今年は大好きな関西旅行に行けなかったぶん、川端康成「古都」で京都、月をまたがりましたが谷崎潤一郎「細雪」で神戸大阪京都と巡ることができて満足でした★画像は東京都現代美術館「ひとりの精神科医が集めた日本の戦後展」のおびただしい展示の中から。2024年10月の読書メーター 読んだ本の数:5冊 読んだページ数:1374ページ ナイス数:239ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/279835/summary/monthly/2024/10
廃仏毀釈、神仏分離がされたから、どの寺にも宗派を問わず入ってみることができる…というわけなんだが。離されたものをもう一度復元してみる作業が、この見仏記なのかもしれないな。
サドマゾ主題はいったん休止しつつ「源氏物語」現代語全24巻を完遂。一見サドマゾ主題に関連がない「細雪」は、四姉妹の三女雪子のマゾヒストをしのばせた、薄汚れた敗戦国に清々しく感じられるきめ細かな四季、豊かな生活物語(確かに主人公一家は没落しつつあったとはいえ上流階級だった)に共感を得たこと。戦後、軍国主義的な作品を描かなかった文学者として評価されてきたこと…79才で亡くなる直前までサドマゾ主題を手放さなかった。未完「残虐記」は広島原爆を盛り込んだ社会的背景が複雑になりすぎ、完成できなかったことが悔しい…
若い頃はサドマゾといっても、プレイ以上に受け止めてきれなかったが、今読んで30年積読した甲斐をしみじみ。今まで読んできた幾つかの谷崎潤一郎作品をもう一度読み直そう。
どの登場人物にも、正直なところ感情移入できない不思議な小説だった。これって、ミステリー小説みたいじゃない? 殺人事件がおこっても容疑者があげられても、登場人物の比重は変わらない…という。谷崎潤一郎って面白いワ。
そう言いつつ、今回のお気に入り登場人物は次女幸子の夫 貞之助。入婿で次男なのにめっちゃ分かってる。長女よりも俯瞰してる。幸子が涙ぐんでるときもめっちゃやさしいし。
読書傾向は4方向くらいに分類されるみたいです。ほぼ通勤の友ですので積読本が消化できない傾向ですがー。
① ザックリ、映画鑑賞の副読本
② ザックリ、美術関連書
③ ザックリ、旅行関連書
④ ザックリ、21世紀に生きるための教養文学
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巻末のあとがきに永井荷風の絶賛の文章が引用されている。読友さんからも永井荷風との深い親交を指摘されて、なるほど。