読書メーター KADOKAWA Group

ふたばさんの感想・レビュー

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
ふたば
新着
昆虫採集の趣味をもつ男は砂丘に新種の虫取りに出かけ、ある村の砂穴に閉じ込められる。そこから、砂穴からの脱出を試みる男と、砂穴での懸命に生きようとする女の生活が始まる。脱出に失敗しても、鴉に手紙を括りつけるための罠を作り、「希望」と名付ける。脱出の機会は突然やってくるが、留水装置の研究に没頭するあまり砂穴からの脱出を後回しにしてしまう。男にとって日常生活での日課が昆虫採取であったように、砂穴での生活では流水装置の研究が新しい日課になる。どんな状況でも自身の存在意義を見つけ出す男に脱帽するだけでなく感心した。
0255文字
ふたば
新着
様々なパロディに利用されるタイトルは誰もが一度は聞いたことがあるはず。主人公は警察官で賞金稼ぎ。火星から地球に逃亡したアンドロイドを抹殺する過程で、アンドロイドの人間らしさに触れていく。結論を言ってしまえば、人間とアンドロイドとの違いは、感情移入にある。宗教が偽りと発表され、打ちひしがれ非人間的な扱いされたイジドアとキリストのような人物マーサーの会話が印象的だった。真実がどうであれ、信仰する人間がいる限りマーサーは存在し続け、人間は人間であり続ける。アンドロイドにそれは理解できない、と。実に興味深い。
0255文字
ふたば
新着
精神科医による医学的な観点で「スマホ」の影響について考察された一冊。スマホとうつの関係や、子供への影響など様々な観点で記述があり、スマホとの距離を考えさせられた。ドラックの一面があることについては、納得したというよりは体感的にも理解できた。ちょうど新年ということもあり、今年はスマホの利用時間を減らしたい。まず、自分の一週間のスクリーンタイム観ると平均で約3時間だったので、これを少しずつ減らしていきたい。紙の本での読書や、ランニングを続けることで、物理的にスマホとの距離をとることにしよう。こんなあけおめ。
0255文字
ふたば
新着
老人のカジキに対する感情の変化が印象的だった。初めのうちは、カジキに対抗心を燃やして格闘している。一方で釣り上げる際にはカジキを「兄弟」と語りかけている。老人は格闘している相手を自分自身と重ね合わせることで奮闘する。老人はカジキを捕まえるが、老人の捕まえたカジキもまたサメに食べられてしまう。つまり、カジキも老人も敗北するという結末で終わる。「老人はライオンの夢を見ていた。」で締めくくられる。ここに老人の「強さ」があり、カジキとの違いを決定づける描写と感じた。老人が海に出ていく日はそう遠くないであろう。
0255文字
ふたば
新着
「ある朝、グレーゴル・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変わっているのを発見した。」という有名な一文から始まる。「虫」になったザムザと家族が対面するときに、冷静を保っているのはザムザひとりである描写や「虫」になっているにも関わらず上司へ仕事に対する自分の考えを伝える場面が非常に印象的だった。時間経過とともに「虫」化していくザムザと家族、特に妹との関係性の変化も興味深いものであった。個人を取り巻く闇の部分を中心に光との関係性を描いたような小説に感じた。
0255文字
ふたば
新着
"ちょっと待ってちょっと待って。大変だから。一瞬、一瞬だけ" 読んでもらいたい。中学の国語教師 壇は少し先の未来を観る能力をもつ。生徒が書いた小説には猫を溺愛する奇妙な二人組ロシアンブルとアメショーが登場する。数年前の事件により結成されたサークルは、カンフーを好む女性 成海、医師と看護師の夫婦、元小学校校長などのメンバーで構成されている。未来を観ることができる壇先生はいつのまにか、これらの人物と絡み合い、世界は変転を始める。読後感は「ふふっ」と笑顔になること間違いなし。だって八億年後心配しているんだもん。
0255文字
ふたば
新着
ネタバレ在日三世の弁護士城戸は以前の依頼者であった里枝から「ある男」について相談をうける。夫と離婚した里枝は故郷に帰り一人の男性と出会い結婚する。ある日、事故で夫をなくすが、愛したはずの夫の戸籍は出鱈目だった。城戸は真相を探っていく中で「ある男」に自分を重ねて合わせ自身のアイデンティティや家族と関係に苦悩しながらも、衝撃の事実にたどり着く。人を愛することに過去は必要なのだろうか。人にとって過去とはどれだけの重要な意味をもつのだろうか。不思議と、自分でも「ある男」になりたいと思わせてくるそんな感覚に襲われた。
0255文字
ふたば
新着
ネタバレ小学生のときに、実の父親ではなく継母との生活を自ら選択した優子が、ピアノを始めたいという小さなきっかけから誰も予測できない家族構成に変わっていく。優子は悩みがなく友人との喧嘩も平気だが、父親森宮との関係がうまくいかない時には得意のテストで結果がでない繊細な一面をもつ。血の繋がらない親の間をバトンされながらもそれぞれの形で愛情を注がれた優子が成長していく心温まるストーリー。最後にバトンを受け取るのは誰なのか。そしてそれは誰が受け渡すのか。その行方を追うための"バトン"をあなたに渡したい自分がここにいる。
0255文字
ふたば
新着
相手や周りに自分の信じる笑いを展開する神谷。当然世間からは遠のく一方である。それだけ自分のお笑いを貫ける人間に共感できない一方で羨ましく感じるのは私だけだろうか。社会に出ると相手が要求するものに応えていく連続である。相手の顔色を窺い、相手の気持ちを考える。相手が満足するなにかしらを提供し、社会というものは成立している。それは人間は社会の一員のなのだから当たり前だ。神谷のような人間は一生理解されることがないだろう。しかし、自分が純粋に面白いと思えることを貫く神谷の生き様が神々しく悲しく思えた。おもち。
0255文字
ふたば
新着
下鴨神社の社家に生まれたが、神職の後任争いに破れた鴨長明が綴った作品を解説した一冊。長明は、青年期から争いごと、大火事、疫病、大地震、など天災を経験する。京都から離れた山小屋で過ごすようになり、亡くなる数年前に完成した作品が「方丈記」である。冒頭以外にも無常観を垣間見ることができる。しかし冒頭に惹かれるものがあるので感想の最後に引用する。「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある、人と栖と、またかくのごとし。」
0255文字

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/06/20(4668日経過)
記録初日
2009/01/20(5915日経過)
読んだ本
172冊(1日平均0.03冊)
読んだページ
41191ページ(1日平均6ページ)
感想・レビュー
26件(投稿率15.1%)
本棚
3棚
性別
年齢
35歳
血液型
O型
職業
IT関係
現住所
福島県
自己紹介

10年振りに再開。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう