ネタバレこれは「奇書」だわ……私はこの文体、好きですね。同じことを何回も…って感想を見たけど、同じことを何通りにも詩的に言い換えられる語彙力がすごくないですか。終わり方もめっちゃ良い。自身が「災厄の書」となって破滅へ導こうと刃を向ける、そのシーンを前に、次なる語り手がまた「災厄の書」その中身を語り始める、っていう、これ以上ない完璧なラストでは……？良かった、いやあ、良かったな……すごいものを読んだ。

ネタバレかなり好き！前半の群像劇部分を「退屈」とリタイアしてしまう人がいるらしい。私はこの形式が大好き♡なのでワクワクで読み進めました。最初は無関係に見えるそれぞれの人生の断片が、徐々に物語のひとつの輪郭となって見えてくるの、最高やんけ。もっとSFに寄せることもできそうだけど、（それも読みたい気もするけど）、そうせずに、丁寧に人間を描いている点に好感が持てる。面白かったです。