宇佐美まことの「福の神」が読みたかった。オーソドックスながらも期待通りのイヤミス感。辻村深月の「パッとしない子」、芸能人の教え子に対する浮ついた期待が見事に裏切られる辛さ、切なさ、居心地の悪さは半端ない。乃南アサの「口封じ」は今、あちこちで話題になっている犯罪。 篠田節子の「コミュニティ」は某カルト教団を思い起こした。

宇佐美まことの「福の神」が読みたかった。オーソドックスながらも期待通りのイヤミス感。辻村深月の「パッとしない子」、芸能人の教え子に対する浮ついた期待が見事に裏切られる辛さ、切なさ、居心地の悪さは半端ない。乃南アサの「口封じ」は今、あちこちで話題になっている犯罪。 篠田節子の「コミュニティ」は某カルト教団を思い起こした。

残りページが減ってきて、これでどんでん返しがあるのかなぁとハラハラしながら読みました。突っ込みどころは多々あるが、楽しんで読めました。ただこのあと皆、うまく逃げ切れるのかなぁと心配にもなりました。

カルト宗教と霊能力者のバトル。二転三転する展開や、キリスト教と諏訪大社信仰との関連性などは面白く読めた。全体に漂う嫌な感じがホラーなんだと思った。

川崎あたりの光景を想像しながら読んだ。エンタテイメントとしてはどんでん返しもあったりして楽しめたが、ご都合あわせ的な場面もあって軽い印象。もう少し社会派的な内容になれば感動も深まったと思う。

富太郎の尋常ではない植物愛には驚愕。偏執狂レベル。そして傲慢。これだけ人間関係や経済が破綻しても常に支える人がいるのが信じられない。そこが魅力だったのかもしれない。南方熊楠との交友があればもっと面白いことになっていたのに残念だった。いとこで前妻の猶さんはどうなったのか。

ＳＦ、ホラー、サスペンスなどを重厚感ある文体で綴った短編集。どれもこれも後を引きそうな読後感だった。