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2024年8月の読書メーターまとめ

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読んだ本
10
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感想・レビュー
10
ナイス
186ナイス

2024年8月に読んだ本
10

2024年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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ネタバレコロナ禍を背景に日常に起きた不思議な出来事を描いた短編集。「屋根裏の散歩者」郊外の家に引っ越してきた夫婦が、夜中に天井から聞こえる不気味な音に悩まさる。音の正体は幽霊?「妻をめとらば才たけて」電車で居眠りをしていた老人が置き忘れた紙袋の中は骨壺だった。「多肉」経営するレストランを廃業した男が、アガベという多肉植物の栽培に夢中になり狂気じみてくる。「遺影」義母の遺影に写っていた謎の男の手の主は?人の心の奥底は、恐ろしく哀しく優しく可笑しくもある。篠田さんらしくホラー風味、現実と夢の間にいるような物語だった。
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2024年8月にナイスが最も多かったつぶやき

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2024年8月の感想・レビュー一覧
10

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ネタバレ小泉八雲と妻のセツの話。日本に憧れ来日したハーンは英語教師として松江に赴任。ハーンの目に映る宍道湖、出雲大社など出雲の風景がとても美しい。西洋のキリスト教に対して、八百万の神々が共存する日本人の素晴らしさを熱心に語るハーンの言葉に感動した。維新で没落した武家の娘セツは一家を支えるためにハーンの女中になる。ハーンはセツが語る出雲の物語や怪談に夢中になり、お互いに魅かれ合う二人は問題を乗り越えて結婚。ハーンとセツが次の赴任先の熊本へ発つ時、教え子や近所の人々が大勢見送りに来て別れを惜しむ様子に涙が滲んだ。
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ネタバレ著者の身近な幽霊話から今昔、源氏などの古典文学、各地の民話などを挙げ、「場所に出る妖怪」「人を目ざす幽霊」「家に憑く怨霊」に分類。幽霊の他、妖怪、生霊、転生、御霊信仰などを取り上げ、日本人の死生観や霊魂信仰を解説。平安時代は身体から魂が抜け出ることを「あくがる」と言ったそうだ。例えば和泉式部「もの思えば沢の蛍も我が身よりあくがれ出ずる魂かとぞ見る」。万葉集の時代はこの状態を「たまかぎる」と言い、転じて「たまげる」になった。時代は変わっても人の心は同じで、幽霊話はそれを凝縮させた物のようにも思える。
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ネタバレ幕末~明治を生きた浮世絵師・小林清親の半生。清親の「光線画」は聞いたことはあったがよく知らなかったのでネットで絵を見ながら読んだ。上品な色と構図、輪郭線を描かず明暗で描かれた変わりゆく江戸の町は愁いを帯びた情緒がある。大男で強面だが、姿に似ず穏やかで優しい清親の絵は美しい。御家人だった清親と母の幕府瓦解後の苦労。嫂の佐江や、御家人の妻・紅梅花魁の哀しすぎる末路。維新の混乱で時代に翻弄された人々が生きる姿を、杉本氏の文章は静かに描く。清親と親しい河鍋暁斎、月岡芳年、弟子の井上安治との関係も興味深かった。
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ネタバレ群さんの小唄の師匠の半生記。小美代姐さんは大正14年浅草の長屋におぎゃあと生まれる。三味線が達者で14才で芸者の道へ。おっちょこちょいで器量は今一つだが、三味線の腕と人柄で人気芸者になった。芸を極め、恋をして結婚するが夫と死別。空襲で何度も焼け出されながらも子どもと両親の面倒をみる。明るく真っ直ぐな小美代姐さん。占い師の、あんたは何があっても生き残る、という言葉を信じて突き進む。戦中戦後の大変な時代だが、群さんのさらっとした文章は悲壮感無く小美代姐さんの人柄にぴったり。当時の芸者さんの世界も興味深かった。
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ネタバレコロナ禍を背景に日常に起きた不思議な出来事を描いた短編集。「屋根裏の散歩者」郊外の家に引っ越してきた夫婦が、夜中に天井から聞こえる不気味な音に悩まさる。音の正体は幽霊?「妻をめとらば才たけて」電車で居眠りをしていた老人が置き忘れた紙袋の中は骨壺だった。「多肉」経営するレストランを廃業した男が、アガベという多肉植物の栽培に夢中になり狂気じみてくる。「遺影」義母の遺影に写っていた謎の男の手の主は?人の心の奥底は、恐ろしく哀しく優しく可笑しくもある。篠田さんらしくホラー風味、現実と夢の間にいるような物語だった。
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大英博物館の天才修復士、ケント・スギモトと助手の晴香がコレクションの謎を探るミステリー4編。すり替えられたパルテノン・マーブルの謎。部品を外されて動かない和時計。ミイラの代わりに札束が入れられていた古代エジプトの木棺。博物館に寄贈される北斎の浮世絵「グレート・ウエーブ」の真贋は?変わり者のスギモトの知識と直感、生真面目な晴香の粘り強さと行動力で謎を解く。博物館のバックヤードや修復の技術、美術品の由来などの説明が興味深い。二人が訪れたロスリン礼拝堂は『ダ・ヴィンチコード』にも登場する。行ってみたくなります。
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ネタバレお隣のオス猫ビーちゃんにメロメロな群ようこさんの親ばか猫バカエッセイ。友人Мさんが飼っているハンサム猫ビーちゃんに手玉に取られる女3人が幸せそうで微笑ましい。近所の野良猫たちのこともよく把握していらっしゃる筋金入りの猫好き群さん。猫もそれぞれ個性があるんだなあ。二十数年前の本。猫も人ものびのびしていてちょっと時代を感じる。私は犬好きですが、この本を読んだら猫も飼いたくなりました。この本には書いてないけれど、お隣のМさんは、もたいまさこさんだそうです。ビーちゃんはトンキニーズという種類。初めて知りました。
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ネタバレ幕末~明治の落語家、三笑亭可楽と三遊亭遊三を描く2編。2人とも旗本御家人。好きな落語にのめり込み勤めの傍らこっそり高座に上がる。『爆弾可楽』官軍に反抗し江戸を火の海にしようとする会津藩士に乗せられて寄席に爆弾を仕掛けた可楽。義理と人情の間でなんとも哀しい結末。『ふらふら遊三』は、彰義隊からなんとか生還し、商家の手代や司法勤めと何度も職を転々。結局好きな道が一番、落語家に戻り真打になる。2人とも破天荒だが情に脆くて憎めない。当時の寄席の様子も詳しく江戸っ子の洒落た会話が面白い。師匠と弟子の絆にも感動した。
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ネタバレ大人しくお留守番をするように言われたジュディとピーターの姉弟。退屈した2人は公園で不思議なゲーム盤を拾って帰る。危険なジャングルを抜けて都市ジュマンジを目指すすごろくゲーム。サイコロを振ってコマが止まる度にジャングルの動物が目の前に現われる。ライオン、猿、サイ、ニシキヘビ。オールズバーグの白黒の絵がリアルで迫力満点。無事にゴールに辿り着けるのかハラハラ。本の見開きにある言葉は「はじめてゲームをするときは必ず解説書を最後まで読みましょう」2人とも読んでいてよかった。私は解説書をよく読まないので気をつけよう。
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ネタバレ憧れの三味線を習い始めた群さん。西洋音楽と全く違う旋律や間に悪戦苦闘しながらも「名取」になり舞台に立つまでを軽妙に綴るエッセイ。あまり縁のない小唄だが、群さんが習った唄をネットで探して聴くと、風流な唄、色っぽい唄、歌舞伎や芝居の唄も多い。先生が仰るには、小唄は若い人より経験を積んだ大人の方が情感がこもってよいのだそうだ。すぐに習ってみたくなる私。大人でも経験値は低いので難しそう。和のお稽古独特のしきたりなども書かれていて興味深かった。群さんの印象に残る言葉は「人の言葉に素直に耳を傾けないと上達しない」。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/02/18(3876日経過)
記録初日
2014/02/18(3876日経過)
読んだ本
456冊(1日平均0.12冊)
読んだページ
136697ページ(1日平均35ページ)
感想・レビュー
431件(投稿率94.5%)
本棚
0棚
性別
血液型
O型
職業
主婦
現住所
東京都
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