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歴史を感じさせる描写の数々が素晴らしく、この世界の後の世にいる我々読者が歴史書を紐解いているようにも思えて良かった。さりとて、重すぎて読みにくいというわけではなく、このバランスの良さに数多くの作品を世に出している著者の力量が色濃く発揮されているなと思う。その一助となっているのが主人公のキャラクタ性。この主人公がなかなかのクセモノで、度量が広いというか無頓着というか、少年少女たちのなかにむくつけきオッサンが混じるという明らかに異常な状態であっても、その場に順応してみせて、万事、何事もなく過ごすのだから
読んでいて全く飽きが来なかった。次巻にも期待している。ところで、私は未読だが、著者の別作品である紅蓮戦記の二十年前ほど前の時代の話らしい。永らく積んでしまっているのでこれを機に読んでみようと思う。
平時に交流していた兵士が命を散らす様はやっぱりキッツいし、やるせない。でも先に逝った彼らの思いが、残された兵たちに受け継がれていることがわかるのが良いんだよなあと。終盤では、知性あるものに尊厳なき死をばら撒く兵器を止めるために、立場の異なる二人が共闘するのが熱い。あくまで本を愛する司書として、その矜持を振りかざして戦う姿に感動しないわけがない。ああ読めて良かった。3巻の構想もあるそうなので続きも出してくれると私が嬉しい。
著者が特典SSでやるようなメタ的な語りが見事なまでに融合して、大きなイベントなんて何も起こっていないのにここまで面白くさせれるのは凄いとしか言えないのよ。WEB掲載時は1章のみだった物語も、文庫化にあたり大量に章が追加されていて、小鳥ちゃんとはまた違った偏見にまみれたキャラが登場していたのも良かった。それでもやっぱり小鳥ちゃんが可愛い。イラストついたことで余計にそう思うが可愛い。ラストでは、打ち切り漫画に言及し続けたこの作品らしい展開もあって、大満足。
タイトルからはもっと淫靡で背徳的な話なのかなと思ったのだが、その予想をいい意味で裏切ってくれてよかった。流石、アニメ化も経験している作家先生…底知れない狂気を感じるぜ…私が特に推したいポイントは外連味たっぷりのキャラたち。戦闘中にストゼロをキメるヤツや、見られることに興奮するヤツといった到底味方に思えない魔女から、薬浸け勇者に蝿を使役する聖騎士といった、君たち本当に体制派なんだよね?と思えるような輩までバラエティに富んだ変態がラインナップされていて実に飽きさせない。
だったことが明かされてから急に雲行きが怪しくなっていって、人としての理性と動物としての本能が入り混じるゾクゾクするほど素敵な作品へと仕上がっていて良かった。形だけ整えてしまったら、そりゃあ遅かれ早かれ中身が満ちていくよね、と。主人公は傍から見ると情けなくも見えるのだが、なりふり構わないところに彼の本気度が見えるので、実に人間臭くて私は好き。彼を振り回す二人のヒロインも、自分の恋心を全く制御できていない感じがとてもよく描かれていたと思う。次巻はヒロイン深紅視点でも物語が描かれるそうなので、より楽しみだ。
していて、ストレスなく読めたのは良かった。特に、その分野では国で一番の研究者たちが彼女の才によって研究が進むことに喜び、一も二もなく受け入れていたのが印象的。また、貴族至上主義を掲げていた同期が、彼女と共に危機の最前線へ赴いたことで彼女を認め、ただのツンデレに堕ちたのも良かった。今回は、女性向け異世界転生モノの序盤で描かれる聖女の召喚、それを成立させるために異世界側の人間たちがどう頑張ったのかが描かれており、ようやくスタートラインに立ったところだと思うので続きも楽しみにしたい。
だが、そんなタフで行動力もある主人公を、最後まで愛玩動物か何かとしてしか扱おうとしないヒーローを始めとした騎士たちの態度が気にくわない。その態度がナチュラルに彼女を下に見るような行動に繋がっていて、なんだかなあと。彼女が巻き込まれる事件にしても、彼女自身が解決するのではなく、結局、ヒーローが強権を発動して強制的に解決してしまったこともモヤモヤする。好きな題材だっただけに実に惜しいなと。
そんな周囲の人たちを、バフ効果付きの美味しい料理で幸せにしていくのがまた良かった。特に、永続バフ持ちのプロテイン入り料理がやばい。やはり力こそパワー、筋肉は全てを解決する……また、包丁に宿った食いしん坊の女神リディルがいいキャラしていて良かった。次巻がでるなら読みたいなあ。
そんな周囲の人たちを、バフ効果付きの美味しい料理で幸せにしていくのがまた良かった。特に、永続バフ持ちのプロテイン入り料理がやばい。やはり力こそパワー、筋肉は全てを解決する……また、包丁に宿った食いしん坊の女神リディルがいいキャラしていて良かった。次巻がでるなら読みたいなあ。
1巻だけで言うとラブ要素は少なめで、その分、主人公と彼女のお付きとしてきてくれた魔術師ララとの関係にフォーカスしていたところも良かった。また、寄るべき文化の違いを潜在的に抱えている者同士の異種婚姻譚的な要素もあり、その違いが明確に描かれている点も非常に良かった。これが描かれているからこそ、次巻以降でその違いすらも超越した「愛」として描かれるものだと、期待している。
