読書メーター KADOKAWA Group

2024年10月の読書メーターまとめ

ぽ
読んだ本
9
読んだページ
2288ページ
感想・レビュー
9
ナイス
204ナイス

2024年10月に読んだ本
9

2024年10月のお気に入り登録
5

  • 針
  • 小説大好き
  • リト
  • きみどり
  • どぶねずみ

2024年10月のお気に入られ登録
4

  • 針
  • 小説大好き
  • きみどり
  • どぶねずみ

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ぽ
選評委員のリーダブルという言葉がやや独り歩きしているように思う。読みやすいというよりは情報の前出しと説明が過剰で、山と職場も地続きで場の膨らみを感じられず好みではなかった。山×末端労働者という設定で、どことなくスタインベックと比較しながら読んでしまい、期待値を上げすぎたか。自然に呑み込まれるようにして身体感覚が肥大してゆく様子は純文学のそれであり、良い描写だったが、自然描写の方には一度使った表現を何度も繰り返し使い倒すなど、表現の広がりに欠く部分が散見される。
ぽ
2024/10/19 16:42

一方、何となく先行きが予見できてしまう会社の自転車操業がありありと伝わってきて、これが物語を進める大流として機能しており効果的だった。 そして冒頭の展開は見事であった。特に人物像の立ち上がりが最速で、人々の会話は生き生きとし、会話文の合間に埋め込まれた仕草と相まって、彼らの声がそのまま聞こえてくるようだった。作者は喋り言葉由来の語順やサウンド感を扱いきれる人のようだ。しかしこの語調が地の文にも展開されすぎると、冒頭にも述べた通り、説明過多の印象に転じた。読者の読解力をもう少し信用してみてもよいのでは。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

ぽ

ハンガンだ!!

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
9

ぽ
始めからある結末に向かって進んでいることは読者も分かっているのだが、過去と現在を行き来し、細かい動作を念入りに辿ってじっくりとねぶられながら、一瞬が永遠になる恋愛のあの特別な瞬間を味わって読む。結末が分かっていることにより却ってそこに至るhowを知りたくなり、ページが進む。田舎町の生活感溢れる小道具がまた、funnyで唯一無二な特別なシーンの材料となる。シンプルで完成された、素朴で王道の、現実的でフィクショナルな、ラブストーリー。
ぽ
2024/10/25 00:49

小説ってそうだった。時間の目盛りが簡単に歪むのが文章だった。夏の夜にラジオをかけて、バカみたいに生活感溢れるキッチンでダンスして、ラジオのCMに邪魔されて、電話のベルの間隔は無限に長くなって、夜と昼がなくなるのが恋愛で、そういうのが恋愛小説だった。

ガラスの文鎮(文鎮城)
2024/10/25 20:21

「ねぶる」などと言う言葉使える若い人が居たとは。ぽさん、ホントに大学生?

が「ナイス!」と言っています。
ぽ
写真集として見るつもりが意外とキャプションが良かった。
が「ナイス!」と言っています。
ぽ
静的で閉じた宇宙世界。確実な生化学の知識に基づいて(作者は修士号まで持っている)、哲学的な問題への思考実験としてSFという手法を利用するというタイプのSF。従来の、男たちが現実逃避のために、自宅のカウチでも足りる程度の家族の大切さやらなんやらに気付くためのSFとは違うんですよ。ナチュラルに知識量が多く、ひけらかさず、女性差別への作者の姿勢が自然に織り込まれ、タイトルから分かる通り文章への指摘感覚にも恵まれ、とても良い。ただし短編小説というよりは、壮大な長編小説の丁寧なプロットのように思われる。
ぽ
2024/10/20 23:48

共生仮説とか、スペクトルとか、長編にしたらまじでとんでもない名作になりそう。後書きも良かったな。アイデアの起点と広げ方を開示してくれた稀有な例。参考になりました。

が「ナイス!」と言っています。
ぽ
選評委員のリーダブルという言葉がやや独り歩きしているように思う。読みやすいというよりは情報の前出しと説明が過剰で、山と職場も地続きで場の膨らみを感じられず好みではなかった。山×末端労働者という設定で、どことなくスタインベックと比較しながら読んでしまい、期待値を上げすぎたか。自然に呑み込まれるようにして身体感覚が肥大してゆく様子は純文学のそれであり、良い描写だったが、自然描写の方には一度使った表現を何度も繰り返し使い倒すなど、表現の広がりに欠く部分が散見される。
ぽ
2024/10/19 16:42

一方、何となく先行きが予見できてしまう会社の自転車操業がありありと伝わってきて、これが物語を進める大流として機能しており効果的だった。 そして冒頭の展開は見事であった。特に人物像の立ち上がりが最速で、人々の会話は生き生きとし、会話文の合間に埋め込まれた仕草と相まって、彼らの声がそのまま聞こえてくるようだった。作者は喋り言葉由来の語順やサウンド感を扱いきれる人のようだ。しかしこの語調が地の文にも展開されすぎると、冒頭にも述べた通り、説明過多の印象に転じた。読者の読解力をもう少し信用してみてもよいのでは。

