理瀬シリーズのスピンオフ。既読のものもあったけど、この世界観は何度読んでもクセになります。本編の合間の語られていなかった物語の数々。本編合わせて時系列順に並べ直して再読したくなりますね！

目覚めた瞬間忘れてしまう派な自分からしてみたら、結衣子の夢はあまりにも辛い。結局これは夢だったのか、現実なのか？恩田さんらしい不思議な読後感でした。夢を映像化し記録した夢札がこの物語の重要な部分を占めているわけですが、リスクとか費用とか諸々抜きにしても自分は引きたくないかも。

猫に触れられたら猫になってしまうニャンデミックが発生した世界。猫から逃げ惑いながらも、猫への優しさは忘れない。出てくる人々は皆猫好きな良い人達なのです。それゆえ猫を心のままに可愛がれないこの状況はかなり深刻。果たして再び猫と暮らせる日が戻ってくるのか！？5巻まででているようなので、今後も追いかけて行きたいです！

凄く面白かった！終末の世界で起きた殺人事件って、まず設定が凄い！放っておいても2ヶ月後には皆死ぬのに何故今更殺すのか？そしてなぜ犯人を探すのか？死が間近に迫った中、淡々と進む日常と犯人探しに目が離せなくなりました。九州の地理に詳しいとより楽しめそう。

犯罪者御用達、なんて凄いホテルなんだ！犯罪者だらけなのにきちんと機能しているのは独自のルールとホテル探偵の存在のおかげ。とはいえ犯罪ゼロとはいかず、数々の事件が。物騒さもあるけれど、探偵の鮮やかな推理が面白い。

前作、すっかり忘れてたけど北斗って…あれ？蜘蛛とか比丘尼とか干上がったダムとか、雰囲気満載でホラーだと思っていたら、まさかのミステリ？言われてみればなるほどだけど、違和感は全く気づかなかったです。にしても北斗が探偵役とか…。

時代的なものなのかもしれないけど、出てくる人皆が捨て身すぎる！獣の圧倒的なパワーの前に逃げて欲しいと思う反面、一矢報いて欲しい気持ちもあって複雑。文章がちょっと読みにくいかな？と思う部分もあったけどラストに向けてぐいぐい引き込まれてしまいました。

理瀬シリーズのスピンオフ。既読のものもあったけど、この世界観は何度読んでもクセになります。本編の合間の語られていなかった物語の数々。本編合わせて時系列順に並べ直して再読したくなりますね！