読書メーター KADOKAWA Group

2025年3月の読書メーターまとめ

大和桜289
読んだ本
38
読んだページ
7785ページ
感想・レビュー
36
ナイス
1811ナイス
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2025年3月に読んだ本
38

2025年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

大和桜289
書名からパンデミックのコロナ禍と各々の事情や状況に追い込まれて、詰んでしまった人々を描いた作品集かと推測していたのだが、開架棚でようやく捉えたら、コロナ禍と罪を視点に人生の一断面が切り取られていて面白かった。収録されている六話のような状況には幸い追い込まれたことはなかったが、不要不急の老人だから逆に気楽にかわせていただけ。提起された状況もこんなケースもあったかと納得。初出一覧からは2021年11月~23年7月の間、約半年間隔で掲載順の短篇を仕上げられていて、著者の状況変化を見通す視線の筋と確かさに驚いた。
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2025年3月にナイスが最も多かったつぶやき

大和桜289

[2025年2月の読書]「正法眼蔵」の取組みと皆さんの書評を参考とした、読書生活スタイルがまだ定着せず手探り中。なんとか弥生三月で定着を図りたい。お薦めの本は読んだ逆順で、「鯨オーケストラ」「生きるための読書「つい昨日のできごと 父の昭和スケッチブック」の三冊。 読んだ本の数:27冊 読んだページ数:4913ページ ナイス数:1406ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/304927/summary/monthly/2025/2

大和桜289
2025/03/29 16:20

ちち123さん、こんにちわ。お便りありがとうございました。お申し出の件ですが、僕は読メの皆さんほどの文学好きでもなく、何週目かも分らぬほどの周回遅れを自覚して、読メをご縁にしてランダム読書を継続してきただの者です。本棚を作れる状況にも程遠く、読み続けることが精いっぱいの状況です。事情ご賢察方お願い申し上げます。

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2025年3月の感想・レビュー一覧
36

大和桜289
著者の作風や執筆にあたってのスタンスやこだわり方にも信頼を置いており、春になったらと積読状態に置いていた。そして、弥生三月の最後の一冊として読んだ。エッセイ集だが、著者逝去(2006年7月)後の2007年7月に単行本化され、2010年3月に文庫化されていたもの。その巻頭に配偶者(津村節子)による「序」が配され冒頭一行に「この集が、とうとう吉村昭の最後の著作物になってしまった。」とあり、思わず背筋が伸びた。既読別作品と重なる話柄もあったが、作品の裏事情からお人柄まで再確認でき得心できた。
大和桜289
2025/04/02 06:14

エッセイは類別されていて①「『月日あれこれ』から」が11編、②「『井の頭だより』から」が14編、③「歴史の大海原を行く」が10編、④「日々の暮らしの中で」が12編、の四分類で都合46編を収録しており、巻末に小沢昭一・吉村昭の対談「なつかしの名人上手たち」が配されていてお二人の語り口も楽しい。

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大和桜289
読メを見たらほぼ四年おきに本書を読んでいるようだ。図書館の開架棚の著者の作品はほぼ読んだが、背表紙が眼に飛び込んでくると読みたくなる本ある。自然景観の中で独り静かに立ち止まり、眼にしたものや聞こえてくる音に意識を集中していると、普段見聞きしているつもりが実は見ても聞いてもいなかったことに気づかされる。自身の身体ごと共鳴するものを感得し、それを言葉にする営為はやはり大切だ。「ごくありふれた、なにげない、あるときの一瞬の光景」を特別な一瞬としてつなぎ止め積み重ねる営為の記録を前にして、じっと沈黙の余韻に浸る。
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大和桜289
図書館の新着棚からの一冊。表紙にも移っている著者の西園寺君、略歴は付されて30代前後かな。鉄道好きも沢山おられるだろうが、『小学校の朝の読書時間には「時刻表」を読んでいて、そこに載っている地図で地名の漢字をおぼえるほど隅々まで読み込んでいましたね。「今どこで何がうごいているかなぁ」といったように、時計を見るのがたのしかったです。』とおっしゃるのだから恐れ入ります。140頁ほどのものだが、鉄道大好き感と種々雑多な情報が満載されていて、その楽しさ感覚が僕にも伝播する。手間、暇、お金、足の成果が詰まってます。
さばずし2487398
2025/04/01 08:19

大和桜さん、こんにちは。私は西園寺君のYouTube登録していますが、彼はまだ22〜23歳で、同志社大を休学中の学生兼社長さんです😊TV顔負けの企画力、オタク愛から発する豊富な知識と話術で動画を見ていてもとてもそれくらいの年齢と思えません。本書も読んでみようと思います!

