樺戸集治監での囚人を主人公とした物語。北海道の開拓の歴史の影に隠れた樺戸集治監の様子を描いた吉村昭「赤い人」とは違う読みやすさがあった。河崎秋子の描く物語はいつも人間くさく、厳しい世界がある。言葉少なに表情も乏しく静かな時間が流れるが、人の心を表現するのがとても鋭い。言葉選びがグサグサと読み手の心に刺さる。切なく厳しい世界がひきたつ表現力にいつも引き込まれてしまう。私の中のぶっちぎりの2024　No.1作家さん決定。

上野駅のホームレスの話だったのね。 私には少し読みづらい文章だと思った。 上野公園は今は外国人観光客で賑わっていて青いお家も見なくなったけど、行き場を失ったホームレスはどこで暮らしているんだろうか…。

北海道の明治から昭和にかけての産業の繁栄がよくわかる。短編で描く養蚕、ハッカ、蹄鉄、レンガなど…当時の厳しい生活を支える肉体労働者の暮らし、そして生き物の息使い、音、匂いなど張り詰めた空気を感じさせる表現力が素晴らしいと思った。札幌市の桑園の歴史と由来を知った「蛹の家」が一番好きかな。

シリーズ6冊目。私にとっては前職が某FCのオーナーを夫が始めたお店だったのでとても共感出来る部分が多かった。24hのコンビニ経営の苦労は計り知れないが、やはり従業員の確保は永遠の課題なんだと思う。日帰りの家族旅行でさえ、バイトが風邪ひいたと電話があれば早々に切り上げて帰る。家族で夕飯を食べる日もなく自分の予定をこなすだけで精一杯だった。更新するか悩む気持ちもよくわかる。その生活を30年も続けた作者の汗と涙の歴史はこの本にはとても書ききれないだろう。ヤバいお客さんの話もっと赤裸々にいっぱい読みたい（笑）

樺戸集治監での囚人を主人公とした物語。北海道の開拓の歴史の影に隠れた樺戸集治監の様子を描いた吉村昭「赤い人」とは違う読みやすさがあった。河崎秋子の描く物語はいつも人間くさく、厳しい世界がある。言葉少なに表情も乏しく静かな時間が流れるが、人の心を表現するのがとても鋭い。言葉選びがグサグサと読み手の心に刺さる。切なく厳しい世界がひきたつ表現力にいつも引き込まれてしまう。私の中のぶっちぎりの2024　No.1作家さん決定。