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2023年9月の読書メーターまとめ

やまおじさん
読んだ本
6
読んだページ
1687ページ
感想・レビュー
6
ナイス
117ナイス

2023年9月に読んだ本
6

2023年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

やまおじさん
話題をさらった竹倉史人『土偶を読む』及び続編のこども向け図鑑『土偶を読む図鑑』(小学館)に対する考古学の視点からの正面切った批判。編著者・望月昭秀氏(考古学者ではない)によって逐一具体的に「ここがおかしいよ」と指摘される前半部分は、読むのがつらいほど。たしかに竹倉氏の論は杜撰で、直観(イコノロジー=見た目の類似)からの結論ありきで、裏付け――土偶に外観が似ている植物や貝類との同時代性(編年)の検証がない。「トンデモ論」と言われるとグウの音も出ない。竹倉氏の着眼点はよかったのだが、その断定口調も災いしたか。
やまおじさん
2023/09/01 18:15

この『土偶を読むを読む』のなかでは、望月昭秀氏(編著者)による先史学者・山田康弘氏へのインタビュー、それに、岩手県立博物館・金子昭彦氏の「土偶は変化する」が、わかりやすい内容で良いと思った。縄文時代や土偶は、一筋縄ではいかないが、謎が多くロマンを誘う世界。竹倉氏の本も軽い「読み物」として出版されて、なまじサントリー学芸賞など受賞しなければ、これほどの批判に晒されなかった(考古学者から黙殺されるだけだった)のだろう。

やまおじさん
2023/09/08 10:17

この本の執筆者(インタビュー相手)山田康弘氏(専門は先史学)の『縄文時代の歴史』(講談社現代新書/2019年)というしっかりした本を知りました。読んでみます。

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2023年9月にナイスが最も多かったつぶやき

やまおじさん

2023年8月の読書メーター 読んだ本の数:6冊 読んだページ数:1825ページ ナイス数:106ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/466409/summary/monthly/2023/8

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2023年9月の感想・レビュー一覧
6

やまおじさん
これも、小松由佳さんの本の再読。『人間の土地へ』に先立つこと4年、2016年3月の出版。2008年、はじめてシリアの地に立ち、沙漠(小松さんは砂漠ではなく、この漢字を使う)の暮らしを追う。やがて、2011年から始まったシリア内戦。内戦下のシリアの人々の災難、そして近隣国への逃亡。難民となった人々を追い、豊富な写真とともにレポートする。のちに結婚するラドワン氏との馴初めなどには触れず、ひたすらシリア難民を追って心を痛める。『人間の土地へ』を読まれた方へ、この本もお勧めしたいが、残念なことに新刊では入手困難。
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やまおじさん
2020年の発売直後に読んでから、これが再再読。著者の小松由佳さんとは、ご縁があって、近日(2023年10月)私が所属している団体(某市の図書館友の会)が主催する講演会の講師としてお呼びしている。それもあって、あらためて読んでみた。小松さんの講演会を何度も聴いているが、この方の語りは「そのまま本になる」(関野吉晴氏の評)ような、論理的でわかりやすいものだ。この本も、小松さんの語りを彷彿とさせる文章。かつ、こころの中の熱い想いを淡々と語っている。あらためて2020年までの小松さんの歩みを確認した。
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やまおじさん
少し前に読んだ『土偶を読むを読む』に対談者として登場していた「先史学者」の著書。新書ながら参考文献を明示しており、しっかりした内容。縄文時代の姿が、最新の科学的な分析技術の裏付けを示しながら論じられている。あとかぎにあるように「縄文人をサスティナブルでエコロジカルな考えを持ち、自然と共生した人々」と評価することの間違いを知った。現代人の幻想なのだろう。「ごく少ない人口下で、石器によって人力で自然を切り開いていたので、開発の度合いよりも自然の回復力の方が優っていただけ」という指摘は、目から鱗だった。
やまおじさん
2023/09/22 15:52

約1万3000年間も続いた縄文時代も、単一・単調の画一的な文化が長期にわたって存在したのではなく、地域差も大きく、著者が「画期」と呼ぶ大きく変化した時期もあり、後戻りもあった。歴史の進化という「唯物史観」的なこれまでの歴史観に異を唱えていて、これも納得。私たちが学校で教わってきた縄文時代~弥生時代~古墳時代の単純すぎる歴史観から、そろそろ自由にならなければ。

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やまおじさん
これも高野秀行本の落穂ひろい。タイトルが謎だなと思いながら、どんな内容かまったく知らないまま読み始めた。高野さんの少年時代の話(小説!)だった。椎名誠や沢野ひとしが書く少年時代の話を思い出させる。それにしても高野さんの人物描写は”キャラが立って”いる。文庫解説で北上次郎(目黒孝二、この人も椎名さんと親しい)が指摘しているように、高野さんが書いてきた「自伝的エッセイ」は、たちまち小説になる。それほど高野さんの筆力は秀でている。描かれている高野さんの少年時代、1970年代末の匂いが濃厚で、懐かしさを感じる。
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やまおじさん
高野秀行本の落穂ひろい。単行本は2011年に本の雑誌社から。本書に書かれているキーワード「間違う力」を書名にした『間違う力』の単行本が出たのが2010年。ほぼ同時期。書名になっている「世にも奇妙なマラソン大会」に、船戸与一さんの名前が『猛き箱舟』とともに出てきて、うれしくなった。ずいぶん昔に読んだ傑作小説(西サハラが舞台だったのだった。もうすっかり忘れているが)。高野さんのこの本に収録されているノンフィクション4作、どれも面白い。そのまま短編小説になりそうな。いつもながら文章のうまさに舌を巻く。おすすめ。
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やまおじさん
話題をさらった竹倉史人『土偶を読む』及び続編のこども向け図鑑『土偶を読む図鑑』(小学館)に対する考古学の視点からの正面切った批判。編著者・望月昭秀氏(考古学者ではない)によって逐一具体的に「ここがおかしいよ」と指摘される前半部分は、読むのがつらいほど。たしかに竹倉氏の論は杜撰で、直観(イコノロジー=見た目の類似)からの結論ありきで、裏付け――土偶に外観が似ている植物や貝類との同時代性(編年)の検証がない。「トンデモ論」と言われるとグウの音も出ない。竹倉氏の着眼点はよかったのだが、その断定口調も災いしたか。
やまおじさん
2023/09/01 18:15

この『土偶を読むを読む』のなかでは、望月昭秀氏(編著者)による先史学者・山田康弘氏へのインタビュー、それに、岩手県立博物館・金子昭彦氏の「土偶は変化する」が、わかりやすい内容で良いと思った。縄文時代や土偶は、一筋縄ではいかないが、謎が多くロマンを誘う世界。竹倉氏の本も軽い「読み物」として出版されて、なまじサントリー学芸賞など受賞しなければ、これほどの批判に晒されなかった(考古学者から黙殺されるだけだった)のだろう。

やまおじさん
2023/09/08 10:17

この本の執筆者(インタビュー相手)山田康弘氏(専門は先史学)の『縄文時代の歴史』(講談社現代新書/2019年)というしっかりした本を知りました。読んでみます。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/05/29(3862日経過)
記録初日
2009/03/26(5752日経過)
読んだ本
999冊(1日平均0.17冊)
読んだページ
288788ページ(1日平均50ページ)
感想・レビュー
667件(投稿率66.8%)
本棚
20棚
性別
現住所
東京都
URL/ブログ
https://www.facebook.com/iriyamah
自己紹介

雑多な読書をしています。年間100冊読破を目指すも、なかなか。とくに好きな作家と作品は、池澤夏樹(静かな大地)、船戸与一(蝦夷地別件)、宮部みゆき(時代小説群)、五木寛之(初期の小説群、エッセイ)など。民俗学、社会学の本もよく読みます。南方熊楠、塩見鮮一郎、赤坂憲雄、内田樹など。エンタメノンフと呼ばれるジャンルも好き。なかでも高野秀行、角幡唯介。関野吉晴、長倉洋海なども好きな書き手です。最近は桐野夏生の小説に嵌っています。

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