■詩人警官ダルグリッシュシリーズ毒了■《キャバレーを見届けろ》企画でパンドラの匣を開けかけあぶねえあぶねえ■イベント参加中はほぼ怪奇してない天邪鬼■夏の記憶はゼロ年代の常陸太田市。遊里跡がなかなか特定できず徘徊した■2022年7月の読書メーター 読んだ本の数:18冊 読んだページ数:5841ページ ナイス数:1899ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly/2022/7
“なのに、この人はどこかが崩れているのである。いつもどこかが崩れそうになっているのである。固くこりこりと実っていたはずの果実が、じっと眺めているうちにみるみるうちに潤いを帯び、水を満たしたかと思うと、呆気なく形を崩し、強い芳香を放ち、やがて腐り、枝からボタリと音をたてて地面に落ちていく時のように、いやらしく危ない感じがする”(デーモンの瞳 シャーロット・ランプリング P193)この表現はほぼホラーかも。そういえば小説『蔵の中』の、腐ったマンゴーの描写が凄かった。
“忘れないために、思い出すために、蘇らせるために、必要な四冊の本”(2003年4月3日) ■金子千佳『遅刻者』https://bookmeter.com/books/4822717 ■アニー・ディラート『アメリカン・チャイルドフッド』https://bookmeter.com/books/490819 ■木地雅映子『氷の海のガレオン』https://bookmeter.com/books/572622 ■古川日出男『アビシニアン』https://bookmeter.com/books/485151
子どもの頃、声に出さなくても本が読めるということを発見、それまでの3倍速で咀嚼していったという。見落としていた。森博嗣『すべてはFになる』〜『有限と微小のパン』までシリーズひっくるめて恋愛ものベスト15の一つだ。11冊増えても共毒本は1割。自分のおあと10000冊は1999年7月23日『すべてはFになる』から始まった。2001年6月13日の毒読記録はなく、6月10日グイン・サーガ・クロニクルを手にほくほくしている。そうだった。当時、時速150頁でいけるグイン・サーガは大事なバロメーターだったのだ…
書き始めは2001年6月13日。2003年4月26日に自死を告げる。読書量が膨大すぎる。就職してから年に365冊とな!? 好むジャンルがそれほど離れてはいないのに、出てくる書名の1割もかぶらなかった。マンディアルグやウィトキンの名にニヤニヤする。P・P・リード『生存者』のエピソードを見つけ、ををっとなる。所縁のあった13人が追悼文を寄せる。最後の仕事は中野翠とだったのか。2002年秋深まる頃、装幀家・菊地信義行きつけの《樹の花》で打ち合わせたとある。
“パーティーはリビングからダイニングへと広がり、そこでテーブルを囲んでくるくるまわっていた。テーブルの上には小型のハムビスケット、チーズストロー、ピメントチーズのサンドイッチ、明日の朝手づかずで捨てられるだろうクリュディテ”(P142)“墓地の脇での葬礼が済むと、グレイスが家を解放して、山のようなキッシュやハムビスケット、キティのキャセロールにスリックのアンブロシア、そしてみんなが持ち寄った冷製肉の大皿”(P154)クリュディテは生野菜サラダ、アンブロシアはフルーツサラダ。アメリカ南部料理らしさいっぱい。
“これは吸血鬼についての本でもある。吸血鬼とは、あの象徴的な、アメリカにおけるさまよう男の典型だ”(著者による註記 P6)吸血鬼が象徴しているのはコリン・ウィルソン的アウトサイダー(漂泊者)だと思うのだが、著者があげている関連文献でも、特殊翻訳家・柳下毅一郎による「実録殺人マニアのための読書会」でも、コリン・ウィルソンに一切触れられていないのは不思議。53冊の関連文献のうち邦訳があるのは34冊。うち既毒12冊。個人的にマーチ『悪い種子』既毒はハナタカです。倫理学のTEXTだった『冷血』読み直そうっと。
Millet.Kさん、こんにちは。車、お詳しいのですね。そんな楽しみ方ができるなんて羨ましいです。新刊がでましたが、もうお読みになられたでしょうね。私は、今日、読み始めるところです。😊
Rui Satoさん、コメントありがとうございます。クルマは詳しくはないですがスポーツカーとオープンカーが好きなものでついつい・・・最新刊はこれからですよ〜再来月くらいになりますでしょうか。
サイン本なのはただの偶然。収穫の記憶としては商業施設火災で水濡れした(あるいは水濡れを免れた)本の処分市みたいな状況だったかと。この作家との出会いはさらに遡り子供の頃、母親が百貨店の新古本市で収穫してきた『ちいさい妖精のちいさいギター』。収録作「星へ行ったピエロ」を、アコースティックギター&朗読で演ったことがある。そんなふうに一冊の本との出会いや、書店で本と目が合った時の気持ち、本にまつわる記憶がよみがえってくるのは悪くない。
