読書メーター KADOKAWA Group

2025年10月の読書メーターまとめ

syaori
読んだ本
6
読んだページ
2021ページ
感想・レビュー
6
ナイス
1087ナイス
  • Xでシェア
  • facebookでシェア

2025年10月に読んだ本
6

2025年10月のお気に入り登録
3

  • ベイマックス
  • 読書メーター
  • コニコ@共楽

2025年10月のお気に入られ登録
3

  • ベイマックス
  • 読書メーター
  • コニコ@共楽

2025年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

syaori
人類がソフトウェアとして生きる30世紀。少数残っていた「肉体人」を滅亡させた中性子星暴走の謎を追って時間と空間を超えた旅が語られます。それは、ヤチマがイノシロウと「見知らぬ他人」にならないために地上に行きそれが壮大な旅に繋がるように、オーランドの心に生きていたリアナが彼を前に進む決意を固めさせるように、他者と交わり「架橋」しながら前に進むの人々の、また全てを理解するのは不可能な広大で深遠な宇宙の中で「見つけようとしていたもの」を見つけるまで探求する人間や知性体の物語で、その姿勢に勇気づけられるようでした。
syaori
2025/10/15 17:24

「それは脚が四本、腕が四本の生物で、腕の一本を頭上高くにのばしている。指はない。(略)足の一本の先は、六番目のマクロ球にはいりこんでいた。うえにのばされたトランスミューターの腕のいちばん高いところは、いまヤチマたちがいるレベルのすぐ下にあって、さらに上にむかってのばされていた。無限上の数のレベルにむかって。その生物が決して見ることも、決して触れることも、 決して理解することもないだろう、すべての世界にむかって」/読んでいて無駄に感動したトランスミューター様のお姿を。

syaori
2025/10/15 17:25

あと感想に入れられなかったのですが、ソフトウェア化してコピーが何体も作れるなかで自分とは何かとか、ヤチマが「意識の不変量」を探求するようにやはりアイデンティティの問題が通奏低音のようにあって、その辺も気になりました。どうでもいいのですが、最後パオロがヤチマとの子作り(?)を拒否するところは、その辺ドライそうだったので意外でした。恋人とかの概念はあるけどそれとこれとは別なのかと思ってた。イノシロウとブランカの家族の話を考えるとこの世界、親が二人とは限らなそうですが。というかパオロはオーランドと誰の子なの?

が「ナイス!」と言っています。

2025年10月にナイスが最も多かったつぶやき

syaori

『神の亡霊』と中島義道のカントの本、久しぶりの古井由吉が面白かったです。遅くなりましたが今月もよろしくお願いします。2025年9月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:2014ページ ナイス数:1149ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/596110/summary/monthly/2025/9

『神の亡霊』と中島義道のカントの本、久しぶりの古井由吉が面白かったです。遅くなりましたが今月もよろしくお願いします。2025年9月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:2014ページ ナイス数:1149ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/596110/summary/monthly/2025/9
Major
2025/10/07 21:33

syaori さんなら大丈夫ですよ😊 あっ、ケイさんの『黒人理性批判』のレビューに対する僕のコメントもお読み頂きありがとうございました。あの著作もカントの純理に引っ掛けてなかなか内容が深かったです。syaoriさんにもお薦めです😊

syaori
2025/10/08 17:59

Majorさん、ありがとうございます。『黒人理性批判』は噛み応えしかなさそうな本なのに立ち読みであれだけ読めるんだなと思いながら拝見してました。今、カントへ向かうテンションを上げるために中島先生の『カントの時間論』に手を付け始めたので、それが終わったら探してみます。

が「ナイス!」と言っています。

2025年10月の感想・レビュー一覧
6

syaori
作者は、カントは『純理』2版で外的現象と内的現象の二元論を前者の強調により擁護していると指摘します。それは時間構成も自己認識も具体的な外的世界の認識を通じてはじめて可能だということで、本書はそうした『純理』の時間論を追っていきます。明らかになるのは過去の先後関係から形成される「客観的時間」は過去~現在を秩序づけるもので、未来はこの秩序に従った「予測」だということ。そこから現在の私の行為の目的が未来の原因となる、「自由な人間の行為に基づ」く時間こそが実在的だとしたカントの信念が垣間見えて胸が熱くなりました。
Major
2025/11/09 07:54

syaoriさん、おはようございます😊 「理性の役割が分かるような分からないようなふんわりした感」→この感性は大事だと思います。そもそも認識論は、感性と悟性(他の主にデカルトなどの大陸合理論の哲学者が理性と呼んだもの)の能力で十分にデカルト以来の認識論、身心二元論を止揚するものであり、この二つの能力とその相互作用を論証するだけでも、認識論はとしてはまとまっているわけですから。このいわば新しい概念としての理性(の権益)を見出したことが、カントの超越論哲学の肝であり自由の哲学車と呼ばれる所以です。