大和桜289
2025/04/01 18:17

すばさしん2487398さん、おたよりありがとうございます。北は親父も11歳うえの兄さんも旧国鉄上がりで、鉄好きになっても不思議でないのに特別なことなく過ごしてましたが、この種の本をみつけるともう、だめですね。でもこの本は鉄道大好き人間のおたく感覚いっぱいで、凄いなと思いました。こんな人もいなくちゃと思えました。ありがとうございます。かな。

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大和桜289
ここ数年の間、金子みすずの詩集だけでなく著者の人生に係わエッセイ等も発行され、童謡詩人の背景に哀切な人生を感得するようになった。これまで自分の孫には何冊かプレゼント本にしてきたが、今回知人の孫のプレゼントにみすずの詩集はどうかと思い始めて図書館で目にとまった。この本が国英訳詩され製本された経緯は興味深いが、本書は詩集部分の前に、その人生にもふれていて、一人娘を残して26歳の若さで自死したことにも言及していて、僕が見知ってはいない小学生の娘さんにいきなり送り付けるにはためらいを感じ、著者の別書に切り替えた。
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大和桜289
図書館の新着棚で見つけた初読み作家作品だった。書名と目次だけ見て面白いかもと手にしたのだった。見開き2ページに文字が一面埋め尽くされていてびっくり。文字ポイントは特別小さいとも思えないのだが、視力が落ち始めている僕には凄い圧迫感だった。で、読み始めたら豊富な語彙を積み重ねて精緻に表現する文体に驚いた。ところが3話に入ったらそれに加えて、句読点なしの一文が異様に長くて何度目かのびっくり。話柄の展開のしかたや収め方もついていけるのだが、息の長い文体と詰まったも字ずらが今の自分にはきつく途中で中断してしまった。
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大和桜289
絵:くなくら珠美、作:上野そら。最初のページのネコの自己認識からして笑みが漏れる。かっこよくいて、かしこくて、すばやいのがじまんのオス猫だが、ちてきなネコには「わたし」がふさわしいと思っているネコなのだ。そんな私を選んだのは四歳の男の子。猫の寿命は短く男の子よりずっと早く成長し、老いても行く。だから当然でもないだろうが、男の子を下僕と認識して睥睨していく様子が如何にも猫らしいかも。老いては男の子の為に何かをプレゼントしようとする展開もさもありなんと納得。表紙絵の面構えからして人にはない何かを漂わせている。
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大和桜289
書名からパンデミックのコロナ禍と各々の事情や状況に追い込まれて、詰んでしまった人々を描いた作品集かと推測していたのだが、開架棚でようやく捉えたら、コロナ禍と罪を視点に人生の一断面が切り取られていて面白かった。収録されている六話のような状況には幸い追い込まれたことはなかったが、不要不急の老人だから逆に気楽にかわせていただけ。提起された状況もこんなケースもあったかと納得。初出一覧からは2021年11月~23年7月の間、約半年間隔で掲載順の短篇を仕上げられていて、著者の状況変化を見通す視線の筋と確かさに驚いた。
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大和桜289
大版とはいえ全体として80頁ほどの書籍に、絶景の写真と案内・説明を繰りこんで、990円という単価設定だから贅沢は言えない。だが、世界遺産の地域も含めて絶景100選と聞くと、知らない土地もまだ見たこともない地域も多くて、期待値は高くなり、その自然景観にはDNAレベルからも何事かを感じ、素敵な眺めに見惚れてしまう。一方、その地に行けばどこからでもこんな風に見えるわけでもなく、絶景のビューポイント、フォトポイントもあるだろう。その意味でこの種の本はありがたいが、掲載写真に重ねての案内・解説文は感心しない。
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大和桜289
「神宿る島」宗像、沖ノ島と関連遺産群が世界遺産として登録されたのは2017(平成29)年。本書は2020年11月に発行されたものだが、S29~S46(1954~1971)年まで実施された沖ノ島学術調査で発掘された沖ノ島神宝(約8万点の国宝)を中心に、宗像大社に伝承されてきた古文書・美術工芸品(重要文化財)などを収蔵展示する宗像大社神宝館の収蔵品より、写真家の山村善太郎氏が90品を厳選し改めて記録された写真集。これ以上望めないような良好なライティングとアングルから切り撮られた美宝に、魂まで吸い取られそうだ。
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大和桜289
