映画『キラーオブザフラワームーン』の原作ノンフィクション。映画→原作→映画と３回楽しんだ。ノンフィクションだけれどまるでミステリ小説のような言い回し。細部に渡る圧倒的な取材。読み応えあり。アーネストの孫娘にも取材、まさに史実なのだと実感。

映画『キラーオブザフラワームーン』の原作ノンフィクション。映画→原作→映画と３回楽しんだ。ノンフィクションだけれどまるでミステリ小説のような言い回し。細部に渡る圧倒的な取材。読み応えあり。アーネストの孫娘にも取材、まさに史実なのだと実感。

映画PERFECT DAYSきっかけで手に取った。「木」というタイトルそのままに木だけのエッセイ。天晴れ。興味深く読んだのは屋久杉の話。樹齢7,200年の縄文杉が発見されたのは意外にも昭和44年。あのような巨木が人目に触れることなく長くいたという驚き。著者は息も絶え絶え最後は同行者におぶってもらい辿り着いたらしく、恐ろしいくらいの執念だな。

生まれながらに赤アザのある著者。顔などに病気を抱える人たちの団体「ユニークフェイス」を運営している。ユニークとは固有のという意だ。幼少期のいじめ、就職や結婚での差別、街中でジロジロ視線を感じたり。最近読んだ屠場で働く人々のこと、先日訪問したハンセン病資料館で感じたこと、差別について考えることが多い。

『山と渓谷』元編集長による山のエッセイ。高校時代に山登りを始め、沢登りに傾倒し、写真も撮る。陣馬、奥多摩あたりは行ったことがあるので身近に感じられた。奄美群島の与路を訪れ、山から島へスイッチしていく最後の章は何となく共感できた。

以前、芝浦の屠場で働いていた職員の方の著書を読んだが、本書はライター自身が屠場で働いた。取材にしては随分長く7年余りも通った。女性のライターなので体力差もあるだろう。屠場のことを語るにはやはり差別について避けては通れない。子供の社会科見学に築地市場の見学はする、野菜や魚はいいけど肉はダメなのだ。被差別部落のことを口にしてはいけないという人もいる。私は屠場で働く人たちは矜持があると思う。

『スパイスと減塩とオレ』の記事でカスリメティという聞きなれない言葉を知る。読むとバターチキンカレーの香りづけに欠かせないスパイスとのこと。クミンやカルダモン、コリアンダーあたりは使ったことがあったけれど、カスリメティはほんとに初耳で、スパイスの名称だということも想像できなかった。ここではピラフや香草パン粉焼き、ポテトサラダに使われている。