読書メーター KADOKAWA Group

2022年7月の読書メーターまとめ

Millet.K
読んだ本
18
読んだページ
5841ページ
感想・レビュー
18
ナイス
1898ナイス

2022年7月に読んだ本
18

2022年7月のお気に入り登録
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2022年7月のお気に入られ登録
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2022年7月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Millet.K
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の一・和編〉2冊目。自称〈異形読み〉の原体験はピアノの先生による読み聞かせ雨月物語。その後興味は西洋怪奇幻想に向かい、日本の怪談になじみ薄。アンソロジイ収録作のあの気色悪さに期待しつつ…表題作が厭コワ。お嬢様がスーパーでバイト?という疑問はあれど、読み手の想像力妄想力が刺激される。後半「宮本くんの手」「シュマシラ」「死神」の流れ◎。「シュマシラ」の舞台が小動物園の多い岡山との県境なリアルさが好ましい。ちなみに宝根ならぬ宝登山小動物園が埼玉にある。毒毒度:4 おあと5647冊
Millet.K
2022/07/16 10:00

“あの水槽に入ってるやつ”(P264)“金魚じゃない。絶対金魚じゃなかった”(死神 P266)急遽帰省するという大学時代の友人から、水槽とカブトムシの飼育箱とハムスターと鉢植えを託された。苔と藻の具合がちょうどいいから水槽は洗わないでくれといわれ…すぐさま思い浮かぶのがジャコビの名作「水槽」。あれは貝だったけど果たして本作は?

が「ナイス!」と言っています。

2022年7月にナイスが最も多かったつぶやき

Millet.K

■〆切が設定されると別件に気が向く地獄。但し仕事の〆切ならぬ図書館返却日…■《キャバレーを見届けろ》企画は読友さんを巻き込み場外乱闘に。骨は拾ってやるとのお言葉に甘え、ギター演奏動画バックに「身も心も」全力歌唱…ん?■写真:映画のセットが残る上田映劇 2022年6月の読書メーター 読んだ本の数:28冊 読んだページ数:7903ページ ナイス数:1917ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly/2022/6

■〆切が設定されると別件に気が向く地獄。但し仕事の〆切ならぬ図書館返却日…■《キャバレーを見届けろ》企画は読友さんを巻き込み場外乱闘に。骨は拾ってやるとのお言葉に甘え、ギター演奏動画バックに「身も心も」全力歌唱…ん?■写真:映画のセットが残る上田映劇 2022年6月の読書メーター 読んだ本の数:28冊 読んだページ数:7903ページ ナイス数:1917ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly/2022/6
ずっきん
2022/07/03 18:56

いや、澄んでない澄んでない。澄んでたらハマってない笑。

Millet.K
2022/07/03 21:18

を?盛り上がってる! 一番コワいのは底なしに澄み切った水にハマること・・・

が「ナイス!」と言っています。

2022年7月の感想・レビュー一覧
18

Millet.K
『夜の声』の片割れ8編。「一粒の砂に世界を見、一輪の野の花に天国を見る」とはブレイクだが、ミルハウザーは砂の一粒=短篇に宇宙を見よという。コワ哀しい「ミラクル・ポリッシュ」言うべきことは親の存命中に「息子たちと母たち」。「私たちの町で〜」「Elswhere」は十八番・町もの。スマートに成就させるなら「アルカディア」へ。「十三人の妻」は法螺話系との解題だが?「若きガウダマの快楽と苦悩」は主題そっちのけ忠臣にして最愛の友チャンダに泣けるM/Mとして読む。〆の表題作は文句なし大好物。毒毒度:5 おあと5640冊
Millet.K
2022/08/02 14:23

個人的に「息子たちと母たち」が怖いので、【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の二・洋編〉としてもいいかも。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“誰が本物の人間と言えるだろうか?”(信条 P8)“一度だけは死ぬことができます”(屋根裏のロープ P422)人間なら一度だけ死ねる。ならば創作者は?彷徨人は?魂の異形は? はざまを揺蕩う独特の雰囲気。元商業美術家としてのこだわりが随所に。対を成すような幽霊屋敷もの表題作と〆の引用作。海洋幻想譚「幻の船」ある漂泊者「ルーウム」芸術家の魂は何処へ「ベンリアン」。古代神に捉えられた乙女「彩られた顔」は映画なら1時間53分ぐらいか。ほどよい厚み重みが好ましい、酷暑に国書の怪奇小説集。毒毒度:5 おあと5641冊
Millet.K
2022/07/31 19:56