著者は1965年名古屋生まれで、大学で西洋史を学び、河合塾で世界史講師を30年以上担当するかたわら、ユーチューブ神野ちゃんねる「神野塾」等で絶大な人気を誇る方とのこと。本書は地政学を基盤とした歴史学習することを推奨する観点からの入門書として、分かりよい案内、解説に富んでいる。それぞれの時代で歴史を大きく動かした勢力、民族や国を俯瞰的に捉えその枠組みの力学関係や大きな流れを、地勢学的な視点から整理してして面白い。だが、その通史は、いささか力による興亡史に偏っていて誤解を与えやすいかとも感じる。
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大和桜289
平凡社2024年11月発行。「別冊太陽 日本のこころ318」、'25年の大河ドラマを想定してのタイムリーな企画だが、いつものことながら編集内容がバランスよく、資料・写真を多数配して、豊富な情報をコンパクトに伝える工夫がありがたい。蔦重の生涯、出版歴を時系列で紹介し、時代背景とプロデュースの才を追う一方、その才能を生み育てた「吉原」という特殊な世界をイメージ豊かに描出。そして、蔦重が生み出したものとして、彼の重層的なネットワークと浮世絵の新展開として歌麿と写楽の作品にスポットを当てる。編集の目配りが良い。
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大和桜289
ここ二三日で風が急に春めいて、今週には各地から桜の開花情報が飛び込んできそうだ。僕も春めいた気分になりたくて、黄色に装丁された本書を手にした。作/ジョーン・ウォルシュ・アングラント作、訳/小川糸。J・W・アングラントさんは1926年、アメリカ・イリノイ州生まれとのこと。小さな可愛い女の子と男の子の、桜の花はなくとも、野山は緑にあふれ、幼子の自然で伸びやかな嬉しさあふれる絵に、おもわず笑みが零れる。手のひらほどの小さな絵本だが、春が来たことの喜びのおすそ分けをいただきました。
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大和桜289
めったに出かけることはないのだが、今年こそは福岡県にいこうと思い、予備知識を得るために斜め読み。もっとも、美味しいものを食べようとか、珍しいものを見つけようとか、博多の街を探訪しよう、ということではなくて、福岡に帰った友を訪ねようということだけが目的の旅。でも、せっかくだから、太宰府天満宮と宗像大社にだけは立ち寄りたい。太宰府は本書でも情報はたっぷりあったが、宗像はわずか2Pほど。でもユーチューブで情報は補えた。あとはスケジュールに落とし込むだけかな。
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大和桜289
ネタバレシリーズ第二巻。祖母が営んでいた駄菓子屋「かすがい」を引き継いだ孫の楓子が、祖母の力も借りささやかな形から始めた食堂の物語は、スペースの問題もあり翔琉(カケル)、夏錬(カレン)、亜香音の三人を受け入れて回りだしたが、各人の個人事情や家庭的事情に、子ども目線重視で真面目に向き会おうとする楓子の姿が、物語に豊かな膨らみをもたらしている。今回作では亜香音の友人で家出をした彩希、アフリカ系日本人の仁、ベトナムから移住してきたティエンに関連して、今日的な社会問題に切り込んでいて、その対応の仕方は啓蒙的ですらある。
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大和桜289
発行元の立東舎には文豪作品とイラストレーターがコラボした「乙女の本棚」シリーズもあり、なんともファンタスティックなものから妖艶なものまで、また楽しい世界を味わえるのだが、本書は々シリーズ作ではないものの、著者の村山さんと人気のイラストレーターげみさんが、意気投合され可愛くファンタジーな作品世界を提起されている。ちょっと気恥ずかしいくらいだが、既読していて内容は把握できていたから、僕も春を待ち望む者の気分で再読した。「花ゲリラの夜」「春の旅人」「ドロップロップ」の三編。どの作品のイメージもいい感じだ。
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大和桜289
著者作品の読書は久さしぶりだった。補聴器のセールスマンだった男が亡くなり、男が関係を交わした顧客との思い出をつづった五短編集。今のとこ聴覚異常もなく補聴器のお世話にもなってないのだが、聞こえずらいとか耳鳴りでもしだしたらなんとも難儀たせろぅけど、著者が聴覚を取り上げた意味やテーマは分からずじまいだが、その語彙や表現の豊かさには驚いた。死に行く過程で最後まで残る感覚は聴覚だともきいているので、大切な感覚だからと、聴覚を支える器官の構造を読了後改めて確かめたりした。「今日は小鳥の日」だけはお話として→
大和桜289
2025/03/22 03:38

