆のイメージのエッセイで、そのギャップもまた面白い。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ この一冊で豆腐の歴史がまるっと分かる。時代を越えて、日本人に愛されてきた豆腐という食べ物。栄養も高いし、調理法、加工法も様々。何とも奥深い豆腐という食べ物を紐解くに最適な一冊で、当たり前のように身近にあるが、あまり深く考えてこなかった豆腐のことを、改めて知るのにいいかもしれない。適度な長さにきれいにまとまった手に取りやすい一冊。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 七十年代の京都にかつて存在した"河原町のジュリー"という有名なホームレスがいた。同年代を過ごした人にとっては、懐かしい景色が広がるだろう。京都を知る人はいっそう馴染みのある風景が感じられるかもしれない。フィクションではあるが、実在の人物がモデルにはなっている。読む人の年代によって、その懐かしさから感じ方も変わってくるストーリーかもしれない。ジュリーほどの知名度はないにしろ、各地のいわゆる浮浪者と言われる人は、そこに住む人々の記憶にうっすらと刻まれていたのだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 放火事件に巻き込まれて死んだチェリストの女性。求めれば求めるほど遠ざかっていく音楽という才能の世界。彼女の死に不審を感じた主人公が真相に迫る中、明らかになった事実とは――。ミステリではあるが、どちらかという才能とは、センスとは。あるいは、音楽を聴いている側も、本当に理解出来ているのか、と底知れない先の見えない世界の苦しさを思い知らされるような重く苦しい話だった。長さはそんなにもないが、読後に心にズシッとのしかかってくるようなヘビーさはあった。ちなみにではあるが、装丁のセンスも凄く良い。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 星野警部シリーズ三作目とのこと。雨の中殺された小学校教師。凶器も見つからず、動機も不明という中、星野警部が辿り着いた真相とは――。読者を引き込む力についてはさすがという他ない出来。真相は悲しくもおぞましく、決してスカッとするような話ではない。犯行に至る方法が、安直というかややリアリティに欠ける気はしたが、総じて満足のいく内容。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ かつて自分たちから両親を奪った女が、小学校教員となった"私"のもとに授業参観の日に現れた。可愛い女の子の母親となっていた彼女への憎しみはやがて――。タイトルの意味が終盤になって、グッと心に響いてくる、悲しくも切ないミステリ。トリック的な面白さもあるが、やはり"ナイフ"が示すものの意味ということに尽きるストーリー。シンプルだが、考えさせられることの多いミステリだった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ シリーズ二作目。雪の積もった校庭に突如現れたミステリーサークルの謎が描かれる。誰が、なんのために、どうやって作ったのか。児童書ならではとも言える真相で、思いもよらないところにしっかりと伏線がはられており、大人が読んでもしっかり面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ シリーズ四作目。マッチングアプリ詐欺、ギフテッド、ディープフェイクなど、今どきのトピックが巧みにストーリーに盛り込まれている。いつもながら、肩の力を抜いて読めるストーリーでありながら、読後の充実感もしっかり。早くも続刊が楽しみ。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ 父親の海外勤務により、春休みから一人暮らしを始めた中二の花南子。町で起きる不審な事件と、偶然出会った"名探偵"。最後の最後には意外な真相も。著者らしい温かみに溢れたストーリーながら、どこかに少し切なさやほろ苦さも感じられる。終盤の真相には驚くが、総じてあっさりし過ぎており、ちょっと物足りなかったかも。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ ドラマにもなっていた作。シーツ交換、入浴や食事の補助など、看護師の補助的なことを行うが、医療行為は禁じられているナースエイドを主人公としたストーリー。そんな職があったとは知らなかった。若き天才外科医の竜崎とバディ的な関係の中、病院内の事件に関わっていく医療サスペンスに仕上がっている。ドラマ原作らしいテンポ良いストーリーである一方で、総じて軽い。