ネタバレ残念ながら「超弩級」というアオリ文句が期待させるような新事実や目新しい解釈は描かれていない｡関係者の多くが物故している以上、資料の孫引きが中心になるのはしかたないが、その引用がひとつの結論に収斂するわけではないので、寄せ集めの印象は拭えない｡自民党の不正資金問題と結びつけるのはマーケティング的には上手いけど、ロッキード事件は「政治とカネ」という以上に「日米関係」の問題なのだから意図的なミスリードに思える｡これだけの労作を「期待はずれ」と言っては気の毒なので、「期待しすぎた」と小さな声で言っておきます。

ネタバレ純文学の名手が変名で書いたミステリとのこと。どちらにしてもまったく知らない作家さんですが。中盤までは主人公が謎に迫るものの、後半になると、やけに受け身に入った主人公の目の前に驚愕の事実が芋づる式に開陳されるという具合｡だからミステリ的な満足度は低い｡主人公の出自という最大の謎は放ったらかしだしね｡続編があるらしいので（ドラマも？）、次回のお楽しみということかな？人物造形が強烈で、その内面に寄り添うような自然描写が美しい。ミステリ的な物語性より、作家の筆の冴えを楽しむ作品なのかも知れませんね。

ネタバレ残念ながら「超弩級」というアオリ文句が期待させるような新事実や目新しい解釈は描かれていない｡関係者の多くが物故している以上、資料の孫引きが中心になるのはしかたないが、その引用がひとつの結論に収斂するわけではないので、寄せ集めの印象は拭えない｡自民党の不正資金問題と結びつけるのはマーケティング的には上手いけど、ロッキード事件は「政治とカネ」という以上に「日米関係」の問題なのだから意図的なミスリードに思える｡これだけの労作を「期待はずれ」と言っては気の毒なので、「期待しすぎた」と小さな声で言っておきます。