”「誰が報いなかった、とおっしゃっているんです?」「さあ。国家指導部なのか、役人たちか、資本家たちでしょうか」「だから陸軍は、戦争を望んだのだと?」「ちがいます。腹いっぱい飯が食える社会をです。小作人の家の娘が、身売りをしなくてもすむ世の中をです」"
“ミステリーじゃありません」ポールがいった。「まったく別の面白い形式の小説ですよ。たぶん、サイエンス・フィクションの分野に入るのかな」「あら、そうじゃないわ」ベティが異をとなえた。「だって、科学がありませんもの。 それに舞台も未来じゃないし。サイエンス・フィクションは未来を扱うものでしょう?とくに、いまよりも科学の進歩した未来を。この本はどっちの条件にも該当しないわ”
"一人の人間が、その瞬間にしか想像しえない物語を、その瞬間を逃せば二度と語られることがないであろう物語を、全身全霊を尽くして書き残すこと。世界のどこかに現れた一瞬の光を紙に焼きつけて、永遠に保存する”
初読時には近未来だった後編が、いまではもう過去になってしまっている。そして、この世界線では、かつてクメール・ルージュだった男の息子が世襲によって権力を受けついでいる。「二度と語られることがない」物語であっても、その輝きを受け止める読者がひとりでも残っている限り、失われることはない。密林の中の、アンコール遺跡のように。
アンコール遺跡群は数日かかります。したがって、連日トゥクトゥクをチャーターして通うことになります。安いです。運転手の人は見学している間、何時間でものんびり待っていてくれます。シェムリアップの町は観光に特化しているとはいえ、物価も安く安心です。市場はローカルなものがいっぱいあって楽しめます。
えすえふ、歴史もの、科学もの
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