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2025年11月の読書メーターまとめ

駒場
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13
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感想・レビュー
7
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2025年11月に読んだ本
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2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

駒場
WWⅡの記憶も新しい1947年の作品。ネズミの相次ぐ死亡に次いでオランに蔓延したペスト。人間/誠実であろうとする医師リウーと、「人は神によらずして聖者になれるか」と問い続け人間存在を理解しようとするタルーという表裏一体の人物を軸に、年代記風に、特に思索的に描く大作。リウーとタルーの対話、不条理に死んでいく人間に対する態度はぐっとドラマ的に感じる。この二人の行動上の結論が、そこに神がいてもいなくても一致するというのも、「反キリスト教的」と言えるのかもしれないが、すごく人間を書いた文学って感じがしたな
駒場
2025/11/14 16:03

ある者たちは……通常の友情の手段によって人々に結びつくことのできる状態にいないことに…苦しんでいた…もっと少数の、おそらくタルーのような人々は、自分でもはっきりと定義できない、しかしそれこそ唯一の望ましい善と思われる、あるものとの合体を願っていた。そして、ほかに名付ける言葉がないままに、彼らはそれを時には平和と呼んでいたのである(p.443)

駒場
2025/11/14 16:13

ちなみに罪なき子どもも殺すペストというものを明示的に肯定して、混乱が自分の冴えない(どころか犯罪をおかしているらしい)人生をドンガラガッシャンとリセットされたことを大喜びしている男・コタールというやつが出てきて、まあ嫌な奴なんですが、世の中で自分の人生が冴えないと思っている(かつ、特にそれを他責で考えている)人間は、こうなるよなあ……と嫌なリアリティがあるのであった。無敵の人に通じるというか、戦争を望んでいる層っているよなって……しかしこの本、それを完全に突き放さず人間として描いている

が「ナイス!」と言っています。

2025年11月にナイスが最も多かったつぶやき

駒場

ずっと行きたかった松本に行った。松本城は欧米からの観光客も含めディズニーくらい待機列があり、「まさかこんなに混んでるとは……海外の人は松本ってどうやって調べてくるんですかね?」と地元のおじさんに話しかけたところ、「日本に来るのが3回目、4回目って欧米の人はねえ、白川郷、上高地、木曽路、松本城ってのはゴールデンコースなんですよ今や」と教えてもらった。そうだったんだ……

ずっと行きたかった松本に行った。松本城は欧米からの観光客も含めディズニーくらい待機列があり、「まさかこんなに混んでるとは……海外の人は松本ってどうやって調べてくるんですかね?」と地元のおじさんに話しかけたところ、「日本に来るのが3回目、4回目って欧米の人はねえ、白川郷、上高地、木曽路、松本城ってのはゴールデンコースなんですよ今や」と教えてもらった。そうだったんだ……
駒場
2025/11/03 17:48

海外のメジャーなホテル予約サイトに載せてない温泉旅館も行ったけど、「他よりは少ないですけど、Instagramの写真をみてわざわざメールしてきてくださる海外の宿泊客もいます」とのことであった。浅草とか渋谷とか京都ばかりが人気なのかと思っていた

駒場
2025/11/03 17:50

しかしさすが欧米(というかヨーロッパだと思うけど)の人たち、そんなゴールデンコースをまわるには、飛行機移動含めてどう考えても10日は必要であろう。たくさん休める文化……

が「ナイス!」と言っています。

2025年11月の感想・レビュー一覧
7

駒場
白人労働者層について語った本、というよりヴァンスのエッセイ(自伝)というほうが正しい。アームコのような古いタイプの産業でしか働けない・移動できない労働者が貧困に陥り、その子供は機能不全家庭で育つがゆえに教育から落ちこぼれていくという構造的な問題を語りつつも、ヒルビリーの生活が実際どんなものであるか(かなり強烈だが、日本でも見られる)、そして白人労働者層が重労働から逃れながらオバマやブッシュを批判して、屡々トランプ的陰謀論に陥る状況を喝破している。今のヴァンスと結びつかなくてそこが一番驚きました
駒場
2025/11/30 16:11