現役医師の著者らしい医療的な問題提起も見られるが、著者の作品にしては特にこれといった印象もなく、あっさり読み終わってしまった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 叔父の殺害容疑で逮捕された男が、弁護士や調査を行うリストラ請負人らと共に冤罪を晴らすべく奔走し、やがては復讐に走るまでを描く法廷劇。帯にホラーとあったが、むしろ真っ当なリーガル・サスペンスという印象。警察あるいは司法の黒い部分を見たような感じであり、そういう意味での怖さはあったが、読みどころはやはり二転三転する法廷でのやり取り。間伸びしそうな法廷でのシーンをしっかり読ませる力量は流石だと思ったが、全体的に良くもなく悪くもなく、という感じ。面白いけど、ややパンチに欠ける内容。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ 家族ばらばらに転居することになった直前、倉庫から見つかった不審な箱に入っていたのは、青森の神社から盗まれた御神体にそっくりなもの。神社に返却するため、疑心暗鬼な中、家族は青森へ向かう――。途中まではロードノベルっぽい面白さがあったものの、だが、ミステリ的な落とし所という意味では期待はずれ。終盤で失速してしまったような。これなら単に家族小説として最後まで書いていた方が面白かったかも。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ お墓を巡る悲喜交々の群像劇。全裸になったり、うんこをもらしたり、人によっては拒否感を抱くかもしれないが、その辺は著者の作品としては通常運転。"お墓"という部分にあまり意味合いを感じられないまま話が過ぎていった。面白くないことはないが、読み終わったあとに、結局何だったのかという呆気なさのみが残った。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 内容としては育児エッセイだが、それのみならずジェンダーに関わる様々な問題に対する提起も行うような幅広い内容。育児あるいはジェンダーに対しては未だ後進国と言わざるを得ない日本に蔓延る違和感についての言及が鋭い。育児に関しては、やはり男性には気づき得ないような視点も感じられる。一方で、あまりに斜め過ぎる視点にやや辟易してしまう部分も少々あり。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 毎日小学生新聞に連載されていたという一作。ある小六の一クラスが描かれる。どこにでもありそうな小学校の普段の日常ではあるが、そこには様々な人間関係があり、それにより色々なことも起こる。大人社会とはまた違う、この歳ならではの独特の人間関係が形成されている。子どもたちは子どもたちなりに物事を解決していこうとする様が実に爽やか。どこか懐かしい気持ちにもなって読めるストーリーだった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ かつてアイドルをしていた少女が十五年前と全く同じ容姿で現れた謎。更には自殺から復活を遂げるという不可思議な現象。いつも以上に、これはどうなってるんだ!?と思えてしまうほどの超常現象が連発する長編ミステリ。なかなかに胸糞な内容ではあったが、事件の謎自体は鮮やかに解決される。読み応えあるストーリーだった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★★ 高校小説好きとしては読まないわけにはいかない。高校球児を息子に持つ母親の話。感動話だけかと思いきや、甲子園を目指すような強豪高校の野球部の内部事情みたないものも垣間見れて、つくづく自分たちは高校野球のほんの断片的な部分だけを見て感動しているに過ぎないんだな、と思わされた。でも内部って大変だ、とかブラックだなというだけでは終わっていない。しっかりと家族の話に繋げられている。中盤では、球児の保護者にとっての高校野球というものの、理不尽な部分も感じられたが、終わってみれば爽やかな一作だった。
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そうたそ
★★★☆☆ 本作は中編二つを収めた一冊。安定の面白さではあるが、長編の多かったシリーズだけに、ちょっと物足りなさを感じた内容ではあった。長編ではその長さの分、鷹央と小鳥遊の何ということのないやりとり(あるいはイチャつき?)を楽しめるが、そこもちょっと控えめだった印象。とはいえ、普通では考えられないありえない現象を医療的立場から鮮やかに解決していく楽しさはいつも通り。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ AI裁判官の是非について考えさせられるリーガル・サスペンス。膨大な判例データをもとに、判決を導くという点では、到底人間に成し得ることではないが、判決には感情も必要だとすると、AIは人間には及ばない。でも近い将来、何かしらの形でAIが司法に関わるというのはきっとあるだろう。