当時、都内でも新書館のFor Ladiesシリーズを置く書店はけっして多くなかったもよう。「紀伊国屋書店のFor Ladiesの前で」というのがオシャレな待ち合わせ場所だったらしい。わが家の書棚には伊藤杏里、岸田理生、萩尾望都、竹内健、もちろん寺山修司。For Ladiesといえば宇野亜喜良のカバー装画が多いが、竹内健『世界でいちばん残酷な話』の装画=藤本蒼とは不二本蒼生画伯の本名。
“次の瞬間、ぼくもヒューもごく普通の鏡を見ていることに気がつき、サイラスがほふっと軽い音を立てて暖炉前に敷物の上に跳びおりた”(F・F・ベンスン「チッペンデールの鏡」P32)怪奇はそっちのけ?猫のサイラス大王かわええ〜サイラスの身に何も起こらなくてホッとする。ちなみにM・R・ジェイムズ「ポインター氏の日記帳」とウェイクフィールド「中古車」に出てくるスパニエルも大丈夫だから安心してくれ皆の衆。コッパー「灰色の家」のは邪悪だがな・・・
“食事の後、二人は音楽室に入り、それぞれの演奏を聞いたり、合奏したり、二台のピアノで連弾したりした。合間にメイドがコーヒーとロクムを持ってきて、二人のあいだのテーブルに”(エイクマン「眺望」P259)静養のためイングランドを離れた主人公。船上で美女に誘われ「入江荘」に落ち着く。不死なる者の名は口に出せないと彼女は言い…ロクムというトルコ菓子はコメントで何度か話題になった例のターキッシュ・ディライトですな。音楽室にはピアノが二台ある設定。二台使えば合奏、連弾ならピアノ一台では? 原文ではどこにかかってる?
“一冊の書物のなかで、わたしは何十年、ときには何百年を過ごし、恋を知り、闘争を知り、復讐を、苦悩を、裏切りを”(皆川博子「想ひ出すなよ」P41)“蓋に綺麗な絵のついたハイカラな缶からチョコレートを出してくれることもあった。色とりどりの銀紙に包まれたチョコレートは、たいそう贅沢な香りを放っていた。わたしは紙の皺を丁寧にのばして、とっておいた”(P46)隣家の離れに住むエダは大人の本をたくさん持っていた。祥子の従姉と聞いたのに、祥子の父の囲い者だと宮子はいう。わたしは宮子を激しく憎み…
“バニラアイスクリームの中に、オレンジや水色やピンクや黄色をした小さな氷の破片が混ざっている。パッケージがまた魅力的で、赤ちゃんの頭がすっぽり入りそうな円柱のアルミ缶に、星型の銀紙が貼りつけてある。ショーケース脇の冷蔵庫に並んでいるが、もちろん食べたことはないし、実物を間近で見たこともない”(小川洋子「美少女コンテスト」P128)母の宝物は私の赤ちゃんコンクール優勝時の新聞の切抜き。今度は美少女コンテストに出ることになった。嫌がる私に、ご褒美としてあのアイスクリーム“星空のしずく”を買ってくれるという…
アイザック・アシモフ(1920-1992)、マーティン・H・グリーンバーグ(1941-2011)、チャールズ・G・ウォー(1943-)。アシモフせんせえが絡むこの手のアンソロジイは、背も表紙も「アシモフ他編」表記が多い。90年代になるとアンソロジイの多くが「キング他」となる。 初毒レビュはコチラ→ https://bookmeter.com/reviews/43984198
“そいつは背が高く、痩せていましたが、筋肉質で、イングランド風のハンサムな顔だちでした”(イプスウィッチの瓶 P109)オカルト探偵・ダーシー卿の容姿を描写している箇所だが、イングランド風イケメンってどんな感じかわからん。第7代ウェストミンスター公爵、ヒュー・リチャード・ルイ・グローヴナーとか?
海外ホラー、ミステリ、SF主食の異形読み。
1999年「死ぬまでに10000冊の毒書」を宣言、
年間250冊を読みすすめるも途中7年の沈黙。
2012年、読メ登録とともに復活を果たす。
短編好き。アンソロジストに憧れを抱く。
紙本主義。装丁など本の佇まいにこだわる。
版ヅラやノンブル位置にキビシイ「組版警察」
密林のドイヒー画像が許せぬ「書影警察」
プラクティス好き「試走警察」
三一書房『サイコミステリーベスト100』を
2019年6月、30年がかりでコンプリート。
2020年11月「おあと6000冊」達成。
2023年3月プロフィール更新。
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書き始めは2001年6月13日。2003年4月26日に自死を告げる。読書量が膨大すぎる。就職してから年に365冊とな!? 好むジャンルがそれほど離れてはいないのに、出てくる書名の1割もかぶらなかった。マンディアルグやウィトキンの名にニヤニヤする。P・P・リード『生存者』のエピソードを見つけ、ををっとなる。所縁のあった13人が追悼文を寄せる。最後の仕事は中野翠とだったのか。2002年秋深まる頃、装幀家・菊地信義行きつけの《樹の花》で打ち合わせたとある。