柳田国男、クライスト、イボ・アンドリッチのほかバラードやアイヒェンドルフ、川上未映子や小砂川チトなども楽しかったです。しかし今年も暑くてぐったりしてます。これが9月ごろまで続くのか……。皆様も体調には気を付けてお過ごしください。今月もよろしくお願いします。7月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2534ページ ナイス数:1387ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/596110/summary/monthly/2024/7
「わたしがカールの足を押し上げ、カールがわたしの足を押し下げる。この遊びが人間なら、もうそろそろ小学校二年に上がるころだ。でもこれは子供じゃない、ただの動作だ。それでもこれをやっていると、他のどんなときよりも彼を近しく感じられる。二人の足は完璧に愛し合って素直でいられるのに、足首から上の部分がはぐれてしまったようだった。わたしはもう一度押し上げる、でも彼は押し返してこない。眠ってしまっている。」(『モン・プレジール』)
『水泳コーチ』『マジェスティ』『2003年のメイク・ラブ』『十の本当のこと』『動き』あたりが好き。『妹』は、主人公にとって良かったのか悪かったのか分かりませんが、とりあえず「新しい世界」が始まってよかったなと思いました。
「結局のところ何百年にもわたって論じられてきたわけで、読みが多岐にわたるということは、その著作の弱点ではない。むしろ逆に、この驚くべき古代文書がいかに生命力にあふれた雄弁なものであるのかを示す証拠なのだ。わたしたちは、2000年近く前にインドの仏教学派の祖師が考えていたこと自体に関心があるわけではない。それはいわば彼の問題であって、わたしたちの関心はむしろ、彼が記したことあの行間から放たれている思考の強靭さにある。」
「さらに、その文書の一行一行がわたしたちの文明や知識とどのように作用し合うのか、新たな考えが占めるべき空間を開け得るのかが知りたい。なぜなら文化とは、そういうものだから。文化とは絶えざる対話であり、経験や知識や、何より交流を通して、絶えずわたしたちを豊かにしてくれるものなのだ。」/どうでもいいのですが、たまに行くイタリアの輸入食材店のショッパーの底に昔レオパルディの詩が入っていたのですが、本書でも結構レオパルディからの引用や詩人ついて語ったコラムもあり、イタリア人はレオパルディ好きなんだなと思いました。
「今日我々に良いうながしを与えてくれるのは、我々と同じくなにかになろうとしており、我々と同じく闘い、どもりかつ交替している、生きたものだけである。」(ホーフマンスタール「ザルツブルクのモーツァルト百年祭」)/どうでもいいのですが、ラルケンスがノルテンとコンスタンツェについて「コンスタンツェ自身、ぼくの観察するところでは、毛頭そんなことは考えていない」と言っていたのに、後で「コンスタンツェがテオバルトに、ひそやかな、そして制えがたい愛着をもちつづけているにきまっているというのは、→
→およそ彼(※ラルケンス)の最初からの仮定であったのだ」とか言い始めて、結局どっちよ、と思いました。あと、ノルテン君が自分のことを棚に上げて「このうえない心の純真さ、子供らしい控え目なつつましやかさ、無限の信頼と献身、これらはずっと前からぼくの目には、およそ、ぼくが生涯を通じて変わらず愛しうる女性に求めるべき徳の総量として映っていたのだ」とか言い始めたときに、”この男、一生結婚できなければいいのに”と思ったのですが、本当にできませんでした……。ごめんなさい……。
「私なんか、この世にいてもたいしたスペースはとっていない、そういうふうにいつでも思っていた。人間はいつ消えても、みんなやがてそれに慣れていく。それは本当だ。でも、私のいなくなった光景を、その中で暮らして行く愛する人々を想像すると、どうしても涙が出た。私の形をくりぬいただけの世の中なのに、どうしてだかうんと淋しく見える、たとえ短い間でも、やがて登場人物はいずれにしても時の彼方へみんな消えさってしまうとしても、そのスペースがとても、大事なものみたいに輝いて見える。」
「「……あんな身内、いたらいたで、煩わしいこともあるよー。あの人たち、さっさと結婚して、家出て、仕事だなんだって理由つけて、お母さんの介護だって、最後まで、ぜーんぶ、あたし一人に押しつけてさぁ」まったくみんな調子いいんだから、と笑いながら、克子おばさんはブランデーの小瓶に口をつけ、くいっと一口飲んだ。」「ふと、克子おばさんは、さっきの私のように、母や牧子おばさんや、私の知らない誰かを思い浮かべながら、一人で薪を割りつづけているのかもしれないと思った。」
お借りした本、ありがとうございます。どうでもいいのですが、主人公は前の恋人に対しても、今の恋人に対しても「結婚しているわけではないのだから、食事を作ることや、洗濯をすることや、掃除をすることは、私一人が負担しなくてもいいはずなのに」とか「結婚しているわけじゃないから、自分の洗濯物は自分で洗おうよ」と思ってみたりしていて、結婚したら家事する気満々だなと思いました。
しかし、いろいろな例を読んでいると、一人で生活保護を申請できる気がしません。その日の食べ物にも事欠く無力感いっぱいの状態の時に「家族が面倒を見て来たのだから数カ月申請できない」とか「もっとひどい状況の人はいるんだから、自分で何とかしてください」とか言われたら、そのまましおしお帰ってくる自信しかない……。
「本来、福祉事務所の窓口では、生活保護を希望する人からの申請を断ることはできません。そもそも申請を受理する・しないを選択する権限を窓口対応する職員は持っていないのです。」「生活保護申請に対してはそのすべてをいったん受理し、その後決められた期間内に調査を進めていかなければならないというのが大原則」というのは何かの時のために覚えておきたい。そのほか、外国籍の方の生活保護受給についてが興味深かったです。
「人の、意図しない優しさは、さりげない言葉の数々は、羽衣なのだと私は思った。いつのまにかふわっと包まれ、今まで自分を縛っていた重く苦しい重力からふいに解き放たれ、魂が宙に気持ちよく浮いている。」「「いらない、もう必要なくなった」そういうはっきりした言葉を云われないまま、愛する人に、東京でたったひとつのつながりだったものすべてに、ぽいと放り出されたみなしごだった私の心を、そういった言葉たちはここに来てからいつでも、ほっこりと、ふわりと包み続けた。」
syaoriさん、こんばんは。最近「空から監獄の格子が~」といった感じの新曲を披露したダンス&ヴォーカルグループがいたと思うんですけど、初読のときはまさにそんなイメージにとり憑かれ、息苦しさをおぼえました。確かに読み物としてとてもスリリングですよね。まあ途中で挫折しているのですが苦笑
ノブヲさん、こんにちは。途中まで読んでいるのなら、ぜひ何かの機会にまた手にとってみてください。しかし、この本、私の情報処理能力と知識不足のせいもあるんですが、情報量多すぎるよ……という息の続かなさはありますよね。私は結構ぜーぜー言ってました(笑)。フーコー先生はとても親切に書いてくれていたと思うのですが。
読む本を選ぶときに、こちらの感想を参考にすることが多かったので、私の感想もだれかの本選びの一助になればと登録しました。多分外国文学が多いです。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます
読んでみたくなりました。ありがとうございます。
ワオンさん、ぜひ!