【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の二・洋編〉で毒了

Millet.K
2022/07/31 19:57

“メニューには、アラカルトでもターブルトートでも2シリングで夕食が食べられると書いてあった”(P194)“二人の間にはデザートの果物、それに胡桃と胡桃割り器が置かれていた。テーブルの端には、窓からの隙間風をメニュー帳で防ぐようにしてコーヒーサイフォンが置かれ、下にはアルコールランプの青い火が揺らめいていた。ロマリンはテーブルナイフで梨の皮を剥き、マーズデンはポートワインを断って、小さなグラスでブランデーベースの金色のリキュールを”(P207)喧嘩別れした二人の男が40年ぶりに再会?「不慮の出来事」

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“肝心なのは、金なんだよ”(P57)顔の傷痕を消す手術成功の夜に殺されたローダ。動機のLは金銭Lucreなのか? 詩人警官ものオーラス、首都警察特別班最後の事件。例によってゼロ時間までをじっくり、百二十頁すぎ満を持してのAD登場となる。領主館という舞台、レギュラー陣だけでなくほんのチョイ役でも手を抜かぬ造形お見事。LGへの丁寧さにも好感。ローダの孤高を貫く生き方や仕事ぶりに触れ、殺人は理不尽この上ないと改めて思う。〈疎外者〉読みにど真ん中、自分が求める英ミステリ理想形に近い。毒毒度:4 おあと5642冊
Millet.K
2022/07/29 15:23

■シリーズ毒了まとめ:翻訳が途中でストップしたE・ジョージ〈リンリー&ハヴァーズ〉や微妙に劣化したグライムズ〈パブシリーズ〉とは異なり、一応の区切りが見られた点は大変満足。受賞作やマスト・リードに挙げられる作品からではなく、刊行順を守る方が全体の魅力を味わえる。後半どんどん読みやすくなった。せっかくなのでコーデリアものを含む初期作品も、青木久惠新訳で読みたいところ。コテッジとコテージ、カム島とコム島、ピアースとピアーズなど表記ブレなどは、シリーズ通しもろもろ微修正を求む。

みみみ
2022/07/30 22:58

P.D.ジェイムスいいよねー。この迫力がクセになります。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“80年代、EPICソニーは「東京」だった” “つまるところ、EPICソニーとは「佐野元春」だった”(P201)話せば長く《キャバレーを見届けろ》という特殊な企画で、沢田研二ディスコグラフィを追ううち佐野元春にぶつかったという…EPICソニーに一番遠い人間の変格すぎる動機ご容赦。SOMEDAY完成の夜明け、佐野イズムの浸透、蜜月時代の終焉もかなりスリリング。小坂洋二へのインタビューが超貴重。あの時のあの歌が聴こえる。著者が時代を俯瞰しながらも、景色の中に自身の姿を認めている点に共感する。おあと5643冊
Millet.K
2022/07/26 09:16

小坂洋二インタビューはイロイロ刺さる。大学がロックアウトの4年間、渡辺プロでの社長面接、新入社員研修で付いたタレントの誰とも合わなくて、布施明担当となりレコード大賞を獲らせるまで、EPICソニーでのさまざまな出逢い、EPICソニーを離れるとき佐野元春のコンサートに招かれたこと…

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“殺人の動機はすべてLの文字から始まる”(P243)孤島で不審死を捜査せよ…出動命令の段階では誰の死か毒者には知らされず。島の住人と滞在客視点でゼロ時間までをこってり愉しめる。動機は憎悪Loathingか銭Lucreか情欲Lustか? 一番厄介なLoveだけが見当たらなそう。2007邦訳刊行、詩人警官ダグルリッシュものいよいよラス前。読み慣れたものは好ましいとはいえ、齢85にして作者はさらに進化。堂々たるエンタメぶりがスゴい。ケイトの私生活にも変化があり、さてどう締めくくるか。毒毒度:4 おあと5644冊
Millet.K
2022/07/24 20:16