→僕には気持ち悪く苦手だったけれど、表紙絵とP98.99の挿画で、内耳のカルテットのイメージも知ることができたし、まっ、良しとしましょうか。

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大和桜289
サラ・V=文、クロード・K・デュボア=絵との表記はあるが、略歴記載なく初読みの作者さんたちだった。パリかな?、西欧のどこかの街での路上生活者と少女の素直な目をさりげなく描いている。いかにも寒そうな街角で元郵便配達員だったひとりの男が路上生活をおくっている様子が、灰色っぽいモノトーンでいかにもの印象的だ。説明文がはしょられ男の事情はよく分からないが、自由と個人主義を基調とする西欧社会において、訳合って路上生活を余儀なくされた者は、自らの名前すら忘れてしまうほどに放り出されているのかと慄然とさせられた。
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大和桜289
隣町図書館の「本日のお薦め文庫本」コーナーからの一冊。ここ数年、子ども食堂とかシェアハウスと聞くと、新たな安心ネットワーク取り組みかとも感じてつい読みたくなる。初読み作家作品の本作、映像制作会社に勤務していたヒロイン風子さんは、多忙な仕事につかれ、お祖母さんが切り盛りしていて駄菓子屋「かすがい」を継ぐことになった。25歳にして子ども達から「おばちゃん」と呼ばれる新たな仕事にも慣れるた頃、子どもたちの様子を目にして、店の奥のスペースで食事を提供することを思い立っ。調理経験もろくにない風子だが、お祖母さんの→
大和桜289
2025/03/21 08:00

→助力も得て、子ども食堂をこじんまりと始めた。そこでは面倒を見る子どもたちと一緒に食材の買い出しや調理の一端も担当させ、皆で一緒に食べ物をいただくことを基本にして、食の在り様や広やかな意味での食育にも配慮していて、手っ取り早い解決ではなく、一人ひとりの問題に向き合い、よく話を聞いてそれぞれの悩みに応じた居場所作りに努めている様子が印象的だった。シリーズ物のようでとりあえず三巻まで置かれていたので一括して借り出せた。しばらくは「かすがい食堂」の展開に付き合ってみよう。

大和桜289
2025/03/21 17:54

今回の書評は、シリーズ第一巻書名「かすがい食堂」に対するものでした。「夢のゆくさき」は第三巻で誤った書を掲載をしてしまいました。申し訳ありません。

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大和桜289
養老氏のことは既読エッセイ等で少しは知っていたが、名越氏は知らなかった。養老氏は1937年生まれ、名越氏は1960年生まれと約ニ回りの年齢差はあるが、共に医学を志し研究と教育に携わられたが、養老氏は退職されて昆虫採集に精を出す"虫坊主"で、名越氏は組織を離れ、フリーとしての活動と仏教修養に努める"心坊主"だってさ。両名の対談も回を重ねられて対談本も本書で三冊目の由。既刊はいずれも読んでないが、医療者としてのスタンスやキャリアからも馬が合うようて、対話は楽し気で力の抜け加減良い言葉も参考になることが多い。→
大和桜289
2025/03/19 06:21

→若い人も、肩ひじ張らず自由にモノが言える立場からの二人の坊主の言動から、自由に何かを引っ張り出せば面白いかろうと思う。それは良いのだが、少し面白くないのは、本書では編集サイドが対話自体をリードし、しかも話された内容を担当がまとめ書きされているようなのが気に入らない。歳も重ねたユニークなお二人なのだがら自由に自然体で対話を深めた方が面白かろう。遊び心のうかがえる挿画の雰囲気のように、お二人の対話がそれぞれの刺激を受けどう楽しく展開し収斂していくか、対話の妙味とその軌跡を目の当たりにしたいものだ。