が「ナイス!」と言っています。
ぽ
結構境遇が近くて、おいそれと感想を述べるのは自分とダブりすぎていて不可。女体神話うせろ。医療・生物学がジェンダーバイアスの強化にすんな。卵子凍結をビジネスにすんな。AIのヒューマノイドでまでサポート役だけを女にすんな。優秀な女性なら実力で男社会の科学分野でも結果出せやと言う前に男らは一番優秀じゃない奴等でもMITやら何やらの教授やってんやろうが。成績が優秀で確証が持てないと理系に進めない女子生徒に対してそこまで優秀でなくても進学して同じレベルの仲間を見つけやすい男子生徒。そうそうそうそうそうそう。
ぽ
2024/10/14 00:51

作者は生物学に詳しい人なのかな。物理とAIとエコフェミニズム?あたりのお話になると、ちょい歯切れが悪くなっていたように思います。AIのジェンダーバイアスめっちゃわかる。アシスタントロボを女にすんな。

が「ナイス!」と言っています。
ぽ
我らがマエストロ未映子先生。表題作が印象的。普通に読むと奇談なのだが、構造的にレシピが分かり易い。主人公の長い長い想像話という枠組みをしっかり維持しながらウィステリアの物語が語られる。しかし黒猫または黒ずくめの額の狭い女(=猫の額)の登場によって、妄想と現実が混同し時間軸も交錯してゆく。「ウィステリアと3人の女たち」というくらいこの黒猫女が重要なのです。私は老婆と同化して区別がつかなくなる。想像で妊娠をし、原因と結果が入れ替わる。この奇談が美しい物語になるのは、パーツパーツの除術が上手いから。
ぽ
2024/10/11 19:56

一作目、彼女と彼女との記憶について。やはり記憶という時間軸の交錯、事実と現実の錯綜はこの短編集の一つのテーマだったように思われる。一作目も良かった。こちらはぞわぞわとする奇談を予感させながら、実はただの現実だったという話。短編だから着地は放棄してますね。

ぽ
2024/10/11 20:31

ヴァージニア・ウルフなんで?と思ったけど、『ダロウェイ夫人』の表紙の写真ウィステリアやな。

が「ナイス!」と言っています。
ぽ
最初の3編が全体の物哀しくささやかなトーンを決定しており、その後に見られるオリーヴキタリッジの毒気はどこか哀愁をまとっている。人はみな、誰かにとっての嫌なやつで、別の誰かにとっては優しく愛おしい存在になる。寒寒しい海辺の街の景色も同様。360℃視点でオリーヴと街を知れるので、どっぷり入り込みながら哀愁に浸りすぎない。誰にも切り取られることなく流れていってしまいそうな小さな感情が表現されている。生きていれば色々ある。もうクリスマスも春も二度と来ないで欲しいと思うこともあるよね。馬鹿たれの春が来て〜で泣いた。
ぽ
2024/10/09 00:23

彼女はpp(ピアニッシモ)が書ける作家なのだろう。手紙の署名の前にLove,が付いていただけで、ドーナツを差し入れただけで、昔の恋人と一言話しただけで、家に寄っただけで、どうしようもなく動いてしまう感情の、それも若くはない壮年期の感情のささやかでどこにも行き場のないうごめき。

きみどり
2024/10/09 20:57

ナイスありがとうございます。このレビューすごく素敵です。エリザベス・ストラウトにどうにかして読ませたいと思いました。

が「ナイス!」と言っています。
ぽ
シェイクスピアがミソジニーが酷いから現代風にやり直そうというコンセプトは素晴らしいし、作者も描写はできるしユーモアもあるし会話文も書けるのに、絶妙におもしろくない。勿体無いな。何でこんなに面白くないのだろうと考えながら読んでいた。まずケイトが全然じゃじゃ馬じゃない。使い物にならない父親の代わりに家事を全部引き受けて、めっちゃ常識的で、当たり前のことを言っているだけなのに気が強い変人設定なのがドン引きしてしまった?フェミニズムコンセプトの及第点に至っていない。それから長すぎる。100ページで行けたやろ。
ぽ
2024/10/04 23:48

要因その2はそこ。描写上手いけど、プロットを停滞させるタイプの描写。そこを同時に実現して、同じ内容で圧縮しないと読んでられない。300ページで読む内容じゃないんよ。

ぽ
2024/10/04 23:50

コンセプトが素晴らしいだけに肯定したかったのですが、ちょっとこれはないなあ。良くない小説って逆に少ないから、がんばって学びを得ようと努めました。

が「ナイス!」と言っています。
ぽ
あとがきを書いている小池真理子さんが私とは合わない。これのどこが「現代の虚無と倦怠」の話やねん。日本の学生闘争とサガンに何の関係があんねん。めっちゃ萎える。それはさておき、17歳の主人公は若いのに人の感情を読み取り、展開を推察するのに長けていて非常にませている。のんびりしたヴァカンスの美しい風景に反して、なかなか残酷で大胆な策略をするし、途中で翻意もするし、とにかく気ままというか、ふわっとしてるというか、その割に大人より大人びているし、本人曰く楽しくて明るい性格らしいが、結構陰惨としている話。
ぽ
2024/10/02 14:29

あんまりハマらんかったな。陰惨としてるんだけどどこも取り憑くところがなかった。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/01/24(4320日経過)
記録初日
2013/01/19(4325日経過)
読んだ本
246冊(1日平均0.06冊)
読んだページ
69445ページ(1日平均16ページ)
感想・レビュー
136件(投稿率55.3%)
本棚
0棚
性別
職業
大学生
自己紹介

読書欲に波があります。
きれいな言葉、不思議な世界観、皮肉やユーモアの効いたお話がすき。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう