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2025年11月の読書メーターまとめ

syota
読んだ本
6
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1851ページ
感想・レビュー
6
ナイス
348ナイス
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2025年11月に読んだ本
6

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

syota
伊与原さん3作目。これまで読んだ作品は自然科学が前面に出ていて、それが他に類のない独自の魅力となっていたが、今回は科学を巧みに織り込みつつも文学としての比重が高まったように思う。原爆投下直後の長崎で被爆状況を物語る建材や岩石を必死に収集した「祈りの破片」、生物学や地磁気学の知見を織り交ぜながらウミガメの産卵と保護を描いた表題作などは、特に印象深い。その他の3編も日本各地の風土を生かした佳編ぞろいで、直木賞受賞も納得の一冊。
が「ナイス!」と言っています。

2025年11月の感想・レビュー一覧
6

syota
読み友の方の推薦本。宇宙の誕生から始まり、太陽系と地球、月の関係、生命の誕生、度重なる大量絶滅と復活、そして人類の発展と、どうみてもありえない程の偶然と奇蹟の積み重ねで、今の我々が存在していることを科学的に説明してくれる。例えば、ビッグバン1秒後の宇宙の膨張速度が実際の速度より数兆分の1大きくても小さくても、今の宇宙は存在していなかったなど。膨大な内容を200ページでコンパクトに説明しているため、駆け足になったり図表やイラストが欲しいと思う箇所もあるが、分かりやすくてなおかつ驚きがつまった良書。
が「ナイス!」と言っています。
syota
[G1000]現代の『リア王』と評され、1992年のピュリッツァー賞を受賞した作品。アイオワ州の大農場を支配する父と三人娘、周りを取り巻く人々はそれぞれ『リア王』の登場人物に対応する。相続から三女を外す場面、嵐の荒野をさすらう場面、グロスター伯の目が潰される場面、長女、次女とエドマンドとの関係なども再現され、英仏両軍の戦いは法廷闘争に姿を変えている。しかし動機や背景は現代に置き換えられ、『リア王』とは違って善人、悪人という区別は意味をなさない。→
syota
2025/11/23 16:34

→表面的には『リア王』をなぞっていても、内面をみると元ネタとは全く別物。家庭内における虐待や痴呆老人の問題、当事者の苦悩と事情を知らない第三者の批判など現代的なテーマが盛り込まれ、衝撃的な家族ドラマになっている。また『リア王』を念頭に置いて読むと、あちこちに「あっ、そうきたか!」と思わせる工夫があり、一段と興味が増す。【第126回ガーディアン必読小説1000冊チャレンジ】参加。

が「ナイス!」と言っています。
syota
今、”20世紀に蘇ったリア王”と評された『大農場』を読んでいるが、肝心の本家『リア王』の内容を予想以上に忘れていることに気づいて、急遽再読。内容確認のため斜め読みするつもりが、あっという間に引き込まれ、読み耽る羽目になってしまった。やはり大傑作は違う。登場人物がどれも魅力的で、波乱万丈のプロットとも相まって本を置くことができない。王や三姉妹だけでなく、ケント伯、エドガー、エドマンドなど脇役陣も実にいい味を出している。こういう引き締まった作品を読むと、やたらに長い現代小説が色褪せて見えてしまう。
田中
2025/11/24 09:20

syotaさんの「リヤ王」評を拝見して僕も読んでみたくなりました。ずいぶん昔に読みましたが、内容はほとんど覚えていません(^^)実は、シェィクスピアの作品は未読が多いので、いつかしっかり読みたいなぁと前々から考えていました。syotaさんのレビューをきっかけにして「リヤ王」の再読からシェイクスピアを読み始めようかと思っています(^^)

syota
2025/11/24 10:59

田中さん、コメントありがとうございます。だいぶ以前にシェイクスピアを集中的に読んだとき、最も印象に残ったのがリア王、次いでマクベスでした。第3位以下は混戦、というより大半はもう忘却の彼方(笑)ですが、いい経験だったと思っています。田中さんの感想を楽しみにしています。

が「ナイス!」と言っています。
syota
伊与原さん3作目。これまで読んだ作品は自然科学が前面に出ていて、それが他に類のない独自の魅力となっていたが、今回は科学を巧みに織り込みつつも文学としての比重が高まったように思う。原爆投下直後の長崎で被爆状況を物語る建材や岩石を必死に収集した「祈りの破片」、生物学や地磁気学の知見を織り交ぜながらウミガメの産卵と保護を描いた表題作などは、特に印象深い。その他の3編も日本各地の風土を生かした佳編ぞろいで、直木賞受賞も納得の一冊。
が「ナイス!」と言っています。
syota
『スピノザの診察室』が良かったので、同じ作者のデビュー作であるこちらも読んだ。『スピノザ…』は青春の残り香が漂う社会派(医療)小説だったのに対し、こちらは病院を舞台にした青春小説。地方都市松本の破綻寸前といっていい切迫した医療事情は確かに伝わってくるが、それよりも御嶽荘の住人とのまるで学生どうしのようなピュアな交流、医師と看護師のロマンス、結婚1周年の健気で可愛い妻など、青春の爽やかさと軽やかさが前面に出ている。深みでは『スピノザ…』、爽やかさでは『神様…』。それぞれに持ち味があり、どちらも捨てがたい。
が「ナイス!」と言っています。
syota
作者が『ビブリア古書堂』シリーズの三上延さんなので、あのノリかと思ったらかなり違った(笑。百鬼園という題名のとおり、内田百閒を主役に据えたサスペンス。昭和初期のレトロ感満載なのが嬉しいし、三上さんの百閒愛が溢れている。第1話に出てくる漱石形見の背広は、旧千円札の夏目漱石が着ているアレだし(実際に百閒が形見分けでもらった)、ドッペルゲンガーにしても百閒作品でおなじみ。山場である第3話『竹杖』の結び部分など、百閒の『山高帽子』と完全に二重写しになる。三上ファンはもとより百閒好きの方にもお勧めの一冊。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/06/07(4201日経過)
記録初日
2013/01/02(4722日経過)
読んだ本
1118冊(1日平均0.24冊)
読んだページ
364489ページ(1日平均77ページ)
感想・レビュー
1081件(投稿率96.7%)
本棚
33棚
性別
血液型
A型
自己紹介

典型的なA型人間です^^;

長年気分転換に軽い本を読む程度でしたが、
あるとき図書館に「軽い本」を借りに行き、
ついでに何気なくほかの棚も眺めていると、
イプセンやストリンドベリといった
名のみ知っている作家の本が目に入りました。

その瞬間
「人生は短い、
この本を読めばあの本は読めないのだ」
という以前目にした言葉が脳裏に浮かび、

「自分は何をしているのだろう、
読むべき本はほかにあるのではないか」
という思いにとらわれ、考え込んでしまいました。

それ以後は、極力
読み応えのある作品を選ぶよう心がけています。

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