タイトルや書きだしなどで本の内容を考える。少ないヒントから物語が生み出される。いや、復元される流れが面白い。又吉さんの言葉だけの場合とヨシタケさんのイラストを交えて文章のどちらにも違った魅力があり両方楽しめるのが良い。また、自分の中でどんな内容の本か考えるのも面白いと思う。

ＡＩ同士の仮想裁判や子供たちが小惑星衝突の危機を自分たちの知識を持ち合わせて回避しようとする物語。超能力やＡＲを扱った作品など多種多様なＳＦ作品が凝縮されている一冊。普段ＳＦを読まない人でも数多ある作品の中からお気に入りの作品や作家さんを見つけられるかもしれない。 特に気になったのは「回樹」という作品。愛というものを確かめたかったからと言うが、初露に対する愛は揺るがないものだったと思う。最初から答えは分かっていたのかもしれない。愛という目に見えないものを可視化するという表現も面白い。

毎日を過ごす中で当たり前だと思っていたことに違和感を感じる瞬間。よく考えてみるとおかしいと思えてくる出来事の数々。そんなよくわからないものを見つめ直して自分なりの考え方で向き合い語ってくれる本書。自分は「幸福な時限爆弾」をいくつ仕掛けられるだろうかとか、「この世は、さびしさでまわっている」を読んでそうかもしれないと頷いている自分がいたりと、色んな自分を発見できたりして面白い。

少女がお爺さんの肩を抱いたときに流した涙は人を想うことで流れる特別な涙だったと思う。そんな少女ならきっと純粋な涙を流す日が訪れるはずだと信じてる。でもたとえ純粋な涙が流れなくても、少女の涙は人のことを想えるとても優しくて美しい涙だから、おじさんが心から涙を流す日が必ずくるはずだ。

普段感じるモヤモヤを文章にしてくれるとそういう事だったのかとちょっとスッキリする。行けたら行くはだいたい来ないやスーパーのレジの進み具合、既読スルーが未読スルーなど思わずわかる～！と言ってしまうほど共感できるものばかり。毎日を生きていくうえで避けては通れないであろうあるあるが多すぎると同時に、世の中の多くの人もみんなこんなモヤモヤを感じているんだと思うとちょっと安心。

タイトルや書きだしなどで本の内容を考える。少ないヒントから物語が生み出される。いや、復元される流れが面白い。又吉さんの言葉だけの場合とヨシタケさんのイラストを交えて文章のどちらにも違った魅力があり両方楽しめるのが良い。また、自分の中でどんな内容の本か考えるのも面白いと思う。