「保守主義者たちの言動は、社会への参加を促すのではなく、ある種の疎外感を煽る。結果として、ミドルタウンの多くの住民から、やる気を奪っているのである」

駒場
2025/11/30 16:12

ヴァンスの態度の変化を、彼が本でも書いている「逆境的児童期体験(ACE)」に求めることは簡単だろうけど、ことはそう単純ではない気もする。というか、そういう物語にしないほうがいいというか……あまりにも理解できなくてもやもやするけど、何に対してもこたえをもとめないほうがよいのかもしれない

が「ナイス!」と言っています。
駒場
あなたがデブなのは怠惰な人間だからではない!デブになるのは才能(遺伝)と環境(肥満遺伝子を発現させる過食を促す現代の西洋的食文化)のどちらも必要だ。無理なダイエットの繰り返しは飢餓感を生み体重の「セットポイント」を上昇させるし、西洋食(過剰な植物油と砂糖と炭水化物、穀物で育てられた肉)はレプチン抵抗性とインスリン抵抗性を通して過食を促す。さらにオメガ3よりオメガ6を過剰に摂取すると冬眠前の動物みたいになっちゃうかも?"ダイエット"ではなく"(食文化を含めた)生活"を見直そうよという結構まっとうな書でした
駒場
2025/11/30 15:36

アメリカでとにかく「脂質」が悪者にされた結果、植物油や穀物、(砂糖や添加物を過剰に使用した)加工食品へのアクセスばかりが容易になったのが1980年代以降のことであった。実際には、飽和脂肪酸がすなわち悪というわけではない。食欲をコントロールしたいなら、オメガ3の比率を上げるべきだ……ただ養殖ではない魚とか、(牧草で育った)羊肉、高いよね~~~~~

駒場
2025/11/30 18:04

「口にする食べ物の成分よりも、食文化のほうが健康にとってははるかに大きな意味がある…だがこうした要因をすべて無視しているのが食物還元主義者だ。彼らは個々の影響その有する効果/リスクしか考えない。だから精製され、さまざまなものが添加された超加工食品を安易に認めることができるのだ」

が「ナイス!」と言っています。
駒場
自己や他人をすぐ物語化したくなる(特に近年顕著な)欲求の危険性に警鐘を鳴らし、オルタナティブを提供しようと試みるライトな批評本。一貫性を求めた自分語りや、他者へのマスタープロットの押し付け、MBTIやADHD特性のキャラクター化に見られるような「脱ぎ着できないアイデンティティ」の固定化に伴う危うさは多くの人が感じていると思うが、それを言語化している。ただ人生解釈の方向性として、ゲーム、パズル、ギャンブルを考察するあたりは、恐らく企画が先走ってかなり覚書感があり、やや散漫な箇所もあったのが残念
駒場
2025/11/27 19:27

今流行りの?ネガティブ・ケイパビリティ的な考え方が結局必要なのかもしれません。人生は首尾一貫もしてないし、常にこたえが用意されているわけでもないし、生きている実感やひりつきをおぼえるようなものでもなく、ぼんやりとして手触りがないと感じてしまう……でもそれでいいじゃないか、それを無理にどうにかしようと思うな……というような

駒場
2025/11/27 19:30

人生すごろくを歩む上で就活から派生して婚活や妊活、果ては終活という言葉まで出てきたけど、こういうのも「物語依存」というか「マスタープロット依存」で安心できるからなんだよな、多分……(もちろん構造的な搾取とか経済的格差とかで、それを強いられてるという議論はあるんだけど)

が「ナイス!」と言っています。
駒場
日本の資本主義の中心部である大企業が、カルト的な非化学・似非医療みたいな領域に金を突っ込んでいた過去を活写するおもしろ本。ソニー創業者の井深が東洋医学("気"とか)と超能力的なものに傾倒して研究所を運営していたとか、永久機関を研究するニューサイエンス的なものに期待する研究者・マスコミ・大企業とか。なぜ資本主義がそこに結びつくのか?と思ったが、途中超能力を語る研究者が「私の理論が理解できない奴は共産党だ。唯物史観に囚われている」と言い出した時、あ~そういう反共ロジックがあるんだ!と膝を打った
駒場
2025/11/20 13:37

道徳教育を新指導要領に入れるという2010年代の話で、当時の中央教育審議会に道徳教育を論じられるような倫理や哲学の専門家は一人もいなくて、財界人やら経営コンサルやら保守派のジャーナリストやらが多かったって話、嫌すぎて笑ってしまった。経産省の小委員会じゃねーんだから……

駒場
2025/11/20 13:41

いまだとある程度企業のガバナンスが厳しくみられているのでここまでのことはないと思いたい。が、上場してある程度の時価総額がある企業でも、社長がお気に入りのアイドルを次々と効果不明のCMに起用したり、期待の新物質みたいなものを売り出したり、御殿みたいなものを建ててジャーナリストやらマーケット関係者の男性にきわどい接待をしたりは普通にあるからな……

が「ナイス!」と言っています。
駒場
WWⅡの記憶も新しい1947年の作品。ネズミの相次ぐ死亡に次いでオランに蔓延したペスト。人間/誠実であろうとする医師リウーと、「人は神によらずして聖者になれるか」と問い続け人間存在を理解しようとするタルーという表裏一体の人物を軸に、年代記風に、特に思索的に描く大作。リウーとタルーの対話、不条理に死んでいく人間に対する態度はぐっとドラマ的に感じる。この二人の行動上の結論が、そこに神がいてもいなくても一致するというのも、「反キリスト教的」と言えるのかもしれないが、すごく人間を書いた文学って感じがしたな
駒場
2025/11/14 16:03

ある者たちは……通常の友情の手段によって人々に結びつくことのできる状態にいないことに…苦しんでいた…もっと少数の、おそらくタルーのような人々は、自分でもはっきりと定義できない、しかしそれこそ唯一の望ましい善と思われる、あるものとの合体を願っていた。そして、ほかに名付ける言葉がないままに、彼らはそれを時には平和と呼んでいたのである(p.443)

駒場
2025/11/14 16:13

ちなみに罪なき子どもも殺すペストというものを明示的に肯定して、混乱が自分の冴えない(どころか犯罪をおかしているらしい)人生をドンガラガッシャンとリセットされたことを大喜びしている男・コタールというやつが出てきて、まあ嫌な奴なんですが、世の中で自分の人生が冴えないと思っている(かつ、特にそれを他責で考えている)人間は、こうなるよなあ……と嫌なリアリティがあるのであった。無敵の人に通じるというか、戦争を望んでいる層っているよなって……しかしこの本、それを完全に突き放さず人間として描いている

が「ナイス!」と言っています。
駒場
男女賃金格差についてメルカリが「学歴や職種を統制しても説明不能な格差が7%ある」という発表をしたときは驚いたものだが、それをとっかかりに「何が格差を生んでいるか、その容疑者Xを探る」という本。発想は面白かったし、後半で「差別の要件」を定義していたりするのは議論のたたき台・入門書としてよかった。が、前半はデータや研究の引用の仕方が微妙(新書的ともいえる)で、ちょっと散漫だったな……という印象。女性が恋愛という巨大市場に過剰適応することが格差の一因っていうの、卵が先か鶏が先かみたいなとこある
駒場
2025/11/20 13:49

ちなみにメルカリ社内で発生している(メルカリ以上に発生している日本企業は多いと思うが)謎の7%の賃金格差の正体は、「(中途採用時の)最初にオファーする賃金格差」で説明できるらしい。要はメルカリ以外の企業で生まれてしまった格差が転職時にも固定化されているのであった

が「ナイス!」と言っています。
駒場
サステナブル投資(ESG投資)について、最近の勢いが失速していることも含めて投資家が本音で論じている本。体系的ではないかも知れないが、「ネガティブスクリーニングしてたらリターンが低下するのでは?(その可能性が高い)」「ESG投資って本当に社会や環境にプラスのインパクトを生み出せるの?(やり方次第)」みたいな論点を網羅して、財務的リターンも社会的インパクトも生み出せる金融投資への道を模索している。本当にインパクトを生み出そうとしたらプライベート市場で投資するしかないのかも。読み物として面白かった
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/12/13(5844日経過)
記録初日
2009/12/01(5856日経過)
読んだ本
3984冊(1日平均0.68冊)
読んだページ
782123ページ(1日平均133ページ)
感想・レビュー
2483件(投稿率62.3%)
本棚
8棚
現住所
東京都
外部サイト
自己紹介

社畜しながら空き時間に読書

漫画ばっかり

ベリー頭が悪いので、小難しい本は読めません





好きなのはBLと百合

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