幸せについての短い文章がたくさん綴られている。 詩のようなものも箴言のようなものも、物語のようなもの、吹き出してしまうようなもの、思い当たることがあり少し悲しくなるものなど、1ページごとに言葉たちと幸せについて考えることができる。 著者の書いた文字の形が表紙にも本文にも顔を出し、活字のどちらかというと他人行事な雰囲気とは真逆の親密さが面白い。 死ぬ時に自分の生涯を振り返って「幸せだった」と思えることがきっと幸せなんだろうけど、多分最後まで欲深くじたばたしそうだな。

非常に分析的にゲームや映画を語り、その根底には正しくオタクな、何よりも自分の好みを優先するという強い宣言があって、だから強く心に残る。病状の悪化、入院、退院、というのが繰り返し記述され、それでも最後まで「何とか病を治して、社会復帰できればいいなあ」と無邪気に書いてみせる心持ち、想像も難しい。

何だかふらふらふらふらしてる感じのお話。 ただし、まだ下巻を読んでないのでここに書くのは見当違いになるかもしれない。 小説を読む時に語り手を考えて、その意識、作為のようなものの存在を前提とするクセがあるのだけど、そこは例えばテクニックな問題で、うまく決まれば高評価、ヘタをすると逆効果な感じのものがある。で、今んとこ少なくとも僕の好みから言うと逆効果、しっくり来ない。 ただ、この読み手の気持ちを利用して落とすというテクニックもあるはずなので下巻を読んで考える。 今んとこ全然海洋小説っぽくはない。

幸せについての短い文章がたくさん綴られている。 詩のようなものも箴言のようなものも、物語のようなもの、吹き出してしまうようなもの、思い当たることがあり少し悲しくなるものなど、1ページごとに言葉たちと幸せについて考えることができる。 著者の書いた文字の形が表紙にも本文にも顔を出し、活字のどちらかというと他人行事な雰囲気とは真逆の親密さが面白い。 死ぬ時に自分の生涯を振り返って「幸せだった」と思えることがきっと幸せなんだろうけど、多分最後まで欲深くじたばたしそうだな。

伊藤計劃の本を読んでて名前が出てきてたので読んでみた。 書かれている内容はそんなに突拍子もないことでもなく、ああ、僕も僕なりにオヤジなのだなと喜ぶべきかどうかと考える。オヤジは本音と建前と使い分けられるともあったことだし、本書の全てを信じることもないだろうな。 凡人として生きたくは、ない！

著者についてはそんなに知識もなく、早くに亡くなられたということをぼんやりと覚えていた。だから本書で自嘲気味に出てくる病気の話、死についての素直な意見など、ギョッとするほどに痛々しく感じた。 映画やゲームに対するエッセイ的な内容、豊富な知識と愛情、正しくオタクな感じのする語り口、親近感しかない。