行き場のない女性や子どもを保護する施設的なところから逃げ出した女性。そこで行われていたこと、求められていたこと、イヤな感じ。非常識なことを当たり前のように求める人たちの神経が気持ち悪かった。

定年まで残すところ10年のベテラン刑事岩倉。南大田署に配属された直後、管内て独居老人が殺させる。さらに、新聞記者の自殺が発覚し、嫌な予感がした岩倉は自殺の動機を調べだす。常に周りを俯瞰してみているような岩倉が、何かすごいひらめきで事件を解決していくような書き方だった。しかし、岩倉の妻子とは別居中で20歳年下の舞台女優の恋人がいる設定はすごく小説的すぎてしらける。

報道番組記者で、スクープを連発しつつも飄々とした雰囲気の布施。未解決事件を担当する警視庁の黒田。異色のコンビで女子学生猟奇殺人事件の真相に迫る。布施と黒田の年齢がイマイチわからず、映像的な人物像がぼやっとしてたけど、面白かった。さすが今野敏さん、サクサク読めた。池上彰さんの解説も良かった。

なんとなく図書館で選んだ本。7件の自動車事故の真相を損害保険査定員・滋野が原因調査で暴いていく。どの話も微妙にいやな感じで終わるところが良かった。短編集っぽいけど、ラストの話で繋がりが感じる仕掛けも◯。

前作はイマイチだったけど、これはまあまあ面白かった。第一部の設定が無人島のコテージに集まった男女。外部との連絡手段がないなか、次々と殺されていく…って、面白くないわけない。推理がクドい！ってとこがあったけど、概ね◯。第二部は大阪で起こった連続殺人。第一部との接点が出てくるんだけど、なんか上手く繋がりすぎな気がして強引な感じがした。

行き場のない女性や子どもを保護する施設的なところから逃げ出した女性。そこで行われていたこと、求められていたこと、イヤな感じ。非常識なことを当たり前のように求める人たちの神経が気持ち悪かった。

妊娠出産不妊の短編集。今回は男性不妊もあり、女性だけの問題ではない話があって良かった。結局、タイムリミットがあるからこの問題はここまで切迫感を持つんだよね。

妹の子ども・朔と暮らすことになった椿。まわりの子どもたちより何でも遅れがちな朔に対し、複雑な心境になったり、我が子ではないということに葛藤があったり、椿の気持ちが丁寧に描かれていて良かった。はっきりものを言う椿の性格も良かった。

精神科医・南川藍子の前にあらわれた3人の男たち。あるものを見ると殺人衝動にかられるプロ野球選手、制服姿の女性に異常な興奮を覚える連続殺人犯、捜査時の負傷が原因で右脳と左脳で別の人格を持つ刑事。医学的な話も結構わかりやすく、丸岡医師の実験場面は面白く、随分昔に出版された本だけど、面白かった。

出産をめぐる連作短編集。【①独身夫婦②拡張家族③海外受精】子どもを持つかどうかで離婚する夫婦、女性同士のカップル、44歳で子どもを持ちたい女性の話。結婚＝出産なのか、出産リミットの焦りなど、自分にも当てはまる内容だったから、興味深く読んだ。

国立大学の臨床検査技師で法医解剖技官の梨木楓。上司の今宮貴継と異状死体の死因究明(検屍、解剖、検察)を行いつつ、今宮が事件の考察をする話。【①恙なき遺体②誰そ彼の殺人③蓮池浄土④安楽椅子探偵、今宮貴継】検屍、解剖シーンが多く、警察が主人公のミステリーと趣が違ってて面白かった。解剖ってこんなにバラバラにされているんだなぁと勉強になった。