Major
2025/11/09 07:56

syaoriさん、僕は最近、、、運慶め‼️なんですよー😄

が「ナイス!」と言っています。
syaori
東大で行われた集中講義を収録した本。様々な角度から洋服やファッションの歴史をたどる中に、服装が階級を示すものだった中世から男が外で働き女が家庭を守るという近代市民社会の成立で男女の服の性差が明確化され、この枠組みが現代でも維持され続けていること、資本主義社会の成立で衣服が大量生産されるようになりそれを支えるお針子や現代の低賃金労働者の存在といったファッション産業の構造的な問題など様々な問題点や視点が提示され、学生でなくても「ファッションを考える/ファッションで考える」手がかりを得られそうな一冊でした。
syaori
2025/10/22 17:18

「デジタルメディアにおける情報の即時性やコミュニケーションの双方向性は、ファッションを加速度的に変化させているように思えます。しかし、デジタルメディアを流れるイメージは、従来のファッション誌で再現されていた理想的な女性像や男性像を踏襲したものが多いということを見のがしてはなりません。」「ファッションを伝えるメディアは各時代の技術発展とともに進化してきましたが、ファッションがメディア上でのイメージ化をベースとして生成されるという構造自体には、いまだ本質的な変化は見られないのです」

syaori
2025/10/22 17:19

という指摘はそのとおりだなと思いました。ちなみに「ファッションを考える/ファッションで考える」はこの集中講義のタイトル。どうでもいいのですが、いろいろ言われますが一度コルセットは締めてみたい。バルザックの女性たちな気分を味わってみたいので。どうせ着るならバッスルスタイルが好きなのでそちらの方がいいですが。

が「ナイス!」と言っています。
syaori
グローバルノースで進む右傾化についての本。08年の世界金融危機で失業率が上昇する中、移民に仕事を奪われるという疑念や「白人種抹殺」等の極右の陰謀論が、生命の保護(中絶禁止)を目指す世間体の良い団体として装いを整え、分断を煽り富を拡大したい億万長者の資金を得て、男の失業の原因を女や移民に帰して権力を維持したい政治家と結び付き政策となってゆく構造が示されます。それは社会の最も脆弱な人々への攻撃で、「女性やマイノリティの権利は、支配層のために機能しなくなったとたん覆されやすくなる」という言葉に頷くばかりでした。
syaori
2025/10/20 16:15

Majorさん、こちらこそ忙しいなか読書会や展覧会も欠かさない姿勢とフットワークの軽さにいつも敬服しております。『侍女の物語』は読書メーターに登録する前から読もう読もうと思っている本なのですが、毎回、フェミニズム文学への苦手意識×500ページ超で「まあ、いいか」となりがちでした。しかしそろそろ本当に読み時なのかもしれません。この本を読んだのと「ディストピア小説の傑作」というMajorさんのお言葉とで頑張ってみたいと思います。

Major
2025/10/20 17:10

syaoriさんがお読みになればまた鋭い考察と豊かな想像力から素晴らしいレビューを読むことができそうに思います。読みやすいですよ。僕は読書会のお陰様で海外現代文学に親しむ機会を得て、この『侍女の物語』で文体や技法にようやく馴染んできたところです。しかし読書会がなかったら、おそらくジョイス•プルースト•ムージルあたりまでで打止めだったと思いますから、得難い読書体験をしています。レビューUPまでには長い熟成期間が必要になりそうですが😅

が「ナイス!」と言っています。
syaori
人類がソフトウェアとして生きる30世紀。少数残っていた「肉体人」を滅亡させた中性子星暴走の謎を追って時間と空間を超えた旅が語られます。それは、ヤチマがイノシロウと「見知らぬ他人」にならないために地上に行きそれが壮大な旅に繋がるように、オーランドの心に生きていたリアナが彼を前に進む決意を固めさせるように、他者と交わり「架橋」しながら前に進むの人々の、また全てを理解するのは不可能な広大で深遠な宇宙の中で「見つけようとしていたもの」を見つけるまで探求する人間や知性体の物語で、その姿勢に勇気づけられるようでした。
syaori
2025/10/15 17:24

「それは脚が四本、腕が四本の生物で、腕の一本を頭上高くにのばしている。指はない。(略)足の一本の先は、六番目のマクロ球にはいりこんでいた。うえにのばされたトランスミューターの腕のいちばん高いところは、いまヤチマたちがいるレベルのすぐ下にあって、さらに上にむかってのばされていた。無限上の数のレベルにむかって。その生物が決して見ることも、決して触れることも、 決して理解することもないだろう、すべての世界にむかって」/読んでいて無駄に感動したトランスミューター様のお姿を。

syaori
2025/10/15 17:25

あと感想に入れられなかったのですが、ソフトウェア化してコピーが何体も作れるなかで自分とは何かとか、ヤチマが「意識の不変量」を探求するようにやはりアイデンティティの問題が通奏低音のようにあって、その辺も気になりました。どうでもいいのですが、最後パオロがヤチマとの子作り(?)を拒否するところは、その辺ドライそうだったので意外でした。恋人とかの概念はあるけどそれとこれとは別なのかと思ってた。イノシロウとブランカの家族の話を考えるとこの世界、親が二人とは限らなそうですが。というかパオロはオーランドと誰の子なの?