“部長刑事と一緒に鉄橋の下でみぞれを避けながら法医学者の到着を待っているとき、ノビー・クラークが現場捜索用のアタッシェ・ケースからコーニッシュパイを二個取り出した” “ワイフの手作りだ。人心地がつくよ” “凍りついた手に持った、まだ温もりの残るペストリーに満たされた気持ちも今も思い出す。あんなにおいしいものをあれ以来食べたことがない”(P227)食事といえば…ダルグリッシュは先輩刑事と組んでいた頃に思いをはせる。

Millet.K
2022/07/24 20:17

“質問はほとんどケイトに任せた。プランケット夫人は仕事を続けた。豚肉の切り身から脂を切り落として、両側に香辛料入りの小麦粉をまぶしつけ、フライパンの熱く溶かしたラードでキツネ色に焼き、裏返す。ダルグリッシュは夫人がフランパンから豚肉を取り出して、キャセロール容器に移すのを見守った。夫人はそのあと二人の向かい側に座って、玉葱の皮をむいてスライスし、ピーマンの種を取った”(P254)台所仕事をしながらだと、かなりの情報が引き出せた。もう少しで糸口がつかめそうなのだが・・・

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の一・和編〉最終日に毒了。三津田信三が編集者時代の名企画《ワールド・ミステリー・ツアー13》の第4巻『東京篇』である。カバー写真がおなじみサイモン・マースデンではない。さすがに国内篇では無理かろう。雰囲気を近づけたにとどまる。初毒が毒書低迷期だったせいか内容はいちいち新鮮。和製ボマルツォな印象の哲学堂公園を旅したい。築地本願寺の珍獣意匠は前々から気になっており、その建築家・伊東忠太に一章割かれているのもありがたし。明治大学博物館も訪問せねば。毒毒度:3 おあと5645冊
Millet.K
2022/07/25 08:51

哲学堂公園は「妖怪博士の妖怪庭園を歩く」(千葉幹夫)、珍獣意匠は「お化け建築家の物の怪を探す」(青木祐介)明治大学博物館は「江戸の捕物と拷問の世界を知る」(伊能秀明)に収録。他にも「現代の都市伝説を追う」(小池壮彦)、「東京の顔、都庁を風水する」「東京の将門伝説を巡る」(加門七海)などの案件を読むにつけ、祀られているものを動かすのはあかん〜としみじみ。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“一番危険なのは、愛情だ”(P22)博物館存続を巡り対立する3兄妹。残忍な焼殺事件の動機はLOATHING憎悪? もっと危険なLOVE? 詩人警官も終盤。読み終わりたくはないがADの恋愛成就も気になる。例によって舞台となる建物との出逢い〜事件関係者の日常を綴る前半にこそ読み応え+犯人追跡よりハラドキ最終章。第1作〜50年超えの本作でもADは40代のままだが意外と不自然さはない。さて登場人物欄、セルウィンはボランティア名にあらず。おかげで二百頁までを二度読み、面白いから許すけど。毒毒度:5 おあと5646冊
Millet.K
2022/07/19 09:03

“私生活の彼は最高に親切なジキル博士、編集長としては血も涙もないハイド氏だった” “夫妻のエドワード朝時代の瀟洒な邸宅で、午後のお茶を楽しんだことがある” “取っ手を同じ方向に向けて並べられた繊細なカップ、薄切りの黒パン、昔ながらの手作りのスポンジ・ケーキとフルーツ・ケーキ、それらがエドワード朝時代のメロドラマの出演俳優を探す映画会社がよだれを流しそうな、年配のメイドの手で運ばれ”(P16)旧友とバッタリ。「殺人展示室」で知られる博物館に誘われる。そうそう、きみ、先週ステキな若い女性と川を眺めていたね…

