朴訥な南部鉄器職人の父と、同居して同じ仕事をしている息子。昔から『身勝手な父』と思い込んで距離を取っているので関係性が良くない。でも補導委託で引き受けた少年が来たことで親子の間に風が吹きはじめる。父は無口だし息子ははっきりしない男だし、そりゃ分かり合えるわけない。身内だからこそちゃんと言葉にして伝えないと理解しあえないのに。 柚月裕子さんにしては珍しくハートフルな物語で、いつ残忍な事件が起こるのか期待していた自分がいた笑

サクちゃんへの愛ゆえの空想から寂しくなって電話をかけ、突拍子もない言葉を放って困惑させたり、そんなチエ子さんを分かってて大人の対応をするサクちゃん。二人の世界がやさしくておだやかであたたかくて大好きだ。

チエ子さんが独身の友人にサクちゃんのことをあまり話さなかった分、義母に電話して惚気るところに深く反省。わたしは年一回しか義母に会わないのに不満を告げて叱ってもらおうとしてたから笑。チエ子さんの愛は深いなぁ。それにサクちゃんにかまってほしくて無茶をいう所もかわいい。／作者のミリさんが『描くたびに愛おしく思っています』と帯に書かれていたけど、わたしも読むにつれてこの二人をどんどん好きになっていく♪

チエ子さんのサクちゃんへの愛に溢れてておのれを振り返り反省(笑)。トイレの電気を何度も消し忘れるけど、夜遅くに電話しても迎えに来てくれるとか、自分勝手な文句を言われても「ごめんごめん」って謝ったり、優しくて平和主義なんだなー。

のんびり屋でおだやかなサクちゃんとしっかり者で涙もろいチエ子さん。二人の関係性がすごく好き♡

どこにでもいそうなフツウの家族のように見えたけど、小さなほころびから生活が急展開。息子夫婦は夫がうつ病となり求職、それをきっかけに妻が大黒柱となる。親夫婦は、昔かたぎの舅に仕えていた姑がこれまで封印されてきた自分の人生を取り戻すことに。つくづく専業主婦はキケン。何があるか分からないから妻も固定収入を得ていないと。夫が妻が、男が女がで役割を決めず、みんなが毎日をたのしく過ごせることがとても大切。

朴訥な南部鉄器職人の父と、同居して同じ仕事をしている息子。昔から『身勝手な父』と思い込んで距離を取っているので関係性が良くない。でも補導委託で引き受けた少年が来たことで親子の間に風が吹きはじめる。父は無口だし息子ははっきりしない男だし、そりゃ分かり合えるわけない。身内だからこそちゃんと言葉にして伝えないと理解しあえないのに。 柚月裕子さんにしては珍しくハートフルな物語で、いつ残忍な事件が起こるのか期待していた自分がいた笑

弟の産まれ年ワインを勝手に呑んで酔って寝てたり、質問に対しての辛口さが『強力な姉』でうらやましいー。こんな姉弟ならしあわせね♪

登場人物がみな心に何らかの傷を抱えていて、それによって生きづらい日々を仕方なく過ごしている。そのしんどさは他者が簡単に「分かるよ」と言ってはいけないものだし、だからといってほおっておくことも出来ない。同情や偽善ではなく寄り添ってくれる人が居るのは奇跡かも。

今回の姉ちゃんの名言は『あたしの恋はいつだってあたしからだっ』です笑。仕事おわり、帰宅途中に立ち寄ったコンビニで遭遇する姉弟、なかよしでイイな♪

私がフルマラソンを走るきっかけになった、たかぎなおこさんの新作。 年齢を重ねて運動不足や身体の不調を改善しようと食生活の見直しと日々の筋トレ、時々発表会と称して大会エントリーしたりしてやり出したらやっぱりパワフルなお方。私も親友とウォーキングや登山に行こう。／加藤さんの食欲も変わらずであっぱれ笑(食べ過ぎで良くないようだけど)

18歳で地元(田舎)を出て東京に移り住んだ作者。『地元で無ければどこでもいい』じゃなく『憧れの地、東京であることが大切』に幼少期から東京に住みたいと思っているわたしは激しく共感。マイナンバーカードを絶対作らないというところも笑。／多様性をうたっている割には都内ですら健康な成人だけが快適に過ごせるようにつくられていることに憤り。世の中の人を簡単に『普通』の枠におさめようとしないで欲しい／終活について親に伝えようと試みたら、実家に置きっぱなしにしている自分の物を片づけなくてはならずこれもあるあるだなーと。

姉ちゃんの的確かつ辛辣な発言は、ちょっと頼りないがゆえに(多分)モテない弟にとって人をの指南書とも言える存在なのかも。／夫を「おうちかれし」、それ以外を「おそとかれし」と呼ぶ、には笑ったw