大和桜289
2025/03/19 08:04

REIさん、おはようございます。ご指摘ありがとうございました。眼も頭もボケかかっているのかと恥ずかしくなりますが、念には念を入れなくてはと思いを新たにしております。

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大和桜289
表紙絵に惹かれて手にした初読み作家作品。時代物の人物設定や枠組み構成や話柄展開にも新味があり一気読みだった。時代背景は幕末。道場では小野派一刀流目録をいただくもうだつの上がらぬ部屋住み生活の真木誠二郎は、ある日道場を覗いていた男から裏目付への取り立てを誘われこれを受けた。詳しくは隠密回り同心としての役目で、初仕事として京に送り込む刺客の案内をすることとなった。その刺客が十二歳の少女剣士の美津で、しかも殺生を生業とする特別な訓練を受けた"里の者"というから驚きだ。剣技と少女らしい見た目との落差は→
大和桜289
2025/03/18 06:54

コメント欄一行目、「京までの」と書いたつもりが「今日まで」となっているのを見落とす大チョンボ。こんなことでは、美津ともし対峙すれば、一刀のもとに僕は命を落としてますね。

いつでも母さん
2025/03/18 08:48

おはようございます。大丈夫です。美津は優しい大和桜さんを斬りません😁

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大和桜289
ネタバレ著者作品の読書29冊目。心あたたかな作風は信頼しているので、さてさて今回は…と期待して読み始めた、海辺の鄙びた田舎町:風波町の小さな商店街にある「江戸前 夕凪寿司」が舞台だ。店主のさやか、元店主でその祖父:伊助、住み込み店員の美來、そしてその店を十二年ぶりに訪ねてきてた訳ありのお客:まひろ(22)が無銭飲食と誤解されたところから物語は立ちふがった。お店の関係者も常連客の人柄も良く、手慣れた展開なのだが、各人、各話の背景のディテールがやや欠け、物語全体として話柄が平板な印象に終わったのが残念かな。
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大和桜289
著者のお顔は拝見した程度で著作物を読むのは初めてだった。自分が昭和人間でもあり書名はいささか仰々しく感じたが、今年か昭和で通算すると百年に当たるタイミングをとらえた振り返りもまっ有意義かもと読んだ。著者は「昭和」の夢の跡を振り返る趣旨で本書を執筆された由。その主な切り口は、「万博」「宇宙開発」「オリンピック」「近代史とユートピア」「未来都市とビッグイベント」の五つ。印象的には夢は見た残滓は残っていて、まだ光明はうかがえないということか。個人的にはオリンピックや万博の開催都市の跡地巡りの記述が興味深かった。
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大和桜289
「正法眼蔵」の再取組みも2ケ月半でようやく二巻まで。語彙にも慣れ字ずらを追う事には少し慣れてきたかも。だが、視点を変えつつ何度も問い返し深い含意の言葉を駆使して論理を展開する独自の文体には依然翻弄される。理解というには程遠い。全七十五巻本の本書は、第十七「恁麼」から第三十四「仏教」までの十八巻を収める。いずれも、道元四十代半ばに向かう頃の著作物。時代状況や平均寿命を勘案しても、鎌倉時代初期の時点で、仏教の本源と禅者の日々の在り方を深く厳しく思索し表現し得ていることに圧倒されつつも、読み続けるほかない。
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大和桜289
作者は1960年ベルギー生まれの女性作家。訳者が小川糸さんということを手掛かりに初めて手にした。両親の離婚により、離れて暮らすことになった父と少女の息苦しさと再興の喜びを、静かなタッチの絵と共に描いていた。両親の離婚は少女にすれば事故に会ってしまったようなものであり、お母さんを悲しませたお父さんを許せないと思うのは想像するに難くない。が、娘に嫌いといわれ離れて暮らすことを受け入れざるを得なかった父親も辛かったろうと肩入れしたくなる。単身赴任の五年間だけでも僕には堪えた。共に過ごすことは貴いのだ。
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大和桜289
ネタバレ初読み作家の作品だった。人は人との距離や関係性で生きているものだが、その関係性が微妙に歪み不自然な状況になっていて、普通ならそのことに気づきそうなものだが、その事実に向き合えず、あるいは自分の気持ちに素直になり切れなく、意固地になって状況に甘んじてしまうことは、ありがちなことだ。本作はそんな状況を切り取った五編の短篇で構成されていた。読了してみると書名にも通じたテーマ性は鮮明で、表紙絵も足元が見えてなく物事を客観的に捉えてられてないちぐはぐな状況を暗示しているようで苦笑い。無理は禁物で、素直さが一番かな。
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大和桜289
ネタバレ読メ記録を数えてみるとアンソロジー作品を除いて著者作品の読書42冊目。本作も2019年12月に読んでいたようだ。が、忘れていて今回は2011年5月発刊の文庫本で再読。美人モデルだけど中途半端にしか売れずくすぶり勝ちのヒロイン草間都は、愛犬エルとの日常を描いたブログで人気回復傾向にあったが、不注意から愛犬を亡くしてしまった。仕事を失うことを恐れ、そっくりな犬を誘拐して亡くなった愛犬と装って仕事を継続しようとした。小さな罪を背負ったばかりに嘘を重ね危なっかしい限りの展開だったが、犬が存在したことで、→
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大和桜289
僕は今までマークしてなかったのだが、平凡社から月刊『太陽』の特集から生まれたハンディなビジュアル・ブックとして「コロナ・ブックス」シリーズが、1994年から創刊されていたようだ。月刊「太陽」が大判で、こちらはB5変型判で一頁が上下2段組みという制約はあものの、内容は幅広くバランスのとれたコンパクトなビジュアル編集で、てっとりばやく池波正太郎の人と世界の概要を知るには格好の本となっている。浅草、上野界隈で生まれ育ち、小卒同時に社会で働き出され、多くの人に愛され揉まれる中でその才能を開花させ、独自の世界、→
大和桜289
2025/03/13 07:50

→美学を磨き上げられたようだ。その自信が風格にまで高められたようで、表紙の写真からもその一端が漂い出ていて、タバコをくわえる姿も渋く、いい男だと感じさせるものがある。

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大和桜289
各種サプリメントの広告が飛び交っており、その効能宣伝の過大さに、ほんとうかな?と疑問を感じるケースもあってので、この種の本を初めて読んだ。著者略歴によれば、著者略歴によれば、著者はサプリメント製造会社の代表取締役であるが、その会社は「医療従事者が自身を持って使えるサプリメントを提供してほしい」という意志、薬剤師からの養成と出資を受けて設立された経緯があり、そこに企業存立の自負を持っていて、健康に生きていくために役立つ、サプリメントとの付き合い方を伝えたいとの思いから執筆された由。記述には、業界への配慮も→
大和桜289
2025/03/13 07:07

→含め客観的、自制的に配慮をされて一線を守ろうとするスタンスが窺え、啓蒙的な入門書として一読の価値はあるだろう。六章立てで、①「序章 アラフィフ女性Tさんのサプリメント事情」、②「第一章 あなたの知らないサプリメントの正体」、③「第二章 損しない、サプリメントの賢い選び方、付き合い方」、④「第三章 何をどう飲めばいいのかーサプリメントのトリセツ」、⑤「第四章 お悩み・症状別栄養素の撮り方」、⑥「第五章 一番大事な身体の仕組みとサプリメントとの付き合い方」。お急ぎの方は、④と⑥だけでも。

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大和桜289
ネタバレ著者は1944年の生まれで今年81歳を迎えられる。耄碌とは書かず「モーロク」とされ、短い文章で全体でも100頁ほどの軽装にされているあたりにニヤリと笑みも覚えて読んだ。産経新聞大阪版に2016年6月から2017年12月にかけて連載されたものの由。他社発刊分も含めモーロクシリーズとして「モーロクのすすめ 10の指南」「ヒマ道楽」そして本書と書籍化し、連載は継続中でいずれ書籍化予定とお元気である。老いることを明るく捉えられ、力も抜いて楽しんでおられる。老いてもみるものだと思わせるあたりに真骨頂あり。
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大和桜289
隣町図書館の「本日のお薦め文庫本」コーナーからの一冊。このコーナーにこの種の本があることが珍しく、気になった。本書は食において異文化として取り入れられたものが、如何に日本の定番化したメニューに到ったかを、もっぱら文献によりその歴史を、黎明期、受容期、普及期、発展期を意識しながら追われたものであった。取り上げられたメニューは28種に登っているが、僕が全く知らなかったもの(シベリア)や、食べた記憶のないもの(タコライス)もあり、日本の食文化の履歴、工夫化の概要を知るとともに、食生活の振り返りともなった。
大和桜289
2025/03/12 05:55

取り上げられたメニューは掲載順に次の28種類。カレー、餃子、牛丼、ナポリタン、インスタントラーメン、コロッケ、お好み焼き、冷やし中華、モンブラン、からあげ、しゃぶしゃぶ、チャンポン、オムライス、生姜焼き、メロンパン、とんかつ、肉じゃが、ショートケーキ、クリームシチュー、焼肉、日本のアイス、焼きそば、ハヤシライス、シベリア、タコライス、エビフライ、あんぱん、天丼。個人の好き嫌いの濃淡はあっても、誰しもお世話になってきたものだし、その食に係わる先人たちの並々ならぬこだわりと記録としての書籍の豊かさにも驚いた。

が「ナイス!」と言っています。
大和桜289
図書館の新着棚で見つけ、著者名ではピンと来てなかったのだが、帯に著者の初出版作「おらおらでひとりでいくも」に言及があり、著者の近影写真が掲出されていて俄然嬉しくなった。そのデビュー作を僕は`19年3月に読んでいて、玄冬小説にかける著者の意気込みを感じ衝撃を受けていたのだ。本書はその作品で芥川賞受賞された以降、あちこちの媒体から依頼を受けプロ作家としての心境も新たにその身辺雑記を綴った36編を収録した発エッセイ集。受賞後は執筆依頼などで忙しく生活も一変した様子だが、その生活変化もまた老いも自然体に迎え、→
大和桜289
2025/03/08 07:47

→むしろ老いの境遇すらも積極的に楽しもうとされている様子には、飾らない性格や老いを肯定的に捉える生活姿勢が窺えて、頼もしくもあり羨ましくも感じ、美しく老いを重ねられる姿を思い描いて嬉しい気持ちになれた。

が「ナイス!」と言っています。
大和桜289
初読み作家作品。日常生活においてコーヒーは良い点景物で捨てがたいものがあり、書名にも惹かれて手にした。「コーヒーの囚人」という言葉の由来には、スウェーデン国王グスタフ三世の事績があるという文中の記述には、なるほどなと感心しながら読み進めた。で、本書には表題作を含め五短編が収録されているすらすらと読めるのだが、各物語の登場人物のキャラ、とりわけ関係者の距離の取り方に常識に欠けてるように感じて個人的にはなじめず、現代の若者にはこれくらいは許容範囲なのだろうが、物語として僕には共感部分少なく面白く思えなかった。
が「ナイス!」と言っています。
大和桜289
ネタバレ著者作品をアンソロジーでしか読んだことが無く、実質的には著者の初読み作品だった。新着棚で本書に出会い表紙の折り返し部と帯の記述を見て面白そうだと感じた。結果これが大当たりで久しぶりに一気読み状態。書名は吉田拓郎の曲名とのことで、歌詞の内容も含め物語の結節点の一つとなり得ていた。昭和の社会経済状況に乗り切れないまま令和まで流れ来てしまった65歳の不運な男が、令和の世で育児放棄のような状態に陥っていた姉弟と同じぼろアパートで出会ってしまい、見捨てておけなく面倒をみてしまうことになった顛末が昭和の情感豊かに→
が「ナイス!」と言っています。
大和桜289
ネタバレ隣町図書館の「本日のお薦め文庫本」コーナーからの一冊。 本書は季刊「考える人」2005年冬号~2012年夏号に連載されたものを2013年12月に単行化、そして2016年6月に文庫化したもの。連載に当たりテーマは自由、一回四千字との約定だった由で、この約定と季刊ということもあってか、エッセイ集35編だが、各編取り上げ話柄が幅広いジャンルに富みかつ長編で読み応えがあった。個人的には、寺山修司氏との親交や木下啓介監督のもとでの助監督からTVシナリオライターへの転身という、個人史、業界史部分の裏側が興味深かった。
が「ナイス!」と言っています。
大和桜289
図書館の開架棚の文学研究関係の棚で本書が目にとまった。初出一覧からは、各種新聞、雑誌等に掲載された書評、文庫本などへの「解説」など、多種多様な媒体に掲載されたもので、その数を数えようとしたが途中であきらめたほど多数に渡っていた。僕が既読の作品はたった二冊しかなく、著者の読書がいかに幅広くしかも各作品を深く読みこんでおられ、しかもその物語の持つ世界、深みを見通す眼力のレベルの違いを思い知らされた。本に付されていた書籍の分類項目番号では「019.9」で、調べたら「書評」という項目該当にも納得するしかなかった。
が「ナイス!」と言っています。
大和桜289
先月に引き続きピーター・レイノルズの絵本をもう一冊。訳は谷川俊太郎。絵に苦手意識のある小さな女の子:ワシテがユニークな先生のみちびきにより、表現すること自分の感じたままでいいのだと開眼し、変身していく様を見事に描き出していた。僕はワシテをその頭髪から男の子と勘違いしていた。先生の爆発したような頭髪もユニークだったが、それよりもユニークなのは先生の美の視点、ワシテの適当な点を撃っただけの画面に、絵のうまいへたではなく、ワシテの自由な感性を自覚させそれを表現することの大切さ誘導するその感覚、姿勢が鋭く貴い。
大和桜289
2025/03/03 05:45

本書を見て最初に思い出したのは、先生の頭髪から「芸術は爆発だ」と唱えた日本の芸術家の言葉。そして、最後に驚いたのは巻末に「この本はの絵は、水彩絵の具と紅茶を使って描かれています。」と書かれていたこと。上手い下手の基準や表現方法にもあれこれ刷り込みがあってとらわれがちだけど、芸術は本来もっと自由で感性のままなんでもありなのだ、と思えたら僕の悩みももっと小さくですんだかも。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/01/11(4731日経過)
記録初日
2013/01/11(4731日経過)
読んだ本
5339冊(1日平均1.13冊)
読んだページ
1370444ページ(1日平均289ページ)
感想・レビュー
5277件(投稿率98.8%)
本棚
0棚
性別
現住所
奈良県
自己紹介

読書メーター13年目に入りました。

読メの皆さんの書評やメッセージを励みに、
毎日の生活に持続的な読書時間を組み込む
生活習慣は定着できました。

ランダムな読書から古典作品や系列的な読書への
移行が積年の課題ではありましたが、本年からは
その切り替えに注力し、読書生活の充実を期して
おります。

また、読書生活を基軸にして、残された時間と
なんでもない普通のことを大切にし、日々を
健やかに穏かに丁寧に過ごすことで、
日々の充実を期して参りたいと祈念しています。

本年も宜しくお願い申し上げます。

◎2013(H25)年読メ登録以来に視野に入れた
 現代作家 
・ 2013年
  高田 郁、有川 浩、 村上春樹、
  原田マハ、三浦しをん、 重松 清、
  丸谷才一、朝井まかて

 ・2014(H26)年
  森沢昭夫、あさのあつこ、瀬尾まいこ、
  村山由佳、葉室 麟、池永 陽、
  村山早紀、藤岡陽子、青山文平

 ・2015(H27)年
  上橋菜穂子、山本甲士、西 加奈子、
  大島真寿美 大崎 梢、吉田篤弘、
  佐藤多佳子、宮下奈都、内田洋子、
  湯本香樹実

 ・2016(H28)
  熊谷達也、梨木香歩、山口恵以子
  森 浩美、西條奈加、辻村深月

 ・2017(H29)年
  近藤史恵、垣谷美雨、岸本葉子、片岡義男

 ・2018(H30)年
  千早 茜 ほしおさなえ 寺地はるな

 ・2019(R1)年
  桜木紫乃

 ・2020(R2)年
  吉村 昭 宮本 輝 伊吹有喜 瀧羽麻子
 
・2021(R3)年
  吉田修一

・2022(R4)年
  伊予原新 青山美智子

 ・2023、2024年
  特になし

 ・2025
  永井紗耶子 加納明子

◎現代作家作品への注力12年間から一旦切り上げ
 2025年からは古典作及び系列的な読書に戻す

◎読メ記録による年間読書量
 ・2013年  324冊   86,738頁
 ・2014   430   118,720
 ・2015   435   120,319
 ・2016   468   127,051
 ・2017   459   119,710
 ・2018   438   112,242
 ・2019   452   107,246
 ・2020   407   103,799
 ・2021   403   102,478
 ・2022   392   100,612
 ・2023   377    96,998
 ・2024   412    98,121





    

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