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2025年1月の読書メーターまとめ

電羊齋
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感想・レビュー
4
ナイス
136ナイス

2025年1月に読んだ本
4

2025年1月のお気に入られ登録
1

  • 柴 洋

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

電羊齋
近代英国では大学に属さないアマチュアの在野研究者たちが学問を担い、学会・学術雑誌や『OED』で在野研究者たちの横のつながりにより学知が結集された。それは現在のネットにおける「集合知」に似ている。一方、近代日本では「官」の権威を中心とした大学での学問の組織化が行われた。南方熊楠は英国流の道を行くが、牧野富太郎、柳田国男は「官と民の間」で自分を中心とする学問の組織化を行っていく。それらの違いは誠に興味深い。また超心理学者福来友吉、「最後の町学者」三田村鳶魚も印象的。近代の学問のあり方について紹介する好著。
電羊齋
2025/01/05 22:43

また、本書では在野研究者たちの横のつながりを可能にした近代のインフラである雑誌、図書館、郵便といったものにも注目している。

が「ナイス!」と言っています。

2025年1月にナイスが最も多かったつぶやき

電羊齋

今年は積読消化と「有名なんだけど読んだことがない」本の消化に務めようと思う。

が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
4

電羊齋
本編では古代中国の木、竹、布に記録された書物から説き起こし、紙の発明と印刷術の発達とともに書物の形態が巻子本さらには冊子本へと移り変わる歴史を語る。そしてさらに進んで蔵書家の姿、また目録学、校勘学などといった書物を扱う学問がどのような発展を遂げたかを紹介していく。本編以外に収録された関連の文章も面白い。中国での書物の歴史、書物と技術発展の関係について関心を持つ人におすすめの本。私は中国の歴代の蔵書家の足下にも及ばない単なる積読家であり、書物についての学識も浅いので、本書は非常に勉強になった。
が「ナイス!」と言っています。
電羊齋
中国経済についてはEVなどハイテク分野の大躍進という「光」と不動産不況、社会を覆う悲観論という「影」の一見相反する現象が見られる。本書では中国経済についてミクロ・マクロ視点、短期・中期・長期的視点、業界と市井の声から冷静に分析し、光と影のように相反する現象は、いずれも「供給能力の過剰と消費需要の不足」という中国経済の宿痾に由来しているとする。またその要因として中国政府の供給サイドの効率化に偏重した政策、均衡財政主義的な中央財政と地方分権的な地方財政などの長期的・構造的課題を取り上げているところも読み所か。
電羊齋
2025/01/18 15:34

それから、個人的に興味深かったのは中国で竹中平蔵的な供給サイドの改革、新自由主義的改革が高く評価されていることが取り上げてられていた点。私も2000年代中期から2010年代初期の胡錦濤政権時代に中国に在住した折にそうした中国の論調を目にしたことがある。当時の中国側にはそうした供給サイドの効率を高める新自由主義的改革が中国に山積する課題の処方箋として映っていた面は確かにあったと思う。その是非はともかくとして。

電羊齋
2025/01/18 15:41

中国経済については昔から「光」と「影」の面が共に極端であり、故に中国経済に対する論調は楽観論と悲観論の両極端に偏りがち。本書では中国経済の「光」と「影」の面がいずれも「供給能力の過剰と消費需要の不足」という問題に由来するものでいわば「コインの裏表」であることが明らかにされ「腹落ちした」感じがする。これまでの中国はこれを経済成長の原動力ともしてきたが、現在ではそれが通用しなくなりつつあるらしい。

が「ナイス!」と言っています。
電羊齋
近代英国では大学に属さないアマチュアの在野研究者たちが学問を担い、学会・学術雑誌や『OED』で在野研究者たちの横のつながりにより学知が結集された。それは現在のネットにおける「集合知」に似ている。一方、近代日本では「官」の権威を中心とした大学での学問の組織化が行われた。南方熊楠は英国流の道を行くが、牧野富太郎、柳田国男は「官と民の間」で自分を中心とする学問の組織化を行っていく。それらの違いは誠に興味深い。また超心理学者福来友吉、「最後の町学者」三田村鳶魚も印象的。近代の学問のあり方について紹介する好著。
電羊齋
2025/01/05 22:43

また、本書では在野研究者たちの横のつながりを可能にした近代のインフラである雑誌、図書館、郵便といったものにも注目している。

が「ナイス!」と言っています。
電羊齋
魔女の予言にそそのかされたマクベス、マクベスをそそのかした夫人。だが二人は不安を解消するために血を流し続けながら、ますます不安にさいなまれ、身を滅ぼしていく。その悲劇性と人間の持つ弱さが巧みに表現されていた。また、シェイクスピアの豊かな比喩と人間観察力を感じた。やはり「古典」として長く受け継がれてきただけのことはあると思った。巻末の解題も良い。話は飛ぶが、私は黒澤明『蜘蛛巣城』を見たことがあるが、今『マクベス』を読んでみて『蜘蛛巣城』は『マクベス』の映画化としても非常によくできていたのだと思った。
兵士O
2025/01/02 19:13

マクベス、昔読みました(!)電羊さんのレビューで内容を少し思い出しました('ω')ノ

電羊齋
2025/01/02 23:57

『マクベス』は有名な作品だけに大体のあらすじは知っていましたし、『マクベス』を日本の戦国時代に置き換えた黒澤映画『蜘蛛巣城』も見たことがあったんですが、肝心の『マクベス』そのものは読まずに来たんで、この機会に読んでみようと思いました。やはり名作ですね。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/12(4225日経過)
記録初日
2013/08/12(4225日経過)
読んだ本
680冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
150990ページ(1日平均35ページ)
感想・レビュー
680件(投稿率100.0%)
本棚
12棚
性別
年齢
51歳
職業
その他
現住所
京都府
URL/ブログ
http://talkiyanhoninjai.net/
自己紹介

電羊齋と申します。
清朝史と阪神タイガースをこよなく愛する大阪のオッサンです。
主な読書ジャンルは歴史物、スポーツ物と旅行記です。

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