それだけに、どうAIと付き合っていくべきなのか考えさせられる作品ではある。一方、話としてはやや平板にも思え、ミステリとしての面白味には欠けた。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ 前作が飛ぶほど面白かった記憶があるが、何とそれから十一年ぶりの続編。忘れていないだろうかと不安も、読み始めるや一瞬にして吹き飛んだ。七帝柔道にかける、男たちの熱い、いや熱苦しいまでのパワーに引き込まれるかのように読んだ。前作は大学に入り、入部して、という初々しさもあり、また友情や恋愛など青臭い部分も描かれた。一方で、上級生時代が描かれる本作は、七帝柔道一本、試合のシーンがほとんど。だがそれだけに熱量も凄まじく、こんな学生生活を過ごせるなら、留年上等では、とその青春の充足感について思った。
そうたそ
2024/04/14 12:20

ちなみに著者のXのアカウントによれば、「III」もすぐに出るとのこと。後輩たちの戦いが描かれるらしい。今から楽しみすぎる。

が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ ゴッホに憧れ上京した棟方志功だが、展覧会では落選続きの日々。そんな中、木版画との出会いから彼の人生は変わってゆく。本書は、そんな棟方志功の人生を妻・チヤの視点から描いている。著者ならではのアート小説であると同時に、ひとつの家族を描いた愛の物語であるとも言える。元々、Audible用に書かれたものの書籍化ということで、そのせいもあってか、チヤの語りがよりリアルに脳内に再生されるかのようだった。久しぶりに著者のストレートなアート小説を堪能できた気がして満足。棟方志功の絵をもっと見てみたくなった。
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そうたそ
★★★★☆ ホームレスの老女が殺された事件の被疑者として逮捕された犯人は、引きこもり生活を十八年も続けており、父親を刺殺したことも加えて自供。そんな犯人の男と、事件を追う刑事の女性を視点を代えつつ描く社会派ミステリ。いわゆる8050問題をテーマに、昭和後半から平成にかけての社会と風俗を辿りながら書かれている。著者の「Blue」とも、昭和から平成にかけてを描くという点では共通するものがあるが、描かれる人物は全く異なる。引きこもりは当人のせいなのか、家庭が悪いのか、あるいは社会のせいか、と考えてしまう。
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そうたそ
★★★★☆ 「南総里見八犬伝」の生みの親にして、日本の小説の祖とも言える曲亭馬琴の、その波瀾万丈の人生を描く一作。山東京伝、蔦屋重三郎、北斎等々、馬琴の周囲の人物はなかなか個性豊かな人物が揃う。また、家族関係にしてもなかなかのもので、とはいえそういった人物たちに囲まれ、様々な苦難を乗り越えて、作家・馬琴は生まれたのだと実感。当時の文化、出版事情についてもしっかりと盛り込まれており、非常に充実感のある内容。この作品に限らず、この時代の文化は他の作家も数多く書いているが、興味深いし面白いなといつもながら思う。
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そうたそ
★★★☆☆ いつもながら楽しんで読めた。本作で描かれるのは謎の転落死。死体に何の痕跡も残っていない。被害者を撃ち抜いた"魔弾"の正体とは一体何なのか。事件の謎もさることながら、本作では人間ドラマもしっかりと描かれている。それに加えて、いつも通りの掛け合いも健在で、バランスのとれたストーリーだった。"魔弾"とはどういうことなのか、と思ったが、それも医療でスッキリと説明がついてしまう。毎度のことながら、驚かされるばかり。
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そうたそ
★★★☆☆ 時は江戸時代。浅間山の大噴火により、自分たちの村が壊滅的な状況となってしまった人たち。八割の村人は死に、生き残ったのは僅か九十三人。村を再建しようにも、人々の心の傷は深くなかなか進まない。やがて、村人たちは移住するか故郷を作り直すかの再建に迫られることになる――。いつの時代も自然災害のもたらす被害たるや、人間の想像を遥かに超えてくる。愛する地も家族も失われた人間がそう簡単に立ち直れようか。復興とは何たるや、と考えさせられる物語だった。当然、現代にも通ずる部分あり。
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そうたそ
★★☆☆☆ あらすじを読んだ時点では面白そうと思えたのだが、色々書こうとしすぎてて、大作なんだけど散漫な感じが。初期のもっとシンプルに書いていた頃の方が好きだったな。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ シリーズ三作目。今回の謎は動くカメの銅像。校庭の隅にあるカメの銅像が見る度に少しずつ動いている。とはいえ、子どもが二人がかりでも到底動かせるような重さではない。では一体なぜカメの銅像は動いたのか――。今回は何となく真相が分かってちょっと嬉しい。ある種、頭の体操のような謎解きでもあり、対象である子どもたちにとって身近な謎、ポップで魅力的なイラストとともに、児童向けミステリとしてとても出来がいいと思う。大人でもしっかり"読者への挑戦"を楽しめるミステリ。
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そうたそ
★★★★☆ 父の影響から過剰な程にキレイ好きになってしまった朝陽は民間の清掃会社で日々ゴミ収集を行う。その朝陽の隣に住む友笑は、物が捨てられない上にゴミを集めてアート作品を作っているが故に部屋がゴミだらけ。正反対の二人は少しずつ壁を乗り越え近づいていく――。著者らしい明るく輝きと希望に満ちた物語。それでいながらにして、ゴミ問題についても違和感なく盛り込まれており、主人公らが家族との問題を乗り越えていく成長ストーリーでもある。二人の関係を描く甘酸っぱさもありながら、ゴミとは何か今一度考えられる良作。
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そうたそ
★★☆☆☆ 大阪府警シリーズ。著者の作品にしては珍しく本格ミステリ色が濃い。トリック等もよく練られたものだったとは思うが、個人的には著者の持ち味はやはりそういう部分ではないのかもな、と思う次第。
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そうたそ
★★★☆☆ 新学期が始まり、いつも通りの日々が続いていくかに思われた小六の主人公。だが、先生のセクハラ、父親の家庭暴力、母親の過干渉、女子を見下す祖父と周囲には子どもにとって危機的な状況が広がっていた――。子どもの権利って一体なんだろう、と考えさせられた。子どもの権利条約については学校で習った気もしたが、そこから一歩踏み込んで考えたことはなかったし、深く教えられることもなかった。本作では子どもたちが自身の権利のために自ら考え行動を起こす。大人は子どもの権利のために何ができるか考えることも必要だと思った。
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そうたそ
★★★☆☆ 憧れの高校に入学し書道部に入ったものの、父親が心を病み退職したことで、引越しを余儀なくされた主人公。高校への距離も遠くなってしまい、転校ではなく中退という道を選ぶ。そんな中、出会ったのがアラビア書道だった――。デビュー作でも、マレーシア語を交えた短歌作りに励む主人公を描いた著者だが、本作でもアラビア文字で書道!?と驚かされる。でも、書道は日本だけのものではない。どの文字で書いたって当然書道。路頭に迷った主人公が新たな出会いにより、希望を持ち前へ進んでいく様が描かれた爽やかなストーリーだった。
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そうたそ
★★★★☆ 主人公の中学校での三年間を通して、その日常と生活を描く青春ストーリー。爽やかというよりも、何ともリアルで青臭い内容。80年代頃が舞台ということもあって、現代では信じられないような部分もあるが、子どもたち自体は、時代がいつであろうが変わっていないのかもと思える。性のこと、恋のこと、人間関係、将来等々、自分では背伸びしているつもりだが、実際は探り探りで生きていたよな、と懐かしさすら感じる物語だった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ ある中学校の生徒たちの悩みや思いを、七人の生徒の視点から描いた青春群像劇。どの話も、思春期ならありそう、と思えるリアルな部分が感じられる。中学生たちの繊細な心がうまく描かれており、児童文学ではあるが、大人が読んでもきっと心に響くものがあると思えた。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 何ということのない普通の家族。夫婦に長男、長女の四人家族。それぞれの視点から、その平穏な日常が描かれた一作。何が起きるというわけでもないが、そんな日常の中にささやかな幸せ、ちょっとした不安な悲しみ等々が詰まっている。家族といえど、四人それぞれに自分たちの生活がある。とはいっても、最後には家族のもとに帰ってくる。程よいユーモアにほっこりしながら読めた一冊だった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 二十年ぶりのリーグ優勝を目前にしたプロ野球チームで投手コーチを務める主人公は独自の哲学を持つが故に、監督との衝突が絶えない。そんな中、現役時代の恩人勝つ盟友である人物の訃報が届く――。しっかりとしたコーチ哲学を持った主人公の一つの野球小説としても面白く読めた。優勝を目前に、投手を酷使する監督、あるいは選手らとの人間関係構築等々、興味深い部分が多かった。肝心の事件そのものも面白くはあるが、どちらかというとチーム内の話の方がメインになってしまっている感があり、盛り上がりには欠けた。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ 短編集。青春ものを期待していたが、どれも少し不思議、あるいは不穏さを感じるものばかり。だが世界観があまりしっくりとくるものがなくて、こちらが置いてけぼりになったかのようだった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 離婚から一年、一念発起し主人公が通い始めたのは、山の上にある、男性だけに家事を教えるという学校だった――。こんな学校あったらいいのに、と思えてしまう。家事を教わること自体はもちろんいいことだし、家事を知ることで、家事の見え方自体がかわってくるはず。本書の主人公も、離婚する前は、家事は女性がして当然、自分は働いているから関係ないと無意識のうちに思っていた。だが家事を知っていけば、家族の見え方も変わる。家事の学校に通えとは言わないが、家事をしないできない人に是非読んでみてほしい一作。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ とある中学校の何ということのない一日をクラスメイトそれぞれの視点から描いた一作。何が起こるでもない話ではあるが、中学校ってこんな感じだったなぁーとどこか懐かしい気持ちで読んだ。遠目に見れば、ただの集団。でもクラスメイトそれぞれの事情、人間関係がある。思春期の子どもたちがうまく描かれた一作。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ 今回扱われるなぞは人体発火現象。殺人なのか、事故なのか、はたまた陰陽師の呪いか、とまで疑われる事件であるが、本作でもまた思いもよらぬ真相が導かれる。鷹央と小鳥遊のコンビにもいつもながら楽しませてもらったが、事件の真相にも驚いた。ネタバレになるので多くは書けないが、かつてそんなものがあったのか、と。それが一見、怪奇現象にも思える事件に結びついてしまうのだから、医療の奥深さたるや。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ マレーシアからの帰国子女である中二の主人公が入った先の学校で出会ったのは短歌。当初は戸惑いながらも、やがて短歌の魅力に惹かれていく――。青春×短歌の組み合わせにハズレなしと思える傑作。短歌は文字数という点こそ縛りはあるが、それ以外は何と自由な芸術であることか。本書でも、主人公はマレーシア帰りという自分の経歴を活かし、マレーシア語を盛り込んだ短歌を詠んでいるが、それが不思議なリズムとアクセントを生み出し、とても良い。短歌との出会いから人間的にも一回り、二回りも成長する様が描かれた爽やかな一作。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ 突発性難聴を患ったことにより、片耳の聴力を失ってしまった中二の女の子を主人公とした一作。突発性難聴は治療が早ければ早いほど回復が見込めるというが、逆に言えば、放っておくとこれといった原因も分からないまま聴力が失われてしまうということだから恐ろしい。本書の主人公にしても、若くして聴力が失われてしまうと知った時の絶望たるや相当なものだったろう。だが、そこから同じく耳が不自由な人や、手話サークルと出会い、今の自分を受け入れ少しづつ前進していく。短い作品だが、思春期ならではの感情が巧みに描かれた良作。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 著者自身も学生時代、身体の悩みを抱えていただけに、勇気を持って書いたという作品。性の悩み、恋の悩み。どちらも簡単に人に相談できるものではない。だからといって自分でどうこうできるものではないし、周囲の友人たちが何事もないように日々を過ごしているのを見ると、その悩みが自分にとってはすごく大きな壁に見えるかもしれない。本書はそんな思春期の女子たちにとって救いになりそうな青春ストーリー。性や恋といったテーマが程よく青春ストーリーに織り込まれている良作だった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★★☆ 昭和から平成、そして令和を生きる二人の主人公。オカルトや宗教、デマ、フェイクニュースなど様々な情報が蔓延する世の中で、信じることとは何なのか。その意味を問いかけるような大作。