Millet.K
2022/07/19 09:04

“キャロライン・デュペインはバターを入れて、ごく薄い茶色に焼きあげた、かりっとしたスパイス入りのビスケットを好んだ。ビスケットはすでに焼きあがり、金網に並べて冷ましてある。ミュリアルはフロレンティン・クッキーの準備にかかった。こっちは理事会のお茶には合わないような気がした。ネヴィル先生はこのクッキーをよくティーカップに立てかけるので、チョコレートが溶けてしまう”(P93)“でもマークスさんは好きだから、出なければがっかり”(P94)博物館の秘書兼受付係ミュリアル・ゴドビーは、理事会用にクッキーを焼く。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の一・和編〉2冊目。自称〈異形読み〉の原体験はピアノの先生による読み聞かせ雨月物語。その後興味は西洋怪奇幻想に向かい、日本の怪談になじみ薄。アンソロジイ収録作のあの気色悪さに期待しつつ…表題作が厭コワ。お嬢様がスーパーでバイト?という疑問はあれど、読み手の想像力妄想力が刺激される。後半「宮本くんの手」「シュマシラ」「死神」の流れ◎。「シュマシラ」の舞台が小動物園の多い岡山との県境なリアルさが好ましい。ちなみに宝根ならぬ宝登山小動物園が埼玉にある。毒毒度:4 おあと5647冊
Millet.K
2022/07/16 10:00

“あの水槽に入ってるやつ”(P264)“金魚じゃない。絶対金魚じゃなかった”(死神 P266)急遽帰省するという大学時代の友人から、水槽とカブトムシの飼育箱とハムスターと鉢植えを託された。苔と藻の具合がちょうどいいから水槽は洗わないでくれといわれ…すぐさま思い浮かぶのがジャコビの名作「水槽」。あれは貝だったけど果たして本作は?

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
1983刊行1986文庫化。グダグダ河口ではなく『キャバレー』源流へと遡れば、あらら?キチンと文学している! 「ライク・ア・ローリングストーン」は音楽がらみの風俗小説。痛快ユーモア系に向かわず、背伸びしたJAZZではなく素直にROCKで70年代の空気を伝える。表題はCOM連載の宮谷一彦作品からの頂き物だが、登場人物にはモデルがいてエピは周囲で起きた70%実話とか。ストーカーになりきる「One Nightララバイ〜」、エロ劇画家との因縁を妄想しきった「ナイトアンドデイ」もよい。毒毒度:4 おあと5648冊
Millet.K
2022/07/15 13:00

“灯のせいかもしれないが、その顔はさっきの挑発的なところも、ぎらぎらした感じもなくなって、妙に植物か鉱物めいてただ「そこにある」感じに見えた。若い、ということは、時として罪悪である”(ライク・ア・ローリングストーン P33)バンドメンバー募集にのって熊本から出てきたのは男じゃなかった。それなりに平穏な日常は家出娘ネコに翻弄され、ネコが引き起こしたトラブルによってバンドは崩壊の一途・・・

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
中島梓/栗本薫が『マンガ青春記』にてメチャ熱く想いを語っていた漫画家の初期青春作品集。1971年刊行。カバー絵から、薔薇と剣のモチーフが宇野亜喜良風だし、勝手に立原あゆみのような画を想像してたら、かなり黒々劇画タッチにビツクリ。なるほどこの絵力にヤラレタのか〜栗本薫は。解説によれば青春まんが家としては既にこの時点で夭折し転生済みとのこと。《キャバレーを見届けろ》企画の河口方面を読友さんに任せ、源流へと遡っていたら宮谷一彦の訃報が。2022年6月28日76歳没。図らずも追悼毒書となった。おあと5649冊
Millet.K
2022/07/14 13:01

■収録作:「魂の歌」「75セントのブルース」「太陽と潮騒の中で」「不死鳥ジョー」「セブンティーン」「あいつとオイルと枯れ草と」「荒野遙かに」「俺たちの季節(とき)」「風に吹かれて」■デューク・エリントン風「オール・マイ・ラビング」オーティス・レディング「ドッグ・オブ・ベイ」S&G「ボクサー」、「夢は夜ひらく」、ボブ・ディラン「風に吹かれて」が作中に盛り込まれている■栗本薫によると『キャバレー』の矢代俊一は「セブンティーン」の主人公・俊一から頂いたとのこと。