が「ナイス!」と言っています。
syaori
数学を材料とした通俗的読物集。「零の発見」では位取り記数法について語られます。七千五百二十を「7520」と書く位取り記数法の核心は、この場合1の位の「空位」を表す記号「0」の発見。これは二つの数の大小が一目で分かり筆算にも適した、計算数字としても記録数字としても優れたもので、インドからアッバース朝へ、そしてイスラムのスペイン進出や十字軍を通して西洋に伝えられたそれが、ルネサンスや印刷術の発明と相まって自然科学や産業の発達に寄与したことが示されて、数学という学問の特徴や豊かさの一端に触れることができました。
syaori
2025/10/10 17:55

連続の問題の歴史を辿る「直線を切る」も収録。こちらも古代エジプトやギリシアなど各時代や地域の「数学的なるもの」に対する態度などが語られて面白かったのですが、デデキントが出てきたあたりから私の数学能力では証明にほぼついていけず、とりあえず証明の部分は鵜呑み状態で読みました。「数学を知らないまったくの素人だけを始終念頭において書いた」って言ってたのに……!

syaori
2025/10/10 17:56

初版が1939年らしいのですが、さすがにいろいろ古くて、表記も「オンマヤ朝」とか出てきて一瞬「何?」と思いました。すぐ後ろでアバス革命云々と言っていたのでウマイヤ朝のことだと分かったのですが。それから計算尺の使い方と結構親切に説明してくれていたのですが、使ったこともないしこれから使う予定もないなと思って読み飛ばした私のことを作者は許してほしい。これの基になっている対数を知らなかったためにコペルニクスとかティコ・ブラーエは「計算に非情な労苦をなめた」とか言われるとすごいなというのは伝わったので許して。

が「ナイス!」と言っています。
syaori
自身が「皮膚と記憶に焼き付け」たものと、227人からの資料による「鎮魂の碑」。本巻は逮捕から審理、結審まで。語られるのは、誰もが「出来の悪い芝居」だと承知している審理や裁判などについて。その中で、非人間的な審理を経て、監房で同じ境遇の人々との「心の間に通いあう何か生き生きと動くもの」を語る部分や、人間の深淵を覗くように権力に酔う秘密警察と自身との違いは「人生の成行きにすぎなかったのではないか」と洞察する部分は本巻の圧巻で、作者の描く不条理の中で生きる人の弱さと強さが織り成す悲喜劇を味わえました。次巻へ。
syaori
2025/10/07 17:25

「(※護送時に)私は言ってのけた。「私は将校だ。ドイツ人(※の捕虜)に持たせたらいいだろう」「ドイツ人は間もなく疲れた。(略)すると、彼の隣りにいた、ドイツの捕虜生活でどんな苦労をなめたかわからない捕虜が(略)誰からも強制されずに自分からトランクを持って歩いていった。その後はほかの捕虜たちもトランクを運んだ。やはり護送兵の命令なしで。それからまたドイツ人が運んだ。だが、私は運ばなかった。」「私は自分が逮捕されたのは、→

syaori
2025/10/07 17:25

→略奪や脱走や裏切りにもとづくのではなく、スターリンの邪悪な秘密を理性の力でつきとめたからだと誇らしげに思いながら笑っていた。」「だが、その間にも私のトランクは他の人びとによって運ばれていった……」「もし物事が次のように簡単だったら、どんなに楽なことか! どこかに悪党がいて、悪賢く悪事を働いており、この悪党どもをただ他の人びとから区別して、抹殺さえすればよいのだったら。ところが、善と悪を区別する境界線は各人の心のなかを横ぎっているのであり、一体、だれが自分の心の一部を抹殺することができるだろうか。」

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/07/31(3792日経過)
記録初日
2015/07/21(3802日経過)
読んだ本
1547冊(1日平均0.41冊)
読んだページ
535940ページ(1日平均140ページ)
感想・レビュー
1543件(投稿率99.7%)
本棚
9棚
性別
血液型
B型
自己紹介

読む本を選ぶときに、こちらの感想を参考にすることが多かったので、私の感想もだれかの本選びの一助になればと登録しました。多分外国文学が多いです。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう