フクさん、コメントありがとうございます。確かにこのあたりから登場人物の陰影がぐっと深まり、物語の駒ではなく内面の悩みを抱えた生身の人間として迫ってきますよね。私も、若菜あたりからが『源氏』の真骨頂ではないかと感じています。
フクさん、コメントありがとうございます。確かにこのあたりから登場人物の陰影がぐっと深まり、物語の駒ではなく内面の悩みを抱えた生身の人間として迫ってきますよね。私も、若菜あたりからが『源氏』の真骨頂ではないかと感じています。
私が読んだあすなろ書房版に収録されているアンジェラ・バレットの挿絵がまた、作品の魅力を倍加させている。冒頭の湿地の描画から引き込まれるが、ことに少女の挿絵は秀逸だ。日本人が白人の少女を描くと、人形のように可愛らしく描きがちだが、そこはさすが英国人。「生粋のサクソン人」という本文の記述どおり、頬骨が高く無骨な、いかにも土着のサクソン系といった容姿に描いている。そして成長した彼女の姿がまた良い。子供の頃の面影をそのまま残しながら、要所ではハッとする美しさを見せてくれる。文章も挿絵も味わい深い一冊だった。
今回、橋本源氏ならではと感心したのは、内大臣家の二人の姫君の描き方だ。雲居の雁のおおらかな天然っぷりも良かったが、もっとも印象に残ったのは近江の君の描写。登場人物中ほぼ唯一の下層階級育ち、下品で無教養、厚顔でお調子者という設定の彼女を、橋本さんは温かい目で擁護している。原作を省略したり改変したりせず、訳文の工夫と若干の追加で、庶民的でバイタリティ溢れる気の良い娘に変貌させてしまった。きっと橋本さんは、庶民をバカにして笑いものにすることに納得できなかったのだろう。
典型的なA型人間です^^;
長年気分転換に軽い本を読む程度でしたが、
あるとき図書館に「軽い本」を借りに行き、
ついでに何気なくほかの棚も眺めていると、
イプセンやストリンドベリといった
名のみ知っている作家の本が目に入りました。
その瞬間
「人生は短い、
この本を読めばあの本は読めないのだ」
という以前目にした言葉が脳裏に浮かび、
「自分は何をしているのだろう、
読むべき本はほかにあるのではないか」
という思いにとらわれ、考え込んでしまいました。
それ以後は、極力
読み応えのある作品を選ぶよう心がけています。
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眩しい光の中にちらっと影が差しはじめる、このあたりからが本当の源氏物語なのかもしれませんね。