Millet.K
2022/07/14 13:03

■もちろん紙本で毒了したが書影がないのでコチラで登録。表紙を見てもらわないとね。■「75セントのブルース」は少年サンデー1969年4月6日 No.15(通算536号)掲載。原詩はラングトン・ヒューズで、原題 Six-Bits Blues。個人的にアルバム『古井戸イエスタデイズ』に収録「750円のブルース」に馴染んでおり、BGMはどうしてもそうなってしまう。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“記憶は無限だが、記憶を修正する創作は迷宮の小道のごとくよりいっそう果てしがなく、気まぐれでもある”(見えない本の断章 P38)アルゼンチンの超名家出身女流による短篇選集。幻想文学という言葉では言い足りない不思議な魅力がある。サテンのシューズの密やかなステップが近づいたり遠ざかったり。愛憎を描くも湿りっ気なし。素描集のようでいてじつは激しくうねる大河かもしれず。動物絡み「黒玉」「ミモーソ」「アメリア・シクータ」「償い」「カイフ」などが印象的。「イシス」は結局何に変態したのか? 毒毒度:5 おあと5650冊
Millet.K
2022/07/13 23:55

“母はどちらかというとこってりした料理が好きだ。オイスターとか肉の炭火焼を好む。オレンジとアヒルのローストにブラックスースをかけた料理、茹でたイカのイカ墨和え”(P176)“ライスと、あとはステーキだな” “ええ、存じておりますよ。焼き加減はしっかりめで、マッシュポテトとシンプルなレタスのサラダを添えて”(P177)一年前の事故でウェイターは全員死んだはず。このイシドロ・エルベスそっくりのウェイターが父の好みを知るはずがない…料理で読むシルビナ・オカンポのハイライトは「レストラン〈エクアドル〉の事故」。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“私は夜に名を呼ばれなかった者”(夜の声 P193)〈異なるもの〉読みど真ん中のはずが「ラプンツェル」に怯む。狼狽えつつ間を置くと「私たちの町の幽霊」にすっと入れた。捉える囚われる「妻と泥棒」。例によって日常の描かれようが素晴らしい。だからこその異変異者異物。ああよかったいつものミルハウザーかも。たちまち調子づき「マーメイド・フィーバー」「近日開店」「場所」へと盛り上がる。疎外感に打ちのめされることはない。誇らしさすら湧く。此処ではない場所が不快ではない。希望めいた余韻がある。毒毒度:5 おあと5651冊
Millet.K
2022/07/13 12:43

“油を塗るにも男が三人、ブーツの裏にベーコンの脂のかたまりを縛りつけてスケートしないといけない。焼き上がったホットケーキをポール・バニヤンは次々丸ごと吞み込み、小樽に入れた糖蜜で流し込む。ものすごくたくさんホットケーキを呑むんで、全部を横に並べたらミネソタを横断しちまう、けどまだこれはほんの序の口”(P158)“食器棚の奥に古いグリーンピースを一個見つけたら、そいつを七つに切り分けて一週間分のディナーに”(P160)スーパー木樵ポールと対照的な弟が居眠り対決。「アメリカン・トールテール」は豪快愉快ホラ話だ

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“ヤクザは商売になるんだョ、かたぎさんには”(P32)大物少女マンガ家がアシのアイデア盗むわ廃刊誌掲載作をパクるわの挙句殺される。容疑者はバンド仲間で今や雑誌編集者のヤスヒコ!?…乱歩賞受賞作に続くシリーズ2作目。ををっエンタメしよる〜というのが率直なところ。但し今回《キャバレーを見届けろ》番外編というより重要な大泉関連本と目星をつけての本丸攻め。そんな目的で読ませるほど罪な本かも。交遊から得た情報がキチンと精査できてたのか。はしゃぎすぎて、却って世間を狭くしなかったか? 毒毒度:4 おあと5652冊
くたくた
2022/07/11 00:15

この本も大昔に読んでましたが、大泉関連本て視点は当時は持ちようがありませんでしたね。単に面白いミステリと。配慮不足・・・・。最初からだったのね。

Millet.K
2022/07/11 09:54

(memo)■憧れのマンガ家と会いたい遊びたい願望を次々成就させ有頂天と思われるが、大いなる戦略ミスを犯してしまう。JUNEのキーパーソーンになり、また竹宮ファミリーとの密なる交遊から、萩尾望都にだけはお近づきになれなくなった・・・■JUNE創刊号(当時JUN)掲載・折原はるか『日々への想い』が萩尾望都作品からキャラとパクりカット多数。個人的にもしや栗本薫/中島梓のペンネーム?疑惑があったが、本人には画力がとことんないらしくこの説は却下。同人誌出身者か誰かのアシか? 竹宮サイドの関係者ならヤバいよJUNE