ノストラダムスの大予言、オウム真理教、コックリさんなど、その時々に世を騒がせたものたちに、その都度懐かしみながらの読書だった。様々なデマの登場を経て時代は令和、コロナの時代へ。ワクチン陰謀論等々、時代は変われど、常に人は情報に惑わされている気がする。そんな世の中の人々の人生をフラットに描いた傑作であると思えた。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 空気が読めない子、突然パニックになってしまう子、暴力的になってしまう子。自分はみんなとは違うんじゃないかという不安を抱えながら生活する子どもたちを、優しく包み込むように描いた物語。今では発達障害などとして認識された上で教育現場でもそれに応じた対応がなされているのかもしれないが、自分の小学生の頃は、何か変な子といった程度の認識だった。周囲と違うことで不安になる気持ちに対して、それも個性なんだと気づかせてくれるような物語だった。著者らしい温かみのある語り口の優しいストーリー。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ 著者の初期作。最初は面白かったが、途中で飽きてしまった。結構な長さに耐えれるだけの面白さはなかったかも。やはり著者の作品では「ごめん」が好き過ぎて、なかなかそれに並ぶ作品がないなあ、というのが正直な思い。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★☆☆☆ 児童文学の名作にして、椋鳩十児童文学賞を受賞した一作。両親の離婚に直面した少女を、その視点から成長やがては自立を描いている。書かれた時代からして、古さは否めないが、それでも色褪せない魅力はある。だが、少女視点で進む文章が読み辛く、個人的にはなかなか入り込めない部分があった。
が「ナイス!」と言っています。
そうたそ
★★★☆☆ 芥川賞候補作となった表題作、文學界新人賞受賞のデビュー作にして同じく芥川賞候補となった「アキちゃん」の二作を収める作品集。三十二歳のピアノ講師・琴音は仕事も恋もうまくいかない日々が続く。そんな中で転がってきた伴奏のアルバイトの仕事がきっかけに、厄介な出来事に次々と巻き込まれる羽目になる。そんな表題作は、会話文がメインの簡潔な文章で話は進む。とにかくイヤ〜な感じが続いていく内容で、不快だわと思うこと終始だが、一周回っておかしさを感じる部分すらあり。だから何、という話ではあるが、嫌いじゃないかも。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/01/13(4493日経過)
記録初日
2012/01/13(4493日経過)
読んだ本
5964冊(1日平均1.33冊)
読んだページ
1790121ページ(1日平均398ページ)
感想・レビュー
5963件(投稿率100.0%)
本棚
10棚
性別
年齢
33歳
血液型
AB型
職業
その他
現住所
滋賀県
自己紹介

しがない本読みです。
SF・歴史物を苦手としますが、割と幅広く読むタイプだと思います。覚え書き程度に5段階評価など付けてますが、まあ評価などはその時の気分にもよるのであてにはなりません^^;

基本的に読む本の大半が文藝書であるために、お気に入り登録は文藝書を主に読まれている方のみにさせて頂いています。ご了承ください。

[好きな作家]
江戸川乱歩/水上勉/宇月原晴明/筒井康隆/星新一/森見登美彦/深水黎一郎/西村賢太/伊東潤/木内昇/松浦理英子/中山可穂/佐原ひかり/石田夏穂/村田沙耶香/滝口悠生etc.


[年度別マイベスト本]
2023年:佐川恭一「清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた」/549冊
2022年:滝口悠生「長い一日」/388冊
2021年:記録なし
2020年:澤村伊智「予言の島」/530冊
2019年︰陳浩基「ディオゲネス変奏曲」/386冊
2018年:石川宗生「半分世界」/439冊
2017年︰木内昇「球道恋々」/326冊
2016年:奥泉光「ビビビ・ビ・バップ」/506冊
2015年:村上しいこ「うたうとは小さないのちひろいあげ」/576冊
2014年:津村記久子「エヴリシング・フロウズ」/518冊
2013年:村田沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」/542冊
2012年:松家仁之「火山のふもとで」/221冊
2011年:牧薩次「完全恋愛」/142冊
2010年:坂木司「和菓子のアン」/406冊
2009年:山本兼一「利休にたずねよ」/263冊
2008年:池井戸潤「空飛ぶタイヤ」/220冊
2007年:吉田修一「悪人」/339冊
2006年:宇月原晴明「安徳天皇漂海記」/290冊


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