趣味を持つことすら出来なかった彼女を幸せにするために奔走するのだが、互いが互いをヤベーヤツだと認識しているせいで全く甘い雰囲気にならないのには笑ってしまった。事実だけ並べるならば、相手のことしか考えていないはずだし、ヒーローは溺愛ともとれる行動をとり続けているのに、どうして……いや、これも作品の個性なので大いに結構だが。これからもハチャメチャで楽しい、「一度きり」の人生を謳歌していきそうでとても良かった。
自分の一番大切なものを過たず、逃げる選択肢を取れる子が果たしてどれだけいるだろうか。その点でも主人公に対する好感度高い。また、逃げてきた外国の地でワケアリそうな人物との恋の波動を感じてニッコリ。どうせこの先、最初の「夫のDVから逃れるために母子二人で外国へ逃げてきた」って設定がヒーローとの仲への障害となってくるんでしょう?それ好きなヤツなんですわ。そして忘れちゃいけないのが、見た目は綿菓子みたいな蜘蛛妖精のガッちゃん。マスコットキャラとして大活躍していて、著者の作品らしいなと。
彼らの背景に対する情報が少なく、読者を放っておいて彼らだけで盛り上がっている感が否めない。よほど、カトリーヌの方が詳しく描かれているので、メイン二人に対しても深掘りが欲しかったかなと。
何故か、ヒーローのことを主人公と第二王子が取り合う三角関係に発展するのも面白かった。ただ、悪意が強火すぎてキツい。王族に絶縁されたことで学生のほぼ全てと潜在的に敵対しているという針のむしろ状態から始まり、当たり屋の如く言いがかりをつけてくる第一王子もいちいち癇に障る。かといって、彼らが正当に処罰されても後味の悪さは残ってしまっていて、なんだかなあと。まあ、主人公たちが平穏を手に入れて静かに暮らせそうなラストだったし、終わり良ければ、かな。
めくるちゃんの心の叫びが聞こえてくるような、(彼女にとっては)夢のようなシチュエーションに悶え苦しむ姿が丁寧に描かれていて素晴らしい。そりゃあ我慢の限界を迎えて、ただの限界オタク藤井杏奈ちゃんが出てきちゃっても仕方のないこと。お泊り会を聖地巡礼と称したり、本編に引き続いてのバカの考えたサンドイッチなど、彼女らしい悲鳴の数々がとても良かった。今後もこのような短編集を出してほしいな。
だが、やっぱり今回もめくるちゃんの大活躍について語らなければならない。唐突にブッ込まれた推し声優からのプールのお誘い。右を向いても左を向いても露出多めな推しがいるというこの世の楽園を前に、ワァ…めくるちゃん泣いちゃった……という彼女らしいリアクションが見れて満足満足。欲を言えば、彼女視点でプール回を描いた短編が欲しいところだが、話が盛大に脱線してしまうので、是非、DJCD2として収録してほしいなと。需要はあると思うんですよね。
やっていることは知識チートに近いが主体はあくまで主人公にあるためか、彼女が頑張って幸せを掴み取ろうとする前向きなエネルギーに溢れた作品だったなと。読者である自分も、コメ欄のように自然と彼女を応援したくなる気持ちにさせてくれたのも良かった。中盤からはゲームのヒロインポジだった聖女ちゃんが登場。彼女の言動から転生者ではないかということは早々に察せられるのだが、彼女のリアル前世周りが結構しんどくて驚かされた。本編では多くは語られていなかったので油断していたら、巻末に彼女視点の短編が収録されていてもうダメだった。
というか、その前の本編ラストも涙無しには読めなくて、そのあたりからずっと泣いていたように思う。一応、物語に一区切りはついていたが、まだまだ続けることができると思うので、続刊に期待している。
全くフォローがされていないことの方がよほど気になる。この1冊のなかでなんらかの描写は欲しかった。また、黒幕の動機が陳腐だよなと。こんなすぐばれるようなテロリズムに走るよりも、自分を慕う少女に取り入って当主の夫となれば、利益が高いと思うんだけど…なんだかなあ。
ライトノベルが好きです。最近はライトノベルばかり読んでいます。読メ登録は2014年6月からです。
常に面白いラノベに飢えており、積ん読が沢山あるのに新作に手を出したりしています。気軽にお気に入りしていただけると嬉しいです。
ちょこちょこと感想をあげていきますが、基本的に採点は甘めです。自分が後で見やすいためだけに、星5段階で評価しています。
好きなシリーズ
キノの旅
その他時雨沢作品全て
俺ガイル
SAO
AW
HO
禁書
ロウきゅーぶ
天使の3P
青春ブタ野郎
ウチの娘~
エロマンガ先生
等
好きなシリーズは多いので隙を見て更新していきます。
(2017年1月更新)
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だったことが明かされてから急に雲行きが怪しくなっていって、人としての理性と動物としての本能が入り混じるゾクゾクするほど素敵な作品へと仕上がっていて良かった。形だけ整えてしまったら、そりゃあ遅かれ早かれ中身が満ちていくよね、と。主人公は傍から見ると情けなくも見えるのだが、なりふり構わないところに彼の本気度が見えるので、実に人間臭くて私は好き。彼を振り回す二人のヒロインも、自分の恋心を全く制御できていない感じがとてもよく描かれていたと思う。次巻はヒロイン深紅視点でも物語が描かれるそうなので、より楽しみだ。