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Millet.K
“どうなの、三位一体探偵”(P245)《キャバレーを見届けろ》番外編。大泉関連本として2作目の前に1作目から。第24回江戸川乱歩賞受賞1978年刊行。バンド『ポーの一族』の3人がバイト中のTV局で殺人事件発生。煌々アイドル&追っかけ少女、業界の魑魅魍魎、アンビバレンツ、世代ギャップ…あら?面白い。晩年のグダグダ脳内だだ漏れがない分なんと読みやすいことか。若さだけじゃないこの吸引力。いまだ何者でもない自身の不安と「好きなことやらせろ」という心の叫びをキチンと表現してる。傑作かも。毒毒度:2 おあと5653冊
Ribes triste
2022/07/09 12:51

くたくたさんの「毒を喰らわば皿まで」プロジェクト、読ませていただいてます。「真夜天」の続きを読むのが耐えられなくてやめてしまった私としては、勇者です。冷静に評価を出す、くたくたさんのレビューを読んで私は救われてます。

Millet.K
2022/07/09 22:33

をを、長時間の不在許されたし。国内レースのライヴがあったもんで。Ribes tristeさんは小学生、くたくたさんは確か中学生? 二人とも栗本薫をずいぶん早くから読んでいたのですね。てか、自分が遅いのだ笑。JUNE初期をリアルタイムで知っていながら、本作を今の今まで読んだことがなかったという…そういえばグインも25巻くらいまでは古本で集めたのでした。百巻入る回転式本棚まで用意したのに・・・いろいろうらめしいっす。お次は『マンガ青春記』で絶賛された宮谷一彦作品を予定しています。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“あいつは何かを見つけ出したんじゃないか”(パドックー1970年 P211)《キャバレーを見届けろ》スピンオフ。もっと音楽を読みた〜い。もっとジャズが聴こえる小説を読みた〜いという機会を得たのが嬉しくてまたまた読んじゃう。冒頭2作は1960年発表のクライム。立川フィンカム通り、横浜は黄金町、新宿区役所通り…60年代末の風俗が読める3作。引用作を含む4作では当時結成したてのヤマシタトリオが聴けたりも。〆はふたたびクライム1972年。作中の音楽や関連動画がすぐさま探せるのも佳き哉。毒毒度:4 おあと5654冊
Millet.K
2022/07/07 15:45

“さえない気分で、ヒノ・テルマサのレコードを聞いていた。一時、ナオンの人気なんか、やけに多くて、タイガースみたいなカフスのシャツなんか着てたときは、見てくれ、どうかと思ったもんだ。しかし、その頃の〈白昼の襲撃のテーマ〉だって、やっぱりごきげんだ。カービン銃、連射してくるようなペットの叫び。それから、内臓かきまわしてくるみたいなピアノの響き”(ブルース・フィーリング P160)ヒノテルいいね! ケースの内側に、おちょぼ口で吹けって書いてたんだっけ?

Millet.K
2022/07/07 15:45

前回レビューと収録内容はコチラ→ https://bookmeter.com/reviews/86162592 長らく角川絶版街道上にありオススメ甲斐のない状態だったが、最近はKindleで読める。 狂熱のデュエット(Kindle) https://bookmeter.com/books/11892411

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
“音楽は人間だ”(P30)《キャバレーを見届けろ》スピンオフ。エッセイぐらいしか読んで来なくて(風呂に入らず&たまに入るとサクランボの種を飛ばす人と認識)今さら初毒。表題作は海と少年とジャズ。但しジョニーは黒人の帰休兵。今でも十分殺られ、多方面に影響を与えたのも納得だ。虚ギョーカイを描く3作には、前世紀あるある満載。コンペを装う出来レース、決まり手は海外接待…事実はさらに奇なり。ところで「CM稼業」の主人公が〈滝〉「私刑の夏」は〈結城〉。ん? 栗本薫は此処から名前を戴いたのか…毒毒度:3 おあと5655冊
Millet.K
2022/07/07 11:43

“正反対の二つの感情が同時に高まってくる、そんな具合のものさ。絶望的でありながら、同時に希望を感じさせるもの、淋しいくせに明るいもの、悲しいくせに陽気なもの、悲しいくせにふてぶてしいもの、俗っぽくて、そして高貴なもの、それがブルースなんだ”(P18) “音楽はごまかせない。人間の内面を映す鏡みたいなもんさ”(P30)「海を見ていたジョニー」のラジオドラマがあったとは! C・W・ニコルがジョニー役だよ。

Millet.K
2022/07/07 11:43

“たった一人だけリュウとした背広の男がいた。目にしみるような白麻のスーツを着て、草色のネクタイを結んでいる。引き緊った敏捷そうな体つきで、背が高かった。良く陽に灼けた浅黒い肌と、強く光る目と、やや厚めの唇をもっていた。美しい青年だった。結城は、その伝説中の人物の余りの若さに、ひどく驚いた。どう見ても二十代の青年だ。三十二歳の結城より、いくつか年下にちがいない”(私刑の夏 P206)敗戦後、北鮮からの脱出行。主人公の結城は肺を病む国語教師という設定。脱出の手引きをする謎の男ホシカとの出会う場面が印象的。

が「ナイス!」と言っています。
Millet.K
お前好みの謎物と誘き出されてみれば…天草四郎絡みの伝奇&私小説めいた日常が織りなす異色作。読メで文字化けして居る部分は漢字の丫で、『こくあらん』と読む。竹本健治曰くの奇書だが、不思議と読みやすい。刻卵の変容描写がエイリアンの卵が孵るときのようで、映像的な厭わしさを放つ。大森望『21世紀SF1000』にて★4ツ。生るるに時あり死ぬるに時ありとはいえ、世に一冊だけ遺しての早逝が惜しまれてならぬ。イベント【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の一・和編〉1冊目。脱線道草を経てようやく毒了。毒毒度:4 おあと5656冊
Millet.K
2022/07/06 14:28

■東海洋士/『匣の中の失楽』の竹本健治とは高校の同級。上智大学在学中「別冊新評・筒井康隆の世界」で中島梓とともに世に出た。卒業後は松竹入社、『なんとなく、クリスタル』の脚本を共作。松竹退社後放送作家に転ずる。2001年3月に本書である第一長篇『刻丫卵』刊行。2002年3月、病により逝去。享年47歳。

Millet.K
2022/07/06 23:33

最初のコメント修正:❌強風→⭕️京風

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Millet.K
“強情だという以外、彼女を疑う理由はない”(P376)〈グラント郡〉シリーズ3作目。2シリーズ合体による時空の歪み捻れを散々読まされた某東京サーガさらば〜カリン・スローター・マジックで気分一新! のはずがっ! ああん〜これは少なくても『スクリーム』より先に読むべきだった! 学内血まみれ。歩く男根ジェフリーと超弩級ひねくれレナの元師弟関係にイラつく。サラには申し訳ないが、面倒クサいニブちんジェフリー早く死んでと願う私は人でなし。ウィルとフェイスはもちろんアマンダすら天使に思える。毒毒度:4 おあと5657冊
Millet.K
2022/07/03 13:55

“頭は黒や青に染まり、唇は真ん中で避けて”(P498)今をときめくHCJだが、校正がやっぱりザツ。一応メモしておくよ。

sankichineko
2022/09/28 20:54

アマンダはデイヴィッド.コパフィールドのベッツイ伯母さん感が強くて大好きです。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/03/21(4643日経過)
記録初日
2004/04/04(7551日経過)
読んだ本
3595冊(1日平均0.48冊)
読んだページ
1223417ページ(1日平均162ページ)
感想・レビュー
3143件(投稿率87.4%)
本棚
20棚
自己紹介

海外ホラー、ミステリ、SF主食の異形読み。
1999年「死ぬまでに10000冊の毒書」を宣言、
年間250冊を読みすすめるも途中7年の沈黙。
2012年、読メ登録とともに復活を果たす。
短編好き。アンソロジストに憧れを抱く。
紙本主義。装丁など本の佇まいにこだわる。
版ヅラやノンブル位置にキビシイ「組版警察」
密林のドイヒー画像が許せぬ「書影警察」
プラクティス好き「試走警察」

三一書房『サイコミステリーベスト100』を
2019年6月、30年がかりでコンプリート。
2020年11月「おあと6000冊」達成。
2023年3月プロフィール更新。

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